ロングレングスながら、Lパワーというフィネススピニングロッド「シマノ バンタム 2610L」の実釣インプレをレビュー!
しなやかな穂先と、十分に曲がり込んでも粘り強いブランクが、ロングディスタンスであっても、すぐ手が届くようなライトリグの操作感を実現しています。
目次
バンタム 2610L | 特徴と魅力
スペック 2610L, 全長(m) 2.08, 自重(g)100, 適合ルアーウェイト(g)3~10, 適合ラインナイロン・フロロ(lb)3~6, 適合ラインPE(号)MAX1, グリップ長(mm)207, テーパーF
バスフィッシングの本質を追求するために始動した「バンタムプロジェクト」。
2017年、そのプロジェクトの過程で登場した独特なスピニングロッドがバンタム 2610Lです。
バンタム2610Lは、ライトリグや軽量ルアー全般を使いやすいLパワーに、6フィート10インチという長めなレングス。
PEラインを想定したKガイド採用など、登場した当時から少し珍しいモデルでした。
実売価格が3万~4万円台と、ハイエンドモデルに準じる高価なロッドながら、過剰な装飾や特殊技術は控えめ。
「キャスト」「操作」「フッキング」「魚とのファイト」と、バスフィッシングの本質となる性能だけを高め、その上でライトリグや軽量ルアーを遠投しやすい「ロングフィネススピン」という独自の味付けを付与したロッドです。
▼用途 | デザインと使用感
バンタムのロッドは、バスフィッシングの初心に戻るようなデザインと使用感。2610Lは、基本に忠実で使いやすいロッドながら、プラスしてロングフィネススピンとしての独自性能が使用用途を広げます。
派手さは無いが高品質なデザイン
準ハイエンドモデルとも言える価格帯のバンタムですが、装飾を含むデザインはハッキリ言って地味です。
ですが、安物っぽさはなく、当たり障りの無いデザインが、高い品質に凝縮された仕上がり。
流行に流されず、クセが無い外観は、いつまでも飽きがこないロッドと言えるのではないでしょうか。
マイルドで使いやすい使用感
バンタム 2601Lは、しっかりとしたブランクスながら、キンキンのハリは無く、全体がマイルドで柔軟。
軽い力でキャストしやすく、芯から粘るようなブランクスが、掛かった魚をバラしにくいロッドです。
粘りがあり、長めのレングスですが、自重100gと軽量で全体的にバランスが良く、品質の高さをうかがわせる出来栄えです。
バンタム 2010L の使用用途
バンタム 2010Lは、3~5インチのネコリグや1/16oz以上のダウンショット、ノーシンカーや5g前後のシャッドといった、軽量ルアー全般を気持ちよく使える番手です。
長めのレングスなので、ライトキャロやスプリットショット等の操作性に優れ、流れの早い水域でのドリフトや、遠投・ロングディスタンスでの操作性も快適。
穂先がしなやかで、虫系ルアーやI字形ルアーにも対応できる懐の深さがあります。
PEラインに対応していますが、パワーフィネス的な使い方では無く、ロッドの長さと柔軟性を活かしたフィネスアプローチが主用途と言えます。
ガイド径が小さすぎないので、リーダー結束部の抜けが良く、細めのPEでのフルキャストがとても気持ちのいいロッド。
その汎用性は、バーサタイルスピンとしても十分使えますが、少し規模の大き目なフィールドや、オカッパリで特に活躍してくれそうな特性ですね。
バンタムの感度
バンタムのロッドは、どちらかと言えば粘り重視の中弾性。
適材適所の素材と技術で軽量化され、ダルさはありませんが、必要以上に肉厚を減らさず、芯の強さを確保しています。
その中弾性という素材特性から、バンタムは感度が悪いと思われがちで、より手頃な価格帯のポイズンアドレナより不利という評価も。
ですが、自分が使用した限り、バンタムの感度は決して悪くないと感じています。
確かに、ラインを張っている時にブランクスを伝わる振動は控えめ。ポイズンアドレナやグロリアスのような、キンキンなロッド伝達はありません。
それでも、高品質なチタンガイドが、テンションを緩めているラインからでも僅かな揺れをキャッチ。中弾性のブランクスにある程度スポイルされるものの、十分な情報を手元に伝えてくれる印象です。
あらゆる状況で高感度を発揮するロッドでは無いかもしれませんが、価格帯に相応しい性能は確保していると言えます。
キャスティングとフッキング
バンタムは、キャスティングやフッキングと言った基本性能が高いのも特徴。キンキンの高弾性ロッドとは少し違う味付けです。
キャストフィールとキャスタビリティ
バンタム 2610Lは、ブランクスの曲がりが優れたバンタムの中でも、特に穂先が柔軟で、ベリー部分までグニャリと折り込まれます。
高弾性な反発力でルアーを飛ばすと言うより、ルアーの重みを穂先からロッド全体に乗せて、軽い力でキャストしやすいイメージ。
手にするとヤワすぎかも...と感じるロッドですが、ハイパワーXとスパイラルXによるシマノ独自のネジレ防止機能によって、キャストブレはほとんど感じません。
ディスタンスを確保しつつ、軽めの力で、狙ったポイントにライトリグをヒュンヒュン撃ち込めるロッドと言えます。
フッキングからファイトまで
ライトリグを遠投しやすいバンタム 2610Lは、その十分な長さとバットの強さによって、遠距離で魚がバイトしてもフッキングを決めやすいと感じます。
ですが、穂先が柔軟なので、いわゆる掛け調子でバシッとフッキングするロッドではありません。チャンスを逃さず、大きなストロークでキッチリとフッキングを決めたいロッド。
1度魚が掛かれば、ブランクスが全体に曲がり込んで粘り、しっかりと芯の強いバットが安定したファイトを展開。大物でもバレにくく、キャッチしやすい特性です。
まとめ
シマノ バンタム 2610Lは、ライトリグや軽量リグを遠投して、繊細に誘って、喰わせることが出来るロングフィネススピン。
PEラインにも対応し、普通のフィネスでは手が届かない場所を攻略する事ができます。
6.4~6.8フィートクラスのバーサタイルなロッドと比較すると、小規模な場所での取り回しに難がありますが、スピニングロッドとしての汎用性は高く、意外と使い勝手がよいモデル。一見独特な番手ながら、使いやすいバンタムの特性がそれをクセの無い万能なロッドに仕上げています。
長さを活かし、小さなストロークで小型ハードルアーをアクションさせる事も可能なので、スピニング1本で広範囲を攻略したい方におすすめ。河川やオープンフィールドなど、ある程度広めなロケーションで特に活躍が期待できます!
ライトリグや小型プラグの使用がメイン、でもバーサタイルなスピニングロッドでは物足りないと感じる方にも要チェックな1本。
- 軽量ルアーを遠投できるロングフィネススピン
- ライトキャロやスプリットショットが快適
- ライトリグや軽量プラグ全般に万能で、虫系やI字形ルアーにも対応できる汎用性
- 粘り重視ながら、軽量でダルさが無い使いやすいロッド
バンタム2610Lに合うリール
2610Lは遠投にも対応できるスピニングロッドです。小径な軽量リールもいいですが、おすすめは「シマノ 19 ヴァンキッシュ 2500S」。
スピニングリールは、ラインを快適に取り扱う機能が重要なので、できるだけ高スペックのモデルが長期的に見て快適です。デザインの色合い的には、バスフィッシングに特化した「シマノ コンプレックスCI4+」も良さそうですね。
また、2020年9月に登場する「シマノ ヴァンフォード」も要チェック。ハイエンドモデル並みの技術が詰まった、コストパフォーマンスの高い注目の新製品です。
スピニングリールについても記事にしているので、参考にしてみてください。
バンタムのラインナップ
バンタムのおすすめ機種も記事にしているのでチェックしてみてください。