2021年10月上旬にリリースされた「ボトムアップ フリッシュ 3.5インチ」は、川村光大郎さんが手がける「リアルベイトフィッシュ系ワーム」。ミドストやホバストなど、シビアなバスを攻略するリグに効果的なワームです。
勿論、ダウンショットリグといった定番フィネスにも最適。リアルな外観とアクションは、ベイトに対してタイトな反応を示す昨今のバスに、ナチュラルなアピール力を発揮してくれます。
従来のリアルベイトフィッシュ系ワームは、シェイクなどのロッドアクションに対して上下に揺れ動く特性。ですが、本来の魚(ベイト)は、尾びれを左右に振って泳いでいます。
そうした魚本来のテールアクションをリアルに模倣(イミテート)し、動きの違いで食わせるワームが「ボトムアップ フリッシュ 3.5インチ」です。
水押しの強いシャッドテールワームともまた異なる、ベイトフィッシュの動きを追求したリアル系ワームの進化版と言えますね。
本記事では、テールアクションの本質に迫るフリッシュの魅力や特徴、使い方などを詳しく紹介します。
目次
ボトムアップ フリッシュ | 特徴と魅力
公式サイト「左右のロールアクション」と「フラッシング効果」を売りにしたリアルベイトフィッシュ系ワームは、これまでにも多数存在していました。
対する「フリッシュ」は、ロールアクションとフラッシングに加えて、幅の狭いナローで小型なシャッドテールを採用。フォールやスイミング時にボディが左右へと、よりロールしやすくなります。
加えて、僅かな水流を受けただけでも、リアルな小魚のテールアクションを微波動で再現するのがメリット。神経質な見えバス狙いにも、目の前をアセって逃げ惑うベイトフィッシュをイミテートできる、究極のリアル系ソフトベイトです。
フリッシュ | スペック(サイズ、重さ・自重、カラー等)
フリッシュの性能・スペックは次の通りです。
製品名 | Frish(フリッシュ) 3.5inch |
ジャンル | リアルベイトフィッシュワーム |
サイズ | 3.5インチ |
自重 | 約 3.4g |
カラー | 8色 |
本数 | 6本 |
価格 | 770円(税込) |
リアルベイト系ワームの多くがピンテールタイプで展開していますが、フリッシュは小型シャッドテールを採用することで、より小魚の動きに近い微波動を実現しています。
フリッシュのシャッドテール
▲繊細なテールを傷つけないように、パッケージ内部の梱包は非常に丁寧。
フリッシュは、小さく特徴的なシャッドテールを採用。ミドストやホバストなどの使用において水の抵抗を受ける形となり、移動距離を抑える効果があります。
一般的なピンテールのリアルベイト系ワームと比較して、よりじっくりと「見せて喰わせる」チャンスが広がりますね。
テールの波動が強いシャッドテールワームとも異なる、フリッシュならではの喰わせ能力と言えます。
フォール時は、シャッドテールがハイピッチにロールしながら沈下。ボディのフラッシング効果もあって、リアルな尾びれの動きでボトムに沈んで行く小魚を演出してくれます。
ナチュラルなアクションと、過度な動きを抑制する小型シャッドテールは、ルアー着水時からピックアップまでの間、特別なアクションが無くてもバスを誘い続ける事が可能。ミドスト・ホバストの入門用としても最適なワームです。
フリッシュの素材・フォーミュラー(匂い)・形状デザイン
フリッシュのボディ素材は「ノンソルト低比重マテリアル」を採用。ジグヘッドリグやダウンショットリグでも、ナチュラルな水平姿勢をキープしてくれます。
また、フィッシュフォーミュラーも配合していて、匂いによるバイトも誘発。しっかりとバスが喰い込んでくれるので、すぐに吐き出される事も少なく、フッキング率を高める事ができそうですね。
ボディ背と腹の両側には、センタースリットが入っています。
このスリットに沿ってフックを通す事で、正確なセッティングが容易に可能。正しいフックセッティングによって、スイミング時にバランスを崩さない、規則正しい左右のロールアクションを実現してくれます。
ただ、テール部分がかなり細くなっていて、バイトやアワセ時に切れやすいのが難点。一見するとデメリットですが、リアルなテールアクションを実現するためのデザインなので、とにかく喰わせて釣る事を重視した設計と言えますね。
フリッシュ | おすすめリグ(フックサイズ、シンカー)
フリッシュ 3.5インチは次のようなリグに最適です。
- 軽めのネイルシンカーを埋めてのホバスト(ネイルリグ)
- 軽めのジグヘッドに刺してのミドスト(ジグヘッドリグ)
- 軽めのショットを使った(ダウンショットリグ)
ミドストやホバストで表層~中層レンジを漂わせながら使うか、ダウンショットでボトム上(リーダーの長さ分)の一定レンジをシェイクさせながら使うのがメイン。それぞれのリグに適したフックやシンカー、セッティングや使い方などを順に詳しく紹介します。
ホバスト(ネイルリグ)
▲ホバストのフックセッティング 出典:BOTTOMUP
クリアウォーターでサスペンド状態な見えバス狙いに最適なリグがホバスト。
水面直下での滞空時間を長めに取りたい場合は、0.3g辺りのネイルシンカーを更に半分に折って、頭から埋め込みます。
流れが強い場合や少し深めのレンジ攻略には、0.6~0.9g迄のシンカーを使用。また、深めのレンジを狙うセッティングのまま、あえて表面直下をスピーディーにトレースするのも、リアクションバイトを誘発したい場合に有効ですね。
ただ、サザ波が立っている場合などに、スリムで小ぶりなリアル系ワームを表層直下でスイムさせると水中での所在が判りづらい事があります。
そうした時は、視認性アップのチューニングがおすすめ。ヘッド部分のスリットに沿ってグローデザインワークスのソフトルアーマーカーを塗っておくと便利です。
ホバストにおすすめのフック
おすすめのフックは「リューギ HHS127 ホバーショット」。フックサイズ#2を、両目の上部中央にあるスリットから刺してセッティングします。
ホバスト用ネイルシンカー | ウェイトの目安、指標
- 0.15g:よりスローに表層を漂わせたい時
- 0.3~0.4g:基本となるウェイト
- 0.6g:少し流れが早い所
- 0.9g:表層をスピーディーに引く時
ミドスト(ジグヘッドリグ)
▲ジグヘッドのおすすめフックサイズは#2。写真は、やや大き目の#1サイズをガード無しにしたフッキング重視なセッティング。
流れの速いリバーや深めのレンジを攻める場合は、ホバストよりも、1.8g(1/16oz.)前後を中心としたジグヘッドでのミドストが効果的。フックサイズは#2が使いやすいですね。
ペラ付きジグヘッドを使ってシェイキングをすると、左右のロールアクションを更に強調する事ができます。
ダウンショットリグ
ピンポイントをじっくりシェイクさせたり、丁寧にコースをトレースしたい場合はダウンショットがおすすめ。オフセットフックを使うと、ストラクチャーに対しての根ががりの心配が減るので、タイトに狙えます。
流れがある場合は1.8g(1/16oz.)以上のスリム形状なスティックシンカーがいいですね。
シェイクしながらのカーブフォールなど、ドリフトさせながらのスイミングも効果大です。
ノーシンカーワッキー
バスのボイルを発見した場合は、すかさずコレを投入!
ノンソルトで低比重マテリアルのフリッシュを水面でピクピクとシェイクさせることで、ワーム頭部に受ける水抵抗が少しバランスを崩した動きを演出。さらに、小型のシャッドテールが機敏に動くことで、弱った小魚を演出してくれます。
フックは、ボディ中央より頭寄りにセット。側面の中央から刺して、背中のセンターラインへ90度になるように抜くと、ズレにくくなるので効果的です。
ワームの頭部にネイルフロートを付けてもいいですね。
フリッシュ | カラー、色バリエーション
フリッシュのカラーラインナップは全8色。各カラーの特徴や使い処を紹介します。
FL001 ワカサギ
絶妙な半透明ボディは、中層でもボトムでも自然に水に溶け込むカラー。ラメは入っていませんが、パープルマイカの淡い煌めきで仕上げられています。
強度なフラッシングには逆に警戒される様なハイプレッシャー下や、クリアウォーターでの喰わせに最適なカラー。
FL002 アユ
淡いオリーブ色ベースに、極小のシャンパンゴールドを高密度に入れたフラッシング効果が高いカラー。クリアウォーターでだけではなく、やや濁った水域でも淡いフラッシング効果を発揮します。
FL003 ブルーギル
半透明ボディの背中へ、ナチュラルに馴染むようにダーク色を落とし込んだリアルベイトフィッシュカラー。
細かなコパーとパープルラメは、どんな水質にも通用するオールマイティカラーですね。
FL004 ゴリ
グリパンブルーとシナモンのツートンダーク系カラー。マッディーウォーターや、ディープ攻略時のアピール力が魅力です。
FL005 マジックシャッド
最もクリア系なカラー。クリアウォーターでのサイトフィッシングなど、警戒心の強い見えバスに効果的です。
細かなパープルクリスタルとグリーンクリスタルを配合していて、控えめなフラッシングを発揮。霞ヶ浦、北浦のシラウオパターンにベストマッチですね。
FL006 ナチュラルシャッド
腹側のパール粉末が背中側にも少量入っていて、艶めかしいフラッシング効果を実現。リアルなベイトカラーは、水質を選ばないオールラウンダーです。
FL007 ピンクワカサギ
半透明ピンクは、特にマヅメ時のクリアウォーターで効果絶大。ミドストで中層を漂わせて、バスを浮かせて食わせる能力が高いですね。
細かなシルバーフレークが、艶めかしいフラッシング効果も付与してくれます。
FL008 デッドリーワカサギ
幅広い水質、シチュエーションにマッチするダークトーンなワカサギカラー。クッキリとしたシルエットでのアピールと、淡いフラッシングは、マッディーウォーターでも存在感◎。
おすすめのカラー
クリアウォーターでの自分的なおすすめカラーは、「ワカサギ」、「マジックシャッド」、「ピンクワカサギ」。マッディーウォーターであれば、「ゴリ」、「デッドリーワカサギ」がいいですね。
迷ったら、オールマイティーな「アユ」、「ブルーギル」、「ナチュラルシャッド」を目安に。
複数のバリエーションを揃えておけば、釣り場のコンディションに合わせたベストなアピールを演出しやすくなります。
フリッシュ | おすすめタックル、セッティング
フリッシュは、ダウンショットと言った通常のライトリグにも最適なワーム。ですがその真価は、ホバストやミドストと言ったリアルなベイトフィッシュライクのアクションで発揮されます。
特にホバストでは0.4gや0.6gといった超軽量なネイルシンカーを挿入して使用するので、ベイトフィネスタックルでは少々扱いにくいかもしれません。
ただ、ライト寄りのベイトタックルでも、2.2g以上のシンカーであれば、ある程度はキャストしやすくなります。
原則として、フリッシュは繊細なスピニングタックルで使用するのが、あらゆる軽量リグに対応できるのでおすすめ。バーサタイルなスピニングタックルでも可能ですが、ホバストやミドストまで最大限にパフォーマンスを発揮するなら、専用ロッドを用意してもいいかもしれません。
フリッシュにおすすめのロッド、リール、ライン
フリッシュに最適なロッドは、6ft後半~7ft前半迄のUL~Lクラス。リールはスピニングなら2000~2500番台、ベイトリールなら軽量ルアーに対応したモデルか、ベイトフィネス専用機がいいですね。
ラインは、スピニングならフロロ4lb前後、ライト寄りのベイトタックルで使用するなら5~6lbがマッチします。
ですが、やはりホバストやミドストは専用ロッドが快適。繊細でじっくりとした操作を長時間やり通し、ナーバスなバスを仕留める為にも、専用タックルが1式あると重宝します。
最近のバスはベイトフィッシュに依存する傾向が強いので、ホバストやミドストと言ったメソッドをきっちりとマスターしたい方にも、ベストな操作を出しやすい専用タックルは検討の価値アリ。
おすすめのロッドは、ホバスト・ミドスト専用とも言えるスピニングロッド「ダイワ リベリオン 641ULFS」。合わせるリールは、軽さと剛性を合わせ持つ高性能な「ダイワ 20ルビアス FC LT2000S-XH」が最適です。
他の候補としては、スピニングロッド「シマノ エクスプライド 265UL+」、センターカット2ピース版「シマノ エクスプライド 265UL+-2」もいいですね。
オートマチックにラインスラックを出しやすい「エキサイトトップ」採用モデルです。
合わせるリールは、ライトラインに特化したドラグシステムを持つ「シマノ 21コンプレックスXR C2000 F4 HG 」が有力候補。
スピニングタックルをバーサタイルな用途にも使うのでれば、ロッドは「ダイワ リベリオン 641L/MLXS-ST」、またはセンターカット2ピース版「ダイワ リベリオン 642L/MLXS-ST」、リールはバーサタイルな性能バランスの良い「ダイワ 20ルビアス FC LT2500S」が選択肢に。
まとめ
「ボトムアップ フリッシュ」は、最近の凝ったフィネスワームと比較すると、意外と普通のデザイン。3.5インチのボディサイズの割には、比較的しっかりとした大きめのワームにすら見えます。
ですが、本物の小魚、実際のベイトフィッシュと非常にマッチする形状。ワンポイントの目玉
も、水中を泳ぐ魚を模倣するアイキャッチとして存在感があります。
ワームに限らず、最近のルアーはディティールが細かく、本物のベイトよりリアルになってしまっているのかもしれませんね。
そうした中、フリッシュはベイトフィッシュの存在感にシンプルかつ忠実な形状。その上で、リアルな小魚の動きを模倣(イミテート)したアクション性能が魅力です。
細かすぎない造形、派手過ぎない動きが、間違いなくバスを惑わせるベイトフィッシュのアクションであると直感できるルアー。季節やレンジを問わず、次のようなシーンで活躍できるシークレットアイテムとして、手元に忍ばせておいて損の無いワームと言えます。
- 休日等、ハイプレッシャーな状況においてのサスペンドバス狙い
- クリアなリザーバーやリバースポットで、他のルアーにチェイスはすれども、なかなか口を使ってくれない神経質な見えバス狙い
- アタリはあったが、フッキングできなかった場合のフォローベイト
- 普段のストロングパターンが通用しない時の切り札
シビアでハイプレッシャーな状況でこそ、動きの違いで食わせるフリッシュの出番ですね!
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