藤田京弥プロがアメリカトーナメントに参戦、デビュー戦でいきなり決勝進出という熱気も冷めやらぬ中、ダイワから新型ベイトリール登場のニュースが発表されました。
その名は、「スティーズ リミテッド SVTW 1000S (STEEZ LTD SVTW 1000S)」。2021年に登場したスティーズリミテッドの特別仕様・シャロースプール搭載バージョンです。
「世界を制する為に」
22スティーズリミテッドSVTW1000Sは、若手最強の称号をほしいままにしてきた「藤田京弥」選手が渇望したリール。最高峰ベイトリール「スティーズ」の更なる進化を紹介します!
目次
スティーズ最速ギア比8.5! SVブースト初のシャロースプール搭載!
公式サイト出典:DAIWA
ダイワ 2022 スティーズリミテッドSVTW 1000S | 性能・スペック
品名 | 巻取り長(cm) | ギア比 | 自重 | 最大ドラグ力 | 巻糸量ナイロン | スプール寸法(径/幅) | ハンドル長 | ベアリング | 定価(円) |
1000S-XH | 90cm | 8.5 | 160g | 5kg | 8lb/50~100m 10lb/40~80m 12lb/35~70m 14lb/55m, 16lb/50m |
34mm/25mm | 85mm | 12/1 | 70,000 |
1000S-XHL | 90cm | 8.5 | 160g | 5kg | 8lb/50~100m 10lb/40~80m 12lb/35~70m 14lb/55m, 16lb/50m |
34mm/25mm | 85mm | 12/1 | 70,000 |
「スティーズリミテッドSVTW 1000S」のスペックは上記の通り。従来のスティーズリミテッドSVTWと比べて、次の3点が異なっています。
スティーズシリーズ最速ギア比
スティーズリミテッドSVTW 1000S は、新たに開発したギア比8.5を採用。スティーズシリーズ最速となるライン巻き取り長90㎝(ハンドル1回転)を実現しています。
藤田京弥 選手は、実戦で使用するスティーズに特別仕様でこのハイギアを組み込んでいたようですね。
正に、トッププロ用にチューンナップされたマシンが製品化されたモデルと言えます。
SVブースト初となるシャロースプール
トラブルレスなSVスプールに飛距離アップ性能が加わった「SVブースト(SV BOOST)」。2021年に発売されたスティーズリミテッドや21ジリオンSVTWに搭載され、その実力は高い評価を得ています。
スティーズリミテッドSVTW 1000S に搭載されるスプールは、SVブーストの浅溝・シャロースプール。SVブースト初となるシャロースプールは、必要分のラインだけを巻く軽量化によって回転レスポンスが向上し、さらに低弾道で正確なキャストが可能になります。
タフなコンディションが増えている国内フィールドでも、高精度なキャストアキュラシーで、極力プレッシャーをかけないアプローチが可能ですね。
シャロースプールモデル専用デザイン
スティーズリミテッドSVTW 1000Sは、シャロースプールモデル専用の外観デザインを採用。ハンドル・本体のカラーリングが、シャロースプールに合わせて同系統のカラーで統一されています。
シルバーに輝く既存のスティーズリミテッドSVTWと明確に違う見た目は、特別感があって魅力的ですね。
スティーズリミテッドSVTW 1000S | 用途と特徴
出典:DAIWA
「スティーズリミテッドSVTW 1000S」が目指したものは、圧倒的なキャストアキュラシー。SVスプールやTWシステムで完成されたスティーズにとって、バックラッシュなどを軽減するトラブルレス性能はもはや常識となりました。
世界を制する為、そしてタフコンディションな国内フィールドを攻略する為、絶対的なキャスタビリティ・キャスト精度を追求したモデルが「スティーズリミテッドSVTW 1000S」です。
さらに、スティーズ最速となる8.5のギア比が圧倒的な巻き上げ速度を実現し、限られたワンチャンスをモノにする確率を高めていると言えますね。
既存機種との比較を交えながら、具体的な特徴や用途を順番に紹介します。
必要なライン量だけストックする究極のレスポンス
34mm径SVブーストの”シャロープール”を搭載している事が、スティーズリミテッドSVTW 1000Sの際立つ特徴です。
浅溝のシャロースプールは、14lb~16lbのラインを50m程巻くのに丁度いいラインキャパシティ(14lb 55m、16lb 50m)。近距離から中距離のカバーアプローチに最適です。
従来のSVブーストと比べ、ラインを巻く量が減るので、スプールのトータルウェイトが軽減。軽さによる低慣性化は、鋭い回転レスポンスを生み出し、距離を出しやすいSVブーストとの相乗効果で、余分な力を必要としない、正確で丁寧なアプローチを可能にします。
高いキャストアキュラシーで繊細に狙い定める事ができるので、ナーバスなバスに余計なプレッシャーをかけにくくなりますね。
34㎜というバス釣りで最もバーサタイルなスプール径なので、小口径化で低慣性を実現している小型リールと比べると、太めのラインを扱いやすく、巻き上げ速度やパワーを確保できる点もメリットです。
スプールの材質は、耐久性を備えつつ軽量な”G1ジュラルミン製”。最高峰スティーズに相応しい、妥協の無いスペックです。
軽量ルアーへの対応力・遠投性能
SVブーストのシャロースプールは、8~12lbというやや細めのラインで軽量ルアーをキャストする用途にも適しています。
ただ、ダイワのベイトリールには「スティーズCT SVTW」や「21アルファスSVTW」など、バーサタイル性を備えつつ、軽量ルアーに適した機種が多数ラインナップ。スモラバやネコリグといったスピニングに近い領域であれば、「スティーズAIR TW」や「アルファスAIR TW」といったベイトフィネス専用機に圧倒的なアドバンテージがあります。
なので、どちらかと言えば「スティーズリミテッドSVTW 1000S」は、14~16lbラインを必要分だけストックさせ、近・中距離のカバーアプローチを正確・精密に行うキャスタビリティを重視したコンセプトだと言えますね。
ですが、軽量ルアーを扱う用途でも「スティーズリミテッドSVTW 1000S」ならではのメリットがあります。
SVブーストは、トラブルレスな特性に加え、スムーズな飛距離をも兼ね備えた特性。例えば3.5~7gのヘビーダウンショット、重心バランスの良い5~10gのプラグと言った、投げやすい軽量ルアーであれば、「スティーズCT SVTW」や「21アルファスSVTW」、ベイトフィネス専用機には無い遠投性能を期待できます。(これらの小型リールにはブースト機構がありません)
近い距離をライトリグや軽量ルアーで丁寧に攻めるのであれば、小口径なスプールを搭載したリールに分がありますが、ある程度投げやすい軽量ルアーを遠投するのであれば、「スティーズリミテッドSVTW 1000S」のSVブーストが効果的です。
軽量ルアーに特化したダイワリールに興味をお持ちの方は、次の記事も参考にしてみてください。
圧倒的な巻き上げ速度
スティーズシリーズで最速となる8.5のギア比も、「スティーズリミテッドSVTW 1000S」だけが持つ特徴。今まで、藤田京弥プロが試合で使うスティーズだけに特別採用されていたギア比です。
ルアー回収が早くなり、手返しく撃ち続けられる...といったハイギア特有のメリットは勿論、厳しい状況下でこそ真価を発揮できる仕様だと思いました。
微妙なアタリに対しても即座にラインスラックを回収してフッキングしやすく、ファイト中でもテンションが緩みにくいので、バレにくくなります。
タフなバス程、ラインの張りには敏感なので、十分なラインスラックを出す事が多い釣りに最適。また、距離の離れたポイントのアタリに対しても、素早いライン回収で巻きアワセをガッチリ決める事ができます。
スティーズ最速となるエクストラハイギアでありつつも、スティーズリミテッドSVTW 1000Sは、次世代基準のハイパードライブデジギアを採用しているので、巻き上げパワーも十分。死角の無い仕上がりですね。
採用技術・テクノロジー
出典:DAIWA
スティーズ LTD SVTW 1000S には、次のような最新技術・テクノロジーが採用されています。
ハイパードライブデザイン(HYPERDRIVE DESIGN)
スティーズ LTD SVTW 1000S は、次世代の未来基軸「ハイパードライブデザイン」を採用。新品の製品が持つ高い初期性能を長く持続させる事を目標としたコンセプトです。
中でも注目は、ギアを小型化せずに噛合い率をアップさせ、耐久性を損なう事なく、強い巻き上げパワーを発揮する”ハイパードライブデジギア”。エクストラハイギアモデルでも、滑らかな巻き上げを実現してくれそうですね!
その他にも、ピニオンギアの両端を2つのボールベアリングで支持する”ハイパーダブルサポート”、内部構造を高剛性・高精度で保持する”ハイパーアームドハウジング(Mg)”、トラブルの少ないクラッチシステム”ハイパーダブルクラッチ” といった技術が結集し、高剛性で滑らかな巻き心地を持続させます。
SVブースト (SV BOOST)
トラブルレスなSVスプールにキャスト後半の伸びをプラスするSVブースト。遠投性能とトラブルレスという、相反する特性をバランスよく共存させています。
G1ジュラルミン製スプール
超軽量かつ優れた剛性を維持するスプール素材。スプール巻糸面にブランキング加工を施さず、肉薄化のみで存分な強度と軽量化が可能となりました。
軽さによる優れた回転レスポンスと、高剛性による正確な回転性能を実現しています。
ゼロシャフト
かつてスピードシャフトと呼ばれたスプール機構。スプールはボールベアリングによってのみ支えられ、シャフトレスによる余分な抵抗を無くしたキャスト性能を実現しています。
ゼロアジャスター
マグネットブレーキの進化によって、ほぼ外部ダイヤルのみで全てのブレーキ制御が可能となった近年のダイワ・ベイトリール。メカニカルブレーキを触る機会が減った為、誤作動を起こしにくいゼロアジャスター機構を採用しています。
微細なガタつき(0.2mm程度)を残し、スプールを押さない状態が理想。ほとんどの場合、出荷状態の設定から調整する必要がありません。
UTD(アルティメットトーナメントドラグ)
効き始めの食い付きを解消し、ムラのない滑らかさを実現しつつ、締めつけるほど効く最大ドラグ力を兼備したドラグシステム。
まとめ
出典:DAIWA
バックラッシュなどのトラブルを軽減しつつ、キャスト後半の伸びを実現したSVスプール。そのSVブースト初となるシャロスプールを搭載し、最高峰スティーズの中でも最速となる8.5のギア比を採用したベイトリールが「スティーズリミテッドSVTW 1000S」。
世界を舞台に死闘を繰り広げるトッププロだけではなく、日本国内のタフフィールドを正確無比なキャストアキュラシーで、繊細かつ丁寧にアプローチしたいアングラーにおすすめなアイテムです。
最速ギア比によるスピーディーな展開でチャンスを増やし、限られたチャンスを高確率で仕留める、スティーズリミテッドSVTW 1000S は、”タフコンディション下を勝つためのリール”と言えますね。
発売は2022年7月の予定。今から待ち遠しい最高峰ベイトリールです。
22スティーズ リミテッド SVTW 1000S に合うロッド
近距離から中距離のカバーへ正確なアプローチを可能とする「スティーズ リミテッド SVTW 1000S」には、撃ち物系のハイエンドバスロッドがベストマッチ。
最もおすすめは、ヘビーカバーやマットカバー下へのアプローチに長けた「21スティーズ ハリアー 610(STEEZ C610H-SV)」。ビッグベイトにも対応力を示す汎用性の高さも魅力です。
7g前後の軽めなリグで繊細なアプローチを主体とするのであれば、圧倒的な感度性能を誇る「21スティーズ ブラックジャック(STEEZ C68M+ -SV・AGS)」もおすすめ。パラボリックなテーパーデザインで、軽量ルアーのキャスタビリティーにも優れています。
また、やや細めのラインを使って、軽量ルアーやライトリグも扱いやすい「スティーズ リミテッド SVTW 1000S」には、バーサタイルな「21 スティーズ マシンガンキャスト TYPE-I(C66M)」もいいですね。
巻物からワーミングまで扱いやすく、キャスト性能に優れ、ラインセッティング次第でベイトフィネスに近い領域までカバーできます。
他にも、ジグ&ワーミング用ロッド「ジャッカル リボルテージ RV-RV-C73H」も選択肢に。繊細なティップでテキサスリグやリーダーレスダウンショットリグを操作可能で、太軸のフックを瞬時に貫通させるベリーとパワフルなバットを備えています。
藤田京弥プロは、このロッドでフルサイズのカバージグで使用。硬すぎないティップによる追従性で、ジグの操作感をイメージしているようですね。
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興味をお持ちの方は、参考にしてみてください。
https://www.daytonohiowebdesigners.com/archives/impression_gomexus_steez_zillon_spool.html