バス釣りには、ロッドやリール、そしてルアーが必要。
またつい忘れがちですが、重要な道具の1つにライン(糸)があります。
ラインは、キャスティングしたルアーを、手元にあるリールやロッドと結ぶ重要な要素。
キャストした長さだけラインが出ているので、感度やフッキングといった実釣性能に大きな影響があります。
高価なリールやロッドを使っていても、ラインの性能が不十分であれば、ルアーに対するバスのアタリを見逃してしまったり、フッキングが上手く決まらない事も。
また、耐久性の弱いラインだと、折角ヒットしたバスを逃がしてしまう危険もあります。
そこで本記事では、主にバス釣りの初心者におすすめのラインを紹介します。
実際に自分がいろいろ使ってみて、1番バランスが良いと感じる製品を1つずつ選びました。
ライン選びの参考にしてみてください。
目次
ラインの種類
バス釣りで使うラインには、大きく次の3種類があります。
- ナイロン
- フロロ(フロロカーボン)
- PE
それぞれのラインにメリット・デメリットがありますが、日本のバスフィッシングでは「フロロライン」が主流です。ただ、バックラッシュしやすい、キャスティングで飛距離が出にくいなど、扱いに多少の慣れが必要。
なので、初心者の方に最もおすすめのラインは「ナイロンライン」です。
ある程度慣れてきたらフロロラインも使いつつ、用途に合わせてナイロンと使い分けるのがいいですね。
国内ではフロロが主流ですが、ナイロンは海外では使用率が高いライン。
トーナメントで賞金を稼ぐようなプロを除き、ベテランの方でもナイロンラインで大きなバスをバンバン釣っています。以前、海外のリザーバーでガイドをされている方に、「日本じゃフロロ使う人多いの?」と驚かれたことも。
初心者にも最適でありつつ、ナイロンラインは実績もかなり高いと言えますね。
次項で、それぞれのラインの特徴とおすすめ製品を紹介します。
ナイロンライン
バス釣りで、最も基本となる釣糸がナイロンラインです。
比重が軽いので飛距離が出やすく、しなやかで柔軟性が高い為、バックラッシュなどのトラブルが少ないのがメリット。あと、フロロやPEに比べて、価格が安い点も魅力です。
軽いので強風に流されやすい弱点がありますが、サイドキャストなどで低弾道に投げる事で十分カバー可能。
ただ、他のラインと比べて伸びやすい性質があり、負荷に対する衝撃吸収力は強いのですが、感度面はやや不利と言えます。また、ラインにキズが入るとそこから切れやすくなるので、こまめにチェックするのがおすすめ。
とは言え、ライントラブルが少なく、飛距離が出やすい上に、比較的安価なのが初心者にも嬉しいポイントですね。
トップウォーターのような浮力を活かしたルアーのアクションも良くなるので、上級者でも使用する機会が多いライン。
20lb以上の太いラインで使えば、強度も強くなり、伸びが少なくなるので感度も上がるので、カバーエリアへの撃ち物などにも快適です。
選ぶラインの太さ
ベイトリールの場合、特にまだ慣れていない頃は、14~16lbあたりのナイロンラインがおすすめです。
ナイロンラインは、多少太くても飛距離が出やすいので快適。
キズが入ると切れやすくなりますが、丈夫なラインであれば重量級ルアーを思いっきり投げても安定感があります。
また、トップウォーターやジャークベイトなどロッド操作にキレを持たせたい場合や、カバーにジグを撃ち込むような場合は、20lb以上がおすすめ。
ここまで太くなると、さすがに飛距離が落ちますが、かなり強度があるのでカバーゲームでも安心です。
ナイロンはしなやかなので、太めであっても他のラインより使いやすいのが特徴。
その上で、太い事による強度アップにより、ルアーの動きが良くなり、感度も向上します。
スピニングリールには、8lbを基準に、6~10lbの太さがおすすめです。
2500S(2500番台のシャロースプール)のリールに、LやMLのロッドを組み合わせる一般的なスピニングタックルの場合、フロロだと6lbを超える太さが使いにくくなるのですが、しなやかなナイロンラインであれば十分快適に使用可能。
8lb以上のラインを使えば、スピニングタックルとしては、かなり丈夫なので初心者も安心です。
おすすめのライン
国内の有名ラインや海外から取り寄せた製品を色々使ってきましたが、最も性能的にバランスが良いラインが「サンヨーナイロン ライン アプロードGT-R ULTRA」。よりナチュラルなカラーが好みであれば、「サンヨーナイロン ライン GT-R HM」が良いですね。
ナイロンラインに必要なしなやかさと、適度な硬さがあり、耐久性も優秀。バス専用に開発され、耐摩耗性が高いのも魅力ですね。
「サンヨーナイロン GT-R」は、ナイロンラインの中ではやや高価ですが、キズが入ると脆くなるナイロンの特性上、これくらいの品質が良い製品がおすすめ。とにかく丈夫で、障害物カバーやストラクチャーなどへの擦れにも強く、キャスティングしやすい「サンヨーナイロン GT-R」はトータルバランスで最適なナイロンラインと言えます。
フロロライン
フロロラインは、日本のバス釣りで最も主流のライン。
比重1.78と水よりも重いので、ルアーを沈めやすく、地形変化やバスのアタリをキャッチしやすい特徴があります。
最大のメリットは、伸びが少なめで、感度が良い点。
また、ラインが透明で、屈折率が水と近く、水分を吸収しやす特性で、違和感を与えにくいとも言われています。
岩や木といったカバーにラインが擦れる「根ズレ」に強く、ラインブレイクで切れにくい丈夫な点もメリット。
デメリットは、ラインが重いので飛距離が出にくい事。
トップウォーターなど、浮力を活かしたルアーもラインの重さで動きが悪くなりますね。
あとナイロンラインよりも固いので、バックラッシュ等のライントラブルがやや多めです。
ナイロンラインと比べて価格が高く、高品質のものはかなりの高額な事もネック。
フロロラインの使用には多少の慣れが必要ですが、感度が良く、水中の変化やバスのアタリをキャッチしやすいメリットは秀逸。
最近のリールはトラブル防止機能も進化しているので、ある程度バス釣りに慣れた方は、フロロラインを使ってみる事をおすすめします。
選ぶラインの太さ
フロロラインをベイトリールで使う場合、14lbを選ぶ方が多いです。
これ以上の太さだと極端に飛距離が落ちる事と、14lbなら大物とのファイトでもある程度は余力があり、多少のカバーにも対応可能。
カバーやウィードが濃い場所であれば16~18lb、逆に小規模な野池やカバーが少ないオープンエリアでは10~12lbがおすすめです。
スピニングリールに使うフロロラインは、5lb前後がおすすめ。
硬めのフロロラインをスピニングで使う場合、6lbあたりがトラブル無く使いやすい上限となります。5lbを超えると極端に飛距離が悪くなるので、5lbを基準に、小規模な場所であれば4lbあたりが使いやすい太さ。
超クリアなエリアでは2~3.5lbラインを使う場合もありますが、4lbから下のラインはブレイクも多くなり、熟練者向けです。
おすすめのライン
おすすめのフロロラインは、クレハの「シーガー フロロマイスター」。
フロロラインとしては比較的安価で、ボビン巻きで販売されている事もあり、ライン量に対するコスパも高めです。
何より、フロロのメリットを感じられる十分な感度がありつつ、かなり丈夫なのが魅力。加えて、フロロラインとしては比較的しなやかで、扱いやすいのが特徴です。
もっと高価なラインであれば、さらに感度が良く、より滑らかでキャスティング時の抜けが良い製品もありますが、普段使いのフロロラインとしては圧倒的なバランスの高さ。
特に「シーガー フロロマイスター」は強度が強いのが魅力ですね。
自分の場合、フロロマイスター以上の性能が欲しい大会や特別な遠征時を除いて、フロロラインは全てフロロマイスターを使っています。
「シーガー フロロマイスター」のインプレもレビューしているので、興味のある方はご覧ください。
PEライン
PEは海釣りで主流のライン。
細いラインでも圧倒的な強度を持っていて、海の大物にも十分対抗できます。
また、ラインが伸びにくいので感度が高く、比重が軽く飛距離が出るのが特徴。
最近はバス釣りでも多用されており、海外のバスプロの間ではPEが主流になっています。
ただ、ラインの結束が難しい、衝撃を和らげるためにショックリーダーと呼ばれるラインが必要など、かなり扱いが難しめ。
用途が合えば便利なラインなのですが、使用難易度が高めで製品も高価なので、本記事では詳細を省略します。
PEラインの記事も別途投稿しているので、参考にしてみてください。
ラインの結び方
ラインの結び方(結束方法)には様々な種類があり、それぞれメリット・デメリットがあります。
その中で1つに絞るのであれば、おすすめは「ハングマンズノット」。
自分も釣り現場でラインを結束する場合、8割方「ハングマンズノット」です。
結束強度が高く、慣れるとルアーを結びなおすのもカンタンなので便利。
結び方は、下記のサイトを参考にしてみてください。
その他の結束方法
必ず必要になるとは限りませんが、次の結び方も覚えておくと便利です。
リールのスプールにラインを結ぶ方法
ラインとラインを結ぶ方法
糸巻量の多いリールの場合、軽いナイロンラインやPEを下糸として巻いて、その上から必要な量だけ比重の重いフロロライン等を巻く場合があります。
ラインとラインを結ぶ場合には様々な方法がありますが、一番カンタンなのは「電車結び」です。次のサイトでチェックしてみてください。
ラインの太さ
ラインの太さは、「12lb」「14lb」といった単位で表記されています。
lbはポンドの略で、1ポンドは約0.454キログラム。
これは、規定の重さになると切れる、という目安になります。
「12lb」であれば約5.448㎏、ここまでの重さがかかると切れる計算。
ただし、ラインは結束によって強度が7~8割程度に下がるので、実際は4kg前後で切れてしまいます。
キズが入る事なども考慮して、ある程度余裕の持ったラインを選ぶのが良さそうですね。
細いラインについて
細いラインは「良く釣れる」と言われています。
ただ、細いラインでも魚に見えていない訳ではありません。水と近い屈折率を持つ透明なフロロラインであっても、子バスがラインにジャレついてくる事がよくあります。
ですが、細いラインは水の抵抗を受けにくく、特にライトリグのワームの動きを繊細にし、結果として魚からの反応が良くなります。
クリアレイクをボートで釣りする場合、3lbを超えるラインでは太すぎる、と言われることも。
ですが、そもそも魚を掛けて、手元にキャッチしなければ意味がないですよね。
ルアーの強いアクションに反応を示すバスは、太いラインでも十分に大物が釣れます。
なので、ラインはできるだけ太めのものを使うことがおすすめ。
ラインブレイクによってルアーを水底に残しにくくなりますし、何より掛かったバスを逃がしにくくなります。
まとめ
バス釣り用ラインには数多くの製品が発売されていて、それぞれ様々なメリットや特性があります。
特に初心者には、ナイロンラインがおすすめ。
トップウォーターやジャークベイトと言った浮力を活かしたルアーにも最適です。
中でも「サンヨーナイロン ライン アプロードGT-R 」は最強のナイロンライン。ナチュラルなカラーリングの「サンヨーナイロン ライン GT-R HM」と弧のみで使い分けてみてください。
バランスが良い性能なので、ベイト用に14~16lb、スピニング用に8lb前後でセッティングしてみるといいですね。
ボトムの地形変化やバスの微妙なバイトをキャッチするなら、フロロラインがおすすめ。
ある程度釣りに慣れた方であれば、是非試していただきたいラインです。
最初は、ベイト用に14lb、スピニング用に5lbを選び、フィールドの環境や自分のスタイルに応じて色々調整してみてください。
まずはラインブレイクしないように、丈夫で太目なラインでスタートして、色々と自分なりに試してみるのも楽しいですよね。
ライントラブルが無いように万全の準備を整えて、めいっぱい釣りを楽しんでください!
便利な小道具 - ラインカッター、フィッシングプライヤー
結束したラインの余分をトリミング(切り取る)為に、ラインカッターがあると便利です。ピンオンリール付きの物であれば、身に着けておけるので、ラインを結びなおすときに探し回らく手良いのでラクチン。
トリミングした切れ端は、必ず回収して釣り場に残さないようにしてくださいね。
また、フィッシングプライヤーも何かと重宝します。
ハリをバスに飲まれてしまった場合や、ライギョなど歯の鋭い魚を釣った時に、プライヤーで針を外すことができます。根がかり等で曲がったハリや、ルアーの金具を応急処置で治す場合もあると便利。
これからバス釣りを始める方へ
1からバス釣りを始める方、昔バス釣りをしていて復帰される方は、次の記事も参考にしてみてください。