シマノ エクスプライド 265UL+のインプレをレビューします。
265UL+は、シェイキングスペシャルという特徴的な性能を持ちつつも、極端なクセが少なく、軽量プラグを含むライトリグ全般が使いやすいスピニングロッド。
シマノ公式サイトでもバーサタイルスピンにカテゴライズされていて、ラインスラックを多用するシェイキングという強みを持ちつつも、汎用性が高いスピニングモデルである事が伺えます。
目次
シェイキングスペシャル | エキサイトトップ の特徴
スペック 265UL+, 全長(m)1.96, 自重(g)92, 適合ルアーウェイト(g)2~10, 適合ライン(lb)2.5~6, テーパーRF
センターカット2ピース 265UL+-2, 全長(m)1.96, 自重(g)92, 適合ルアーウェイト(g)2~10, 適合ライン(lb)2.5~6, テーパーRF
エクスプライド 265UL+は、ライトリグによる誘いがバツグンに艶めかしいシェイキングスペシャル。
その最大の特徴は、穂先に「エキサイトトップ」を採用している事です。
エキサイトトップは、エクスプライドが現行品にモデルチェンジした頃にバスロッドに採用された特選技術の1つ。
僅かなロッド操作で滑らかにティップが揺れ、艶めかしいシェイキングを演出してくれます。
ロッドのグリップを握り込まず、指を添えるような軽い持ち方でも、適度なロッドシェイクが可能。
この特性により、オートマチックな感覚でラインスラックを出しやすく、少ない負担でシェイキングを持続する事ができます。
低弾性素材やソリッドでは無い、感度や操作性に優れたチューブラーの高弾性ロッドで、これほど楽にシェイキングできる機能は何かと便利。
一か所を重点的にネチネチと攻めたり、ラインスラックを使った継続的なアクションを求められるミドストやボトストを、道具の特性がアシストしてくれます。
そんなスペシャルな特性を持ちつつも、軽量ルアー全般を比較的バーサタイルに使えるのが、エクスプライド 265UL+です。
エキサイトトップの構造
エキサイトトップの仕組みですが、ロッドパワーに比べるとしっかり残るティップが、穂先より繊細で柔軟なベリーに支えられています。
バネのように揺れるベリーの先に、強めなティップが軽いウェイトのような役割を果たし、かすかな手の操作で適度にシェイクし続けるイメージ。
このベリーの強度が絶妙で、軽い力ではキッチリ揺れるのに、力を入れすぎた場合は揺れすぎない、丁度いいシェイキングを演出できるようになっています。
キャスティングとフッキング
シェイキングスペシャルという特性を持ちながら、エクスプライド 265UL+はバーサタイルな性質も兼ね備えています。
キャストフィールとキャスタビリティ
オートマチックにをシェイキングを演出する特殊な穂先を持ちながらも、エクスプライド 265UL+は意外とキャスティングしやすいロッド。
必要以上に揺れすぎない穂先と、全体としてレギュラーファーストテーパーにまとまっている事が、ライトリグや軽量プラグでの快適なキャストフィールを実現しています。
ただ、柔軟なベリーでティップが揺れる分、ピンポイントを精密に狙うキャスタビリティについては、同じエクスプライドの266Lや264ULにやや劣るかもしれません。
それでも、シェイキングスペシャルという特化性能を持つロッドである事を考えると、問題なく普通に扱えるスピニングロッド。一見、ベリーがグニャグニャと曲がりすぎるイメージですが、使っている内に違和感なく手に馴染みます。
キャストについては、1/16ozのダウンショットや4インチ前後のネコリグ、2gクラスのスモラバ、5g前後のシャッドや9g以下のミノーなど、軽量ルアー全般が快適。
フッキング、魚とのファイト
265UL+は、レギュラーファーストなテーパーデザインに加え、「柔らかすぎない!?」と思える程グニャリと曲がるベリー。ただ必要以上に曲がり込む事は無く、バットに適度な反発力が備わっているので、レギュラーファーストのスピニングロッドながらも比較的フッキングが決まりやすいロッド。
自分の場合、3.5lb以下のラインであれば大きなストロークでスイープなフッキング、5lb以上のラインならロッド全体でバシッと強めにロッドを立てて、フッキング時にドラグがやや出る程度のバランスで使っています。
フッキングが決まった後は、柔軟な穂先に対して、しっかりと曲がり込みつつも芯の強さがあるバットが魚をガッチリキープ。ドラグを適度に設定していれば、大物ともやりとりも安定して楽しめます。
感度
エクスプライド 265UL+ の感度は、他のエクスプライド同様に良好。ソリッドティップや低弾性ロッドでは得られにくい、チューブラーなブランクス特有の感度が伝わってきます。
同じエクスプライドの266Lなど、一般的なバーサタイルスピンのようなシャッキっとしたハリ感はありませんが、微妙な振動で穂先が揺れる分、視覚的な感度も備わっていると言えます。
用途と使用感
バーサタイルなスピニングロッドと比べると、エキサイトトップ採用機種は若干クセがある使用感。ですが、それがシェイキング時に最良な使い心地に変化します。
265UL+を使った後は、他のロッドでシェイクを続けるのが面倒に感じる事すらあります。
ミドストやボトストといったラインスラックを使う釣りが楽に持続できるようになり、1/16oz程度のダウンショットや2g台のスモラバで1点を誘い続ける場合にも効果的。虫系ルアーでジワジワ誘うのも良さそうです。
4インチ前後のネコリグやノーシンカーといったライトリグ全般にも万能で、ULにプラスされたパワーは、シャッドやスモールプラグにもある程度対応。
ただ、シェイクに特化している分、クイックなレスポンスはやや落ちます。
なので、テンポよくライトリグを撃ち込んでサクッと探る場合や、キビキビ軽量ルアーを流すのであれば通常のバーサタイルスピン。狙いを定めたポイントで粘る場合や、ミドストやボトストで丁寧にコースをトレースするなら265UL+、といった使い分けが考えられます。
まとめ
エクスプライド 265UL+は、シェイキングスペシャルな特性を持つフィネスロッド。
丁寧なフィネスアプローチを極力負担なく、高い精度で持続したい方におすすめな1本です。
ライトリグや軽量リグ全般も使いやすく、ULにプラスされたパワーは、少々のカバーやウィードをほぐすように外せる強さもあり、大物が掛かっても不安の無いバット。
春先など、ナーバスになっているバスを、粘りのフィネスで延々と攻め続けられるロッドと言えます。
バーサタイルスピニングとの使い分け
エクスプライド 265UL+には特化性能がある分、鋭いリグ操作や小型ハードルアーの使用など、トータルな万能性では一般的なバーサタイル・スピニングロッドに比べ不利な面もあります。
最初の1本目に手に入れるスピニングであれば、バーサタイルスピンとして評価の高いエクスプライド 266Lがベストかもしれません。
エクスプライド 265UL+は、ULだとカバーやストラクチャーに対して弱すぎるが、季節や状況に応じて少し弱めで繊細なロッドを使いたい場合に最適。魚は居るけどなかなか喰わない、といったタフな状況下での持久戦で真価を発揮してくれます。
その為、粘り強く誘い続けるフィネスでフィールドを攻略したい方におすすめのロッド。2本目のスピニングロッドとしてもいいですね。
携帯に便利なセンターカット2ピースモデルもあるので、切り札として忍ばせておいてもいいのではないでしょうか。
- エクスプライド265UL+はオートマチックなシェイキングスペシャル
- 1点をネチネチと誘い釣るける場合や、丁寧なミドスト・ボトストに効果的
- 軽量ルアー全般も使いやすいULにプラスされたパワー
高比重スティックベイトを使うなら エクスプライド 267L+
2020年、高比重スティックベイトのミドストやノーシンカーでの使用を見据えて、265UL+をよりパワーアップさせた「エクスプライド 267L+」がリリースされています。
高比重スティックベイトが効果を発揮する大規模フィールドや、大型の魚が潜むポイントに通われている方は要チェックです!
エクスプライド265UL+に合うリール
265UL+はシェイキングでの使用感が良いロッドなので、「19ヴァンキッシュ C2500SXG」といった高性能な軽量リールがおすすめ。スピニングリールは構造が複雑で、ラインの取り扱いも繊細、なので極力スペックの高いモデルが結果的に長期間快適です。
コストパフォーマンスを求めるのであれば、2020年9月に登場する「シマノ ヴァンフォード」も要チェック。
スピニングリールについても記事にしているので、参考にしてみてください。
エクスプライドのラインナップ
その他のエクスプライドも記事にしているので、興味をお持ちの方は参考にしてみてください。