アブガルシア(Abu Garcia)のフラッグシップモデル「ゼノン (ZENON)」に、ベイトキャスティングモデルが登場！
ゼノンのベイトリールは、先日アメリカで開催された2022年バスマスタークラシックでも発表された新製品。自重135gという軽量で斬新なデザインのボディを備えつつ、バーサタイルに活用できる性能と、優れた耐久性・剛性感を併せ持ったベイトリールです。
そのゼノン ベイトキャスティングリールが、早くも日本国内版として登場します。
しかも、海外で発表されたゼノン ベイトリールとは異なり、日本の釣り事情に最適化された仕様に注目。昨年末、アブガルシア製品を取り扱うピュアフィッシングジャパンが国内トーナメントから撤退しているので、日本向けにチューンナップされた製品は今後発売されないのでは...と危惧されたいた方も多いのではないでしょうか。
アブガルシアのリールは細かいチューニングで使用感が大きく異なるので、日本独自なモデル展開は嬉しい限りですよね。
新しく登場するゼノン ベイトリールは全8機種。バーサタイル、ベイトフィネス、ヘビーデューティーと大きく3タイプに分類され、日本国内のベイトタックルで必要となる機種が1度に全てリリースされます。
ざっと見た印象では、ギア比違いなどで闇雲にラインナップを増やすのではなく、国内フィールドでの釣りスタイルに応じたドンピシャな設計に的を絞っているように感じられました。
「もはや、足りないものはない。」とメーカーが言い切るPRからも、そのコンセプトに対する自信と決意が伺えます。
発売予定日は2022年6月。
本記事では、日本専用仕様に研ぎ澄まされたアブガルシアのフラッグシップモデル「ゼノン ベイトリール」を紹介します！
海外で発表されたゼノン ベイトリールについて興味をお持ちの方は、次の記事も参考にしてみてください。
目次
ゼノン ベイトリール | 全機種のラインナップ
アブガルシア ゼノンのベイトリールは、全部で8機種がラインナップ。細かいバリエーション違いで機種が増えているのではなく、バーサタイル・ベイトフィネス・ヘビーデューティーと、各用途に応じて設計が異なるモデルが用意されています。
超軽量バーサタイル | ZENON MG7 （ゼノン MG7）
性能・スペック
| 製品名 | ハンドル | 自重 | ギア比 | スプール径/幅 | ハンドル長 | 最大ライン巻き取り長 | 最大ドラグ力 | ラインキャパシティ | PEライン | ボールベアリング | 希望小売価格(税抜) |
| ZENON MG7 | 右ハンドル | 135g | 7.5:1 | 30mm/22ｍｍ | 85mm | 71cm | 4kg | 12lb 100m、14lb 85m、16lb 75m | 1.5号 100m | 9/1 | 45,000円 |
| ZENON MG7-L | 左ハンドル | 135g | 7.5:1 | 30mm/22ｍｍ | 85mm | 71cm | 4kg | 12lb 100m、14lb 85m、16lb 75m | 1.5号 100m | 9/1 | 45,000円 |
ゼノンベイトリールの中でも最軽量（自重135g）となる機種が「ZENON MG7（ゼノン MG7）」。近年のベイトリールで汎用性が最も高いと思われる”バーサタイル”なラインキャパシティ（12lb 100m、14lb 85m、16lb 75m）を備えています。
バーサタイルなベイトリールながら極限まで軽いボディ重量に加え、直径が30mmという小口径なスプールが特徴。ビッグベイトなどの重量級ルアーを扱えるラインキャパシティでありつつ、軽量なルアーでも回転の立ち上がりが良く、フィネスなアプローチでもレスポンスが良さそうですね。
ゼノンの物と思われる30㎜径スプール。スプール重量は不明だが、かなり研ぎ澄まされた印象。海外版は遠心ブレーキのIVCBを採用していると思われるが、国内版はマグトラックスのように見える。 出典：PURE FISHING JAPAN
個人的に、物理的なスプールの直径は、軽量ルアーへのレスポンスに最も影響すると感じています。
ラインを巻く量を減らす、スプール重量を軽くする..などの特性も有効ですが、回転遠心力の影響が大きいスプールエッジまでの距離が短い事が1番効果的だと思いました。
ただ、小口径なスプールは、ラインの巻き癖が付きやすいなどのデメリットもあります。
しかし「ゼノン MG7」は、小口径スプールを搭載する他社のリールに比べ、スプール幅が22mmと極端にナロー化されていません。
十分なスプール幅がある事でキャスト時の糸痩せは軽減されるので、他の小口径・ナローなスプールと比べると、比較的巻き癖によるトラブルは少ないと考えられます。
ある程度軽量なルアーを太めのラインで扱え、重量級ルアーまでバランスよく扱える特性と言えますね。
また、ギア比を7.5:1だけに絞っている点も自分的には好印象です。
最大ライン巻き取り長71㎝というスペックは、巻物でも丁寧にリーリングしやすく、撃ち物でも遅すぎる事がない、万能なセッティング。内部ギアが大型化され、ボディの剛性感もアップしている事で、十分な巻き上げパワーも期待できます。
軽量でコンパクト、かつ剛性に優れたバーサタイルリールを求めている方におすすめ。太めのラインによるパワーベイトフィネスから重量級ルアーまで、快適な操作感で攻め続ける事ができるハイエンドベイトリールです。
ベイトフィネス | ZENON LTX （ゼノン LTX）
性能・スペック
| 製品名 | ハンドル | 自重 | ギア比 | スプール径/幅 | ハンドル長 | 最大ライン巻き取り長 | 最大ドラグ力 | ラインキャパシティ | PEライン | ボールベアリング | 希望小売価格(税抜) |
| ZENON LTX | 右ハンドル | 150g | 8.3:1 | 30mm/22ｍｍ | 85mm | 78cm | 5kg | 6lb 70m、8lb 50m、10lb 40m | 1号 100m | 9/1 | 43,500円 |
| ZENON LTX-L | 左ハンドル | 150g | 8.3:1 | 30mm/22ｍｍ | 85mm | 78cm | 5kg | 6lb 70m、8lb 50m、10lb 40m | 1号 100m | 9/1 | 43,500円 |
「ZENON LTX（ゼノン LTX）」は、30㎜の小口径スプールと、8.3:1のハイギアが特徴的なソルト対応のコンパクトベイトリール。8lb 50mというラインキャパから、ベイトフィネスに向いたリールと言えそうです。
PEラインであれば1号が100m巻けるキャパ。ライトなショアソルトでもベイトフィネスタックルが用いられることが多くなっているので、そういったシーンでも活躍してくれますね。
ソルトを含めたベイトフィネス用途であればハイギアモデルが便利なので、ギア比8.3:1だけに絞ったラインナップも納得。購入を考える際に分かりやすく、間違いがありません。
自重150gは、最軽量とまでは言い切れませんが、ベイトフィネス用途で十分な軽さ。パーミングしやすいエルゴノミックデザインと相まって、快適なベイトフィネス環境を実現します。
個人的には、バーサタイルスペックの「ゼノンMG7（自重135g、最大ドラグ力4kg）」に近い価格帯ながら、ボディが若干重く、ドラグも強い（最大ドラグ力5kg）点が意外でした。
これは、バスだけに限らず、ソルトでのベイトフィネスまで視野に入れた設計なのかもしれません。
あるいは、ハイギアによる巻き心地を重視する為、よりガッチリめなボディ構造である事も考えられます。
単純に、ベイトフィネス機のスプールは高価なので、シンプルにゼノンMG7同様の軽さを求めると、とんでもない高額製品になってしまう事を避けたのかもしれません。
いずれにせよ、十分な軽さとコンパクトさで軽量ルアーへの適正に優れたリール。バスやソルトでベイトフィネスをガンガン使ってみたい方におすすめです。
コンパクトモンスター | ZENON BEAST6, BEAST9 （ゼノン ビースト6, ビースト9）
性能・スペック
| 製品名 | ハンドル | 自重 | ギア比 | スプール径/幅 | ハンドル長 | 最大ライン巻き取り長 | 最大ドラグ力 | ラインキャパシティ | PEライン | ボールベアリング | 希望小売価格(税抜) |
| ZENON BEAST6 | 右ハンドル | 195g | 6.8:1 | 32mm/22ｍｍ | 95mm | 68cm | 5kg | 16lb 100m、20lb 75m | 3号 100m | 9/1 | 43,500円 |
| ZENON BEAST6-L | 左ハンドル | 195g | 6.8:1 | 32mm/22ｍｍ | 95mm | 68cm | 5kg | 16lb 100m、20lb 75m | 3号 100m | 9/1 | 43,500円 |
| ZENON BEAST9 | 右ハンドル | 195g | 9.5:1 | 32mm/22ｍｍ | 95mm | 95cm | 5kg | 16lb 100m、20lb 75m | 3号 100m | 9/1 | 43,500円 |
| ZENON BEAST9-L | 左ハンドル | 195g | 9.5:1 | 32mm/22ｍｍ | 95mm | 95cm | 5kg | 16lb 100m、20lb 75m | 3号 100m | 9/1 | 43,500円 |
アブガルシアのビーストシリーズは、ヘビーデューティーなストロングベイトリール。バスでのビッグベイトに限らず、雷魚からナマズに加え、淡水・海水を問わない様々なビッグフィッシュをターゲットにしています。
そのパワフルなビーストシリーズが、ゼノンベイトリールにもラインナップ。「ZENON BEAST6, BEAST9（ゼノン ビースト6, ビースト9）」として新登場します。
最大ドラグ力 5kg、ラインキャパ 20lb 75m というスペックは、ゼノンベイトリールの中では最高性能。ですが、ストロングベイトリールとしてはやや控えめな印象を受けますね。
スプール直径も比較的小型な32mm径なので、ストロングなパワーを秘めつつ、キャストしやすさや操作性を含めて、バランスよくまとめた製品と言えそうです。
本体自重も195gと、この手のリールとしてはかなり軽量。ですが、大型ドライブギアや剛性感の高い構造など、技術とテクノロジーの進化でパワーを確保していると考えられます。
ビッグベイトやヘビー用途にガッチリした専用リールを使いたいけど、コンパクトなベイトリールと同じ感覚で使いたい人にいいですね。
重量級ルアーだけでなく、ある程度バーサタイルな性能が必要な方にもおすすめ。この手のリールとしては、大きすぎず・重すぎないコンパクト感と、キャスティングでトラブり難い小口径スプールが独自メリットです。
引き抵抗の強い大型ルアーでも巻きやすいギア比6.8:1モデルと、ゴチャゴチャしたカバーからでも一気に魚を引き離せるギア比9.5:1モデルが用意されている事も要チェック。ヘビーなベイトリールを、”力強い巻きパワー”か”圧倒的な巻きスピード”で選ぶことができます。
ゼノン ベイトリール | 特徴（技術・テクノロジー）
ゼノンベイトリールには、アブガルシアのフラッグシップモデルに相応しい、次のような技術・テクノロジーが採用されています。
エルゴノミックデザイン!! 直感的な使い心地
ゼノンベイトリールは、サイドプレートを左右非対称にしたデザイン。パーミング時に手のひらが干渉しにくいようにデザインされていて、徹底的に使いやすさを追求しています。
ロッド装着時の高さも従来機種より1.3ミリ縮小され、よりコンパクトに握り込みやすい形状。繊細な操作性にも優れ、しっかりと握れる事でフッキング時もパワーを込めやすい設計と言えますね。
また、クラッチの操作性も向上。より直感的な使い心地も実現しています。
大口径ドライブギア搭載!! 高剛性な巻き上げ
ゼノンベイトリールは、大型のドライブギアを搭載し、剛性感に優れた巻き上げパワーを実現しています。
（ゼノンビースト9を例に挙げると、REVO3との比較で、ギアを107％大口径化）
MG7とLTXには軽量・高強度な超々ジュラルミン製ギアを採用し、BEASTには超高強度・超高耐久の特殊ブラス材を採用。機種の用途に応じて、最適なチューンナップが施されています。
レベルワインドレイアウト!! 爽快なキャスタビリティ
スプールから伸びるラインが直近で触れるレベルワインド。そのレベルワインドをリール前方側に設計する事で、スプール間におけるライン放出・導入角度を縮小しています。
角度が縮小される事でライン抵抗が軽減。ストレスのないキャスタビリティーを実現しつつ、リールサイズの小型化に成功しました。
ピニオンサポートシステム!! 力強い巻きを実現
ゼノンベイトリールは、ピニオンギアをボールベアリングとピニオンエンゲージ部の2点で支持。力強い巻き上げパワーをサポートします。
キャスティング時にはピニオンエンゲージの噛み合いが解除。ピニオンギア内面とスプールシャフトの間にクリアランスを維持することで摩擦ゼロの安定回転を実現しています。
まとめ
アブガルシアのフラッグシップモデル「ZENON（ゼノン）」にベイトリールが新登場。バーサタイル・ベイトフィネス・ビッグベイトなどのストロングユースなど、各用途に適した全8機種が一挙に勢ぞろいします。
日本独自のフィールド事情に合わせたチューンナップが施されており、アブガルシアの次世代に対する本気が伺える製品群ですね。
スピニングリール版ゼノンが登場した時も斬新なデザインとハイスペックに驚かされましたが、一斉に勢ぞろいするベイトリール版ゼノンには更なる期待が膨らみます。
木村建太プロのインプレでも、コンパクトかつガチッとした使用感で、段違いのアップデートを体感できるとの事。先日、アメリカで行われた2022年バスマスタークラシック会場で青木大介プロにお聞きした時も、ゼノンはとても良いリールだ..という高評価でした。
アブガルシア好きには勿論、コンパクトで軽量かつガチッとしたベイトリールを求めている方は要チェックです!!
アブガルシア ゼノン スピニングリール
スピニングリール版「ゼノン」については、次の記事をご覧ください。
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