ルアー

一誠「沈み蟲」 | フォールやドリフトで細かく蠢く高比重ワーム!!

一誠(issei) 沈み蟲 シズミムシ 沈み虫

一誠(issei)は、遊びの天才・村上晴彦さんが率いるルアーメーカー。村上晴彦さんは、「常吉リグ(ダウンショットリグ)」や「ネコリグ(根こそぎリグ)」を世界に広めた事でも知られています。

issei=「I search for sincere and extreme inspiration.」
(私達は誠実にどこまでもインスピレーションを探索します)
というメーカー名の由来通り、奇想天外でどこか風変わりなルアーを多数ラインナップ。いずれも見た目や名前のエキセントリックさ以上に、高い評価と確かな実績を発揮しているルアーです。

事実、村上晴彦さんのファンでない方でも、最近「一誠」の名前を聞く事が多くなったのではないでしょうか。
中でも、高比重ワーム「沈み蟲(シズミムシ)」は、メジャーフィールドでも安定した釣果で評価の高いルアー。村上晴彦さんを知らない方でも気になるアイテムですよね。
本記事では、そんな最近注目のルアー「沈み蟲(シズミムシ)」を紹介します。

沈み蟲 | 特徴、性能・スペック

公式サイト

一誠(issei) 沈み蟲 シズミムシ 沈み虫

沈み蟲(シズミムシ)は、オートマチックに細かく揺れ動く脚が三対付いたイモ虫系ボディのワーム。タフコンディションでも喰わせ能力が高い虫系ルアーを高比重ワーム化し、岸釣り・オカッパリで強力な味方となる遠投性能を備えた”頼れるアイテム”です。
動きの無い水域をフォールさせるだけでナチュラルに誘え、流れに乗せてドリフトさせても効果的。バックスライドセッティングが基本なので、カバーに撃ち込む用途にも使える汎用性も魅力ですね。

サイズ、重さ・重量、推奨フックサイズ

沈み蟲の特徴、性能・スペックは次の通り。サイズ別ラインナップ、重さ・重量、それぞれに合うフックサイズ、用途や使い分けを紹介します。

沈み蟲 の性能・スペック
サイズ 自重 推奨フックサイズ 入数 価格(税別)
1.8インチ 約3g マルチオフセットフック #2 8 750円
2.2インチ 約6g マルチオフセットフック #1~#1/0 7 750円
2.6インチ 約10g マルチオフセットフック #2/0~#4/0 5 800円
3.2インチ 約18g マルチオフセットフック #6/0 5 850円
沈み蟲1.8インチ | 自重約3g、推奨フック:マルチオフセットフック #2

プレッシャーの高いクリアウォーターや低水温期に最適。主にスピニングタックルを使用して、じっくりと結果を出したい場合にいいですね。

沈み蟲2.2インチ | 自重約6g、推奨フック:マルチオフセットフック #1~#1/0

プレッシャーが高めの野池など、場所を選ばず活躍してくれる定番サイズ。スピニングだけではなく、ベイトフィネスや軽量ルアー対応力が増している最近のベイトタックルでも扱いやすい重さです。
まずは1匹釣っておきたい...という場合にいいですね。

沈み蟲2.6インチ | 自重約10g、推奨フック:マルチオフセットフック #2/0~#4/0

カバーやウィードエリアからサイズアップしたバスをゲットしたい場合に最適。ベイトタックルで十分扱えるサイズ感です。

沈み蟲3.2インチ | 自重約18g、推奨フック:マルチオフセットフック #6/0

岸際のゴミ溜まりや沈木周り等、ヘビーカバーの中から大型バスを引きずり出したい場合に。オカッパリで遠投が必要な大規模フィールドにも最適です。
MH以上のベイトタックルで使用するのがいいですね。

沈み蟲の特徴

沈み蟲は、塩をふんだんに含んだ高比重のソフトマテリアルを採用。形状デザイン的にも細かな工夫が施されていて、水中で安定した姿勢を保ちつつ、小さな三対の脚が絶妙なアクションを演出します。

形状の特徴 | 高比重な流線型ボディ

一誠(issei) 沈み蟲 シズミムシ 沈み虫

沈み蟲は、イモムシ系の高比重なコンパクト形状。横から見た時に流線型になっている形状が特徴的です。
通常のワームであれば、太い頭側からフックをセットする事が多いですが、沈み蟲の特性を最大限に発揮できるのはバックスライドセッティングですね。
ボディの細い方を頭とし、そこからオフセットフックを装着。ボディの太い側にネイルシンカーを埋め込む事で、フォール時にスムーズなバックスライドアクションを実現します。

特筆すべきポイントは、横から見た時のボディ上側と下側で形状が異なる点。横から見て、足があるラインより上が平べったく薄くなっているのが「上側」、ポコッと飛び出して厚みがある(断面状に見ると逆三角状)が「下側」です。
平べったい方へとフックを刺したくなりますが、厚みがあって重心が重くなる方を下側とし、フックをそちら側に通す方が、自然なフォールカーブを演出してくれます。

一誠(issei) 沈み蟲 シズミムシ 沈み虫  フックの向き

出典:issei一誠

沈み蟲 | おすすめリグ、使い方

沈み蟲は、高比重でシンキングタイプのワームですが、晩春から秋にかけて効果的な虫パターン用としても使用できます。
フローティングタイプとはまた異なる反応を期待できますね。
加えてボトムまで沈む特性は、エビ・ザリガニを模した展開も可能で、通年使えるワームと言えますね。

バックスライドリグ

ボディの細い側を頭として、オフセットフックをセットするバックスライドセッティングが沈み蟲の基本。着水後、ワームがより奥へとスライドするので、カバーの奥側を攻略しやすい特性です。

フックは、横から見て真っすぐにセットするか、気持ちワームの尻が上がり目になるようにセッティングするのがいいですね。
フックポイントをリブに薄く差し込む事によって、カバー攻めでの根掛かり回避性能もアップします。

フックの装着方法

一誠(issei) 沈み蟲 シズミムシ 沈み虫  フックの向き

▲上側が平たく、下側へ逆三角形に飛び出している形状

流線型な形状が特徴の沈み蟲。横から見てポコッと飛び出している方を下側とし、オフセットフックを装着してください。
ボディの重心が寄っているので、フックの重さと相まって、絶妙なフォールバランスを可能としてくれます。

ネイルシンカー装着方法

一誠(issei) 沈み蟲 シズミムシ 沈み虫  ネイルシンカー

▲ネイルシンカーを浅く差すと垂直にフォールしやすい。適度に埋め込むことで、キレイにバックスライドする。埋め込みすぎると逆効果なので注意。 出典:issei一誠

ネイルシンカーは、尻尾の中央よりまっすぐに挿すのではなく、下側(腹側)のラインに沿って前方へやや下向きに(低重心に)なるように挿し込みます。
ネイルシンカーが飛び出るくらいに浅めに刺すと、尻側に重心が寄るので、ワームが垂直にフォールしやすくなる傾向。キレイにバックスライドさせたい場合は、ワームにシンカーを埋め込む程度に深めに刺した方が良いようです。
あまり深く差しすぎると、ワームの中心に重心が寄りすぎ、水平フォール気味にも。
シチュエーションに合ったセッティングを試してみてください。
キャスト前に足元で動きを確認するのがいいですね。

ノーシンカーリグ

一誠(issei) 沈み蟲 シズミムシ 沈み虫  バックスライド

ネイルシンカーを使用しない完全ノーシンカーもおすすめ。
バックスライド効果は弱くなりますが、小さな足をプルプルと小刻みに震えさせながら、水平に近いゆっくりとしたフォールが効果的です。
次のようなシチュエーションで特に活躍しますね。

  • 晩春以降「虫パターン」を意識する時期、湖岸に木がせり出したオーバーハングの下にアプローチ。よりカバー奥まで潜行させたいときは、バックスライドセッティングにチェンジ。
  • 夏場の高水温期の橋脚や桟橋等の縦ストラクチャーを、ゆっくりフォールさせてサスペンドしたバスに口を使わせたい時。
  • 秋~冬にかけてのセオリーはボトムをゆっくりとズル引き。そのセオリーが通用しない日には、あえて岸際のアシ・倒木・テトラ周りや、増水時の沈んだ枝周り等のシャローカバーなどに潜む高活性なバスをフォーリングで狙います。
    低水温下でも、シャローレンジをゆっくりとフォールさせる事で、ヤル気があるデカバスのバイトが集中する時も!

ノーシンカーリグは、ラインにテンションをかけず、極力フリーなフォールをさせる事が重要です。
とはいえ、出て行くはずのラインが急に止まったり、横に走ったりというライン変化でアタリを感じる事になるので、ラインスラックを過剰に出しすぎるのも禁物。おかしい..と違和感を感じたら、即アワセが効く程度にラインを緩めた状態でフォールしてみてください。

トップウォーター的な使用方法

沈み蟲は、トップウォーター的な使用も効果的です。
キャストしてワームが着水したら、すぐにロッドティップを上に向けた状態を保ち、「チョンチョン」とシェイクさせながらリーリング。ワームが沈ませない様に水面にキープさせるイメージで、アクションを加えつつ、ゆっくりと手前に引いてきます。

沈み蟲 | カラーバリエーション

沈み蟲のカラーバリエーション・色ラインナップをサイズ毎に紹介します。

沈み蟲1.8インチ | 全11色

#07 グリーンパンプキン(全サイズ共通)
#10 グリパン/チャート(全サイズ共通)
#12 活エビ(全サイズ共通)
#20 オリーブメロン(全サイズ共通)
#22 リザーバーベイト(1.8インチ独自カラー)
#31 グリパンブルーフレーク(全サイズ共通)
#33 スカッパノン(全サイズ共通)
#35 スパイシーパンプキン
#50 ムラカミスペシャル(全サイズ共通)
#56 シナモンブルーフレーク
#61 エビミソスパイシー(全サイズ共通)

沈み蟲2.2インチ | 全14色

#07 グリーンパンプキン(全サイズ共通)
#10 グリパン/チャート(全サイズ共通)
#12 活エビ(全サイズ共通)
#20 オリーブメロン(全サイズ共通)
#21 ヨシノボリ
#25 レインボーパンプキン(2.2インチ独自カラー)
#29 ブラックレッドフレーク(2.2インチ独自カラー)
#31 グリパンブルーフレーク(全サイズ共通)
#33 スカッパノン(全サイズ共通)
#35 スパイシーパンプキン
#50 ムラカミスペシャル(全サイズ共通)
#55 ウォーターメロンブルーフレーク
#56 シナモンブルーフレーク
#61 エビミソスパイシー(全サイズ共通)

沈み蟲2.6インチ | 全11色

#07 グリーンパンプキン(全サイズ共通)
#10 グリパン/チャート(全サイズ共通)
#12 活エビ(全サイズ共通)
#20 オリーブメロン(全サイズ共通)
#21 ヨシノボリ
#31 グリパンブルーフレーク(全サイズ共通)
#33 スカッパノン(全サイズ共通)
#50 ムラカミスペシャル(全サイズ共通)
#55 ウォーターメロンブルーフレーク
#56 シナモンブルーフレーク
#61 エビミソスパイシー(全サイズ共通)

沈み蟲3.2インチ | 全9色

#07 グリーンパンプキン(全サイズ共通)
#10 グリパン/チャート(全サイズ共通)
#12 活エビ(全サイズ共通)
#20 オリーブメロン(全サイズ共通)
#21 ヨシノボリ
#31 グリパンブルーフレーク(全サイズ共通)
#33 スカッパノン(全サイズ共通)
#50 ムラカミスペシャル(全サイズ共通)
#61 エビミソスパイシー(全サイズ共通)

沈み蟲 | おすすめの色・カラー

定番のオールラウンダーは、全サイズにラインナップされている「#07 グリーンパンプキン」「#10 グリパン/チャート」「#20 オリーブメロン」「#31 グリパンブルーフレーク」ですね。
加えて、一誠の独特なカラー「#12 活エビ」「#50 ムラカミスペシャル」も定番。迷った時は、この中から選べば間違いなさそうです。

クリアレイクでのハイプレッシャー下で有効なのが、1.8インチの「#22 リザーバーベイト」や、3.2インチ以外でラインナップされている「#56 シナモンブルーフレーク」です。

マッディーウォーターでは、全サイズ展開の「#21 ヨシノボリ」「#33 スカッパノン」「#61 エビミソスパイシー」、3.2インチ以外で用意されている「#35 スパイシーパンプキン」、2.2インチサイズの「#29 ブラックレッドフレーク」といった、水中でのコントラストの高いカラーが効果的です。

使用感、インプレ、おすすめタックル

沈み蟲は、コンパクトな流線型のボディ形状であり、塩の含有量が多い高比重素材なので、飛距離を出しやすいワームです。
ルアー後方に重心があり、風のある日でも狙いたいスポットに投げやすい特性。バス釣り初心者の方でも、ピンポイントを狙いやすいワームだと思いました。

扱いやすいワームなので、特別なタックルも必要ありません。
強いて言えば、カバーを的確に狙って攻めやすいので、いつもより気持ち太いラインや、パワーがあるロッドを選んだ方が、チャンスをモノにする確率がアップします。

サイズ毎のおすすめタックルは次の通り。適したロッドやリールも紹介しておきます。
いずれも遠投性を重視するので長めのロッドを推奨していますが、足場周りに障害物が少ない場所での使用を想定。周りに木が密集している様な場所や、近距離のカバーが多い釣り場では、6ft前半の短めなロッドを使用した方が手返しがいい場合もありますね。
多少ロッドが短くても、遠投しやすいのが沈み蟲のメリットです。

沈み蟲1.8インチに合うタックル

ロッド:スピニングロッド UL~Lクラス
リール:バーサタイルなスピニングリール2500番台
シンカー:ネイルシンカー0.9g以下
ライン:フロロ4~5lb

沈み蟲2.2インチに合うタックル

ロッド:スピニングロッド L~MLクラス
リール:バーサタイルなスピニングリール2500番台
シンカー:ネイルシンカー0.9gがベスト(飛距離を伸ばしたい時や、風のある日、深めのレンジ狙いの場合は、1.3g~2.2gも選択)
ライン:PE0.8号に、リーダーはフロロ8lb

また、L~Mクラスのベイトフィネスロッドと専用リールの組み合わせもいいですね。
ネイルシンカー1.3g(手返し良く、根掛かりしないウェイト)、ラインはフロロ8~12lbを基準とします。

ベイトフィネス専用タックルの敷居が高いと感じる方であれば、ML~Mクラスのロッドとバーサタイルベイトリールでも使用可能。最近のリールは軽めのルアーへの対応力が上がっているので、沈み蟲の自重があれば十分扱えます。

沈み蟲2.6インチに合うタックル

ロッド:ベイトロッド M~MHクラス
リール:バーサタイルなベイトリール
シンカー:ネイルシンカー1.3g~2.2g
ライン:フロロ10~16lb

※ライン16lb使用時の推奨フックは、マルチオフセットの#4/0がおすすめ。10~12lb使用時のフックは、多少小さめだが#1/0~2/0のフックで。

沈み蟲3.2インチに合うタックル

ロッド:ベイトロッド MH~Hクラス
リール:バーサタイルなベイトリール
シンカー:ネイルシンカー0.9から2.2g(ワームの自重は18gと充分あるので、軽めのネイルシンカーでも調整しやすいですね)
ライン:フロロ14~20lb

まとめ

最初に「沈み蟲」を見た時、「本当にこんなルアーで本当に釣れるの?」と感じました。
イモ虫型のずんぐりむっくりなボディに、アンバランスな程小さい脚が無数に付いている独特な形状。「そのまんまやんっ!」と思えるネーミングも、キャッチーで意表を付いています。

ですが、実際に使ってみると、確かに釣れる!
村上晴彦さんのファンであれば十分承知していると思いますが、随所まで考え込まれたデザインのルアーです。
オカッパリでの遠投性、カバーへバックスライドさせやすい形状、オートマチックに細かく振動する脚など、魚を釣る為に必要なギミックを集結した形状こそが「沈み蟲」の独特なフォルム。確かな実釣性能はもちろん、「これでバスが釣れたら面白い!」と思わせてくれるネーミングや形状デザインも、村上晴彦さんならではと言えるのではないでしょうか。

キャストしやすく、特別なアクション操作が無くても釣れてしまう、入門者からベテランまで万人が楽しめるアイテム。試したことが無い方は、まずは定番の2.2インチか、やや大きめな2.6インチサイズから挑戦してみる事をおすすめします。

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