出典:FLW
海外から嬉しいニュースです。
アメリカのミズーリ州「レイク オブ ザ オザーク」で開催されたバスフィッシングトーナメントにて、日本人プロ「小池 貴幸」選手が怒涛の追い上げで見事に決勝進出!
残念ながら決勝で順位を上げる事はできませんでしたが、1つずつ何かを掴み、猛チャージで順位を上げていった試合展開は、今シーズンのアメリカ挑戦を締めくくる相応しい展開でした。
ダイワのプロスタッフ、琵琶湖のプロガイド、そして国内トーナメントで数多くの実績を残している小池貴幸プロ。「アメリカに挑戦したい」という強い思いで行動を起こし、そこに賛同してくれた多くの協力者の手によって、1つの夢が形になったと言えます。
目次
FLW (フィッシング リーグ ワールドワイド)
小池プロは、2020年からアメリカのFLWシリーズに本格参戦。
FLWはアメリカのバスフィッシングトーナメント団体の1つで、2000年代には1億円以上の賞金トーナメントを開催。
かつては、日本の深江真一選手がAOY(アングラー・オブ・ザ・イヤー)を獲得するなど、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
並木敏成も2003年にフル参戦されています。
▲深江真一選手 出典:FLW
ただ最近のFLWは、大口スポンサーの離脱、主力選手の他団体への移籍など、苦難の時期を迎えていました。
ですが昨年、全米のビッグトーナメント「バスプロツアー」を主催するMLF(メジャーリーグフィッシング)によって買収され、バスマスターと世界を2分するトーナメントシステムを構築しつつあります。
FLW トヨタシリーズ
FLWには現在5つのカテゴリーが存在します。
そのトップカテゴリーである「プロサーキット」は、上位ポイント取得者がMLF「バスプロツアー」への参加権利を取得できるハイエンドトーナメントです。
小池貴幸選手が参戦するのは、FLWの中でセカンドカテゴリーとなる「トヨタシリーズ」。
トヨタが冠スポンサーとなるトーナメントであり、全米の地域ごとに8つのディビジョンで分けてシリーズ戦を展開しています。
小池プロは「プレインディビジョン」でのシリーズ参加。
トップカテゴリーに比べるとローカルになりますが、規模の大きいインターナショナルな大会です。
「小池貴幸」選手のプロフィール
小池プロのプロフィールは次の通り。
イベントやトークショーなど、開始直後でまだ温まっていないような場でも、持ち前のひょうきんなキャラで果敢に盛り上げていこうとする人柄です。
小池貴幸(TAKAYUKI KOIKE)
1985年11月生まれ
長野県出身 滋賀県在住
2015年、国内バスフィッシングのトップトーナメント「JB TOP50」の遠賀川戦で優勝。
その他、数々の好成績を収めるプロトーナメンター。
シャローゲームを得意とし、琵琶湖や霞ケ浦水系といた広大なフィールドではパワースタイルとフィネス両極を駆使するテクニカルアングラー。
小池 貴幸 選手のバスボート
小池プロは「アメリカに挑戦したい!」という夢を強く抱いていました。コロナ禍に覆われた今年もその想いは変わらず、さまざまな事が制限される中でも、夢を実現するために情報収集などの行動を続けていたそうです。
小池プロの想いを聞き、ばずバスボート一式とアメリカでの牽引車両をサポートしたのが「SDG-Marine」。
SDG-Marineは、世界的に数多くの事業を展開する「昭和電機株式会社」のマリン事業部です。
ボートブランド製品の開発アドバイスをアメリカで行ったり、ボート関連製品を国内販売している、業界を通じて釣り人全体をバックアップしてくれているグループ。
これは、昭和電機グループCEOの「柏木 健作」氏がバスフィッシング好きという事も影響しているようです。
大手釣り具メーカー「ダイワ」のプロスタッフである小池プロが、「SDG-Marine」のスポンサードを受けたことにより、アメリカ挑戦が実現しました。
こうしてスポンサーになってくれる方々の協力が得られたのは、小池プロが抱いていた強い思いと、自らの行動力による結果だと思います。
出典:SDG
小池選手がSDG-Marineからスポンサードされ、アメリカで使っているバスボートは「バスキャット リンクス(Lynx)」。
エンジンは「マーキュリー250ProXS V8」。
バスボートとしては、フィッシング時に抜群の安定感があるレンジャーが有名ですが、バスキャットは弾丸のような航行能力が特徴。
他のボートがスピードを落とさないと安定しないような状況でも、圧倒的なスピードでフィールドを駆けることができます。広大なアメリカのフィールドで魚を探すには最適なボートではないでしょうか。
国内でも、琵琶湖の北湖と南湖を縦断するようなスタイルには最適。
その中でも「リンクス」は、バスキャットのメリットである航行能力を活かしつつ、従来はやや苦手としてきたフィッシング時の安定性も大きく向上させた死角のないボートです。
出典:SDG
車はトヨタ タンドラのプラティナム。
小池 貴幸 選手のタックル
小池選手といえばダイワのプロスタップ。
今年、ダイワから新発売されたバスロッド「リベリオン」や、ベイトリール「タトゥーラ」のプロモーションでも活躍されています。
そして、アメリカでのトーナメントでもこれらのタックルが大活躍!
製品のキャッチコピーそのままに、世界に反逆する聖剣を携えての挑戦となりました。
レイク オブ ザ オザークの前に開催された、レイク ダーダネル戦での使用タックルを中心に紹介します。
チャターベイト & フリリグ 用タックル
- ロッド:リベリオン 6101MHRB
- リール:タトゥーラ 100H
- ライン:スティーズフロロ 16lb
レイク ダーダネル戦では、ジャックハンマー3/8オンスに、ゲーリーヤマモトUSAのザコをトレーラーに使用。
「リベリオン 6101MHRB」は、7g程度のプラグから1oz近いスイムベイトまで使えるヘビーバーサタイルで、ややハリがありつつもレギュラーテーパーなアクションは巻物にも高相性です。
今回のレイク オブ ザ オザーク戦でも、カットテール6.5インチのフリリグを手返し良くオダに撃ち込んで使用。レギュラーテーパーなのにティップが入りすぎない特性が活かされたようですね。
マグナムクランク 用タックル
- ロッド:リベリオン 731MHFB-G
- リール:リョウガ 1016H
- ライン:スティーズフロロ 16lb
レイク ダーダネル戦でマグナムクランク KVD8.0を使用。
アメリカに来て以来、多用しているフェイバリットルアーだそうです。
「リベリオン 731MHFB-G」は、マグナムクランクや4m以上潜航するディープクランク向けのパワークランキングロッドながら、10gちょっとのハードプラグや、スピナーベイト、チャターベイトにも使える万能巻物ロッド。
グラスコンポジットのファーストテーパーアクションな特性が、トルクフルなシングルフックのフッキングを実現させつつ、トレブルフックでもバレにくい粘りを兼ね備えています。
ロッドはファーストアクションですが、魚が掛かった後の曲がりはイイ感じですね。
上の写真は「梅田京介」プロが、731MHFB-Gでスティーズ ポッパー70F(自重12.4g)を使って、バスをヒットさせたシーンです。
パンチショット用タックル
- ロッド:リベリオン 731HFB
- リール:タトゥーラ 100XH
- ライン:モンスターブレイブZ 25ポンド
スピードクローにバザーズシンカーペアーリング(3/4oz)をレイク ダーダネル戦で使用。
「リベリオン 731HFB」は、ヘビーカバーに対する撃ち物にバツグンなパワーロッドです。近距離戦だけでなく、立ち上がりの鋭いファーストテーパーアクションが、ヘビキャロや重量級ルアーの遠投にも対応。感度にも優れた名番手です。
撃ち物用タックル
- ロッド:リベリオン731HFB
- リール:ジリオン 10.0L SV TW
- ライン:モンスターブレイブZ 20ポンド
10gのフレックスジグにスピードクローの組み合わせで使用。
フレックスジグは、枝や草木の隙間にスルスル入っていくそうです。
このタックルで、レイク ダーダネル戦では4ポンドフィッシュをゲット!
試合では、ラインを少なめに巻く事でスプールの立ち上がりを上げて、近距離戦でのキャスタビリティをアップさせていたようです。通常、ラインが少ないと、巻き速度が落ちて魚を素早く引き上げにくくなるのですが、ジリオン10の圧倒的なギア比がそれを完全にカバー。
トーナメントという厳しい状況下で発揮されるスペシャル性能と言えますね。
フィネス用タックル
アメリカでの試合はパワースタイルが目立ちましたが、琵琶湖や霞水系ではフィネスなアプローチも得意な小池選手。
ソリッドティップのスピニングモデル「641L/MLXS-ST」は、リベリオンだけでなく、エアエッジやスティーズなど歴代使い続けていた番手です。
ウィードエリアやカバーの少ないエリアを撫でるようなアプローチにする際、ソリッドティップは抜群ですね。
また、バーサタイルなスピニングモデル「661ML/LFS」も琵琶湖でサカマタシャッドをミドストする場合に使用されているようです。
リベリオンについては、次の記事も参考にしてみてください。
レイク・オザークでの小池貴幸選手の軌跡
今回の試合は、10月8日~10月10日の3日間。
コロナの影響でシリーズ全体の日程が都度変更する中の大会となりました。
レイク・オザークは、比較的よくバスが釣れるフィールドだそうです。
その為、ビッグバスを選んで釣り上げないと、上位に上がるのが難しい場所。
小池プロは、事前のプラクティスで数多くの魚を釣りながら、何とか大物への道筋を見つけ出したようです。
初日
11ポンド10オンスを釣り上げ29位。
1発ビッグサイズ
2日目
ビッグサイズを2本取って10位に浮上。
見事に決勝進出です。
1匹は、試合終了ラスト1分でもバイト。まさにドラマフィッシュです。
3日目
3日目は状況が変わり、残念ながらノーフィッシュ。
最終10位で日程を終了しました。
お疲れ様です!
まとめ
小池選手の参加しているシリーズは、ローカルながらもインターナショナルな大規模大会。
今年1年を振り返ると、プラクティスや実際の試合で1つずつ何かを掴み取り、進化していっている姿が伝わります。
今回のアメリカ参戦は幕を下ろしますが、まだまだ挑戦は始まったばかり。
今後の「小池 貴幸」プロの活躍に期待ですね。