2021年、ゲーリーヤマモトから発売された注目の新製品「ヤマタヌキ」。
バスに食わせやすい2.5インチサイズに、岸釣り・オカッパリでの使いやすさを追求した約5.3gの重さ。スピニングフィネスだけでなく、ベイトタックルでも使いやすい設計が嬉しいワームです。
力強くしっかりと水を押す力を持ちつつ、派手なアクションは控えめで繊細なアプローチが可能。季節や場所、シチュエーションを問わずに、さまざまなリグに対応する特性は、正にワームの理想形ではないでしょうか。
本記事では、実際に使ってみたインプレのレビューを交えて、ヤマタヌキの特徴や用途を詳しく紹介します。
※2022年4月に、アップサイジングモデル「デカヤマタヌキ 3.5インチ」もリリースされました。
目次
ヤマタヌキ | スペックと特徴
公式サイトゲーリーヤマモト「ヤマタヌキ」は、丸っこい小粒なボディのワーム。
オカッパリでも使いやすいようにデザインされていて、自重が重く、ノーシンカーやベイトタックルで使いやすい仕様です。
主な性能・スペック
ヤマタヌキの主要スペック・性能は次の通りです。
全長・サイズ
ヤマタヌキのサイズは2.5インチ。
丸っこいボディですが、全体のシルエットが小型でバスに喰わせやすいデザインです。
水底(ボトム)で転がりやすいので、河川など、流れがあるフィールドでのドリフトにもいいですね。
重さ・重量
ヤマタヌキの自重は約5.3g。
代表的な高比重ワーム「4インチグラブ」が約3.5gなので、ノーシンカーでもかなり飛ばしやすい重さです。
ノーシンカー以外のリグでも、フォールの速度が早く、ボトムにしっかりと落ちてくれるので使い勝手が良さそうですね。
ゲーリーマテリアル
ゲーリーヤマモトのソフトベイトが長く愛されている理由は、その素材・マテリアルにあります。
塩を含む含有量が高く、高比重でキャストしやすいボディ。
また、バスが口にした際に長時間離しにくく、アタリが分かりやすいように感じます。
多くの釣り人に高い評価を受け続けている最大の特徴と言えますね。
塩や匂いや味などのフレーバーを含むワームは数多くありますが、ゲーリーのマテリアルは絶妙な感触で完成されているのではないでしょうか。
ルアーメーカーの中には、実際にゲーリーヤマモトのワームと自社製品を噛み比べて開発に反映させる事もあるそうです。
ヤマタヌキの推奨フック
▲オフセットフック(#1/0)装着例
ヤマタヌキのフックは、#1/0サイズのオフセットフックか、マスバリが推奨されています。
#1サイズのフックでも十分にフッキングできたので、針を目立たなくしたい場合に使い分けがおすすめ。
▲マスバリ(#2)装着例
マスバリの場合、#1あたりのサイズが使いやすいですね。
自分の場合、やや小さめになる#2を選択する事が多くなっています。
ワッキー用にゲイブが広いマスバリであれば、#2あたりが使いやすく、フックの存在感を減らしたい場合は #4 までが選択肢に入りました。
フックを差しやすい形状
▲オフセットフックの刺し初め
ヤマタヌキのボディは上下にスリットが入っています。
オフセットの場合、頭から刺したフックをスリット手前から出して、ボディ後方のスリットに位置取りしやすい構造。
スリットには適度な深さがあるので、針先をワーム本体に刺さない場合でも、ある程度のスナッグレス性は期待できます。より根がかりを防ぎたい場合は針先をワーム本体にしっかりと刺して隠すなど、状況に応じた使い分けができますね。
また、上下で同じスリットが入っているので、ワームの頭が痛んでフックがズレてきた場合、逆方向に刺し直せるので便利です。
ヤマタヌキテール
ヤマタヌキ最大の特徴は、名前の由来となったタヌキっぽいイメージのテール。
実際のタヌキとは違いますが、漫画やイラストでのタヌキと言えばこんな感じではないでしょうか。
プルプルと微妙に動くテールは、シャッドテールやカーリーテールに比べると控えめな動き。
ですが、テールが太めで水中に占める割合が高く、しっかりと水を押してくれます。
つまり、強すぎないアクションで繊細に誘いつつも、水を動かす範囲が広いのでバスにルアーを気づかせやすい特性。
バスに対する確かな存在感と、タフな状況でもネチネチ誘える二面性を兼ね備えたルアーと言えますね。
ヤマタヌキ | おすすめリグ
ヤマタヌキは様々なリグで使いやすいワーム。
代表的なリグを紹介します。
テキサスリグ
2021年の春先に新発売されたヤマタヌキ。
その時期、最も釣果を上げたのがテキサスリグではないでしょうか。
ボディの比重が高く、きっちりとボトムに着底しやすいヤマタヌキは、テキサスリグで狙ったブレイクや浚渫沿いをタイトにトレースしやすいと感じました。
自重があるので軽めのシンカーでキャストしやすく、小粒ながら丸っこいボディは、重ためのシンカーで深場を狙った場合でも存在感が十分。自分の場合、5~10gのシンカーでテキサスリグを組むことが多いですね。
サイズの大きなワームを使いたい季節でも、しっかりと存在感を出しつつ、小粒で繊細な誘いをできるのがヤマタヌキ特有のメリットだと感じました。
丸っこいボディは転がりやすいので、ボトムにステイさせておいても、水の流れや地形の微妙な変化でワームが転がりやすく、ナチュラルで絶妙な動きを演出してくれます。
ジカリグ、ゼロダン、パンチショット
▲シンカー止めでスティックシンカーを固定した横着なジカリグ
シンカーをワーム頭部付近に固定するジカリグ・ゼロダンと呼ばれるリグもヤマタヌキ向きだと感じました。
ヤマタヌキは余分なパーツが少ないので、カバーへ撃ち込むパンチショットなどでもすり抜け性能が期待できます。
テキサスリグと大きく異なるポイントは、ボトムでのアクション。
丸っこいボディが自然に転がりやすいテキサスリグと異なり、スティックタイプのシンカーは比較的ステイする場所が固定されます。なので、シンカーを動かさない限りワームが停止しやすく、極力アクションを控えたい季節にもおすすめです。
ノーシンカー
約5.3gと、このサイズでは圧倒的な重さのあるヤマタヌキは、ノーシンカーに最適なワームです。
高比重で使いやすい4インチグラブが約3.5gなので、その重量感はたっぷり。
▲上からカバースキャット2.5インチ、ヤマタヌキ、4インチグラブ
デプスのカバースキャット2.5インチ(約6.6g)と比較しても遜色のない重さで、スピニングタックルは勿論、ライト寄りなベイトタックルでも十分使えます。
ヤマタヌキは特徴的な形状ですが、小刻みにテール部分を揺らしながら、比較的水平にフォールしやすい特性。
ただ、水の流れやロッドアクション次第で頭からスライドフォール気味に落ちる事もあり、イレギュラー寄りなアクションと言えますね。
ピンスポットを水平フォールで狙う..というより、ズル引きや軽いリフト&フォール、着底ステイからのシャクリなどで、水平フォールを含む様々なイレギュラーアクションで広範囲を効率よく探るのに適していると思いました。
こうした特性からも、岸釣り・オカッパリで最適なワームだと言えるのではないでしょうか。
また、本体のバランスが良いので、水面をトゥイッチやジャークでアクションさせたり、ノーカンジに中層をタダ巻きするなど、ノーシンカーで横方向の動きも素早くチェックしやすいソフトベイトです。
フリリグ
▲前述の横着ジカリグから、シンカー止めをスライドさせてフリリグっぽく使用
深場や広範囲を手早くトレースする場合、フリリグが重宝します。
フリリグは、フォール時にワームの動きが自由になるので、ヤマタヌキのテールやボディのアクションを演出しやすいリグ。
着底後にリフトさせたり、シェイクさせる事によって、さらにヤマタヌキが一瞬フリーとなり、絶妙な動きを見せてくれます。
ノーシンカーに比べ、底を取りやすい、手早くボトムをトレースしやすい点などがメリット。
ダウンショット
▲根がかりを回避するスナッグレス性を上げるなら、オフセットフックでのダウンショットもおすすめ。マスバリとはまた異なるアクションを演出できます。
ライトリグ定番のダウンショットでもヤマタヌキは活用できます。
もっと繊細なワームでネチネチと誘う事も多いダウンショットですが、自重のあるヤマタヌキは素早くボトムまでフォールできるのがメリット。
ピンスポットで上下の誘いを素早いフォールでチェックできますよね。
自分の場合、ピンスポットを狙う場合は、5~10cm程度のリーダーで1/16oz~1/8ozシンカーを使っています。
また、30cm程の長めのリーダーで、2.6~7gシンカーによるヘビーダウンショットも使用頻度が高め。フォール時間の短いヤマタヌキは、広い範囲もリフト&フォールで探りやすいのが魅力です。
ライトキャロ
▲やや小さめな#1サイズのオフセットフックによるキャロ装着例。ライトキャロのシンカーは基本フリーで、よりアクションの自由度をアップ。ただ、根がかりしやすいポイントでは、シンカー止めで重りを固定した方が使いやすい場合も。
コロコロと転がりやすいヤマタヌキは、ライトキャロでもバツグンのパフォーマンス。
河川の流れに乗せるドリフトや、ボートでのドラッキングなどで、広範囲をスピーディーにアプローチできます。
ジグヘッド
バランスのよいヤマタヌキは、ジグヘッドでも使い勝手が良いルアールアー。
ノーシンカーやテキサスリグとは異なり、軽やかな動きでウィード上やストラクチャーをトレースしたり、中層のタダ巻きやミドスト的な使い方でも活躍してくれます。
ワーム本体に重さがあるので、中層やボトムを一定速度でトレースしやすいのもメリットですね。
ネコリグ
ファットなヤマタヌキですが、意外とネコリグでも使えるようです。
ストレートワームでリグることが多いネコリグですが、ヤマタヌキのボディを宙釣りにして、テールとボディをチョンチョンと動かして誘えますね。
ストレートワームのフワッとした動きとはまた異なる、ヤマタヌキ独特の動きでピンポイントから広範囲までを誘いやすいリグです。
ヤマタヌキ | カラーバリエーション
出典:GaryYAMAMOTO
2021年に新発売されたヤマタヌキには、定番の色から最新カラーまで様々なバリエーションがラインナップされています。
自分的には、定番のグリパンとクリアウォーター向けにウォーターメロンがあれば、ほとんどの状況を攻略可能。エビミソやスカッパノンといったカラーも万能で、ブラックがあればイザという状況でも重宝します。
COLOR No:020 ブラック(ソリッド)
輪郭がハッキリ出るブラックはマッディ系の基本カラーです。
クリアレイクでも使えない訳ではなく、濁りに強く、シルエットをハッキリと出してラバージグのトレーラーやテキサスで大物狙いにおすすめ。
COLOR No:042 ウォーターメロン(ソリッド)
クリアレイクのウィードエリアなど、日本では定番のカラー。
ステイン気味の野池など、国内で出番の多い人気色です。
スイミングやリアクションの釣りにも最適で、色のアピール力が強いので他と併用したスパイス的な使い方も効果的。
COLOR No:194 ウォーターメロンペッパー
「No:042ウォーターメロン(ソリッド)」と同様に、日本の水によく合う定番カラー。
042との違いはフレークの有無で好み次第です。
クリアレイクだけでなく、ある程度の濁りにも対応し、どんな水質にも対応。
直射日光を当てて日焼けで変色させるカスタマイズを試されている方も多いですね。
迷ったら、自分はこのカラーと「No297グリパン」をチョイスします。
COLOR No:196 パンプキン/グリーン&ブラックフレーク
クリアレイクなら赤土系やウイードに付くモエビとして、ステインレイクならウイードの他に砂利や杭や桟橋やオダ、マッディーレイクならアシ際と、使い勝手のいいカラーです。
ステイでもスイミングでも効果的で、茶系ラバージグのトレーラーにも最適。
昔から存在する定番色で、日本でもアメリカでもデカバスに効果的!?
COLOR No:229 ホットピンク(バブルガムカラー)
春先から夏場にかけてのスポーンやアフター時期に、サイトフィッシングで効果的なカラー。
膨張色なので、スローな使い方がおすすめです。
普通の色に反応しないバスをバイトさせるリアクション的なカラーとも言えるのではないでしょうか。
COLOR No:297 グリーンパンプキン/ブラックフレーク
「グリパン」と略される定番の人気カラー。
ウィードエリアでも、春先の流れが良いスポーニングエリアでも、マッディーウォーターでも効果的です。
オールマイティな天候で使いやすく、「とりあえず1尾」が欲しいときに選ぶカラー。
透明感がないので、ウイードジャングルやブッシュ周りでシルエットをハッキリ出したい時や、色が良く似ている枯れウイード周りで真価を発揮します。
スモールマウスバスに対する定番カラーとしても有名。
COLOR No:341 ダークブラウンブルーギル
ブルーギルを模倣したカラーで、日本のフィールドにもマッチしています。
COLOR No:343 ウォーターメロンブルーギル
「341ダークブラウンブルーギル」の兄弟カラーで、よりクリアーな水域で使いやすいデザイン。
COLOR No:390 スカッパノン/スモールブルーフレーク
霞水系や春先の定番カラーとして有名でしたが、季節やフィールドを問わず、全国で釣果が浸透してきたカラー。
エビ、カニ、小魚、何にでもマッチしてイミテートできる万能色です。
COLOR No:411 エビミソ
霞ヶ浦、印旛沼、牛久沼などで定番カラーとして知られていたエビミソが、ゲーリーヤマモト製品に新登場しました。
ミソのような茶系をベースカラーに黒や赤のラメが入ったカラーで、見るからに食欲をそそられそうなエビ系シルエット。
ヤマタヌキのエビミソはやや透明感があり、水質やフィールド条件を選ばずに釣果を期待できる仕上がりです。
私自身、最初にヤマタヌキで釣ったカラーはエビミソで、バスがムキになって喰ってくる何らかの要素があるのではないでしょうか。
COLOR No:985 グリーンパンプキン(スモールブルーフレーク)/チャート(スモールパープルフレーク)
ステインからマッディな濁り系で活躍するカラー。
ストップ&ゴーによる明滅効果が効果的な色です。
使用感、インプレ、おすすめタックル
ヤマタヌキを実際に使ってみて感じたのは、とにかくカンタンで良く釣れること。
タフなバスでも一口で喰ってくれそうなボディサイズと、どんな場所にでも投げやすい重さは最大のメリットだと感じました。
ルアーアクションが強すぎないので繊細に誘えるのに、しっかりと存在感を出してくれる水押しパワーという2面性は、非常にモチベーションを高く維持できます。
ライト寄りなベイトタックルやベイトフィネスでも遠投が効くので、太めのラインを使ってカバーでも安心のアプローチが可能。どんなリグでもぶっ飛ぶ特性は、特にオカッパリで重宝します。
スキッピングしやすいボディ形状なので、ボートからでも厳しいポイントにビシバシ投げ込むことができました。
あらゆるシーンで使いやすい特性と、魚が釣れそうな要素が充実しているので、いつまでも諦めずにモチベーションが持続。ゲーリーマテリアルの絶対的な信頼感もあり、結局釣れるまで使い続けてしまうワームです。
オカッパリでもボートでも、もし1種類だけのルアーを持っていくのであれば、ヤマタヌキがあれば安心ですね。
おすすめタックル
スピニングタックルでもヤマタヌキは使いやすいワームですが、個人的なおすすめタックルはベイトフィネス。ノーシンカーでも遠投性能に優れたワームなので、8lb前後のラインによるベイトフィネスによるアプローチは効果的です。
オカッパリやカバーエリアでもラインブレイクしにくく、繊細なルアーアクションでタフなバスを攻略可能なのが魅力。また、ベイトフィネスよりもやや強めなライトバーサタイル寄りでも使いやすい重さなのが嬉しいですよね。
テキサスリグやラバージグのトレーラーとして使うのであれば、MHクラスのヘビーバーサタイルスタイルもいいですね。
スイムベイトやハネモノといった重量級ルアーを巻き倒しつつ、2.5インチワームによる緩急を切り替えたフィネスアプローチが可能。
まとめ
「ゲーリーヤマモト 2.5インチ ヤマタヌキ」は、あらゆるリグに対応したマルチワーム。
全国の様々なフィールドで使いやすく、特にオカッパリでのスペックが理想的です。
バスに喰わせやすい小型サイズなのに、丸っこくて転がりやすいボディはしっかりとした存在感。アクションは繊細なのに、水押しが強く、バスを怯えさせずに高アピールが期待できます。
何より、評価の高いゲーリーマテリアル素材であり、高比重で飛距離の出やすい重量があらゆるシーンでの使い勝手を向上。楽しくカンタンで便利に使えて、釣り人がモチベーションを保ちやすいルアー性能...釣果が自ずと付いてくるワームですよね。
機会があれば、是非1度ヤマタヌキを使ってみてください。
見た目だけでも可愛らしくて楽しいワームなのに、その実力はホンモノです!
より遠く!より深く! 「ヤマタヌキ 3.5インチ」 も新登場!
さらに2022年4月、ヤマタヌキのアップサイジングモデル「ヤマタヌキ 3.5インチ」も発売されました。
1インチのサイズアップですが、なんと自重は約16gというハイウェイト。「デカヤマタヌキ」とも呼ばれるその圧倒的な存在感は、オカッパリでも抜群の遠投性能を発揮します。
遠く離れたポイントへ楽々キャスト可能で、より遠く、より深く、アプローチ範囲が広がりますね。
MHパワー以上のベイトタックルで、ガンガン攻めるスタイルにも最適!
ヤマタヌキ 3.5インチ の性能・スペックは次の通りです。
デカヤマタヌキ 3.5インチ | 性能・スペック
- 全長 3.5インチ
- 自重 約16g
- オフセットフック推奨サイズ #4/0, #5/0
- カラー 全12色
その他のおすすめ記事
タックルインプレッションやシーズン別の攻略法など、次の記事も参考にしてみてください。