手元に走る稲妻の如く、水中の異変を素早く感知するカーボンモノコックグリップ。
世界が認めたグローバルスタンダード、新生ZODIASがアングラーを次なるステージへと導いていく。(シマノ公式サイトより引用)
2020年新製品としてモデルチェンジし、発売前から評価の高い「ゾディアス172H-2」の実釣インプレをレビュー!
目次
2020 ゾディアス 172H | 特徴
グリップジョイント 172H,全長2.18m,自重127g,適合ルアーウェイト12~42g,ライン12~25lb,テーパーF
2ピーススペック 172H-2,全長2.18m,自重130g,適合ルアーウェイト12~42g,ライン12~25lb,テーパーF
2020ゾディアス172Hは、分厚いカバーをラバージグやフロッグで攻めるヘビーロッド。大型のハードルアーやスイムベイトにも対応しています。
2020年ゾディアスのラインナップでは現時点最強パワーで、自分は1ozのヘビキャロ用に購入しました。
7フィート2インチの長さは、広大なフィールドのオカッパリにも不足はなく、ビッグレイクのボートでも重宝します。
近距離を打っていくようなボートの釣りであっても、軽量に仕上がったロッドなのでテンポ良く流せるでしょう。カバーでのフッキングやルアーの操作性を考慮すれば、ボートでもこの長さが活躍してくれますね。
特にパワーロッドの場合、ボートでもオカッパリでも、短いレングスを選択するメリットは無くなってきているのかもしれません。
2020 ゾディアスの感度 | カーボンモノコックの真価は!?
え、これゾディアス?
最初の1投目で感じたことです。
感度良好なポイズンアドレナやエクスプライドと比べ、ゾディアスは粘り重視な特性。
釣りに困らない感度は従来通りで、カーボンモノコックによって感度のボリュームが若干アップした程度だと思っていました。
ですが、ハードルアーの振動も、ワーミングでのボトム感知能力も、今までのゾディアスとはまるで別物。
少しうるさくない?と感じる程、手元に感度がしっかり伝わりました。
ただ、決してブランクスが高感度になった訳ではないようです。
従来のゾディアスにあった「ダルさ」は消えてますが、キンキンな高弾性ロッドのような感覚ではありません。
中弾性ながらも本来キャッチしていた感度を、カーボンモノコックがあぶり出したイメージ。リールシートやグリップにこれまで吸収されスポイルしていたモノが、本来あるべきカタチになったような印象を受けました。
加えて、リールシートの細径化など、細かい積み重ねが感度アップにつながっているようです。
ゾディアスの良さである「粘り」を残しながら、弱点だった感度面を改善しているのは嬉しいですね。そのメリットは計り知れず、バスフィッシングの新しいスタイルを提供してくれそうです。
キャスティング | ダルさの消えた粘りは爽快!
2020年ゾディアスのキャスティングは爽快の一言。
粘りのあるブランクスで気持ちよくルアーを弾き飛ばしてくれます。
前モデルと比べてカーボン含有率が上がったこともあり、ロッド全体のダルさが解消されています。その分、ロッドがパキッとした印象になっているのですが、フルキャストした印象では十分な粘りを実感。
むしろダルさが無くなった分、贅肉の取れた純粋な粘りが力を発揮してくれるように感じます。
今まで「粘り」と「ダルさ」は同一だと思っていたので、これは意外な発見でした。
カーボン含有率が上がった点ですが、特に高弾性になった訳ではないようです。
過剰補強な重量が軽減されて、全体的にシェイプアップすることで本来のパワーがより顕著に発揮されたイメージ。
それが、めちゃくちゃ気持ちいい!
ただ両手でフルキャストする場合、カーボンモノコックの強度が正直不安でした。
ルアーの重みでロッドをしっかり曲げれば、軽い力でも十分遠投できるのですが、ヘビーロッドはつい力んでしまうことも。
ですがそれも杞憂だったようです。カーボンモノコックはフルパワーで投げてもビクともしません!むしろセパレートグリップの頃より安定感が増していて、ストレートグリップを彷彿させる安定感です。
使用感とデザイン | リールシートも秀逸!
2020年ゾディアスを手に取った時、1万円台という価格帯のロッドもここまで軽くなったのかと驚きます。カーボンモノコックによる軽量化は想像しやすいのですが、ロッド全体がバランス良く、先重りもほとんど感じません。
ヘビーロッドである172Hはさすがに若干の先重りがありますが、リールを装着するとほぼ完全なバランスになります。
次に見逃せないのがリールシート。
細かく調整されたのか、リールシートがバツグンに持ちやすい!
元々シマノのリールシートは細身なのですが、2020ゾディアスは力が入る部分をしっかり握れるように感じます。現行のポイズンアドレナやグロリアス、ワールドシャウラと比べても、グリップ感は遜色がない仕上がり。
全体的に際立つ派手さはありませんが、安っぽさが全く無く、飽きの来ないデザインも嬉しいポイントですね。
172H ヘビーロッドとしての用途
172Hは、ヘビキャロや中型までのビッグベイト、大型のハードルアーなどに最適です。
琵琶湖のようなビッグレイクはこれ1本....と言いたい所ですが、正直オーバーパワーかもしれません。
パワーバーサタイル用途ならMHで十分
シマノのロッドは適正ルアー重量上限のパフォーマンスがいいので、ウィードレイクな琵琶湖であっても「172MH」や「173MH」あたりで十分。
ゾディアスの他にもエクスプライドやポイズンアドレナ(その名もビッグレイクバーサタイル!)のMHパワーが候補になります。
MHクラスでも、1oz程度のヘビキャロやスイムベイト程度なら、めちゃ快適です。
172Hはヘビーカバーゲームに必要
172Hが真価を発揮するのはハイシーズン。水面までウィードが伸び切り、マットカバーで湖面が覆われるような真夏。また、立木が入り組んだようなカバーが濃い場所もいいかもしれません。
つまり、カバーや藻溜まりごとバスを引き上げるような状況でこそ172Hのパワーが光ります。
2020 ゾディアス 172Hに合うリール
カバーゲームに向いた172Hに装着するリールは、PEラインの使用までを想定した「SLX DC」がおすすめ。
もちろん、2020メタニウムのようなバーサタイルなリールも相性は良く、デザイン的にもバッチリ。自分はスティーズAを載せています。
ですが、折角のパワーロッドなので、いつかベイトリールのPEにチャレンジする為にもDCリールは検討の価値ありです。
DCリールであれば、PEラインでもトラブルがグッと抑えられます。
真夏の夜、ウィード一面の湖面をフロッグやバズベイトで流し、活性の高いバスを狙う...といった釣りがストレス無く楽しめます。
写真は、数年前の夏にエクスプライド171Hで釣り上げた40アップ。
直径1mはある藻溜まりごと強引に引き上げ、中に小さな魚がいるな...と思ったら40後半のバスでした。この時は、5号のPEラインをスコーピオンDCで使っていたのですが、夜中でも全くトラブル無しで快適だったのを覚えています。
現行ベイトリールのランキングも記事にしているので、参考にしてみてください。
モデルチェンジした2020ゾディアス | 魅力のまとめ
2020ゾディアスの登場により、粘りのある中弾性ロッドを、感度に妥協することなく選べるようになりました。
この手のロッドを敬遠していた方も、デメリットに妥協することなく、新しいスタイルを楽しめるのではないでしょうか。
ゾディアスの粘りはそのままに、バランスよく軽量化され、感度が向上。
これからバスロッドを購入する方にも、新しいスタイルに挑戦したい人にもおすすめです!
2020ゾディアスのラインナップには、他にもたくさんの魅力的な番手があります。
興味を持ちの方は、次の記事も参考にしてみてください。
- 粘りがあるブランクスはダルさが軽減。感度も向上。
- 先重りの少ないバランスの良い軽量化。リールシートのグリップも良。
- 172Hはかなりのパワーロッド。172MHや173MHでも1ozクラスは余裕
- PEラインを視野に入れたDCリールがおすすめ