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初夏の野池攻略術 | 茨城県つくば野池群 フィールドレポート

つくば野池群

1シーズンの中で、最も好釣果に恵まれる機会の多い初夏のバスフィッシング。
ランカーバス捕獲の期待を胸に、ワクワクされている方も多いのではないでしょうか。
今回は、梅雨にまつわる野池の攻略法を、実際のフィールドレポートとともにお伝えします。

雄大な筑波山を望む絶好のロケーション、神秘的なネイティブフィールド

今回、7月初旬に訪れた野池は、茨城県の筑波山の麓にある雄大なロケーションが魅力のフィールド。人工のため池というよりは、もはや大自然の中にひっそりとたたずむ神々しささえ感じる野池でした。

デカバスがトップで釣れるとの事前情報を元に釣行を決意。
当日の気温は27度。風速5メートル程の強風に、時折晴れ間が見えるものの、小雨が降り注ぐ天気。また前日まで雨が続き、増水も予想されるコンディションとなりました。
雨だけではなく、強い風が吹く中をどう攻めていくか大きな課題となります。

注意事項
野池や河川や湖といったフィールドは、一部を除き、積極的に釣りを推奨している観光地のような場所ではありません。立ち入り禁止や釣り禁止の厳守は勿論、駐車禁止や騒音、ゴミのポイ捨てなど、マナーに気を付けて釣りを楽しみましょう。
また、かつて釣り可能な場所でも、状況が変化している可能性があります。本記事のフィールドが、常に釣り可能であることは保証できませんので、あらかじめご了承ください。

地形概略

今回訪れた野池は、アシやブッシュやウィード、オーバーハングや水門、ヒシ藻などのフローティングマットなどが点在する、典型的なヘビーカバータイプのナチュラル野池。
水深は約1.5~2メートルほどで、安定した足場が少なく、ルアーをキャストできる場所が限られた釣行となります。

用意したタックルはベイトとスピニングの2種類

今回の釣行で準備したタックルは、ベイトとスピニングタックルの2種類。

事前に得ていた情報から、トップや表層での攻略を考え、フロッグや虫系ソフトベイト、バズベイトやジャークベイト用に、ミディアムクラスのベイトタックルをフロロ10lbラインで準備。
やや投げにくいルアー主体なので、MLクラスでも良かったかもしれませんが、表層で反応が鈍かった時にクランクやスピナベまで使う事を考えたセッティングです。

スピニングは、シャッドやワッキー、軽めのフリリグやリーダーレスDS、1~2g程度のジグヘッドの使用を前提に、ライトクラスのスピニングにフロロ4lbラインを準備。
また切り札的ルアーとして、OSPの3インチドライブスティック、HPシャッドテール、自分的に多数の実績を叩き出したエンジン フォールスティック3インチも用意していました。

最初にトップや表層をメインに攻め、出なければクランク・シャッド、最後にスピニングでフィネス、という大まかな戦略です!

当日のエリア選択とパターン考察

つくば野池群

「雨」「風」「濁り」「増水」という当日の気象条件を考慮しながら、最初に野池全体を1周してみて気づいたことは、コイやフナといった比較的大型の魚が、ショアライン沿いに2~3匹揃ってサスペンドしている光景。
これなら、大型のバスも増水に合わせてアシやウィードといったシャローのシェードに差してきているのではないかと考え、手返しの良いバズベイトやブレードジグなどのワイヤーベイトで、スピーディーにトップから表層までを探りました。

当日に回った代表的なエリアを参考に、魚からの反応が得られたルアーやポイントを紹介しつつ、実際の戦略と結果を紹介します。

ポイント1.風下のシャローフラットエリア

つくば野池群

最初に狙ったのが、アシやガマなどの密集地帯である風下のシャローフラットエリアです。他に比べると、足場がよく投げやすい場所であり、当日の「風」で、流されたベイトが風下に溜まり、それを狙ったデカバスが回遊してきているのではないかと考えました。

ただ、ひと通りトップから表層を流したのですが、反応を得られず、時間を空けて入りなおしています。その後、足元への1.3gスモラバ、4incシャッドテールなどのノーシンカーでのフィネスなピン撃ちするも、ギルバイトが多発。ショートバイトのすっぽ抜けなど、ワームがすぐに持って行かれてしまう状況になってしまいました。

そこで少し狙いを変えて、2.3gのジグヘッド+3インチのドライブスティックを沖へキャスト。すると、ココンッ!という明らかにギルとは違う反応とともに、元気なバスをゲットできました!

つくば野池群 釣果

ポイント2.風上のオーバーハング

沖に沈むレイダウン際でバイトが発生したことから、連日の雨による濁りと水温低下でバスが沖へ下がってしまった傾向を強く感じました。
そこで、シャローパターンに見切りをつけ、風裏となる風上のポイントへ移動します。

つくば野池群

ポイント移動後、風上エリアにあるオーバーハングで1本キャッチ。水に浸かっている枝のすぐ横で喰ってきました。

つくば野池群 釣果

水面を見ても、風下よりも波が穏やかで落ち着いている…。明らかに魚が風を避けていることを感じずにはいられない瞬間でした。

他にもショアからオーバーハングを探れるポイントがあり、ジグヘッドをキャストしてみたところ、見事狙い通りのバイト!…ですが、残念ながらアワセそこないます。
しかし、一瞬見えた魚体は確実に40アップクラス。
この時点で「風裏」&「シェード」という要素がかなり確実なものとなりました。

最初にトップから表層を流した以後のルアーローテーションですが、当日はかなり強風なので、重めのシンカーに3インチ程度のライトリグをメインに使用。
ただ、ここぞというピンポイントでは、1~2グラム程度の軽めのリグやノーシンカーで丁寧にアプローチしています。
また沖に魚が落ちている可能性を考えて、トップや表層系で沖側のヒシ藻エリアも探っています。

ポイント3.沖のフローティングマットカバー(ヒシ藻エリア)

沖にはヒシ藻で覆いつくされたフローティングマットカバーがあります。
OSPベントミノーで表層をバジング気味に高速サーチしていた時、ガボっと魚が出ましたが、残念ながらすっぽ抜け。
時間帯がちょうど15時頃の地合いタイムだったのでヤル気が出てきていたのかもしれません。

ただこれで、「風裏」&「シェード」という要素に加え、移動前に考えていた「一段下がった沖」という、2つ目の要素にも手ごたえを感じられる結果でした。

初夏の雨・増水パターンの野池攻略

今回の釣行から、自分なりに梅雨時期の野池攻略ポイントをまとめてみたので、参考にしてみてください。

2種類の雨の質を見極める

6~7月の梅雨時期の雨には、「釣りやすい雨」と「釣りにくい雨」の2種類の雨が存在していると感じます。
気温が蒸していて暖かい雨が降り注ぐじめじめとした空気の雨は、比較的釣りやすい「良い雨」。反対に、連日肌寒い日が続くような冷たい空気の日の雨は、「釣りにくい雨」。
バスは水温や気温の変化にとても敏感なので、梅雨時期の不安定な天候の変化で瞬時に活性が下がり、ルアーへの反応が劇的に悪くなってしまいます。今回の場合、雨が連日続いた事による影響もあり、「釣りにくい雨」となっていたかもしれません。

「釣りやすい雨」で魚の活性が高い日には、トップや表層系ルアーでいい魚と出会える可能性も高いのが梅雨時期の醍醐味!バズベイト・ポッパー・ペンシルなどで果敢に攻めてみる事をおすすめします。
逆に、「釣りにくい雨」で魚の活性が低い日には、広範囲をカバーできるスピナーベイトやクランクベイトなどで、リアクションを狙った釣りにチャンスがあります。魚の居場所を特定できていれば、ピンポイントを丁寧に探るのも良さそうですね。
2種類の雨を見極め、連日の天候や当日の状況から、いかに魚の居場所を突き止められるかが勝負の分かれ目です。

濁りすぎるとトップでは出にくい場合も..

梅雨時期の小雨は、最もトップウォーターゲームを楽しめる季節です。ただ、今回は連日の雨などの影響で水が濁っていたことがマイナスポイントでした。もしかすると、田んぼの代掻きなども影響していたかもしれません。
水の濁りが強すぎると、単純に魚からの視認性が下がり、トップでは出にくくなる気がします。水深50cmほどのシャローであれば問題ないかもしれませんが、ある程度深さがある場所でのトップウォーターゲームは、水の濁りでバスの反応が悪くなる事も。

ただ、水質が悪く、トップや表層系に反応が鈍い日でも、魚事態の活性は高い場合もあるので、反応を得られやすいスモラバやミドストに早めに切り替えて試してみる方がいいかもしれません。

「増水するとシャローに差してくる」はホント!?

一般的には、増水すると魚がシャローに差してくると言われています。ですが、必ずしもそのパターンだけとは言えないかもしれません。確かにショアライン沿いにある杭やアシなどのカバー撃ちで結果が出ることが多いのは事実。平時と比べて明らかに魚のポジションが変化していることに気づくことがあります。
ただ、なぜかシャローで全く釣れないことも…。

これは増水によって水が濁りすぎたり、雨で水温が低下しすぎると、むしろ増水前のポジションに戻ってしまう状態もあると推測。

シャローで反応が得られない場合は、パターンに捕らわれ過ぎず、沖の深場にあるブレイクや杭、オダなどの障害物に絡んだエリアなども狙って、広く魚を探してみるのもいいかもしれません。
今回の釣行でも、そうした中で結果が出たと感じています。

まとめ

つくば野池群

残念ながら釣行前に頭で考えていたようなデカバス捕獲には至りませんでした。
ですが、状況にマッチした2つの要素で、初場所ながらバスをキャッチすることができました。
1つ目は「風裏のシェード」、2つ目は「沖目のストラクチャー」、これらの要素が大きく絡んでいたように感じます。

また、デカバスをキャッチできなかった理由として、足場の不安定さ・タックルの弱さなどからカバーへのアプローチが不十分であったこと、多数のギルバイトに悩まされてしまった事などが考えられます。
これらを踏まえ、長靴やウェーダー、カバーを攻め倒せるヘビータックル、ギル対策などを準備して、いつかリベンジできたらと思っています!

マナーや安全に注意して、ぜひ皆さんも夏のバス釣りを楽しんでください。

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