小径32mmのSVスプールを搭載した、ダイワ SVライトリミテッド の実釣インプレをレビュー!
限定モデルとして登場しながらも、そのコンセプトは、20タトゥーラSV TWやスティーズCT SV TWなどに受け継がれ、今のダイワ ベイトリールの流れを作ったと感じさせる名品です。
目次
どんなリール? | SVライトリミテッドの特徴
スペック ギヤー比6.3/8.1, ハンドル1回転の巻取り長さ(cm)63/81, 自重(g)148, 最大ドラグ力(kg)4, 標準巻糸量ナイロン(lb-m)8-40~80、10-30~65、12-25~50、16-20~40、20-15~30, ハンドル長さ(mm)80, ベアリング(ボール/ローラー)11/1
ライトリグからビッグベイトまで、ストレスフリーなバーサタイルとして評価の高いSVスプール。
SVライトリミテッドは、そうしたSVスプールのバーサタイル性はそのままに、よりフィネスな快適さを目指したベイトリールです。
並木敏成プロ自らの監修の元、ベイトフィネスリールのような使い方にも対応できる1品!
十分なライトキャパを持ちつつ、軽量ルアーが快適なリールとしては、スティーズCT SV TWやアルファスCT SVなどのCT SVリールが後発で登場し、その分野により特化した新時代のバーサタイルを実現しています。そして、32㎜スプール径の領域では、コストパフォーマンスが高い20タトゥーラSV TWが2020年に登場。
SVライトリミテッドの方向性が、1つの成功例としてバリエーションを広げ続けていると言えます。
キャスティング | キャスタビリティ、キャストフィール
SVライトリミテッドは、32㎜径のスプールがレスポンス良く立ち上がり、とにかく軽量ルアーのキャストが気持ちいい!
リミテッドモデルとしてラインキャパを絶妙に調整した並木敏成プロ仕様は、10lb程度の太めラインであっても、総重量4g前後のキャスタビリティがバツグン。
その上で、重量級ルアーの遠投や、16lb以上のラインによる撃ち物なども、心地よいキャストフィールで扱うことができます。
使用感
「軽量ルアーでも快適なバーサタイル」というSVライトリミテッドのコンセプトは、今では他機種でも高レベルに受け継がれています。
そうした中においても、旧スティーズシリーズと同系統のボディである特性は、SVライトリミテッドの魅力。
撃ち物の快適な使用感、軽量ルアーの爽快なキャストフィールを実現しつつも、しっかりとしたボディ(それでいて148gと軽量)は、安定感を持ってパワーファイトに挑めます。
また、基本的なリール設計が従来のバーサタイルリールを最適化したものなので、ピーキーな感じが無く、とても使いやすい性能に仕上がっているのがメリット!
軽量向けなリールとしては、ドラグ力が強めなのもいいですね。
用途 | 他機種との比較
スティーズCT SV TW と SVライトリミテッド
ロングディスタンスで釣りをする場合、ラインセッティングによっては、SVライトリミテッドの糸巻量が不足する場合もあります。
SVライトリミテッドの翌年に登場したCT SVリールであれば、ラインキャパが多いので遠投時の対応力が向上。
しかもCT SVリールは、SVライトリミテッドより小径な30㎜スプールなので、ラインキャパが増えたにもかかわらず、軽量ルアーを快適に扱えます。
特に「スティーズCT SV TW」はTWシステムによる糸抜けが良く、総重量が4gを下回るリグをSVライトリミテッドより快適に扱えます。また、スティーズCTの小型ボディは、フィネスな操作性が非常に心地よい形状。
使い分けを考えるのであれば、SVライトリミテッドは、「スティーズCT SV TW」に比べてスプール径が大きい分、さまざまなルアーでよりバーサタイルな使用感。
具体的には、巻きクセの少なさ、十分なボディとギアによる巻きパワー、重めのルアーによるキャスタビリティといった、従来のバーサタイルリールに近い感覚で、「軽めのルアーも快適に使いたい」といった用途に最適です。
20タトゥーラSV TW と SVライトリミテッド
2020年に新登場した「20タトゥーラSV TW」は、SVライトリミテッドと同じ32㎜スプール径。バーサタイルリールとして十分なラインキャパを持っているので、コストパフォーマンスが高い機種ながら、より快適なストレスフリーバーサタイルを実現しています。
「20タトゥーラSV TW」はTWシステムによる糸抜けの良さが秀逸で、さまざまなルアーのキャストが爽快。また現行のスティーズと同じロープロなボディなので、フィネス系リールより力強い使い方に優れたリールと言えます。
ただ、スピードシャフトによるシャフトレス構造なスプール、チューンナップされたラインキャパなど、軽量ルアーへの対応性能はSVライトリミテッドに分があります。むしろ「20タトゥーラSV TW」は、軽量ルアーへの対応力を高めつつ、SVライトリミテッドのデータを存分にフィードバックさせ、高いコスパでバーサタイルな使用感を大幅にアップさせたベイトリールと言えそうです。
まとめ
▲軽量ルアーで仕留めた魚を、余裕があるパワーで引き寄せられる事もSVライトリミテッドの魅力
「SV ライト リミテッド」は限定モデルな為、比較的高価なベイトリールです。
高価な事に加え、新しい技術が次々と登場する今の時代、正直やや古めかしい部分も否めません。
ですが、従来技術をギリギリまでチューンナップされた性能は、リミテッドに相応しい実釣性能を発揮。
コストパフォーマンスが高いとは言えませんが、価格分の性能を存分に発揮できる仕上がりです。
並木敏成プロ監修の限定モデルとして、そのデザインや使い心地など、他で代えられない価値があるリールと言えるのではないでしょうか。
現行ベイトリールのランキングも記事にしているので、興味のある方は参考にしてみてください。