ビッグベイト用バスロッド「ダイワ リベリオン 691HFB-SB, 692HFB-SB」の紹介、実釣インプレをレビュー!
「常識に反逆せよ。」「すべてのロッドへのアンチテーゼ」という鮮烈なキャッチコピーと、輝くオレンジを差し色に取り入れた絢爛豪華なデザインで、衝撃的なデビューを果たしたダイワのバスロッド「リベリオン」。
大げさすぎる宣伝文句ですが、比較的価格を抑えた中堅グレード帯において、非常に高いパフォーマンスを発揮するロッドです。
プロモーションを担当されている小池貴幸プロが、リベリオンを用いてアメリカのトーナメントで活躍されている事からも、その性能はホンモノ。自分自身も何本かリベリオンを使ってみて、本格的なバスフィッシング専用ロッドとしての高い性能を実感しています。
リベリオンは、現代のバスフィッシングで求めらる様々な機種がラインナップされていますが、中でもビッグベイト用ロッドが充実している点に注目。最近の大型ルアーは集魚力が進化しているので、タフなフィールドを効率よくアプローチできますよね。
本記事では、ビッグベイトやスイムベイト、ハネモノ用バスロッド「リベリオン 691HFB-SB」を紹介。2021年には持ち運びに便利なセンターカット2ピースモデル版「692HFB-SB」も追加されたので、それを実際に使ってみた感想を交えてレビューします。
目次
リベリオン 691HFB-SB, 692HFB-SB | 特徴と魅力
公式サイト品名 | 全長(m) | 継数(本) | 仕舞 | 自重 | 先径/元径(mm) | ルアー重量(g) | ルアー重量(oz) | ライン(lb) | PE(#) | カーボン含有率 | 定価(¥) |
691HFB-SB | 2.06m | 1 | 206cm | 115g | 1.8/14.8 | 11〜113 | 3/8〜4 | 14〜30 | MAX5 | 99% | 27,000 |
692HFB-SB | 2.06m | 2 | 107cm | 115g | 1.7/14.8 | 11~113 | 3/8~4 | 14~30 | MAX5 | 99% | 27,500 |
リベリオン 691HFB-SB と センターカット2ピース版 692HFB-SB の性能・スペックは上記の通りです。
ビッグベイト用ロッドとしては珍しいファーストテーパーなのが特徴。リップ付きビッグベイトやハネモノなど、リーリングが主体となる大型ルアーへの突発的なバイトを絡め捕るようにフッキングしやすい特性ですね。
ビッグベイト専用ロッドは、大型ルアーの重量を長さで吸収してキャストする必要があるので、比較的ロングロッドが多めです。
しかし、691HFB-SB, 692HFB-SB は6フィート9インチという適度な長さ。遠投性能だけではなく、近距離や中距離への正確なアプローチもやりやすいレングスで、シビアなフィールドで小技が効きやすい点も魅力。
外見については、時折輝くオレンジを差し色に採用しつつ、全体的にはスタンダードな外観なので、使い込む内に意外と馴染みます。
少なくとも極端に悪目立ちするような外見ではなく、要所要所で新鮮な特別感がありながら、トータルで飽きがきにくいデザインではないでしょうか。
各所にロッドの自己主張があり、その中でワンポイント的にリールの存在が追加されるイメージ。なので、様々なリールとマッチしても違和感を感じにくい仕上がりです。
強いて言えば、EVAのグリップがハイエンドモデルと比べると高品質ではありませんが、全体としてバランスよくまとまっているので所有感を損なう程ではありません。
見た目だけではなく、リベリオンは次のような技術・テクノジーで非常にコストパフォーマンスが高い性能を実現。海外トーナメントでも使用されるバスロッドとして、十分なパフォーマンスを秘めています。
採用技術・テクノロジー
リベリオン 691HFB-SB, 692HFB-SB の採用技術・テクノロジーを紹介します。
X45
通常、ロッドは縦方向(0°)と横方向(90°)の繊維素材を用いたシートで構成されています。
そこに、バイアスクロス(±45°に斜行した繊維)のカーボンシートを追加することで、ロッドのブレやネジレを防止。パワーや操作感、感度の向上に貢献しています。
ブレーディングX (BRAIDING-X)
ロッドの最外層をX状にカーボンテープで締め上げる強化構造が「ブレーディングX」。キャスティングのネジレやブレを抑え、前述のX45との相乗効果でパワー・操作性・感度が向上しています。
エアセンサーシート(AIR SENSOR SEAT)
カーボンファイバーで強化されたエアセンサーシートは、従来より軽量かつ高強度なリールシート。かつてはハイエンドモデルだけに採用されていたリールシートで、用途に応じた専用設計による操作性能と、感度伝達が手元に伝わりやすい特性が魅力です。
全体的に細身になりつつも、手でホールドする箇所はしっかりとキープ。ベイトモデルの場合、1段階リールが低くなったような握り心地に感じました。
リベリオンナット (REBELLION NUT)
アルミ製の精密パーツと軽量なカーボンを組み合わせたグリップナットは、優れた機能面に加え、リベリオン独自のデザインを際立たせます。
リベリオン 691HFB-SB, 692HFB-SB | 使用用途、適合ルアー・リグ
「リベリオン 691HFB-SB, 692HFB-SB」の適合ルアー重量は、3/8~4oz(11~113g)。ヘビーパワーのビッグベイト用ロッドとして、かなりパワーがある設計です。
メーカーが推奨する適合ルアーは次の通り。
最適
- ビッグベイト、スイムベイト
- ヘビーキャロライナリグ
適合
- テキサスリグ
- ラバージグ
- マグナムクランク
- スピナーベイト
自分は2ピース版の692HFB-SBを使用したのですが、1ピースモデルの691HFB-SBを含め、ヘビーロッドとしては比較的繊細なティップを持っています。
ファーストテーパーな事もあり、思っていたより軽めなルアーでも、穂先でチョイ投げしやすいと感じました。
具体的には、3/8oz程度のスピナーベイトやチャターベイト、7gシンカーのテキサスリグやヘビーダウンショット等も十分扱える印象。バット径はかなり太くパワフルなのですが、ガチガチなイメージではなく、適度な弾性による柔軟さがあるので、意外と使えるルアーの守備範囲は広そうです。
1ozクラスのハネモノやスイムベイト、2ozあたりのビッグベイトなら、余力を持ってぶん回せる印象。そうした強いルアーでサーチしつつ、7~14g当たりのシンカーを使ったワーミングなどでフォローを入れる...といった使い方が1本で完結できそうですね。
キャスティング | キャストフィール、キャスタビリティ
ファーストテーパーなビッグベイト用ロッドという、やや異色な「リベリオン 691HFB-SB, 692HFB-SB」。ですが、そのキャスティングは非常に爽快で、豪快なビッグベイトゲームを存分に楽しめました。
キャストフィール | ビッグベイトやハネモノ
リベリオン 691HFB-SB, 692HFB-SB を触ってみてまず感じた事は、ティップが比較的繊細である事。ヘビーロッドでも、ワーミングに特化した機種であれば穂先が繊細なこともありますが、ビッグベイトやスイムベイト用としては少し風変わりなイメージですよね。
繊細な穂先の上、ロッドデザインがファーストテーパーなので、本当にこれでビッグベイトを投げられるのか?...という疑問が湧きます。
しかしこの懸念は、実際にビッグベイトやビッグクローラーベイトと呼ばれるハネモノを投げてみると、一気に払しょくされました。
繊細な穂先は、大型ルアーの重みをクイックにキャッチし、一瞬でロッドを曲げきるイメージ。あまりにも穂先の曲がる速度が速いので、そのまま折れるのではないかと心配になりますが、ロッド中央からバットにかけて「グッ」と絶妙な弧を描き、ルアー重量を引き継ぎます。
そして、そのまま弾き出すように大型ルアーを放出。重量級ルアーとは思えないシャープな弾道でキャスティングが可能でした。
これは、ロッド全体でルアー重量を受け止め、全身のパワーで大型ルアーをキャストするヘビーロッドとはかなり違った使用感。穂先だけで素早く操作したキャスト動作が、2段階目のロッド中央からバット部分にオートで引き継がれ、その反発力が自動的にキャストへと結び付くような感覚でした。
ロッド全体を振り回すイメージではなく、近距離や中距離を撃ち続けるような軽い動作で、ロッドが半自動的にフルキャストを実行してくれるイメージです。
2oz程度のビッグベイトであれば、オーバーヘッドキャストでも爽快なキャスト操作が可能。軽く振りかぶって、前へ振り下ろすような動作だけで、穂先とバット側が2段階に曲がり、そのままピョーンとルアーを弾き出してくれます。
このキャストフィールが最高に心地よく、大型ルアーを軽く投げ飛ばせる爽快感を楽しめました。
軽い動作で大型ルアーを投げやすい特性は、釣り人への負担がかなり少なく、フルキャストを続ける上で大きなメリット。ビッグベイトやハネモノ、スイムベイトなどでガンガンに責めたい場合に効果的ですね。
また、キャストに余力がある分、ロングディスタンスで距離を投げる場合でも、精度を高めたアプローチが可能です。
さらに鋭いキャスト弾道は、空気抵抗が高いビッグベイトやハネモノでも、飛距離を出しやすいと思いました。
キャストフィール | 他のルアー
▲リールとのセッティング次第で、7g程度のシャッドでも扱う事ができました。
ビッグベイトやハネモノといった大型ルアーを投げやすい リベリオン 691HFB-SB, 692HFB-SB ですが、意外と軽めな物も扱いやすいと感じました。
ヘビーパワーとしては穂先が繊細で、ファーストテーパーな先調子が、比較的軽量なルアーでもロッドを曲げ込んでのキャストが可能。パワフルなバットもガチガチではなく、良い意味で中弾性的な特性があり、穂先の曲がりに追従する事でキャストをアシストします。
具体的には、7g以上のシンカーによるワーミングや、3/8oz以上あるワイヤーベイトも使用可能。7gあたりのシャッドでも使えない事は無く、イザという時は十分実釣でのフォローで活躍します。
ファーストテーパーのリベリオン各機種で感じた事ですが、やや極端めな先調子と、パワーがありつつもしっかりと粘って曲がるバットで効果的な設計が施されているようです。
柔軟に曲がる穂先は軽めのルアーでも重みを捕らえやすく、高弾性すぎないバットがその曲がりに追従する事で、幅広いルアーが快適に使える印象。加えて、従来機種よりかなり密に巻かれたブレーディングXが、ブレやネジレを抑え、ロッドの曲がりに対する復元力・反発力をもたらしてくれているように感じます。
そうしたリベリオンの特徴をフルに活かし、ビッグベイトを軽く扱いつつ、汎用性も兼ね備えたバスロッドが 691HFB-SB と 692HFB-SB だと思いました。
キャスタビリティ、キャスト精度
▲8gのチャターベイトと軽めなトレーラーでも、リールとのセッティング次第で良好なキャスタビリティ
リベリオン全般に言える事ですが、691HFB-SB と 692HFB-SB も狙った場所へアプローチするキャスト精度はかなり高め。X45に加え、ブランクス最外層に巻かれたブレーディングXが、キャスティング時のネジレやブレをバツグンに押さえ込んでいると感じました。
特にリベリオンはブレーディングXの密度が高く、ブレ・ネジレに対する防止効果が高い印象。ファーストテーパーでヘビーロッドとしては柔軟な穂先ですが、キャスト時にロッドが曲がり込んだ時はバットまでガッチリと一体化するイメージで、ブレる事なく鋭いキャストが可能です。
キャスト後はブレを抑えつつ穂先が真っすぐと伸び、飛行するルアーをしっかりと支えていました。
ブレの少ないブランクスと、軽い力で大型ルアーを投げやすい特性によって、ビッグベイトやハネモノなどでも高いキャスタビリティで正確にアプローチしやすいですね。
このロッドでは軽めな適合ルアーであるテキサスリグやスピナーベイトなどでも、高いキャスト精度を存分に発揮できました。
操作性、感度
リベリオン 691HFB-SB, 692HFB-SB の操作性や感度を紹介します。
操作性
リベリオン 691HFB-SB, 692HFB-SB は自重115gと、ビッグベイト用ロッドとしては十分軽量。リールシートを含めて全体的に軽量化されているので、先重りが全くないパーフェクトなバランス...とは言えませんが、実釣時にストレスになるような使用感ではありません。
パワーロッドながら比較的繊細なティップで、テキサスリグやラバージグといった底物の操作性も十分。トップウォーター等をロッドワークでアクションさせる場合も、ある程度慣れれば問題なさそうです。
ただ、穂先が柔軟な分、リップレスなビッグベイトをロッドワークでアクションさせるにはパワー不足を感じました。リップ付きビッグベイトやハネモノなど、ストレートにリトリーブする用途向きな感じですね。
ビッグベイトをアクションさせたい場合、ロッドワークよりも、リーリングによるストップ&ゴーの方が良さそうです。
この柔軟な穂先は、大型ルアーのトレブルフックでも絡め捕るようなフッキングが可能。公式サイトの売り文句にある「リップ付きビッグベイトや羽根モノでオートマチックなフッキング」と謳われている通りだと感じました。
穂先が柔軟でありつつも、ロッドが曲がった状態からの反発力が強く、ロッド中央からバットにかけてパワーがあるので、力強いフッキングが可能。テキサスリグやラバージグでも、シャープに掛ける事ができます。
キャスト時に良く曲がり、曲がった後に戻ろうとする反発力が強く、繊細な穂先が適度な遊びとなってバレにくいイメージですね。
感度
「リベリオン 691HFB-SB, 692HFB-SB」は、中堅価格帯のミドルグレードとして十分な感度性能。ビッグベイト用ロッドとして中弾性のような粘りがあるブランクスながら、高密度に巻かれたブレーディングXと、エアセンサーシートによる手元へ伝わりやすい情報伝達能力が、底物用途でも使えそうな感度を発揮してくれます。
中弾性のように良く曲がりつつ、元に戻ろうとする復元力・反発力が強い事からも、密なブレーディングXが高弾性・高感度寄りな特性を与えているのではないでしょうか。
テキサスリグやラバージグ、ヘビキャロなどでもボトムの様子や、障害物にスタックする感覚が良く伝わり、ファーストテーパーな穂先による操作性も加わるので、大型ルアーだけで使うのは勿体ないと思いました。
底物における感度がいい反面、リップ付きビッグベイトやハネモノといった引き抵抗が強い大型ルアーをリトリーブする時は、繊細な穂先が過剰な振動を適度に押さえてくれます。
巻き続けても負担になる事が少なく、感度伝達がうるさくなりすぎないバランスだと感じました。
まとめ
「リベリオン 691HFB-SB, 692HFB-SB」は、ビッグベイトやハネモノを軽い力で投げやすく、精度の高いアキュラシーが魅力のロッド。ファーストテーパーでルアー重量を軽快に受け止め、そこからバットまでググッと曲がり込む感覚が、大型ルアーによるラン&ガンを爽快なゲームにしてくれますね。
ファーストテーパーの穂先は、リップ付きビッグベイトやハネモノといった大型ルアーへのバイトを絡め捕るようにフッキングしてくれるのもメリット。その繊細さは、ヘビキャロやテキサス、ラバージグと言った底物にも対応します。
また、ビッグベイトであってもキャスタビリティが求められる厳しいフィールドにおいて、6.9フィートの長さは飛距離と操作性を兼ね備えた設計。大型ルアーで緻密なアプローチを必要とされる方におすすめです。
ヘビキャロや底物にも対応するので、ワーミングで使いつつ、これからビッグベイトにも挑戦してみたい人にも有力な選択肢。大型スピナーベイトやマグナムクランクをちょっと試してみたい場合にも重宝します。
さすがにジャイアントベイトまで扱えるパワーロッドではありませんが、使いやすく釣れやすい2oz前後のビッグベイトであれば、オーバーヘッドでのフルキャストも快適。ある程度の汎用性を秘めつつ、専門用途にキッチリと特化した1本です。
リベリオン 691HFB-SB, 692HFB-SB に合うリール
ビッグベイト用途に特化しつつ、底物などへの汎用性がある 691HFB-SB と 692HFB-SB には、タフユースなバーサタイルリールが最適。おすすめのリールは、「ダイワ 21ジリオン SV TW」です。
バックラッシュなどのトラブルが少ない特性に、飛距離アップが期待できる機構をプラスした「SVブースト スプール」を搭載。新設計のギアなどを採用したハイパードライブデザインによって、強い巻き上げパワーを発揮しつつ、頑丈な造りでありながら比較的軽量(175g)なベイトリールです。
遠投性能はやや劣るものの、タフなバーサタイル用途でコストパフォーマンスが高い「20タトゥーラ SV TW」も有力候補。
ビッグベイトなどの大型ルアーに特化するのであれば「ダイワ タトゥーラ TW 300」も選択肢に。
大口径スプールと大型ボディによる余裕のパワーがあるので、重量級ルアーをストップ&ゴーによるリーリングでアクションを付けやすいベイトリール。
ビッグベイトより大型なジャイアントベイトなどで活躍するリールですが、691HFB-SB, 692HFB-SB で扱える範囲内であっても、重量級ルアーを主体とするなら検討する価値があるリールです。
リベリオンのラインナップ
その他のリベリオンについても記事にしているので、興味をお持ちの方は参考にしてみてください。