2021年に登場したコンパクト&強靭なバーサタイルベイトリール「アルファスSVTW」に、シャロースプール版が登場します!
ダイワのテスターでもある佐々木勝也プロが、驚愕のキャスタビリティと称する仕上がり。”フィネスの領域”から”太糸を用いたカバーフィッシング”まで対応し、”ピンスポットの狙い撃ち”や”低弾道キャスト”が決まりやすい魅力のベイトリールです。
本記事では、32mm径SVシャロースプールを搭載した「アルファスSVTW 800S」の性能や特徴を紹介!
目次
アルファスSVTW 800S | 特徴と魅力
公式サイト出典:DAIWA
アルファス SVTW | 性能・スペック
品名 | 巻取り長 | ギア比 | 自重 | 最大ドラグ力 | スプール寸法(径/幅) | 巻糸量ナイロン | ハンドル長 | ベアリング | 定価(円) |
800H | 71cm | 7.1 | 175g | 4.5kg | 32mm/21mm | 12lb/45-90m 14lb/40-80m | 85mm | 7/1 | 32,300 |
800HL | 71cm | 7.1 | 175g | 4.5kg | 32mm/21mm | 12lb/45-90m 14lb/40-80m | 85mm | 7/1 | 32,300 |
800XH | 81cm | 8.1 | 175g | 4.5kg | 32mm/21mm | 12lb/45-90m 14lb/40-80m | 85mm | 7/1 | 32,300 |
800XHL | 81cm | 8.1 | 175g | 4.5kg | 32mm/21mm | 12lb/45-90m 14lb/40-80m | 85mm | 7/1 | 32,300 |
800S-H (シャロースプール) | 71cm | 7.1 | 175g | 4.5kg | 32mm/21mm | 8lb/40-80m 10lb/30-65m 12lb/25-55m | 85mm | 7/1 | 32,300 |
800S-HL (シャロースプール) | 71cm | 7.1 | 175g | 4.5kg | 32mm/21mm | 8lb/40-80m 10lb/30-65m 12lb/25-55m | 85mm | 7/1 | 32,300 |
800S-XH (シャロースプール) | 85cm | 8.5 | 175g | 4.5kg | 32mm/21mm | 8lb/40-80m 10lb/30-65m 12lb/25-55m | 85mm | 7/1 | 32,300 |
800S-XHL (シャロースプール) | 85cm | 8.5 | 175g | 4.5kg | 32mm/21mm | 8lb/40-80m 10lb/30-65m 12lb/25-55m | 85mm | 7/1 | 32,300 |
2022年モデルとなる「アルファスSVTW 800S」の性能・スペックは上記の通り。通常スプール版の21アルファスSVTWの性能も併記してあります。
22アルファスSVTW 800S は、シャロ―スプールを搭載した追加機種という位置付けですね。
回転立ち上がりがよい32㎜という小口径なSVスプールなので、レギュラーサイズのルアーだけではなく、軽量ルアーも扱いやすいのが特徴。SVスプールは、バックラッシュなどのトラブルを極力減少させ、万人が扱いやすい高評価なリールです。
21アルファスSVTWと比べ浅溝のシャロ―スプールを搭載する800Sは、ラインキャパシティが少なくなっています。
その為、ラインを巻いた時のトータルのスプール重量がより軽くなり、回転立ち上がりがより快適に。ベイトフィネスに近い領域まで、軽量ルアーやライトリグを扱いやすい特性と言えますね。
また、ベイトフィネス専用機のような小型ベアリングは採用していないので耐久性が十分。加えて、ベイトフィネスで一般的な糸巻き量(8lbライン40~50m)よりラインキャパが多いので、やや強めのライン(10~12lb)でのパワーベイトフィネスに最適です。
軽量ルアーへの対応力はベイトフィネス専用機ほどではないものの、ある程度重量のあるライトリグや小型ルアーでやや強引なファイトが可能です。
軽量ルアーだけではなく、太めのラインを少量巻いて、近・中距離を高い精度で撃ち続ける用途にもおすすめ。回転立ち上がりが鋭く、ブレーキコントロールが効きやすい小口径スプールは、キャスト精度に優れています。
シャロ―スプールモデル専用の仕様
シャロ―スプールを搭載する「アルファス SVTW 800S」は、21アルファスSVTWと異なる外見デザイン。パっと見て判別できるデザインの違いは、特別感があっていいですよね。
更にシャロ―スプールモデルには、アルファス最速となる8.5のギア比がラインナップ。手返し良くスピーディーに攻め続ける用途において、圧倒的な巻き上げ速度は強力なアドバンテージになります。
巻き上げ速度と巻き上げパワーのバランスに優れたギア比7.1も用意されているので、釣り人の好みやスタイルに応じて選ぶことができます。
アルファスSVTWに採用されているハイパードライブデジギアは耐久性に優れ、スムーズな巻き上げを実現しているので、どちらのギア比でもリーリングは快適です。
アルファスSVTW 800S の用途 | 従来機種との違い・使い分け
シャロースプール搭載モデルとして新登場する22アルファスSVTW 800S。既存リールとの違いや、機種ごとの使い分けを紹介します。
21アルファスSVTW との違い・使い分け
新しく登場する「アルファスSVTW 800S」は、2021年モデルのアルファスSVTWにシャロースプールを搭載した追加機種。ラインの糸巻量が異なるほかは、基本的に同じベイトリールと言えます。
どちらの機種も32m径のSVスプールを搭載。小口径かつ横幅を狭めたナロー化により、鋭いスプール回転と低慣性なブレーキコントロール力を備え、軽量ルアーもトラブルレスに扱える特性が魅力です。
21アルファスSVTWは12lbラインを90m巻けるラインキャパシティ。14lbや16lbも十分実用レベルでストックできるので、軽量ルアーだけではなく、遠投用途やビッグベイトを含む重量級ルアーまで対応可能です。
対する22アルファスSVTW 800S は、8lbラインを80mを巻けるシャロースプール。12lbであれば55mという少ないラインキャパシティなので、実釣におけるスプール全体の重量が大幅に軽量化できます。
スプール重量が軽くなる事で、低慣性によるブレーキコントロール力はさらに向上。近距離や中距離へのキャストアキュラシーが向上し、低弾道でより正確なキャストを決めやすいですね。
また、8~10lbラインを巻いて、軽量ルアーやライトリグを使用する用途にもシャロースプールは最適。ベイトフィネス専用機程ではありませんが、やや強めのラインによるパワーベイトフィネスや、投げやすい軽量ルアーを遠投させたい場合に効果的です。
小型~大型まで幅広いルアーを扱いつつ、たまに軽量ルアーや撃ち物を行うのであれば、バーサタイルな「21アルファスSVTW」がおすすめ。ベイトフィネスに近い領域の軽量ルアーやライトリグを強めのラインや遠投主体で使いたい場合には、シャロースプールを搭載した「22アルファスSVTW 800S」がいいですね。
ピッチングなどでカバーにジグを延々と撃ち込む用途にも、シャロースプールのアルファスSVTW 800Sに14lb前後のラインを必要最小限巻く事で、優れたキャストアキュラシーが力を発揮します。
小口径スプールは軽めのジグでも投げやすいので、カバーに潜むセンシティブなバスに対して繊細なアプローチが可能になりますね。
21アルファスSVTWについて興味をお持ちの方は、次の記事も参考にしてみてください。
実際にアルファスSVTWを使用してみたインプレを紹介しています。
スティーズCT SV TW との違い・使い分け
スティーズCT SV TW は、重量級ルアーや遠投性といったある程度のバーサタイル性を確保しつつ、30mという小口径スプールで軽量ルアーを非常に扱いやすいベイトリール。昨今のタフなフィールドにマッチしている事もあり、2019年に発売されて以来、高い評価と根強い人気がありますね。
シャロースプールを搭載するアルファスSVTW 800S は、このスティーズCT SVTW に近い活躍が期待できます。
スティーズCT SVTWと比べるとスプール径は大きくなりますが、その分ラインキャパシティが少ない(スティーズCTは12lb 70m、アルファスSVTW 800Sは12lb 55m)ので、スプール全体が軽量化され、小型ルアーへの適応力も十分。30㎜径スプールに比べると、32mm径のアルファスSVTWの方が糸痩せなどの問題が減少され、マイルドでリールとして使いやすいメリットもあります。
反面、アルファスSVTW 800S の方がラインキャパシティが少ないので、重量級ルアーを遠投するようなバーサタイル性においてはスティーズCT SV TWにアドバンテージがありますね。
スティーズCT SVTWは高価なハイエンドモデルなだけに、シャロースプールを搭載する「アルファスSVTW 800S」とノーマルスプールの「21アルファスSVTW」が持つ両方の特性をバランスよく完成させています。
何でも1台のリールでこなしたい!という方には、スティーズCT SVTW が向いているかもしれません。
ですが、軽量ルアーが主体、または近距離への撃ち物専用...といった用途が明確なのであれば、シャロースプール版「アルファスSVTW 800S」のコストパフォーマンスは高いと言えます。
また、ノーマルスプールを搭載する21アルファスSVTW(実売2万円台半ば)と2台購入しても、スティーズCT SVTW(実売6万円前後)よりコストパフォーマンスが良好。なので、複数タックルを用途で使い分ける方にアルファスSVTWはいいですね。
スティーズCT SVTWについて興味をお持ちの方は、次の記事も参考にしてみてください。
アルファスAIR TW との違い・使い分け
アルファスシリーズには、ベイトフィネス専用リール「アルファスAIR TW」もラインナップ。ジグ重量1g台、総ウェイト2.5gといったスモラバでも低弾道でキャストできる性能があり、軽量ルアーに対して圧倒的な性能です。
シャロースプールを搭載する「アルファスSVTW 800S」も軽量ルアーを扱いやすい特性ですが、流石にベイトフィネス専用機程ではありません。
しかし、ベイトフィネス専用機よりラインキャパが多く、投げやすい軽量ルアーを遠投する用途ではアルファスSVTW 800Sにもメリットがあります。
やや太めのラインを巻いたパワーベイトフィネスにも適合し、ベイトフィネス専用機より丈夫なスプールとベアリングは、キャスティングを主体とする釣りでも快適です。
ベイトフィネス程ではないものの、ベイトタックルの強さを活かしたフィネスなアプローチにいいですね。
アルファス AIR TWについて興味をお持ちの方は、次の記事も参考にしてみてください。
SVライトリミテッド との違い・使い分け
22アルファスSVTW 800Sと同様に32mm径SVスプールを搭載し、必要最小限のラインキャパで軽量ルアーへの対応力を高めたリールとしては、2018年にリリースされた「SV ライトリミテッド」が存在します。
SVライトリミテッドは、耐久性と軽さに優れたG1素材をスプールに採用し、アルファスSVTWよりグレードの高いベイトリール。TWSを採用していないなど、今となってはやや古い設計ながら、その分成熟された使いやすさがありますね。
個人的には、SVライトリミテッドを所持しているのであれば、シャロースプールを搭載するアルファスSVTW 800Sを買い足す必要性は薄いと考えています。
ただ、アルファスSVTW 800Sは、スプール幅を狭めるナロー化や、TWシステムの搭載などによって、ハイグレードなSVライトリミテッドに勝るとも劣らないキャスト性能。その上で、ハイパードライブデザイン採用による巻き心地や、手に収まりやすい小型ボディ、海水対応(SVライトリミテッドは淡水専用)といった、新型機種ならではの高機能が備わっています。
今から新規に購入されるのであれば、機能面でもアルファスSVTW 800S の方がトータルパフォーマンスで快適。SVライトリミテッドを所持している方が買い替えた場合でも、期待を裏切らない進化を体感できるのではないでしょうか。
SVライトリミテッドを実際に使用してみたインプレも記事にしているので、興味をお持ちの方はご覧ください。
採用技術・テクノロジー
シャロースプールを搭載するアルファスSVTW 800Sには、次の技術・テクノロジーが採用されています。
ハイパードライブデザイン(HYPERDRIVE DESIGN)
ハイーパードライブデザインは、リールの初期性能が長く持続する事を目指した次世代基準。次の4つの技術が集結したコンセプトです。
ハイパードライブデジギア
ギアを小型化せず、耐久性を保持したまま噛合い率をアップさせ、強く滑らかな回転が持続する事を目指したギアシステム。
ハイパーダブルサポート
ピニオンギアの両端を2つのボールベアリングで支持し、ハンドルを回す力を最大限に発揮。負荷がかかっても力強く、軽く巻上げることを可能にしています。
ハイパーアームドハウジング(AL)
内部構造を高剛性・高精度で支え、精緻な巻き心地とパワーを生む筐体ボディシステム。アルファスSVTWは、フレーム・ギア側サイドプレート・ダイヤル側セットプレートにアルミニウム合金を採用するフルメタルハウジング仕様です。
ハイパータフクラッチ
何千回、何万回でも摺動し続けるメリハリのきいたオン・オフ性能に加え、塩分濃度が高い海水域でも極めてトラブルの少ないクラッチシステム。
SVコンセプト
SVスプールとエアブレーキで構築されるストレスフリーなベイトリールコンセプト。軽量級から重量級まで幅広いルアーを投げやすく、バックラッシュしにくいトラブルレス性能が魅力です。
TWシステム(TWS)
スプール至近のラインガイドを可動するT字型で設計。キャスティング時は横一文字に大きく開き、リーリング時はしっかりと収束させるシステムです。
この構造により、放出されるラインの抵抗が大幅に軽減され、釣りにおける快適性がアップ。スムーズなキャスティングでよく飛び、バックラッシュなどのトラブル軽減に貢献します。
コントロール性がアップし、ルアーをフォールさせるスピードも向上。ベイトリールの基本性能を向上させるダイワの定番テクノロジーです。
UTD(アルティメットトーナメントドラグ)
ドラグ効き始めの食いつきを解消し、ムラの無い滑らかさを実現。締め付けるほど効果を発揮する最大ドラグ力も備えています。
まとめ
出典:DAIWA
コンパクトで高剛性なコンパクトボディで滑らかな巻き上げを発揮し、軽量ルアーから重量級まで快適なキャスト性能を備えた「アルファスSVTW」。そのシャロースプール搭載モデルを、待ち望んでいた方も多いのではないでしょうか。
しかも、アルファス最速となるギア比8.5の機種も追加。シャロースプール搭載モデル専用の外観デザインなど、細かいアップグレードも嬉しいポイントですね。
アルファスのシャロースプールは、8~10lbのラインでライトリグや軽量ルアーを扱いやすい特性。タックルの数を絞ったオカッパリなどでも、タフなフィールドを攻略しやすい切り札的存在になります。
加えて、やや太めのラインによるパワーベイトフィネスや、ライトラインを十分に巻いた軽量ルアーの遠投など、ベイトフィネス専用タックルとはまた違った幅広いアプローチが可能。
ベイトフィネス専用機は価格高めで、その上で用途が振り切っているので、どうしても汎用性が限られてしまいます。
なので、専用機を揃える程ではないものの、ベイトタックルでのライトリグや軽量ルアーを使ってみたい方にも、22アルファスSVTW 800S は有力な選択肢と言えますね。
さらに、14lb以上の太めなラインを30~40m程巻いて、高いキャスタビリティで近距離をより正確に撃ち続ける用途にも良さそうです。
巻けるライン量が少ない事でスプール全体が軽量化し、低弾道でピンスポットを狙ったキャストアキュラシーを実現。小口径スプールは軽量なジグでも投げやすいので、カバーに潜むタフなバスを繊細に攻める事ができます。
高いキャストアキュラシーでピンスポットを正確に狙い撃てる性能は、年々プレッシャーが高まる日本国内のフィールドに最適化された特性。コンパクトなボディは操作性も良く、フィネスなアプローチを快適にアシストしてくれます。
アルファスは基本性能に優れ、使いやすいリール。多くのアングラーが、テクニカルな用途で手軽にハイパフォーマンスを発揮できますね。
発売は2022年7月予定。実売価格は2万円台半ばだと思われるので、価格性能比に優れたグレードです。
アルファス SVTW 800S に合うロッド
シャロースプールを搭載するアルファスSVTWで、軽量ルアーやライトリグを強めのパワーベイトフィネスで扱うなら、「ダイワ リベリオン 661MLRB, 662MLRB(2ピース)」がおすすめ。ベイトフィネス対応ながら、硬めのティップと強靭なバットを持ち、高低差のあるボトムやカバーのスタックを回避する能力に優れています。
また、太めのラインを少量巻いて近距離を撃つ用途なら、「ダイワ リベリオン 661MHFB」が有力候補。ショートレングスで取り回しが良く、操作性に長けたジグロッドです。
携帯性に優れたモデルであれば、センターカット2ピース版「ダイワ リベリオン 662MHRB」もいいですね。
こちらはバーサタイルモデルですが、穂先がクイックに立ち上がるレギュラーファーストテーパーなので、カバー撃ちにも対応できます。
その他のバス関連記事
その他、バスフィッシングの攻略、おすすめ商品の紹介、タックルのインプレッションなどを記事にしています。
興味をお持ちの方は、参考にしてみてください。