ダイワ ベイトフィネス用バスロッド「リベリオン 652LFB」の実釣インプレをレビューします。
リベリオン652LFBは、センターカット2ピース版のみがラインナップされているベイトフィネス用ロッド。手軽に持ち運べる携帯性や、コンパクトに収納できるのがセンターカット2ピースのメリットですね。
ですが、せっかくであればこの番手で1ピースモデルが欲しい...という方も多いのではないでしょうか。
と言うのも、チューブラーモデルのリベリオンで、Lパワーのベイトフィネスロッドは652LFBのみ。あとはソリッドティップの「641LXB-ST」や、L+やMLパワーといった強めのベイトフィネスモデルが主流です。
スタンダードなLパワーの1ピースロッドを求めている方には物足りないかもしれません。
しかし652LFBは、あえてブランクスを分割する事で出せる、絶妙な竿調子を実現したロッドだと感じました。
本記事では、「リベリオン 652LFB」を実際に使ってみた印象を踏まえて、特徴や魅力を詳しく紹介します。
目次
リベリオン 652LFB | 特徴と魅力
公式サイト品名 | 全長(m) | 継数(本) | 仕舞 | 自重 | 先径/元径(mm) | ルアー重量(g) | ルアー重量(oz) | ライン(lb) | PE(#) | カーボン含有率 | 定価(¥) |
652LFB | 1.96m | 2 | 102cm | 95g | 1.5/9.9 | 1.8~11 | 1/16~3/8 | 5~12 | ー | 99% | 25,900 |
リベリオン 652LFB の性能・スペックは上記の通りです。
自重95gと非常に軽量で、6.5フィートの長さもフィネスな操作性で丁度良いバランス。
多くのベイトフィネスロッドが、操作性を重視するショートモデルと、汎用性が高いロングモデルをラインナップする中、どちらにでも対応できる設計だと感じました。
採用技術・テクノロジー
ダイワのリベリオンは、海外トーナメントでも実績があるポテンシャルを持ちつつ、比較的価格が抑えめなコストパフォーマンスに優れたロッドです。高性能ながら、ピーキーさやクセが少なく使いやすいのも魅力ですね。
他のリベリオン同様、「652LFB」には次のような技術・テクノロジーが採用されています。
X45
斜め方向にカーボン等の繊維を巻き上げたブランクスで、ロッドのネジレを防止する構造。
キャスティング時のブレが抑えられ、ロッド全体のパワーや操作性が向上するダイワ定番技術です。
ブレーディングX (BRADING-X)
X状のカーボンテープで、ロッドブランクスの外側を締め上げるテクノロジーが「ブレーディングX」。ロッドのネジレを防止し、パワー・感度・操作性アップに貢献しています。
リベリオンは、前述「X45」を用いたカーボンシートで作られたブランクスを、さらに「ブレーディングX」で締め上げる設計。つまり、2重のX構造によって、よりブレやネジレに強く、ロッドのパフォーマンスを最大限アシストしてくれます。
エアセンサーシート (AIR SENSOR SEAT)
エアセンサーシートは、カーボンファイバーで補強された軽量かつ高強度、高感度なリールシート。番手ごとに最適な形状で設計され、高い操作性能を実現しています。
かつてはハイエンドモデルだけに採用されていましたが、今ではダイワバスロッドの定番技術。一見すると細身ですが、握り込むポイントはしっかりキープされていてホールド感が強く、それでいてコンパクトにリールをパーミングできる形状です。
リベリオン652LFB | 使用用途
652LFBを最初に手に持った時、Lパワーにしては穂先に若干ハリがあり、ティップがしっかりしていると感じました。
1/16oz(1.8g)の軽量ルアーを適合下限とするロッドとしてはやや強めな印象。
その反面、バットはかなり細く、強引なバスとのやり取りに少し不安を感じました。
しかし、この強い穂先と繊細なバッドの組み合わせが、1本の竿調子として快適なベイトフィネス性能を発揮。
やや強めの穂先は、ストラクチャーやカバーにスタックしたリグをほぐして外しやすく、軽量プラグの操作性も快適です。
小さなトップウォーターやジャークベイト、シャッドなど、アクションを付けて操作するにも最適な印象。ライトリグの繊細なシェイクでも穂先がブレにくく、釣り人の手でコントロールしやすいロッドと言えるのではないでしょうか。
ティップは強めながら、ベリーからバットにかけては柔軟に曲がるので、軽量リグでもウェイトを乗せやすく、キャストしやすいと感じました。
実物を手に取った時、Lパワーにしては強すぎると思いましたが、かなり軽量なルアーでもスムーズに扱えます。
使用用途、向いているルアー
Lパワーで6.5フィートというレングスは、ベイトフィネスでのワーミングと巻物どちらとも高相性。
小型ハードルアーをロッドワークでアクションさせやすく、柔軟で繊細なベリーからバット部分が巻物へのバイトにも追従してくれます。
ティップが残りつつ、ベリーが絶妙なしなやかさなので、ライトリグのシェイクも快適。ソリッドティップのような超繊細さではありませんが、6~8lbのフロロラインを主体とするベイトフィネス用途ではバーサタイルな使用感です。
最近のベイトフィネスリールを使えば、3g程度のプラグや1/16ozのスモラバなども十分キャスト可能。
ただある程度飛距離が欲しい場合や、風がある状況、オカッパリでの使い勝手などを考えると、次のようなルアーが向いていると思います。
- トレーラーとの総重量が3.5g以上のスモラバ
- 4インチ以上のネコリグ
- 2.6~3.5gのダウンショット
- 3インチ以上のノーシンカー
- 5~9g辺りのプロップベイト
- 5g前後のシャッド
- 7~9g辺りのミノー
- 1/4oz以下のコンパクトなスピナーベイトやチャターベイト
こうしたルアーは、L+やMLパワーのやや強めなベイトフィネスロッドでも十分使えますが、6~8lbといったライトライン使用時の安定感は652LFBにアドバンテージを感じます。
やや強めなベイトフィネスロッドは、強引なやり取りも可能なパワーがある分、細いラインを使った時に竿全体でいなしにくくなる印象。こうしたロッドは、8~12lb位を基準とした少し強めなラインの方が安心して(そして若干強引に)使えるイメージです。
対する652LFBは、細いラインでも竿全体が曲がりつつ負担を軽減し、芯の粘りでバスを浮かせてくれる特性。安心感が高い分、繊細なラインを使った緻密なライトリグ操作が快適です。
キャスティング | キャストフィール、キャスタビリティ
リベリオン 652LFB は、しっかりとした穂先としなやかなバットで、高い操作性能と軽量ルアーへの適応能力を高めたロッドだと思います。相反する要素があるものの、穂先とバット側でロッドパワーが変わるほど極端な違いは無く、1本のロッドとしてナチュラルなテーパーでキャストしやすい特性。
比較的価格を抑えたロッドで、かつ6.5フィートという決して長くはないロッドの中に、異なる要素をナチュラルに融合できた事は、センターカット2ピースに分離したことによる特徴なのかもしれません。
1ピースモデルの場合、一体で作られる構造上、ある程度の長さが無いと竿調子に変化を付けにくいと思います。
キャストフィール
652LFBは、Lパワーのベイトフィネスロッドとしてはハリがあるイメージですが、実際に使ってみると非常に投げやすい印象。ライトリグや軽量ルアーでも、ベリーからバットまでしっかりとロッドが曲がり込み、高反発力で鋭いキャストが可能でした。
ロッド自体にブレが少なく、ピッチングやロールキャスト、サークルキャストなども気持ちよくコントロールできます。
652LFBは、入門用ロッドに良く見られる若干ベロンとした粘り調子な竿程、気ままに軽量ルアーが投げやすい訳ではありません。
ですが、高い操作性とシャープで本格的なキャストが可能なロッドとしては扱いやすく、粘り調子なロッドに慣れている方でも、その高いポテンシャルをすぐに使いこなせるようになると思います。
キャスタビリティ
▲左:リベリオン652LFB 右:エアエッジ 652LB・E
前モデルとも言えるエアエッジと比べ、リベリオンはブレーディングXの密度が上がっているように見えます。
その分ロッドのネジレが発生しにくく、狙った所に投げるキャスト精度はかなり高め。
ロッド全体も軽量で、先重りを感じさせないバランスの良さもあり、ベイトフィネスで扱う様々なルアーを高い精度でキャストしやすいと感じました。
デザイン、操作性と感度、フッキングとファイト
その他、リベリオン 652LFB を実際に使ってみて感じた事を紹介します。
外観、デザイン
発売当初は、派手過ぎる外観に賛否両論があったリベリオンですが、使い込んでいる内に意外とシックリ馴染んできます。
自分の好みもありますが、どんなリールにも合わせやすく、オレンジを基調としたワンポイントが所有感も感じる出来栄え。
前モデルに相当するエアエッジと比べても、細かい仕上がりがキレイで、デザインを超えた品質の高さを感じさせます。
グリップのEVAは、より上位なモデルと比べるとやや品質が下がりますが、実用に問題は無く、見た目的にも不満が出る程ではありません。
リベリオンは、従来の同価格帯製品より丁寧な仕上がりで、道具としての満足度が高いシリーズと言えますね。
操作性、感度
リベリオン652LFB は、取り回しが良い6.5フィートの長さに加え、軽量かつバランスの良さが印象的。キャスティングにおいても、ルアーやワーミング操作においても、的確にコントロールしやすいロッドです。
ネジレやブレが少ない事に加え、絶妙な長さと軽さが高いパフォーマンスを実現していると感じました。
感度についても非常に良好で、超ハイエンドモデル程クリアな情報伝達ではないものの、このクラスとしてはかなり高性能なイメージ。
水中を漂わせるワームや、底物に伝わるボトムの間隔、フォール中のリグをついばむようなバイトも分かりやすい感度性能です。
エアセンサーシートによる手感度の良さも貢献していると思いますが、ブランクス全体が高感度な仕上がりだと感じました。
フッキング、バスとのファイト
652LFB のティップは強めですが、ベリーからバット部分にかけては柔軟に曲がりつつ、粘りがあるイメージ。よく曲がる細身のバットが、ライトラインへの負荷を軽減しつつ、芯の粘りがバスとのファイトをやりやすくしてくれます。
ある程度太めのラインであれば、バットパワーの強い方が、バスとのファイトも快適。ですが、ベイトフィネスの中でも細めなラインを使う場合、652LFBの良く曲がるバットがラインブレイク等のリスクを軽減してくれますね。
細身のバットはかなり曲がり込むものの、最後の芯がグググッと耐える印象で、デカバスにも十分な粘りを発揮します。
リベリオン652LFBは、細いラインを安定して使えるので、より繊細なフィネスのアプローチが可能。6~8lbフロロを主体として、丁寧なベイトフィネス用途に最適なロッドだと思います。
まとめ
「ダイワ リベリオン 652LFB」は、センターカット2ピースだけにラインナップされたベイトフィネスロッド。
2ピース設計なことで、限られた長さの中に理想的な竿調子を実現したイメージで、軽量ルアーやライトリグを高い操作性で使用できます。
やや強めのティップは、ストラクチャーやカバーへのスタックをほぐして外しやすく、ウィードやグラスエリアのトレースも快適。小型トップウォーターやジャークベイト、シャッドなどのアクションもやりやすいですね。
ライトリグによるフィネスアプローチでも、繊細かつシャープな操作を付けやすく、バーサタイルなベイトフィネスロッドとして活躍してくれます。
ティップに対して細めのバットは、芯に粘り強さをもちつつ、柔軟に曲がる特性。細いラインに負荷をかけにくく、大物とのやりとりにも安定感があります。
「リベリオン 652LFB」は、最新ベイトフィネスリール機と組み合わせて、様々な軽量ルアーやライトリグを高いパフォーマンスで扱いたい方におすすめ。
ハイエンドモデルに迫る操作性があり、それでいて使いやすさも兼ね備えているので、本格的にベイトフィネスを始めてみたい方にもいいですね。使いやすい入門モデルとはまた異なる、奥の深い性能を秘めています。
リベリオン652LF に合うリール
1/16ozからの軽量ルアーに対応する652LFBには、最新ベイトフィネスリール機との組み合わせが最適です。
おすすめのリールは「ダイワ アルファス AIR TW」。
小型ルアーやライトリグのキャスティングが快適で、軽量かつ剛性の高いボディで、優れたパフォーマンスを末永く使用できます。
リベリオン652LFとアルファスAIR TWなら、末永く頼れるタックルになりますね。
その他のリベリオン
リベリオンのラインナップ・その他の機種については、次の記事も参考にしてみてください。