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2ピースによる繊細さとパワーの融合!! ダイワ リベリオン 642MLFS | 実釣インプレ

ダイワ リベリオン 642MLFS

黒を基調とするデザインに光を放つオレンジのアクセント。
2020年に錚々たるラインナップで登場したダイワのバスロッド「リベリオン」は、2万円前後の実売価格帯のバスロッドとして、高い性能と使いやすさに優れたシリーズだと感じています。
「常識に反逆せよ」「既成概念を打ち破る新たなる聖剣」といったプロモーションが目立ちすぎる...といった意見もあるものの、そのキャッチコピーに開発者が込めたパフォーマンスの高さは疑う余地がありません。

本記事では、そのリベリオンのスピニングモデルの中から、「642MLFS」を実際に使ってみたインプレッションをレビューします。

642MLFSは、ダイワの名竿である「キングボルト」と「キングボルトFスペック」を融合したような適合ルアーとレングスながら、センターカット2ピースのみがラインナップされているやや風変わりなモデル。
ですが実際使ってみると、極端なクセがなく、ライトリグや軽量ルアー全般が快適な非常にバーサタイル性能の高いスピニングロッドだと感じました。その上で、この機種ならではの長所・メリットも充実。

その使用感を、この機種を選んだ理由、2ピース専用ならではの特性などを交えて紹介します。

ダイワ リベリオン 642MLFS | 特徴と性能

公式サイト

品名 全長(m) 継数(本) 仕舞 自重 先径/元径(mm) ルアー重量(g) ルアー重量(oz) ライン(lb) PE(#) カーボン含有率 定価(¥)
642MLFS 1.93m 2 101cm 90g 1.5/10.4 1.8~11 1/16~3/8 4~8 98% 25,500

「リベリオン 642MLFS」の性能・スペックは上記の通り。
元々リベリオンは、持ち運びに便利なセンターカット2ピースモデルも揃っていますが、主軸は1ピースモデル(グリップ着脱式を含む)。
しかし、642MLFSはセンターカット2ピースモデルだけが発売されている、少し変わった番手です。

おそらくですが、様々な特性を1本のロッド内で具現化するより、ピースごとに別パーツとして設計できる2ピースモデルは竿調子をデザインしやすいと推測。
高度な製法や素材を用いたハイエンドモデル、またロッドの長さで調子を合わせやすい機種に比べ、比較的ショートロッドな642MLFSは2ピースモデルの方が設計しやすいのかもしれません。

実際、軽量ルアーやライトリグ全般に適合するスペックでありながら、全体にハリがあり、シャープな操作性。バット部分を中心に強さを出しつつも、ロッド先端のティップは非常にしなやかで柔軟。繊細さとパワーという、両極を兼ね備えた特性に仕上がっています。
カバーやストラクチャーを回避しやすい操作性と、ピンポイントで繊細な誘いが両立するロッドと言えますね。

その他にも、「リベリオン 642MLFS」には次のような技術・テクノジーが採用されています。

X45

ダイワの高性能バスロッドに数多く採用されているネジレ防止機能。
縦と横方向のカーボンシートで構成されるロッドに、斜め45度方向へ繊維素材が斜行するシートを追加する事で、ブレやネジレを防ぎます。
パワーロスが軽減するので、感度や操作性向上に貢献。

ブレーディングX(BRAIDING-X)

カーボンテープをブランクス外層にX状で締め上げる強化構造。
リベリオンは、従来機種よりX状の密度が高く、キャスティングやフッキング時のネジレを大きく防止しています。

エアセンサーシート(AIR SENSOR SEAT)

軽量で高強度・高感度を実現するカーボンファイバー入りのリールシート。
かつては、スティーズレーシングやブラックレーベルBLXといったハイエンドモデルだけに採用されていた技術です。

数機種使ってみた印象では、単にリールシートが細くなったのではなく、握り込む部分はしっかりとキープしつつ、ロッドとリールの一体感が向上していると感じました。

リベリオンナット(REBELLION NUT)

リベリオンの象徴とも言える輝くオレンジのリールナット。
精巧なアルミとカーボンを組み合わせたリールナットが、高品質な仕上がりを彩ります。

使用感 | キャスティングと操作性

「リベリオン 642MLFS」は、オレンジを差し色とした一見派手なデザイン。
それでも、全体的に黒を基調としている為か、使い慣れてくるうちに意外とスタンダードで落ち着いた印象だと思えるようになりました。
これは、2万円前後という価格帯のグレードとしては仕上がりが良く、丁寧な造りであることも影響しているかもしれません。
少なくとも、前モデルとも言えるエアエッジと比較しても、品質がワンランクアップした印象です。

EVA素材のグリップは、ハイエンドモデルに比べるとやや軽っぽく感じる外観ですが、実釣で不足に感じる事はありません。
握り続ける事に、道具に対する十分な満足感と、確かな手ごたえを得られました。

次に、実釣での使用感を紹介します。

キャストフィールとキャスタビリティ

▲穂先からベリーが急激に曲がりつつ、バット部分も絶妙な弧を描きます

MLパワーのダイワ スピニングロッドは、バーサタイルなフィネス用途に最適です。
他社であればパワーフィネスに近いアクション設定も存在しますが、ダイワのMLパワーは粘り強さを持ちつつも軽量ルアーの扱いが快適。
具体的には、シャッドやミノーなどの軽量ルアー、1/16ozのダウンショットやスモラバ、4インチ前後のネコリグといったライトリグ全般を爽快にキャストできます。

642MLFSはロッド全体にハリがあり、バット部分はしっかりとしつつも、ティップがかなり柔軟で繊細。軽いルアーの重みを穂先で掴み取りやすく、キャスティング時にロッド全体を曲げやすいと感じました。
柔軟なティップとハリのあるロッド本体は、穂先からベリーまでが急激に曲がり、そこからロッド根元へパワーをグッと伝達するイメージ。繊細な穂先に比べると、ロッド根本は粘り強く、一見曲がりにくそうなイメージですが、程よい弾性で微妙な弧を描きます。

この先端と根本で極端に異なる特性は、センターカット2ピースの各パーツがそれぞれ異なる設計で作られたのではないかと思える程。それをシームレスに1本に融合する事で、6.4フィートという近年ではショートロッドにカテゴライズされる番手の中に、多彩な特性を織り交ぜている印象です。

また、狙ったポイントにリグを送り込む精度、キャスタビリティもかなり良好。
全体のハリと繊細なティップという2面性を持ちながら、ネジレからくるロッド全体のブレが少なく、ナチュラルに連なる1本としてコントロールしやすいと感じました。
ピッチング等で低弾道にリグを送り込む場合も、振りかぶったフルキャストでも、イメージ通りの場所へビシッと投げ込めます。

これは、6.4フィートという取り回しが良い長さも大きく反映されていると実感。
テンポの良いキャストフィールで、精度の高いキャスタビリティを発揮できます。

操作性やフッキング

全体的にハリがある642MLFSですが、先端の短いティップ部分が繊細で、ライトリグの操作性は快適です。
特にベリーから根元にかけて強く、ウィードやカバー、岩などのストラクチャーに絡むシーンでも、小さくシャープな動作で回避可能。フィネス用スピニングとしてはパワーがありつつ、穂先の柔軟性が快適な使用感・操作性を実現していると思いました。

ロッドにハリとパワーがある特性は、特にフッキングでのメリットを実感します。
スイープな動作でもガッチリとフッキングが決まり、ロングレングスではありませんが、距離が離れたアタリに対してもアワセやすいパワー。
そのパワーをもたらすバットは、ガチガチの硬い重厚さはなく、高負荷に対して柔軟に追従し、適度な曲がりで魚をいなしてくれます。

タックルバランスがとれた設定、ドラグ調整であれば、力強いファイトを安定して展開可能。
5~6lbフロロ、PEといった、フィネス用途ではやや強めなセッティングが最も使いやすいロッドではないでしょうか。
ロッド全体がちゃんと曲がりつつ、そこからの復元力・反発力が強めな特性で、個人的にかなり気に入っているポイントです。

感度

リベリオンは、このグレードのバスロッドとしては非常に良好な感度。
同じ価格帯でリリースされていたエアエッジと比較しても、感度がかなりアップしていると思いました。

スティーズロッドやブラックレーベルBLXといった、よりハイエンドなロッドの高性能素材が持つ本質的な感度には及びませんが、エアセンサーシートの採用・ブランクスの高弾性化・ブレーディングXの高密度化などによって、優れたパフォーマンスを発揮。
パキパキの高弾性ではないので、キャスティングや操作性、バスとのファイトがやりやすく、感度を含む性能と使いやすさのバランスが丁度良く融合されたシリーズと言えますね。

フィネス用途のスピニングで、比較的レングスの短い642MLFSの場合、リベリオンの感度性能をより顕著に体感しやすくなります。
長いロッドやパワーロッド、バーサタイル用途の場合、感度がマイルドに調整される事もありますが、「642MLFS」はライトリグ操作時や軽量ルアーの小さな引き抵抗でも感じ取りやすく、繊細な釣りで集中力を維持しやすいロッド性能に仕上がっています。

使用用途

「リベリオン 642MLFS」は、ノーシンカーや、1/16oz~3g台のシンカーを使ったジグヘッド・スモラバ・ダウンショット、3~4インチ超のネコリグなど、ライトリグ全般が快適に使用できます。
3.5g~5gといった、比較的重めのシンカーによるヘビダンなどにも対応できるパワーも魅力ですね。

長さ6.4フィートというコントロールしやすいレングスと、ハリのあるブランクスは、ウィードや岩などのハードカバー、ストラクチャーの変化が激しいコースを、障害物を回避しながらトレースする用途に最適。

また、5g前後のシャッドやミノー、プロップベイトや小型クランクの使用も心地よく、バーサタイルなスピニングとしても使えます。
スピナーベイトや小型チャターであれば1/4oz以下、メタルバイブなら5g以下がいい感じですね。

5~6lbフロロを主軸とする、やや強めのフィネスに最適なバスロッドで、0.8~1号前後のPEラインを使ったフィネスにもおすすめです。

購入理由、2ピース専用機である事

▲PE1.2号に10lbフロロのリーダーでも余裕があるガイド径

意外かもしれませんが、「リベリオン 642MLFS」の購入動機は、ガイド径の大きさが決め手になりました。
642MLFSは、最近のスピニングロッドとしては比較的大き目なガイド径です。

自分の場合、消波ブロック帯などを比較的強めのライン設定(PE1~1.2号、6~10lbリーダー)で使う事があります。
なので、太めのラインやリーダー結束部の抜けがよい、大径ガイドのスピニングロッドを探していました。
パワーフィネス専用機であれば、大径リングを搭載した機種は多いのですが、そこまでパワーを必要としないフィネスな用途で、尚且つ糸抜けがスムーズな事が642MLFSの購入動機です。
実際、かなり太めのリーダー結束部でも、ストレスなく快適にキャスト可能。

強めのラインで繊細なリグが操作できるので、引きが強い川スモールマウスバス用のスピニングタックルとしてもアリかもしれません。

あと、センターカット2ピースモデルしかラインナップされていない点は、マルチピースのロッドを多用する自分の場合はデメリットに感じませんでした。
この価格帯のロッドで、穂先側と根元部分の異なる特性を融合させ、6.4フィートという長さで完成させる場合、マルチピースで別設計化する必要性もあったと感じています。

まとめ

「リベリオン 642MLFS」は、全体的にハリとパワーがあるブランクスに、柔軟性を持たせた短めの穂先を搭載するスピニングロッド。
少し変わった特性に感じるかもしれませんが、1本のロッドとして非常にまとまりが良く、パワーと繊細さのバランスがバーサタイルで使いやすいスピニングロッドとして完成されています。

今まで使用してきたロッドで近いと感じるモデルは、スティーズの「キングボルト Fスペック」。6.4フィートの取り回しの良さと、ライン抜けが良くキャスト重視な大径ガイドが似ているイメージです。
感度面はキングボルトFスペックに及びませんが、実釣で問題のない充実した性能がリベリオン642MLFSにもありますね。

キングボルトFスペックを若干パワーアップし、手頃な価格帯に落とし込んでいる事も、リベリオン642MLFSの特徴。

取り回しのよいスピニングロッドや、ウィードエリアやストラクチャーの多いエリアをフィネスで攻めたい方に、特におすすめです。
バーサタイル性能も高めなので、携帯に便利な2ピースのスピニングロッドを探している方にもいいですね。

リベリオン 642MLFS に合うリール

操作性に優れ、取り回しが良いレングスの「リベリオン642MLFS」には、その性能をフルに活かせる高性能リールが最適です。

最もおすすめのリールは「ダイワ 20ルビアス FC LT2500S」。
ザイオン素材のモノコック構造で軽量・高強度で、FC(フィネスカスタム)モデルは155gという軽さを誇り、繊細な釣りを大きくアシストしてくれますね。
実売が2万円台後半とやや高価ですが、内部構造が複雑で繊細なラインを扱うスピニングリールには、ある程度クオリティの高いモデルが長期間快適です。

コストパフォーマンスを重視するのであれば、2021年にモデルチェンジする「21カルディア LT2500S」もおすすめ。新素材「ザイオンV(バーサタイルのV)」で、ルビアス程ではありませんが、小型・軽量なのが魅力です。

どちらのリールも、オレンジを基調としたリベリオンに見た目もマッチするのが嬉しいポイント!

ダイワ リベリオン のラインナップ

他のリベリオンについても記事にしているので、参考にしてみてください。

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