ロッド

Gルーミス NRXプラス (G.Loomis NRX+) 802C JWR | 実釣インプレ

Gルーミス NRXプラス 802C JWR 釣果

Gルーミスの新型ハイエンドモデル「G.Loomis NRX+ 802C JWR (Gルーミス NRXプラス 802C ジグアンドワーム)」を実釣インプレします。

「世界最先端のフィッシングツールを提供する」
そうメーカーが示す言葉通り、最高峰のバスロッドであり続けようとする”こだわりの集大成”が「Gルーミス NRXプラス」です。

Gルーミスはアメリカのロッドメーカー。そのバスロッドは、20年以上も昔から世界の基準となってきました。
耐久性に優れトルクフル、それでいて十分軽量で高感度な特性は、日本国内においても強い影響力を発揮し続けています。

前モデル「初代NRX」が登場したのが2010年。当時としてはまだ珍しかったナノテクノロジーのレジン(カーボン繊維の繋ぎ素材)を採用し、圧倒的な耐久性を備えつつ、軽量でキンキンなロッドに仕上がっていました。
ただ個人的には、旧NRXはあまりにも尖がった性能で、ピーキーに感じていた面もあります。
802C JWR を含む旧NRXのベイトやスピニングモデルを複数所有していましたが、正直あまり馴染めず、Gルーミスの王道であるGLXに戻そうかと考えた事もありました(実際、数機種は戻しました)。

ですが、10年の時を経てモデルチェンジしたNRXプラス(NRX+)は、正に「Gルーミス」そのもの。後で詳しく紹介しますが、シマノのテクノロジーを盛り込みつつも、Gルーミスらしい特性が正統進化でグレードアップしたと感じさせられました。

本記事では、NRXプラスのベイトモデルで最も繊細な機種となる「 Gルーミス NRXプラス 802C ジグアンドワーム (G.Loomis NRX+ 802C JWR)」のインプレを紹介。実際に使ってみた感想を交えて、その魅力や特性に迫ります!

Gルーミス(G.Loomis)のバスロッドについて

Gルーミス バスロッド

Gルーミス(G.Loomis)のバスロッド全般について紹介します。

Gルーミスの特徴

Gルーミスのバスロッドは、耐久性に優れ、トルクフルだと言われています。
実際、私自身様々な年式・グレード・番手のGルーミスを使ってきましたが、今まで破損したことがありません。
勿論、カーボン繊維で作られた竿なので、無理な負荷がかかれば破損すると思いますが、結構ありえないような状況でも壊れる事がありませんでした。

トルクについての説明は難しいのですが、高弾性なのに柔軟に曲がり、キャスティングや魚が掛かった時の追従性が高いと感じています。
大物がかかってもロッドがグンっと曲がり、負荷に応じて粘り強さを見せ、そこから一瞬でロッドが戻るイメージ。寄せようとしたり竿を立てると、高弾性な反発力と鋭い復元力によって一気に魚を引きずり出します。
ランカークラスのバスを抜き上げれるパワーや粘りがあるロッドはいくつか存在していますが、そのつもりが無いのに引き抜いてしまうのがGルーミスのトルク。フッキングしただけなのに40UPのバスがふっ飛んできた...という経験もあり、単純な硬さや強さとは異なる余力が備わっていると思います。

加えて、耐久性とトルクに優れたロッドでありつつ、比較的軽量で感度も十分備わっている事も魅力。軽さや繊細さ、絶対的な感度では国産ハイエンドモデルに分がありますが、トルク重視な事に加えて、他の要素も十分備わっているバランスがいいですね。
また、昔のGルーミスはかなり先重りを感じるモデルも多かったのですが、最近の機種はかなりバランスが良くなっています。

Gルーミスのグレード

2022年現在、Gルーミスのバスロッドは、価格が高い順に次のグレードがシリーズ化されています。

  • Conquest (定価700ドル台、税込み6万円台)
  • NRX+ (定価600ドル前後、税込み8万円前後)
  • GLX (定価400~500ドル、税込み5万~5万円台後半)
  • IMX-PRO (定価300ドル台、税込み4万円台)
  • GCX (定価200ドル半ば、税込み3万円台)
  • E6X (定価200ドル前後、税込み2万円台)

最もハイエンドなConquest(コンクエスト)は、シマノとのコラボで登場したシリーズ。アメリカでは最も高価ですが、シマノが販売している事もあり、(輸入が必要な他グレードに比べると)国内での価格帯が若干安めです。
Conquestは、シマノのハイエンドモデルで定番となる「ハイパワーX」と「スパイラルX」を両採用し、Gルーミスの伝統的な昔ながらのテーパーアクションを継承。国内ハイエンドモデルに近い感覚でGルーミスを楽しめますね。

グレードラインナップの中で、最もGルーミスのバスロッドらしい特性を発揮するのが「GLX」。トルクフルで頑丈、それでいて軽量かつ感度に優れた、Gルーミスのフラッグシップモデルと呼べるシリーズです。
細かいアップグレードを繰り返しつつも、20年以上大きく変わる事が無く、今も尚バスロッドの基準であり続けている普遍性が凄いですね。
高価格=フラッグシップではなく、Gルーミスらしさが最も高いバランスで完成されている点において、旗艦モデルと呼べるグレードです。

生産中止が噂されているE6Xを除き、各グレード全てがアメリカ自国内で製造している事も注目。技術や素材だけにコストをかけるのではなく、品質に重きを置いているロッドである事が伺えます。

Gルーミス | グレードの違い

昔から愛用している方であれば、”Gルーミスはグレードによって特性が違う”という事を熟知しているかもしれません。
確かに古いモデルは、高バランスなGLX、ジグ用に向いたIMX、巻物にも高相性なGL3など、グレード別に特性が異なっていました。

ですが、最近のNRX+、GLX、GCXなどを使ってみた限り、自分的にはグレードによる特性違いが薄まっている印象です。
GLXを旗艦とし、全てのグレードがGルーミスらしい使用感。トルクフルで丈夫、かつ十分軽量で高弾性な基本性能は、大きく変わらないイメージです。
強いて言えば、グレードが上がるごとに、0.5段階ほど感度が良く、軽さやバランスが良く、高弾性でありつつ柔軟性が増しているように感じました。
合わせて、下位のグレードになる程、非常に微妙なレベルですが、曲がりからの復元力が鈍い印象。その分、ブランクスに若干の張りがあり、トータルの使用感としてはバランスがまとまっています。
その為、グレードによる性能差のデメリットを感じるほど極端な差がなく、好みに応じた使用感の違いで使い分けられるレベル。勿論、できるだけ軽量で高感度なロッドが必要であれば、上位グレードはその期待を裏切りません。
実際、パワーが低い柔軟な機種(782C MBRなど)であれば、少しハリがあるGCXの方が自分的に好みでした。

Gルーミスのシリーズ

Gルーミスのロッドは、様々な用途に応じて特化したモデルがシリーズ化されている事も特徴です。
古くからのファンであれば、”MBR”や”SJR”の略称で知られ、クラシックタイプとも呼ばれるスタンダードなテーパーアクションだけで十分と考えているかもしれません。
クラシックタイプは、アメリカンなファーストアクションテーパーで、Gルーミスのトルクフルなブランクス特性を最も体感しやすいスタンダードモデル。高弾性高反発ながら、負荷に応じて曲がるブランクスは、釣り人の使い方次第で汎用性も広がります。

しかし、この20年でGルーミスが最も評価されたのは、JWR(ジグ&ワーム)に代表される特化モデルだと感じています。
特に、創設者のゲーリー・ルーミスが病で退社後(その後奇跡的に復調し、ノースフォークコンポジット社を創設)、爆発的にヒットしたのがJWR(ジグ&ワームシリーズ)。GルーミスのJWRが発売されて以降、一時期海外のロッドが似たような機種ばかりになった記憶すらあります。

ただ、クラシックタイプのテーパーアクションもこの10年で再評価されたようで、Gルーミスの各グレードに正式ラインナップされるようになりました(それまでは、クラシックタイプと各グレードが分けられていました)。
また、”穂先が残りベリーが曲がる”、”への字に曲がるテーパー”など、Gルーミスのクラシックモデルに近いテーパーアクションが、近年の日本製ロッドでも登場するようになってきているのは興味深いですね。

代表的なGルーミスのシリーズは次の通り。機種名にアルファベット3文字の略称で表記されています。
下記で紹介する他にも、アラバマ用、キャロ用、スイムベイト用、シェイキーヘッドやネッドリグといった海外で主流のリグに特化したモデル、キャスタビリティを重視した6フィートのショートレングスモデルなど、非常に多彩で多岐にわたるシリーズが存在。かつては、スモールマウス用ロッドなどもラインナップされていました。

  • MBR(マグバス)
  • SJR(スピンジグ)
  • JWR(ジグ&ワーム)
  • CBR(クランクベイト)
  • DSR(ドロップショット)
  • JBR(ジャークベイト)
  • SBR(スピナーベイト)
  • FPR(フリッピング/パンチング)
MBR(マグバス)

伝統的なGルーミスのベイトロッド。アメリカンなファーストテーパーモデルですが、負荷に応じてロッドがしっかり曲がるので、キャスティングしやすく、扱いやすいシリーズですね。
ワーミングだけではなく、スピナーベイトなどの巻物にも対応できるバーサタイルなロッドシリーズです。

SJR(スピンジグ)

Gルーミスの伝統的なスピニングモデル。いわゆるライトリグのフィネスに特化したロッドではなく、ベイトタックルより軽量なジグやハードルアーを扱えるシリーズです。
ライトリグに最適化されて進化する以前の時代、ある意味普遍的でバーサタイルなスピニングモデル。最もライトな機種でも、8lbラインで4インチグラブのジグヘッドをシャープに操作する用途に適しています。

最近であれば、パワーフィネス的な使い方や、ショアのソルトでシーバスを狙う釣りにも対応できそうで、普遍的だからこそのバーサタイル性能が魅力になっています。

JWR(ジグ&ワーム)

Gルーミスを代表するバスロッドシリーズ。(アメリカンロッドとしては)繊細で操作性に長けた穂先を持ち、強いフッキングパワーや強引なファイトを可能にする強靭なバットを備えています。

エクストラファーストテーパーのモデルが大半を占めつつ、機種によってはファーストテーパー設計も存在。ただいずれのモデルも、先調子なジグロッドである事には違いありません。
どちらかと言えば、ピッチングやショートキャストで近距離を撃つ用途に適しています。
ただ、バットがガチガチすぎる事が無いので、クイックに穂先を曲げてルアーウェイトをブランクス全体に乗せる事で、ある程度キャスティングにも対応可能。
負荷に応じてロッドが曲がる事と、穂先に喰わせの間があるので、スピナーベイトやバズベイトといったシングルフックの巻物にも十分使用できます
先調子で操作性が良いので、丈夫なフックを備えたルアーであれば、トップウォーターやジャークベイトにもいいですね。

MBR(マグバス)の様にクセが無いテーパーではありませんが、一度慣れてしまえば、ジグ&ワーミングに特化した操作性をフルに発揮できます。
特化した性能を持ちつつ、ある程度キャスティングや巻物にも応用できるので、海外だけでなく、日本国内でも人気が高いロッドシリーズです。

CBR(クランクベイト)

CBRシリーズは、クランクベイトに特化したシリーズで、古くからGルーミスにラインナップされている定番モデルです。
特徴的なのは、グラスやグラスコンポジットではなく、軽量で感度に優れたカーボン製ロッドである事。それでいて柔軟性があり、クランクベイトやバイブレーション(リップレスクランク)のアクションを殺さず、バスの吸い込むバイトに追従し、トレブルフックでもバレにくい特性です。

日本製グラスコンポジットに多い”巻物全般”に向くロッドではなく、クランクベイトやバイブレーションに特化している点も注目。引き抵抗の強いディープクランクでもアクションを最大限に発揮する事が可能で、ずんぐりとしたルアーでもバレにくい特性は、専用ロッドならではと言えますね。
その分、スピナーベイトやトップウォーターにはダルめで、不向きだと感じています。
「巻物にはグラスロッドのしなやかさと柔軟性が絶対必要です!」と推奨するプロガイドさんにCBRを使っていただいた際、「何この柔らかいロッド!?」と言われた事もある程でした。

モデレートアクションで穂先からベリーにかけて柔軟性がありつつ、バットパワーはしっかりとしているので、クランクで掛けた魚をバラし難く、かつトルクのあるファイトを楽しめます。

Gルーミスには、さらに深いレンジまで潜るクランクをより柔軟に扱える「CBR DF(クランクベイト ディープフレックス)」もラインナップされていて、カーボン製ブランクスとは思えないポテンシャルに驚かされますね。

DSR(ドロップショット)

ドロップショットは、アメリカにおけるダウンショットリグ(常吉リグ)の呼称。その名が示す通り、”DSR”はダウンショット専用のスピニングロッドで、Gルーミスのラインナップでは最も日本的なフィネスに近いシリーズです。
Gルーミスでタックルを揃える場合、自分であればスピニングにDSRのライトパワーモデルを加えますね。

ただ、海外でのダウンショットは、15~20mといったディープレンジを狙う事が多く、DSRシリーズもそうした用途に最適化されています。
マスバリにセッティングしたワームをボトムまでしっかりと落とし、柔軟性のある穂先がオートマチックに魚を誘い、ナチュラルに喰わせて、ハリが勝手に掛かっているイメージ。掛け調子ではない繊細なティップとベリー、しっかりとしたバットパワーが特徴です。
小刻みでテクニカルなフィネス操作に向いているとは言えませんが、日本的なライトリグを1番扱いやすいGルーミスですね。

JBR(ジャークベイト)

ジャークベイトやトップウォーターに適したベイトモデル。ルアーにアクションを付けやすい先調子なテーパーと、硬すぎないブランクス特性が専用ロッドならではの設計となっています。

SBR(スピナーベイト)

スピナーベイト専用のロッドシリーズ。太めのシングルフックでもしっかりとフッキングできるパワーを備えた先調子のベイトロッドです。
最近では、ブレードジグ専用のBJRシリーズも別途ラインナップ。1つの釣り方だけに特化したモデルが多数リリースされる製品群を見ていると、アメリカのバスフィッシング市場規模の奥深さを感じてしまいます。

FPR(フリッピング/パンチング)

フリッピングとパンチングという異なる2つの釣り方に特化したベイトモデル。

Gルーミス NRXプラス 802C JWR | 特徴と魅力

公式サイト

Gルーミス NRXプラス 802C JWR

G.Loomis NRX+ 802C JWR 性能・スペック
MODEL LENGTH POWER ACTION PIECES LINE (LB) LURE (OZ)
NRX+ 802C JWR 6'8" Medium Extra Fast 1 10-14 1/8-3/8

「Gルーミス NRXプラス 802C JWR」の性能・スペックは上記の通り。機種名の数字下1桁がパワー(2 = Mパワー)を表し、上2桁が長さ(80 = 80インチ(6フィート8インチ))を示しています。
数字の後の”C”はキャスティングモデル、つまりベイトモデルを意味し、最後のJWRは用途に応じたシリーズ名(JWR(JIG & WORM) = ジグ&ワーム)です。
JWRシリーズに限れば、下一桁が3ならMH、4ならH、5ならXHパワー、上2桁が85なら7フィート1インチ、89なら7フィート5インチの長さがラインナップされていますね。

Gルーミス NRXプラス 802C JWR ロッド重量・自重

▲ロッドのセンターバランス近辺で計った重量は約93.2g。旧NRXの802C JWRと比べても軽やかで、バランスが向上した印象。

適合ルアー1/8~3/8oz(約3.5~10g)は、Mパワーロッドとしてはやや弱めなイメージ。ただ実物はかなりパワフルで、先調子な穂先こそMパワーらしい仕上がりですが、バットはかなりガッシリとしています。
JWRはジグ&ワーム用なので、ジグヘッドやワーミングのシンカー重量を示している印象。実際、3.5g程度のライトテキサスは扱いやすいものの、5gクラスのプラグだと若干強すぎる使用感です。
3/8ozのスピナーベイトでも余裕で扱えるので、Gルーミスの適合ルアーは用途別な重量を示していると感じました。

適合ライン10~14lbも繊細な印象を与えますが、これもアメリカのライン基準(ポンドテストライン:表示数値以下では切れない)がベースになっています。
日本のライン基準(ポンドクラスライン:表示強度で切れる)とは異なるので、国産ラインであれば12lb以上が適当かもしれません。

使用用途

G.Loomis NRX+ 802C JWR 型番・番手 表記

「G.Loomois NRX+ 802C JWR」は、ジグやワーミングに適したJWRシリーズでは最も繊細なモデル。ヘビーなカバーからビッグバスを引きずり出す..といった用途ではなく、どちらかと言えばオープンウォーターやクリアウォーターをやや小さめなジグやワームで攻める用途に適しています。
葦際などのちょっとしたカバーや、ボトムに岩の多い池や湖を丁寧にアプローチしたい場合にいいですね。
ロッドパワーに対して繊細な穂先と、ガッチリとしたバットがあるので、比較的オープンなエリアでのカバーやストラクチャーから魚を釣り上げるには十分すぎるトルクがあります。

自分的には、3.5~7gシンカーを使ったフリーリグやライトテキサスに最適で、5g前後のシンカーによるヘビーダウンショットにも活用していますね。
下限となる3.5gシンカーの場合、ワームのサイズ的には3インチ程度でも構いませんが、ある程度本体に自重が欲しくなります
また、上限となる10g辺りのシンカーになると、キャストや操作がややダルく感じました。
7gシンカーでも、合わせるワームによっては少しダルくなります。

また、ラインや合わせるリールにもよりますが、比較的ライト寄りのセッティングであれば、5~6インチサイズのネコリグでも扱えます。
ただロッドのトルクが強いので、フックサイズは#1以上の太軸なマス針がいいですね。

Mパワーならではの汎用性

ジグ&ワーム(JWR)シリーズは、”繊細な穂先”と”頑強なバット”を合わせ持つ特性。とは言え「802C JWR」は、ジグロッドの中では強すぎずガチガチすぎないMパワーモデルなので、意外と汎用性も備えています。

軽めのハードルアーでも穂先だけでチョイ投げするような感覚で近距離~中距離を投げやすく、フルキャストも十分対応可能。3/8ozのスピナーベイトやバズベイトとも相性が良く、ジグロッド特有の力強さでワイヤーベイトをバチッとフッキングできます。
また、7~12gのトップウォーターやジャークベイトにも対応し、穂先だけでチョンチョンとアクションを付けやすく、ベリーまで使ってしっかりジャーキングする事もできます。

ヘビーロッド程の圧倒的な強さは無いものの、適度に扱いやすい「802C JWR」は、ジグ&ワームモデルの中で最も汎用性が高い機種だと感じました。

独特なマルチテーパーデザイン | Gルーミスの技術・テクノロジー

Gルーミス マルチテーパーデザイン

出典:G.Loomis Rods

Gルーミス NRX+ には、次のような技術・テクノロジーが採用されています。

マルチテーパーデザイン(MULTI-TAPER DESIGN)

マルチテーパーデザインは、2018年以降の現行Gルーミスバスロッドに採用されている最も特徴的な技術です。
(2016年に登場した現行GLXとE6Xは、デザインやラインナップは大きく変更されていませんが、2018年にマルチテーパーデザイン採用モデルへとマイナーチェンジしています)

日本でこの技術名称を見ると、”多段テーパー”や”可変式テーパー”など、負荷に応じてパラボリックに変化するロッドアクションを連想してしまいがちですね。
ですがGルーミスのマルチテーパーデザインは、こうした技術とは少し異なっています。

Gルーミス マルチテーパーデザイン

▲ブランクスの要所に複数のテーパーが追加されている”マルチテーパーデザイン” 出典:G.Loomis Rods

マルチテーパーデザインは、ロッドの中に複数のテーパーを共存させる技術。”穂先が細く、バットが太い”といった1つのテーパーだけではなく、負荷の多い箇所を意図的に太くしたり、負荷の少ない箇所は最小限の素材で細めたりする事で、複合的なテーパーを1本のロッドに集約させています。
(複数の段差があるという意味では、多段テーパーという名称がそのまま当てはまりますね)

Gルーミス マルチテーパーデザイン

▲用途に応じて負荷が集中する箇所にテーパーが追加されている。 出典:G.Loomis Rods

マルチテーパーデザインは、設計されたロッドアクションを精密に再現し、鋭敏なロッドバランスを実現。肉厚で耐久性重視のロッドながら、十分に軽量なロッドに仕上がっています。

実際、マルチテーパーデザインを採用したGルーミスロッドは、過去の同一番手と比較しても、よりスピーディーに曲がり、カーブを描き切ったところで最大トルクを一気に発揮しつつ、しっかりと粘る印象。加えて、ブランクス全体が軽やかになり、先重りなどのバランス悪さが緩和されているように感じました。

スパイラルX(SPIRAL X)

Gルーミス NRXプラス 802C JWR スパイラルX

繊維の向きが縦と横で異なるカーボンシートを組み合わせるのが、ロッドブランクスの基本構造(場合によっては斜め方向も追加されます)。それに対し、縦方向のみのカーボンシートをベースとし、内層と外層を”斜めの逆方向”にカーボンテープで密巻きした三層構造がスパイラルXです。

スパイラルXの密巻きは、重なり合う事なく、隙間がないのが特徴。様々なロッドでネジレ防止機構として採用されているX状の技術とは異なり、ロッドブランクスの基本構造を飛躍的に進化させたシマノ独自のテクノロジーです。
横方向のカーボンシートを斜め逆方向のカーボンテープに置き換える事で、軽さを維持しながら高いネジリ剛性とつぶれ剛性を実現。キャストやファイトといった釣りの動作における瞬時のパワー伝達が向上し、軽さを実現させつつ、“獲るための地力”を高めています。

国内製のシマノロッドには、よりハイグレードなスパイラルXコアを採用したモデルもラインナップ。ですが、NRX+のスパイラルXがどういったグレードなのかは不明です。
ただ、前モデルの初代NRXがリリースされた2010年時点で、当時としてはまだ珍しいナノレベルのレジン(繊維の隙間を埋める液状素材、接着剤のようなもの)を採用。Gルーミスはブランクスそのものを追求し続けているメーカーなので、スパイラルXというシマノの独自製法を採用しつつ、より進化した素材や技術も併用している事も推測されます。

実際にNRX+を使ってみた限り、スパイラルXを採用しつつも、シマノのバスロッドのようなテイストは感じられず、Gルーミス特有の使用感。耐久性とパワーに優れた肉厚なブランクスが、シマノ最高の製法でより軽量に高バランスになった印象です。

CI4+リールシート

▲NRX+に採用されているCI4+リールシート

モデルチェンジしたNRX+は、シマノの技術を用いたCI4+リールシートを採用しています。
グリップエンドまで一体化されたブランクスの一部が剥き出しになっていて、グリップを握り込む手に感度情報が伝わりやすい構造。

Gルーミス スケルトンリールシート

▲旧NRXやコンクエストシリーズに採用されているGルーミスの”スケルトンリールシート”

ブランクスに直接手が触れるという要素では、前モデルの旧NRXに採用されていたスケルトンリールシートの方が優れています。
ただ個人的には、集中していればスケルトンリールシートは非常に微妙で小さな情報までキャッチできるのですが、CI4+リールシートの方が情報が反響して大きく伝わりやすいと感じました。

持った感じのガッシリ感もCI4+リールシートの方が好みなので、自分的に気に入っているモデルチェンジ要素です。

外見、デザイン、使用感

G.Loomis NRX+ 802C JWR

「G.Loomis NRX+ 802C JWR」の外見や使用感を紹介します。

外見、デザイン

G.Loomis NRX+ 802C JWR

▲NRX+のJWRシリーズはセパレートグリップ。リアにフックキーパーが装着されている。

「Gルーミス NRXプラス 802C JWR」は、前モデルである初代NRX同様にブルーのスレッドが特徴的な外観。飾り気の少ないコルクグリップを採用し、リア側はセパレートタイプになっています。
セパレートグリップはNRXのJWRシリーズの特徴で、フックキーパーがリアグリップ側に備え付けられている事も自分的には好み。その他、ロゴマークなど細かいデザイン変更はあるものの、初代と変わらないNRXらしいイメージをしっかりと継承しています。

国産ハイエンドモデルのような派手な装飾はありませんが、その分ブランクスにコストがかけられている印象。全体的な仕上がりも丁寧で、アメリカの職人魂を感じさせる仕上がりです。

ガイドシステム

Gルーミス NRXプラス 802C JWR リコイルガイド

▲NRX+ 802C JWRのトップ2~8番目からはリコイルガイドを採用。

Gルーミス NRXプラス 802C JWR ガイドセッティング

▲バット側3つのガイドはダブルフットのチタンフレームSiC。

NRX+ 802C JWR は、バット側3つとトップガイドに富士工業のチタンフレームガイドを採用(おそらくPEラインを想定したKガイド仕様)。トップ2番から8番目までは、形状記憶のチタンリコイルガイドという組み合わせです。

ガイドフレームやリングの存在しないリコイルガイドは、通常のガイドより小型で軽量、かつ十分な耐久性があります。
一般的なガイドフレームのような硬さが無く、穂先の軽さやブランクスの柔軟性に貢献。小さなガイドでも十分な内径があるので、太いラインやPEラインのリーダーがキャスト時に抜けやすいといったメリットも。

ですが、初代NRXから採用されているリコイルガイドは、使用するラインによっては微妙に凹んでしまう..といったネガティブな情報もありました。
これは、ルーペで見なければ分からない様なレベルで、ラインブレイクに繋がるような傷ではないようですが、気になる情報です。
ただ、10年以上を経てモデルチェンジした NRX+ が再びリコイルガイドを採用した事は、耐久性を重視するGルーミスの絶対的な自信だと考えられますね。

リコイルガイドが進化して耐久性が向上しているのかもしれませんし、凹みは材質的な初期不良だった可能性もあります。
いずれにせよ、PEラインを多用するアメリカで、NRXのリコイルガイドは確かな実績。もしかすると、日本特有の細すぎるフロロカーボンやナイロンラインには向いていないのかもしれませんが、自分的には耐久面で不安はありません(適合ライン未満の細糸を使う事が無いので)。
むしろ、軽さやブランクスの曲がりやすさといった、リコイルガイドの恩恵は他に代えがたい要素。小型すぎる華奢なリコイルガイドにはやや気を使うものの、トルザイトリングやAGSを採用する国産ハイエンドモデル同様に、繊細で尖った特性だと感じています。

ブランクスルー

G.Loomis NRX+ 802C JWR ブランクスルー

▲グリップエンドまでブランクスが一体化されている構造。

グリップエンドまでブランクスが一体化している”ブランクスルー構造”もGルーミスの特徴です。
国産バスロッドの多くがグリップジョイント形式であったり、完全な1ピースモデルでもグリップ部で継いでいる設計が多いので、特徴的な構造と言えますね。

ブランクスルーのメリットは、グリップエンドまで1本で連なるロッドが生み出すリフティングパワー。手元からパワーロスの無い力強さを体感できます。
また、リールを握る手がグリップ下部に剥き出しになっているブランクスに触れるので、ロッドを伝わる微妙で繊細な感度をキャッチしやすいですね。
グリップ部でロッドを継いでいる構造の方が、メガホン効果で感度情報が反響し、より明確に伝わりやすい場合もあります。
ですが、微かなアタリを機敏にキャッチするようなシーンでは、直接ロッドに手が触れ続けているブランクスルーにアドバンテージがあると感じました。

強いて欠点を挙げると、ロッドエンドまで曲がり込むブランクスルー構造はリールシートに歪みやたわみが生じます。
なので、ガッチリとしたリールシートが好みの方は違和感を感じる可能性も。ただかなり微妙な歪みなので、フルベンド時でも自分的には気になった事がありません。

使用感

「Gルーミス NRX+ 802C JWR」は、高弾性なのによく曲がり、ロッドの復元力が高く、トルクフルな使用感。802は、NRX+のベイトロッドとしては最もライトパワーなモデルですが、それでもGルーミスらしい筋肉質なトルクを存分に堪能できます。

「初代NRX」は、どちらかと言えばガチガチの高弾性で、軽量かつ高感度ながら、レーシングマシンのような尖った使用感でした。
しかし、モデルチェンジした「NRX+」は、軽量でバランスが良く、優れた感度性能を備えながら、GLXやCGXといった他のGルーミス同様の使いやすさがあります。
良い意味でGルーミスらしいバスロッドが、そのままグレードアップした使用感。初代NRXにピーキーさを感じていた自分としてはかなり驚きで、このモデルチェンジを最高に気に入っています。
シマノのロッド製造技術「スパイラルX」が、ややもすれば尖りすぎていた「NRXマテリアル」を、Gルーミスらしいトルクと柔軟性を兼ね備えたロッドとして完成させていると感じました。
(シマノとGルーミスがコラボしたコンクエストロッドは、補強技術のハイパワーXもプラスされるので、もう少しシマノよりなテイストに感じます)

古いGルーミスの中には、ガイドのエポキシなどがやや過剰で、ブランクス自体の造りが無骨なモデルもありました。
その為、新品購入時にメキメキッと音がする場合があり、1日投げ込まないとロッド全体が馴染まなかった記憶があります。
こうした傾向は古い日本製ロッドにも感じていたのですが、現行のGルーミスは最新の国産ロッドに劣らない品質。新品購入時から快適なパフォーマンスを発揮してくれます。

キャスティング | キャストフィール、キャスタビリティ

Gルーミス NRXプラス 802C JWR

「Gルーミス NRXプラス 802C JWR」でルアーを投げてみた所感を紹介します。

キャストフィール

ジグ&ワーム用にカテゴライズされる 802C JWRは、ベリーからティップがクィックに立ち上がり、強めのバットを備えています。
エクストラファーストテーパーである事を除外しても、穂先とバット側でやや急角度なテイスト。オーバーヘッドのフルキャストに適した特性とは言えません。

ですがその分、繊細な穂先だけでルアーの重みを捕らえ、シャープにキャストすることが可能。ショートキャストやピッチングなどで近~中距離に撃ち込む動作が快適です。

フルキャストの場合、立ち上がりの速い穂先側でルアーをコントロールするイメージが投げやすいですね。
ティップに比べて強めなバット部分は、穂先側に比べると曲がるレスポンスが若干遅め。穂先を素早く曲げ込んだ後に、半テンポ遅れでルアー重量を伝え、ロッド全体を曲げ込む形になります。
ただ、JWRシリーズの中ではライト寄りなパワー設定なので、フルキャストでも比較的ロッドを曲げやすく、十分な飛距離を出す事が可能。バズベイトやジャークベイトのようなやや投げにくいルアーであっても、鋭い穂先で勢いを付けやすいので、シャープなキャスト弾道を得られやすいと感じました。

キャスタビリティ

G.Loomis NRX+ 802C JWR

Gルーミスのロッドは、ネジレやブレを防止する特別な強化構造を施していません(シマノとコラボレーションしているコンクエストシリーズを除く)。
NRX+は、スパイラルXを採用しているので比較的ネジレに強い一面もありますが、あくまで軽量で耐久性に優れた基本構造技術であり、ハイパワーXのように外部からガッチリと強化する仕組みではないようです。

ですが、肉厚で重厚なブランクスがしっかりしているので、曲がった状態からピンっとブレることなく復元するパワーに優れていて、結果的にキャスト時におけるネジレが押さえられています。
先調子のロッドアクションは、特にピッチングやショートキャストで狙い通りにキャストを決めやすいと思いました。

特に5g前後のジグやシンカーであれば抜群のキャストアキュラシー。思い通りの場所にルアーを撃ち込みやすいですね。
適合ルアー上限近くの7~10gを超えるシンカーやジグは若干もたれるものの、シャープな復元力と粘り強さを感じるパワーで、十分な精度を保つことができる印象。同程度の穂先を持つ他ロッドに比べ、適合ルアー上限への対応力が高いと感じました。

フルキャストでの精度は、レスポンスの速い穂先と強めのバットのバランスに慣れるまで、若干難しいかもしれません。
それでも、3/8oz辺りのワイヤーベイトや7~12g辺りのハードルアーをロングディスタンスでイメージ通りにアプローチする事ができました。

ただ個人的には、究極のキャストアキュラシーを求めた場合、様々な補強技術が施されている国産ハイエンドモデルの方がブレやネジレが少なく、高い精度を出せると思っています。
NRX+ 802C JWR は、ブランクスが持つ地力でキャストブレを押さえ込んでいる印象で、絶対的なキャスタビリティはやや分が悪いかもしれません。
とは言え、過度な補強が無いブランクス本来のピュアな使用感は快適そのもの。トルクと耐久性を重視したロッドならではの使い心地で、その上で高いキャストア精度も備えているバランスが魅力です。

感度、操作性、フッキング、魚とのファイト

Gルーミス NRXプラス 802C JWR テーパー

「Gルーミス NRXプラス 802C JWR」の感度、フッキング、魚とのファイトにおける使用感を紹介します。

感度

NRXプラス 802C JWR は、海外製ロッドとしてはかなりハイエンドにカテゴライズされる製品で、そのグレードに相応しい感度性能を備えています。
耐久性が重視される海外製ロッドとしては驚くほど敏感で、ボトムの微妙な質感変化を感じ取ったり、啄むような繊細なバイトをキャッチしやすいと思いました。

昔と比較すると、最近のGルーミスは高弾性な反発力を残しつつも柔軟性が増していて、金属質なキンキン感は控えめです。
ですが、響き渡るような感度性能はしっかりと確保されているので、昔からのGルーミスファンも十分納得できる性能ですね。
その感度性能は、Gルーミスのフラッグシップモデル「GLX」を若干上回っている印象。初代NRXと比較しても、手元に伝わる響き渡るような感度ボリュームが向上していて、より多くの情報をキャッチしやすいと感じました。

しかし、絶対的な感度性能に限れば、国内ハイエンドモデルにアドバンテージがあります。
様々な技術と最先端の素材、突き詰めた軽量化で完成された感度は日本製ロッドの神髄。トルクと耐久性を重視したブランクス製造に注力するGルーミスとは根本的に方向性が違うのかもしれません。
ですがNRX+にも、3万円前後の国内中堅モデルに決して劣らない感度があります。
NRX+は、肉厚で重厚なブランクスを軽量に仕上げつつ、その範囲内で最大限の感度性能を備えていると感じました。

操作性

NRXプラス 802C JWR のテーパーデザインはエクストラファースト。とは言え、穂先から曲がる竿調子ではなく、ティップ先端がやや硬く、操作時に穂先が残るイメージです。

これは多くのアメリカンロッドに見られる特徴で、”クワセの間”や”への字テーパー”と呼ばれる国産ロッドに近い特性ですね。
ただ、残る穂先はやや短めで、ベリー先端部がティップ動作にしなやかに追従。ベリー中央部からバット側にかけて張りがあるので、先調子のロッド特性でジグやワーミングにおける細やかな操作がやりやすいと感じました。

ラインテンションをキンキンに張りすぎず、その上で細かく刻んだジグ操作が可能。自分的には5g辺りのシンカーを使ったワーミングに最適でした。
ベリーが弱すぎないので、やや重めな7g前後のシンカーにも対応。ややダルくなるものの、10gまでのジグでも十分使えます。
耐久性重視のブランクスながら、非常に軽量な事も 802C JWR のメリット。ロッドを立てた状態での操作性やバランスがかなり良好です。

また、小型のトップウォーターを穂先でチョコチョコと動かしたり、ハリのあるベリーを使って、水をしっかりと噛んだジャークベイトをキビキビとアクションさせる用途にも対応します。

フッキング、魚とのファイト

フッキング~魚とのファイトは、トルクフルなGルーミスの醍醐味をMAXに体感できるシチュエーションです。
Mパワーの NRXプラス 802C JWR は、岩場が多いクリアウォーターやオープンフィールド用で、どちらかと言えばヘビーカバーからバスを引きずり出すようなパワーロッドではありません。
それでも、ジグ用ロッドとして強めのバットを備えているので、同パワーの他ロッドと比べても、力強いパワーやトルクを存分に堪能できます。

802C JWR は、ジグの操作性に長けた繊細なティップが特徴。繊細さを支えるベリーは、若干の張りを備えつつ、曲がってからの反発力が強い特性です。
魚が掛かった際、ティップからベリーは想像以上に良く曲がりつつ、そこから鋭い反発力で一気に復元されるイメージ。軽いフッキングでも、穂先が十分に曲がりきり、バシッと力強いフッキングを発揮してくれました。
やや強引なフルフッキングでも、ロッド全体がしなやかに曲がって追従し、パワフルなフッキングが可能。自分のフッキングが上手くなったと錯覚してしまう位、様々なシチュエーションでバスの上顎を貫通するようなフッキングが決まりやすいですね。

フッキング後も、エキストラファーストアクションのテーパーでロッド全体が弧を描き、ラインテンションを緩める事なく、グイグイと魚を引き寄せていきます。
ロッドパワーが魚を浮かび上がらせる...といった表現は正直控えめで、40UPクラスのバスであれば、強引に引き抜こうとする動作が無くても、そのままズルズルと魚を抜き上げてしまえる勢いがありました。

※無理な使用はロッドの破損に繋がるので、強引なファイトは自己責任でお願いいたします。

NRXプラスについて感じた事は、シマノのスパイラルXを採用しているにもかかわらず、非常にGルーミスらしいトルクを発揮する点。高弾性なロッドテイストなのに、良く曲がり、トルクとパワーに溢れたGルーミステイストを感じました。
ぶっちゃけ、純粋なGルーミステクノロジーで製造された旧NRXより、Gルーミスらしいロッドに進化していると思います。

加えて、高弾性ながら良く曲がる特性がより明確になったイメージ。古いGルーミスのロッドや、前作の旧NXRが、比較的曲がり始めからトルクを発揮したのに対し、NRX+は一気に曲がり込んで、そこから最大トルクを開放しているような印象です。
この差は感覚的なもので、そこまで極端な特性違いではありませんが、柔軟性が増しつつも、トータルのロッド操作で発揮されるパワーやトルクは全く変わりが無い使用感。Gルーミスの魅力はそのままに、より洗礼された使い心地に仕上がっています。

まとめ

G.Loomis NRX+ 802C JWR 釣果

「G.Loomis NRXプラス 802C JWR」は、世界最先端にこだわり続けるGルーミスのハイエンドモデル。ファイト時のパワーやトルク、ブランクスの耐久性に重きを置きつつ、軽めのジグやワーム専用に研ぎ澄まされた使用感・操作性・感度が魅力です。
軽量かつ高バランスで、6フィート8インチという取り回しの良さも見逃せません。

高弾性なロッドながら、トルクと粘り強いパワーを蓄えつつ、非常に良く曲がる特性なので、中型スピナーベイトやトップウォーターとも高相性。強すぎないMパワー設計は、ヘビーカバー用途ではやや物足りないかもしれませんが、その分繊細なアプローチ全般に幅広く対応できる応用性も秘めています。
岩だらけのクリアウォーターやちょっとした葦際を手返し良くアプローチし続け、トルクのあるブランクスで大物をガッチリ釣り上げたい人にいいですね。

個人的には、シマノの技術を採用しつつ、キンキンに尖った旧・NRXよりもGルーミスらしいロッド特性に仕上がっている点も気に入っています。
Gルーミスのフラッグシップモデル「GLX」を愛用されている方でも違和感を感じさせない使用感。トルクやパワーはそのままに、もう少し軽く高バランスで、より感度に優れたハイエンドな仕上がりを堪能できます。

「最高のテクノロジーとは、気づかれないもの」
..と言い切るGルーミスは、国産ロッドの様に積極的な技術PRを行っていません。
外観やデザインも決して派手ではありませんが、ブランクスにこだわった本物のバスロッドと言えますね。

Gルーミス NRXプラス 802C JWR に合うリール

G.Loomis NRX+ 802C JWR リール

Gルーミス NRXプラス 802C JWR は、やや軽めのジグやワーミングに適したロッド。軽量でバランスが良く、ロッドを立てた状態で操作する事が多くなるので、合わせるリールも軽めのモデルがいいですね。

最もおすすめのリールは「シマノ 22 メタニウムシャローエディション」。バーサタイルな34mm径スプールの汎用性とパワーを活かしつつ、キャパが少なめなシャロースプールに12lb前後のやや細めなラインを巻いて、小型~中型のルアーも扱いやすいリールです。
ジグやワームを主体としながらも、中型までのワイヤーベイトやトップウォーター、ジャークベイトまで汎用的に活用可能。また、シャロースプールに14lb前後の太めのラインを少量巻いた状態で、近~中距離を撃ち続ける用途にもいいですね。
少ないライン量はスプールトータルの重量が軽減されるので、回転の立ち上がりが良くなり、低弾道でピンスポットを狙い撃てます。

Gルーミスのロッドは、曲がった状態からの反発力が強く、個人的には遠心ブレーキとの相性が良いと感じました。
シマノの22メタニウムであれば、抜けの良い遠心ブレーキで近~中距離を攻めやすい特性。ラインキャパが必要最小限に収まる事でスプール回転の立ち上がりに優れ、軽量~中量級のルアー全般を使いやすく、ジグやワーミング用途にも快適です。

おすすめのGルーミス

GルーミスのJWR(ジグ&ワーム)シリーズは、専門用途に特化した操作性・使用感を備えつつ、鋭い反発力・トルクと柔軟性を合わせ持つロッド。Gルーミスに興味を持っている方に是非試していただきたいモデルです。
20年ほど昔に登場した初期モデルは、屈強な仕上がりな分、かなり先重りも感じましたが、現行モデルはどのグレードも非常に高バランスな仕上がり。

ただ、本記事で紹介した802C JWR は、やや軽量ジグ寄りで繊細な番手。最初の1本目であれば、よりGルーミスらしいパワーを発揮できる803C JWR がおすすめです。
803C JWR は、比較的軽めのジグからレギュラークラスのワーミングまで対応するMHパワーモデル。6.8フィートの長さは取り回しも良く、リザーバーなどのカバー撃ちで扱いやすい機種で、Gルーミスの肉厚なパワーを実感しやすいロッドです。
また、NRX+だけではなく、Gルーミスの旗艦モデルとも言えるGLXや、比較的リーズナブルなCGXにもラインナップされているので、予算に応じたロッドを選びやすいのが魅力ですね。

本格的なカバーを撃つ用途であれば、Hクラスのパワーと7.1フィートの長さを備えた854C JWR がおすすめ。ヘビークラス以上のJWRシリーズは、先調子ながらもファーストテーパーアクションに設計されているので、繊細な穂先と強靭なバットを備えつつ、キャスティングも比較的対応しやすい仕上がりです。
ガチガチのロッドではないので、4.8インチクラスのスイムジグや、1/2oz以上のスピナーベイトなど、ある程度重量がある巻物にも対抗可能。カバー専用に長けた特性ながら、意外と使い道が広く、人気のあるモデルです。
こちらもNRX+だけでなく、GLXやCGXにもラインナップされているので、選びやすい番手。
取り回しの良さを重視するのであれば、同じHパワークラスで6.8フィートの804C JWR もいいですね。
ただ、804C JWR はGLXに用意されているものの、NRX+やCGXにはラインナップされていません。

よりスタンダードでバーサタイルなテーパーアクションが好みであれば、MHパワーの783C MBR、843C MBR、Hパワーの844C MBR がおすすめ。クセの無いテーパーで、キャストやルアー操作全般において扱いやすいモデルです。

オススメのGルーミス 性能・スペック
MODEL LENGTH POWER ACTION PIECES LINE (LB) LURE (OZ)
803C JWR 6'8" Medium Heavy Extra Fast 1 12-16 3/16-5/8
804C JWR 6'8" Heavy Fast 1 14-20 5/16-3/4
854C JWR 7'1" Heavy Fast 1 14-20 5/16-3/4
783C MBR 6'6" Medium Heavy Fast 1 10-17 1/4-3/4
843C MBR 7'0" Medium Heavy Fast 1 10-17 1/4-3/4
844C MBR 7'0" Heavy Fast 1 12-20 1/4-1

Gルーミスの購入方法

Gルーミスは、海外から日本の正規代理店に輸入されています。
ですが、海外でも生産数が少ない為か、あまり日本国内で出回っていません。
在庫をかかえる店舗も少ないので、欲しい機種がある場合は予約注文を相談した方がいいかもしれません。
ただ数カ月~半年以上待つケースも多いようです。なので、在庫を見かけた時が千載一遇のチャンスですね。

私自身がGルーミスを購入しているおすすめの店舗を紹介します。

10minutes

Gルーミスのバスロッドを長年扱っている店舗。在庫している品揃えが良く、定番製品を常にオーダーしているようで、比較的入荷状態が良好です。
私の知る限り、NRX+を国内で在庫している店舗はココだけ。実店舗も非常にお洒落で居心地がよく、ネット販売でも親切に対応してくれます。

10minutes ONLINE
10minutes ONLINE (10ミニッツ オンライン)東京、池袋にあるルアー釣具店 アメリカンルアーとG.Loomis、ヒラマサルアーを取...
ファインルアーズ

Gルーミスの中でも、琵琶湖や関東メジャーフィールドなどで特に実用性が高いモデルを中心に揃えているオンライン専門ショップ。SNSなどで細かい質問に丁寧に応えてくれるので、Gルーミス初心者でも頼れるショップです。

舶来釣具専門店ネスト

さまざまな釣具の並行輸入品を取り扱っているオンライン専門ショップ(実店舗の計画も噂されています)。Gルーミスに関しては正規輸入品を取り扱っていて、多店舗にはない型番を仕入れている事も多く、要チェックなショップです。

通販アメリカン釣具専門店「NEST/ネスト」
バスプロショップス オリジナルの品揃えは日本トップクラス。アメリカ釣り具を中心にこだわりの釣り具・アウトドア用品を直輸...

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