2021年9月、ゲーリーヤマモトから喰わせの決定版とも言えるソフトベイト「ヤマミミズ」がリリースされました。
ヤマミミズは、頭からテールまで太さが変わらないノンテーパーワーム。一見すると何の変哲も無い形状ですが、非常に細身に仕上げられているボディは、様々なリグにおいて加えたアクションが、頭からテールまでロールしながらしっかりと伝わります。
ネコリグ、ダウンショットワッキー、ノーシンカー、ジグヘッドなど、どうしても喰わせたいフィネスな場面で活躍してくれそうですね。
また、食わせ重視な超フィネスは、操作が繊細で扱い難いイメージがありますが、ヤマミミズは性能と使い勝手のバランスが絶妙だと感じました。
ラージマウスバスだけでなく、スモールマウスバスにも効果的なワーム「ゲーリーヤマモト ヤマミミズ」の魅力や特徴、使い方などを紹介します。
ヤマミミズ | スペックと特徴
公式サイト▲3.5インチというコンパクトさながら、非常に細身のボディで長さによるアクション性能を実現。適度なハリがあるボディは操作時の手応えも十分。
ヤマミミズは、先端からテール近くまでテーパーがないノンテーパータイプのストレートワーム。いかにもミミズを連想させるボディ形状です。
“超生命体マテリアル”という謳い文句にある通り、あえて複雑な形状やギミックを採用せず、小型・細身に仕上げる事でバスへの喰わせ能力を追求したワームと言えそうですね。
バス釣り初期の時代、ほとんどのワームはミミズを連想させる形状でしたが、水中でのアクションは小魚をイメージしている場合も多かったようです。
もちろん、バスはミミズも大好物。雨が降った後の流れ込みにはミミズがクネクネと流されていて、バスが一目散に駆け寄りバイトする事も。
そうしたワームの原点とも言える形状を、現代にリファインしたルアーが「ヤマミミズ」なのではないでしょうか。
「3.5″YAMAMIMIZU(ヤマミミズ)」の主な性能・スペックは以下の通り。次以降の項で、各スペックのメリットや特徴を詳しく紹介します。
マテリアル:ハーフソルティ
全長:3.5インチ
自重:約 1.6 g
カラー:全12色
入数:8本
ヤマミミズ | 形状デザインと素材
▲ヤマミミズの断面。断面の片側に塩の粒が集中している
ヤマミミズは、頭からテールにかけてのボディの太さがほぼ同一な「ノンテーパーワーム」。加えて、「ハーフソルティ素材」を採用しています。
ノンテーパーな形状は、ワームの両端に水の抵抗を大きく受けるため、フォール時のアクションが大きく、サスペンド状態や着底後のシェイク時など、アクションによる左右の振れ幅がダイレクトに伝わりやすい特性。
ネコリグやダウンショットワッキーなどで使用したときに、フックをかけた位置に加えたアクションが、頭とテールまでロールしながらしっかり伝わる様は、プロデュースした小森嗣彦さん命名の「ストローシェイク」そのものと言えますね。
「ハーフソルティ素材」は、塩を含まないノンソルトと、塩を含む素材を組み合わせたマテリアル。比重の軽い素材と重い素材を組み合わせる事で、ロールしながらアクション姿勢をより安定したものにしてくれそうです。
また、ヤマミミズの細めなシルエットを、ソルト含有率が非常に高い通常のゲーリー素材のままで作成した場合、柔らかさゆえにキャスト切れもし易く、ラインにも絡みやすいといった扱いにくいワームとなってしまった懸念も。
「ハーフソルティマテリアル」は、完全ソルトなボディより腰が強く、ワーム全体のハリも強くなるので、キャストしやすく、フォーリングやシェイク時に機敏なアクションを見せてくれます。
ヤマミミズ | サイズ
ヤマミミズのサイズは3.5インチ。現時点では1サイズのみの展開です。
1パックに8本入っているので必要十分な本数。多すぎる本数でも無いので、カラーバリエーションを適度に揃えやすいボリュームではないでしょうか。
今までゲーリーヤマモトのスリムなストレートワームには、ヤマセンコーシリーズの「プロセンコー」や「カリフォルニアロール」といったラインナップがありました。
ただこれらは、いずれも5インチをメインとした展開。新製品となる「ヤマミミズ」は、従来より小型で細身の3.5インチサイズです。
既存製品より大幅にサイズダウンし、しかも細身に仕上げた事で、国内レイクでバスが捕食する小型なベイトフィッシュにも程良くマッチします。
細身でノンテーパーなボディは意外とアピールも強く、タフった時のピンポイント攻略に欠かせないアイテムとなりそうですね。
重さ・重量、自重
ヤマミミズの自重は約1.6gです。
ハーフソルティなので一般的なゲーリーワーム程の高比重ではありませんが、そもそも塩を多く含んでいるのがゲーリー素材。なので、小型なサイズとハーフソルティマテリアルなワームにしては充分なウェイトを感じます。
極端に超フィネスな専用タックルでなくても、通常のライトリグを扱うスピニングタックルで十分に投げやすく、オカッパリでもボートでも狙ったポイントにタイトに送り込むことができますね。
ヤマミミズに合う推奨フック
ヤマミミズをネコリグ、ワッキー、ダウンショットワッキーなど、マス針で使用する場合、#5~#4あたりのフックサイズが基準に。
ただマスバリの場合、リグによってより突き詰めたセッティングが望ましいので、フックサイズや種類を含めた詳細は、後述するおすすめリグ毎に紹介します。
ジグヘッドリグやジグヘッドワッキーの場合、1/32サイズ~1/8oz.のウェイトでフックサイズ#2あたりのジグヘッドが合いそうですね。
キャロライナリグ(ライトキャロ)、軽めのフリーリグなどで使用する場合、#4~#2のオフセットフックが推奨です。
根がかりが多い場所でのダウンショットやノーシンカーもオフセットフックが使いやすいですね。
ヤマミミズ | 使い方、おすすめリグ
ヤマミミズの「ノンテーパー形状」や「ハーフソルティ素材」は、ネコリグやワッキーでの使用に最適。ワームのセンター寄りにマスバリをセットする形がヤマミミズの特徴を最も引き出してくれますね。
勿論、シンプルな形状にベストバランスが追求されているので、それ以外の様々なリグでも効果的。ヤマミミズは、喰わせ性能を重視したデザイン設計なので、次のようなシーンで特に重宝します。
- 釣り人が多く、思うようなポイント移動ができない場合など、1つのスポットをじっくりと攻めたい時。
- 晩春から初夏にかけてのアフタースポーン時、バスがストラクチャーへタイトに潜んでいる時。
- 晩秋~初春にかけて水温低下が激しい時。
- ナーバスで、なかなか口を使わないバスを1点でシェイクさせて何とかバイトに持ち込みたい時。
とにかく手詰まりに感じた時、次に紹介する様々なリグでアプローチしてみてください。
タフでハイプレッシャーな状況でこそ、ヤマミミズにしかできないキラーパターンが見るかるかもしれません。
ネコリグ
▲ワームチューブに縦刺ししたマスバリ。チューブに引っ掛ける使い方が多いですが、自分はチューブを挟んで若干ワームのボディに針を通しています。
ヤマミミズは、ネコリグ用に開発されたワームと言っても過言ではありません。
魚を根こそぎ釣り上げる..といった意味もある効果的なリグを、シンプルなワーム形状が最適の演出を可能とします。
ヤマミミズは細長いシルエットで、ハーフソルティとはいえ塩を含有していて比重が高めです。そのため、キャスト時のワーム切れを防ぐためにも、ワームチューブの使用がおすすめ。チューブの太さは直径3mm~4mmが基準。長さを5mmくらいにカットしてワームに通して使います。
チューブをボディの頭から3分の1くらいの所へセットし、そこにマス針を縦刺しするのがネコリグのセッティング。
スピニングタックルを用いる前提で、ラインはフロロカーボンライン3lbあたりがベスト。繊細なラインほどワームの動きがナチュラルになり、ナーバスなバスに口を使わせやすくなります。
ただ、ラインブレイクの危険性が高まり、トラブルも多くなるので、最初は4lb程度のラインが安定的に扱いやすいですね。
使用するフックはマス針で、ヤマミミズをプロデュースした小森嗣彦さんの推奨は「エンジン スーペリオ・MⅡフック」の#8。フックにワームのズレ防止のケンが付いていますので、カバーネコ的なスナッグレスセッティングにも兼用できるのが嬉しいところです。
他のフックであれば、「リューギ フォグショット」の#5もベスト。スナッグレスセッティングのカバーネコであれば、「ハヤブサ NSSフック」や「エンジン CNフック」のサイズ#2が選択肢に。
ネイルシンカーは、0.9g(1/32oz)を基準に選択し、ヘッド部分に挿入してください。
細身のワームなので、小粒なタングステン素材がおすすめです。
ワッキーリグ
ワッキーリグの場合、ボディのほぼ中央部分に「エンジン スーペリオ・MⅡフック」の#8をセット。ネコリグ同様、ワームチューブ(ワッキーチューブ)を使用してください。
ネコリグの場合とは異なり、ワームの横からチューブ越しにフックを刺し込みます。
サイズ感の割に重量があるヤマミミズですが、シンカー無しのワッキーリグはかなり繊細なタックルセッティングが必要。通常のライトリグ用タックルで使用するのであれば、次項で紹介するダウンショットによるワッキーリグがおすすめです。
ダウンショットリグ(ダウンショットワッキーリグ)
前述のワッキーリグをダウンショットにして使用します。
シンカーは、樹脂コーティングされて光沢がなく目立ちにくく、バスにワームをより強くアピールできる「ザップ タングステン ダウンショット」を推奨。ディープを狙う場合は感度と沈下速度重視して、光沢のある純タングステンの「エンジン スタジオ100 タングステン ドロップショットシンカー」を使い分けると良いですね。
いずれも3/32~1/8ozを、状況に合わせて選択してください。
シンカーまでのリーダーの長さは15cmを目安にして、水質に応じて長さを調整します。クリアであれば長めにとって、濁っているなら5cmほど迄短くすることがあります。
ジグヘッドリグ(ジグヘッドワッキー)
▲ヤマミミズはジグヘッドワッキーとも高相性
細身でシェイクを得意とするその形状は、ジグヘッドに装着したスイミングにも適しています。
ワームにある程度自重があるので、表層や中層には1/32~1/16oz.のウェイトの軽いものを選ぶのがいいですね。
フックサイズは#2~#1がおすすめ。
また、ヤマミミズはジグヘッドワッキーにも相性抜群です。
キャロライナリグ(ライトキャロ)、フリーリグ、ゼロダン
▲フリーリグのセッティング例。根がかり多発地帯であれば、オフセットフックによるダウンショットも試してみる価値アリ!
喰いの悪い際には、キャロライナリグ、フリーリグ、ゼロダンにもヤマミミズがおすすめ。急激に水温が下がった際は、オフセットフックをセットし、こうしたリグをディープエリアに投入します。
根がかりが多いエリアなら、オフセットフックを使ったダウンショットリグもアリ。
細身でノンテーパーなヤマミミズの形状は、放置した際に水の抵抗を受けて自然で微妙なアクションを演出可能。着底後通常のストップ&ゴーやリフト&フォールでも喰わない場合は、人為的なアクションをあえて行わず、しばらく「放置」するメソッドも効果的ですね。
オフセットフックは#4~#2がベストマッチ。スリムなワームに適した「ハヤブサ T・N・S オフセット ナロー」がバランス的にも最適で、バイト後のバスへの異物感もやわらげつつ、フッキング率を上げてくれます。
ライトキャロ用アイテム
▲ライトキャロはシンカーをフリーにするのが基本。状況に応じて、シンカーロックでシンカーを固定する場合も。
フリーリグ用アイテム
ヤマミミズ | カラーバリエーション
ヤマミミズのカラーは、全12色がラインナップされています。
- 020N/020 ブラックソリッド
- 042N/042 ウォーターメロンソリッド
- 194N/194 ウォーターメロン/ブラックフレーク
- 229N/229 バブルガムピンク
- 297N/297 グリーンパンプキン/ブラックフレーク
- 341N/341 ダークブラウンブルーギル
- 343N/343 ウォーターメロンブルーギル
- 363N/363 グリーンパンプキン/ブルーフレーク
- 390N/390 スカッパノン/ブルーフレーク
- 411N/411 エビミソ
- 985N/985 グリパン/パープルフレーク/チャート/パープルフレーク
- 986N/986 ワカサギ
フィールドや状況に応じてどのカラーもおすすめですが、自分的にはナチュラル系とアピール系で、下記2パターンは最低でも押さえておきたい所ですね。
1箇所で粘っている時やバイトが遠のいた際など、バスの目先を変えるためにカラーチェンジは重要です。
クリアからステインウォーター用におすすめのナチュラル系カラー
- ウォーターメロン
- グリパン
- エビミソ...など
水の色に溶け込みやすいカラーで幅広く使用できる汎用カラーです。
マッディウォーター用におすすめのアピール系カラー
- ブラックソリッド
- バブルガムピンク
- グリパン/パープルフレーク/チャート/パープルフレーク...など
コントラストのはっきりしたカラーで、これらの色は雨後に濁りが入った際や早朝・薄暮にも効きます。
その他のおすすめカラー
ワカサギは水質に関わらず、さまざまな状況でアピールできるのでおすすめ。ダークブラウンブルーギル、スカッパノンといった中間色も、曇天の日やディープレンジを狙う際に効果的なので持っておいて損はありません。
ヤマミミズ | 使用感、おすすめタックル
ヤマミミズは、スリムな割に適度なソルト含有量で自重があり、少々風が吹く日でも比較的キャストしやすいワーム。ネコリグでボトム着底後にアクションさせている時も、小型ワームの中では長さと適度な反発力があるので、リグのポジションがわかりやすく、ボトムの状況把握をしやすいと感じました。
4~5インチクラスのライトリグよりは軽量ですが、超フィネスな領域とも言える小型ワームの中では、多くの人にとって使いやすいデザインだと思います。
ヤマミミズに合うタックル | おすすめのリール、ロッド
ヤマミミズを使用するのに適したタックルセッティングは次の通り。
ロッド:ウルトラライト(UL)~ライト(L)、6フィート後半~7フィート前半のスピニング
ライン:フロロカーボンの3~4lb.ラインを巻いたスピニング用のライトタックル
リール:スピニングの2000~2500番台
オカッパリなどでタックルが限られる場合は、1/4oz.前後のシンカーや小型ラバージグでの使用も想定し、4~5lb.ラインを使用したライト(L)~ミディアムライト(ML)までのスピニングタックルも視野に入ります。
おすすめのロッドは、ソリッドティップで喰わせと繊細な操作が可能な「リベリオン641L/MLXS-ST」、センターカット2ピース「642L/MLXS-ST」。ボートでもオカッパリでも、フィネスを1本で完遂できるパフォーマンスの高いロッドです。
コストパフォーマンス重視であれば、「21ブレイゾンS64L-ST」、センターカット2ピース「21ブレイゾンS64L-2・ST」もおすすめ。21ブレイゾンは非常に使いやすく、十分な実釣性能を持っているロッドなので、扱い難いフィネスなリグにも快適です。
繊細なラインを扱うので、リールはトータル性能が優れたモデルがおすすめ。
超フィネス用途であれば、少しでもボディが軽い「20ルビアス FC LT2000S-XH」が最適です。
フィネスにも使いつつ、軽量ルアーに対するバーサタイル性能も求めるのであれば、「20 ルビアス FC LT2500S」も選択肢に。
まとめ
「ゲーリーヤマモト ヤマミミズ」は、3.5インチの細身な形状で喰わせ性能を高めつつ、超フィネス用としては適度な自重で扱いやすいワーム。ストレートワームなので、サイズ感の割には操作性も良く、水中での自然かつ機敏なアクションでバスにアピールしてくれます。
次のような状況で、特にヤマミミズは効果的と言えますね。
- ハイプレッシャーな日に、よりナチュラルなスローフォールとシェイクで、ピンポイント攻めしたい時
- ハードベイトで攻めた際に、バイトしたが上手くフッキングできなかった時のフォローベイトを投入して喰わせたい時
- アフタースポーン時に、ストラクチャーにタイトに付いているバスを、焦らせて何とか口を使わせたい時
- 前日から急激に水温が低下して、バスの活性が極端に落ちた際、スローな釣りの展開(1点でシェイク&ステイ)をしたい時
..など、困った時にこそ真価を発揮するルアー。ホームグラウンドに合わせたカラーを忍ばせて起き、イザという時のシークレットアイテムとして活用してみてください。
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