「シマノ 2020 メタニウム」の実釣インプレをレビューします!
2020年にフルモデルチェンジした20メタニムは、完成度が非常に高いベイトリール。
発売直前から、そして発売後も、完璧なベイトリールとして高い評価を得てきました。
バス用ベイトリールとして最も用途が幅広いバーサタイルな34mm径スプールを搭載し、高い剛性による良質な巻き心地を実現。丈夫な真鍮製ブラスギア(ただし重い)を採用しつつも、リール本体は175gと前モデル同様に軽量な仕上がりです。
しかも、スプールの低慣性化によって、軽量ルアーへの対応力やトラブルレス性能もアップ。
一切の死角が見当たらない「20メタニウム」の魅力や特徴、スペックを、実際に使ってみた使用感を交えながら紹介します。
目次
20メタニウム | 魅力と特徴
公式サイト品番 | ギア比 | 最大ドラグ力 | 自重 | スプール 径/幅 | 糸巻量ナイロン(lb-m) | 最大巻上長 | ハンドル長さ | ベアリング数 | ハンドルノブタイプ | 夢屋ハンドルタイプ | 定価(円) |
RIGHT | 6.2 | 5kg | 175g | 34mm/19mm | 12-100,14-90,16-80,20-65 | 66cm | 42mm | 10/1 | A | BH-1 | 44,100 |
LEFT | 6.2 | 5kg | 175g | 34mm/19mm | 12-100,14-90,16-80,20-65 | 66cm | 42mm | 10/1 | A | BH-1 | 44,100 |
HG RIGHT | 7.1 | 5kg | 175g | 34mm/19mm | 12-100,14-90,16-80,20-65 | 76cm | 42mm | 10/1 | A | BH-1 | 44,100 |
HG LEFT | 7.1 | 5kg | 175g | 34mm/19mm | 12-100,14-90,16-80,20-65 | 76cm | 42mm | 10/1 | A | BH-1 | 44,100 |
XG RIGHT | 8.1 | 5kg | 175g | 34mm/19mm | 12-100,14-90,16-80,20-65 | 86cm | 45mm | 10/1 | A | BH-1 | 44,100 |
XG LEFT | 8.1 | 5kg | 175g | 34mm/19mm | 12-100,14-90,16-80,20-65 | 86cm | 45mm | 10/1 | A | BH-1 | 44,100 |
「2020 メタニウム」の性能・スペックは上記の通りです。
ギア比のラインナップも充実していて、バーサタイルな用途には「ギア比7.1のHG」、撃ち物や底物といったワーミング主体なら「ギア比8.1のXG」、巻物を主体とするなら「ギア比6.2のノーマルモデル」と、用途に応じて選びやすのが嬉しいポイント。
ローギアモデルこそありませんが、20メタニウムは様々な技術や設計によって高い巻き上げパワーを実現しています。
マグナムクランクや5〜6mクラスの深度があるディープクランクを1日中巻き倒すなど、専用リールが欲しい用途以外では不足を感じることは無さそうですね。
メタニウム 2020モデル | 採用技術、テクノロジー
20メタニウムは、シマノのテクノロジーが結集したベイトキャスティングリール。
フラッグシップモデル「アンタレス」にも迫る次の様な技術が採用されています。
マグナムライトスプール スリー (MAGNUMLITE SPOOL Ⅲ)
キャスティング性能を左右するスプールはベイトリールの心臓部です。
「マグナムライトスプール Ⅲ」は、軽量・低慣性なスプールを進化させた三世代目。技術とノウハウが結集した集大成ともいえるシマノ最新モデルです。
スプールの耐久性を損ねることなく、更なる薄肉化で軽量化。また、横幅を狭めるナロー化によって、大幅な低慣性化を実現しました。
キャスティングがより軽やかに、軽量ルアーもより使いやすく、トラブル回避性能も大きく向上しています。
コアソリッドボディ (CORESOLID BODY)
従来のロープロファイルリールでは、別々に製造されていた「レベルワインドプロテクター」と「サイドプレート」を金属で一体成型。高い剛性を発揮すると共に、パーミングで握り込みやすいコンパクトな設計を実現しました。
強い負荷にもボディが歪むことなく、カバーから大物を強引に引き出せるパワーを、屈強なボディ構造がしっかりとアシストします。
SVSインフィニティ (SVS INFINITY, SVS∞)
▲外部ダイヤル1~6でほとんどのブレーキ設定を調整可能。内部のブレーキシュー4個をそれぞれON/OFFすることで、さらに細かく設定できる。
シマノのベイトリールはキャスト後半のスムーズな伸びが魅力。その軽やかなキャスティングを制御する遠心ブレーキシステムが「SVSインフィニティ」です。
昔の遠心ブレーキが調整時に内部へのアクセスを要していたのに対し、SVSインフィニティは外部ダイヤルで幅広いブレーキ設定が可能に。
さらに内部のブレーキシューを調整することで、より細やかなセッティングを実現しています。
2012年に登場したSVSインフィニティは、様々なアップデートを繰り返しつつ、多くのリールと共に進化してきました。
ちょっとしたトラブルや使いにくさ等が指摘されたモデルもありましたが、そうした問題点が改善され、非常に安定した最新のSVSインフィニティが20メタニウムに採用されています。
マイクロモジュールギア (MICROMODULE GEAR)
超小型で精密なギアと精巧なボディの組み合わせによって、シルキーな巻き心地を実現。ギアが小型化され歯数が増えることで、強度と強い巻き上げパワーを確保しています。
S3Dスプール (S3D SPOOL)
精度の高いスプールでキャスト時の静穏性が向上。ブレのない滑らかな回転が爽快な飛距離を生み出します。
サイレントチューン (SILENT TUNE)
ベアリングの内外径や軸受外径にOリングを挿入することで、シャフトやフレームのガタつきを軽減。回転ロスを排除し、高い静穏性と滑らかなフィーリングを実現しています。
X シップ
高負荷でもパワフルで軽快なリーリングを可能とするギアシステム。大型なドライブギア、各ギアの最適配置、ピニオンギアをベアリングで2点支持、といった構造で頑強な噛み合わせを実現しています。
ハガネボディ (HAGANE ボディ)
軽量で剛性の高い金属を使用したボディシステム。本体のたわみや歪み、ネジレを抑制し、繊細なギアの噛み合わせを保持する事で、スムーズなリーリングを可能にします。
CI4+
20メタニウムは、メインフレームやギアボックス側本体がフルメタルボディ(マグネシウム合金、ただしスプールの蓋部分はアルミ合金)。その他、細かい要所に軽量カーボン素材による高強度樹脂(CI4+)を採用し、強度と耐久性を向上させつつ、軽量化を実現しています。
S A-RB
特殊防錆処理を施したベアリングを採用し、錆びに対する耐久性がアップ。ベアリング内部の塩ガミを大幅に減少させています。
スーパーフリースプール
クラッチを切った際、スプールを支えるのは2つのベアリングのみ。ガタツキを抑え、なおかつスプールフリー性能を極限まで軽くしたシステムです。
海水OK
一昔前の軽量ベイトリールは淡水専用モデルも多く存在していました。
2020メタニウムは軽量なマグネシウムボディながら、ソルトでの使用も可能です。
外見、デザイン、使用感
20メタニウムの外観・デザインや、使ってみて感じた使用感を紹介します。
外観
▲右が20メタニウム。左のハイエンドベイトリールと比較しても、遜色のない外見クオリティ。
20メタニウムを手にして最初に感じたのは、非常にコンパクトで握りやすいリールだという事。前モデル16メタニウムや13メタニウムと比較しても、見た目にも一回り小型化され、実際に握り込んだパーミング感も良好です。
マグネシウムのフルメタルボディを、コアソリッドボディで一体成形した結果、非常に屈強な塊がギュッと高密度で詰まった様な外観。大型ギアを収めるギアボックスが巨大化しているものの、意外とリール左右のバランスも良いので驚きました。
金属質な黒を基調とした色合いもよく、フルメタルで重厚感のある質感は、ワンクラス上の仕上がり。20メタニウムは実売価格が3万円前後と決して安いリールではありませんが、よりハイエンドなベイトリールに匹敵する所有感を感じさせてくれます。
1度手にとってしまうと、手放し憎くなる魅力を秘めたリールですね。
デザイン
個人的に20メタニウムで最も気に入ってるデザインが、リール上面の前方に位置するサムネイル部分。パーミング時に親指をかける事が多いのですが、緩やかな丸みを帯びつつ、全体としては平面な形状が気に入っています。
13メタニウムや16メタニウムが曲線を主体としたデザインだったので、自分的には嬉しいポイント。..と言うのも、人によって異なるかもしれませんが、サムネイル部分(リール上面)が平坦な方が、リール感度が伝わりやすいと感じています。
ロッドのシートからリールに伝わる感度、ラインからスプールに伝わる感度、そうした伝達情報が手の平でキャッチしやすいイメージ。実際、ボディが軽量な事もあり、20メタニウムのリール感度はかなり高いと思いました。
スピナーベイトのブレード回転を読み取りつつ前アタリをキャッチしたり、テキサスリグやラバージグといった底物でも高パフォーマンスを期待できますね。
使用感
実釣でこそ真価は発揮されますが、20メタニウムは店頭で手に取ってみるだけで、その高い剛性感が伝わります。
ブレの無いハンドル、力強い巻き心地、滑らかでカチーンと響く様に動作するクラッチ、そのどれもが優れた品質で作られた精密機械のイメージ。
勿論、使い込んでいく中で、グリス切れやゴミが付着するなど、その精密かつ力強い使用感は鈍くなります。
しかし、少々のマイナス要素を物ともしない本質的な滑らかさがあるので、かなりラフな使用を長期間続けても実釣性能に悪影響は感じませんでした。
加えて、定期的なメンテナンスやオーバーホールでキレイにパフォーマンスが生き返る事からも、ベース設計の頑強さを実感しますね。
強いてマイナス点を挙げるなら、外部のブレーキ調整ダイヤル。アンタレスやカルカッタコンクエストのようなハイエンドモデルを除き、シマノの外部調整ダイヤルは少し硬い使用感です。
ブレーキが不用意にズレない..というメリット(というか実釣性能を優先した仕様)もありますが、個人的にはもう少し滑らかな外部ブレーキダイヤルが欲しいと思いました。
キャスティング | キャストフィール、飛距離
20メタニウムでルアーをキャストした際の使用感を紹介します。
キャストフィール、キャスタビリティ
バーサタイルな34mm径スプールを搭載するメタニウムは、レギュラークラスの様々なルアーが快適にぶっ飛びます。
キャスト後半も失速せず、低い弾道で安定したキャストフィールは、遠心ブレーキならではの特性。自分自身が思い描いているイメージ通りの弾道でキャストできるので、投げていて爽快です。
フルキャストは勿論、ピッチングやロールキャスト、ちょっとしたショートキャストでも、ブレーキセッティングさえハマっていれば非常にスムーズな飛びを見せてくれました。
特にキャスト後半まで伸びるような弾道は、人間の感覚と非常にマッチしていると思います。
「もう少し手前に落としたい」「あとちょっと奥に入れ込みたい」といった微調整が容易で、キャスト精度・キャスタビリティを高めてくれていると感じました。
飛距離
20メタニウムのキャスト後半まで伸びのある弾道は、そのまま飛距離に直結しているイメージ。圧倒的に桁違いな飛距離が出る訳ではありませんが、キャスト弾道がナチュラルなので、ロングディスタンスでも狙い通りに投げ方を調節しやすい印象です。
ただ、スプールを極限まで低慣性化したことで、従来のシマノベイトリールのような無重力に飛ぶ感覚ではなく、ムラなく安定したキャスト特性になっていると感じました。
その分、軽量ルアーも投げやすく、逆風や横風のような悪条件やトラブルに対する回避性能も上がっているのですが、重量級ルアーを思いっきり遠投する場合にはブレーキが効きすぎると感じたシーンも。
遠投主体の場合、従来モデルよりブレーキを弱めたほうが快適かもしれません。
また、SVSインフィニティは、外部ダイヤルが無かった頃の旧SVSと比較して、かなりキッチリとブレーキがかかるようです。
その分、ノーブレーキな感覚のキャスト弾道を得にくく、若干遠投しにくいと個人的に感じていました。
ですが、突発的な風や逆風下、重心の安定しないルアーなど、様々なシチュエーションでSVSインフィニティは効果的なブレーキを発揮してくれるので、安定したキャスティングでの飛距離は圧倒的に優れていると思います。
巻き心地、巻き上げパワー、リーリング
バーサタイルにトータルパフォーマンスが高い「メタニウム 2020年モデル」。中でも、最大とも言える魅力は、巻き心地・リーリングではないでしょうか。
実際に使ってみた感想を交えて、20メタニウムのリーリングについて紹介します。
巻き心地
20メタニウムは、軽量で強度の高い「超々ジュラルミンギア」ではなく、劣化しにくく巻き心地が滑らかなブラスギア(真鍮ギア)を採用しているので、待ち望んでいた方には待望のモデルチェンジだと言えます。
ブラスギアは重さが欠点ですが、その欠点もボディ全体の軽量化によって克服。20メタニウムは従来通りの軽量ボディにブラスギアを搭載した夢のベイトリールです。
実際、20メタニウムの巻き心地は非常に滑らか。リーリングの負荷が高いルアーでも、抵抗が少なくノー感じなルアーでも、快適なリーリングを体感できました。
巻き上げパワー
滑らかな巻き心地に加え、自分自身がメリットに感じているのが巻き上げ時のパワーです。
マイクロモジュールギアを採用するメタニウムは、特に巻き初めのトルクが強く、引き抵抗の高いルアーも楽チンでした。
巻いている最中、不意に漂流物などへスタックしても、巻き初めのトルクが高いのでリーリングのリズムが崩れにくい印象。引き込むような強いバスのバイトがあった場合でも、落ち着いて対応できるパワーが魅力ですね。
最近のリールはどれも巻き続けるパワーは十分ですが、巻き始めスタート時のトルクはマイクロモジュールギアにアドバンテージを感じました。
同じくマイクロモジュールギアを採用する13メタニウムや16メタニウムでも巻き上げパワーは強かったのですが、20メタニウムはさらに快適なリーリング。コンパクトで握り込みやすい事、フルメタルボディの剛性向上、真鍮ギアといったトータルスペックの進化を実感できました。
20メタニウムの異音問題
コンパクトなボディに高いリーリング性能を兼ね備えた20メタニウムですが、ギアのグリス切れが早いと言われています。
その為、巻き心地の滑らかさを常に最大限発揮するには、定期的なグリスアップやオーバーホールが必要。リールの使用頻度が高い方であれば、半年から1年程度が目安になります。
またマイクロモジュールギアは、ウィンウィンとモーターのような音が出やすい構造。
速巻きしている時などに聞こえやすく、軽量ボディなメタニウムは個体差によって顕著に出やすい場合も。
こうした構造上の音は不具合ではなく、メンテナンスを施しても解消されないので注意が必要です。
自分自身は、ギアが欠ける様なトラブルに繋がらない異音は気にしないのですが、長く持続する滑らかさを求めるのであれば、19アンタレスや21カルカッタコンクエストといったハイエンドなモデルの方が良さそうですね。
ハイエンドモデルはより高品質なギアを採用しつつ、ボディもズッシリと頑強な作りになっています。
※自分的には、リールメンテナンスはメーカーでのオーバーホールを推奨しています。手慣れた方であれば、個人での分解修理も十分可能だと思いますが、最近のリールは精密精度が高く、正しく組み上げた場合でも微妙なブレが生じる可能性があると考えています。
使用用途
メタニウム 2020年モデルの使用用途を紹介します。
バーサタイルな使用用途
20メタニウムは、バーサタイルなベイトリールとしてレギュラークラスの様々なルアーが快適。7〜20gのハードルアー、1〜2ozの重量級ルアー、3/8〜3/4ozのスピナーベイトやチャターベイト、高比重ノーシンカー、7〜14gのラバージグや底物など、ベイトリールで使用するほとんどのルアーが使えます。
スプールの幅を狭めるナロー化によって、特に軽量ルアーのレスポンスが従来より大きく向上。扱うルアーは従来通りでも、その全てがより快適に、トラブルレスな使用感になったと感じました。
夢屋 20メタニウム シャロースプール
▲シャロースプール使用時。ラインやロッドセッティング次第で、5g程度のシャッドにも対応可能。
「夢屋 20メタニウム シャロースプール」のスペック
品番 | 自重 | スプール 径/幅 | 糸巻量ナイロン(lb-m) | ベアリング数 | 定価(円) |
SS | 14.3g | 34mm/19mm | 8-100,10-90,12-65 | 1/0 | 11,000円 |
20メタニウムには、浅溝のシャロースプールがカスタム品として別売されています。
8〜10lb辺りのフロロラインをセッティングする事で、より軽量なルアーが扱いやすくなり、ライトバーサタイル機としても活用可能。流石にベイトフィネスの領域にまでは達しませんが、7g前後のプラグも投げやすく、ルアーによっては5g前後でも十分実用的に使えます。
3.5〜5gシンカーを用いたヘビーダウンショットやライトテキサスも快適で、20メタニウムの活用範囲が大きく広がるパーツですね。
スプール重量
20メタニウムのシャロースプールは、ノーマルスプールに比べると若干重たくなります。
これは、浅溝でラインを巻く面積部分が増加している事が関連していると推測。ですが、ラインを巻いた状態では圧倒的に軽量で、軽やかに立ち上がる回転フィーリングを実現します。
▲ノーマルスプールの重量は約14g
▲シャロースプールの重量は約14.3g
▲ノーマルスプールにラインを巻いた状態は約25.2g
▲シャロースプールにラインを巻いた状態は約21.4g
ライン設定、セッティング
自分が20メタニウムを使う場合、14lbのフロロラインを基準としています。
レギュラークラスなルアーのレスポンスと、ライン強度のバランスが最適で、やや強引なアプローチも可能。
オープンなフィールドやクリアレイクであれば、10〜12lbフロロまで下げる事も。キャストがより快適で、ルアーの操作性もグッとアップします。
ややカバーの濃いエリアでは16〜18lbのフロロ、濃いカバーやフロッグ使用時には4〜5号のPE、トップウォータープラグやジャークベイト主体であれば20lbのナイロンラインをチョイスする事が多いですね。
ブレーキ設定、セッティング
自分の場合、風の強いフィールドでの釣りが多いので、ブレーキダイヤルは4を基準に、2〜4を多用。内部ブレーキシューは3〜4個をONにした状態がベースです。
内部のブレーキシュー
20メタニウムは、従来のベイトリールのサイドプレートに該当するパーツが無く、メインフレームにスプールの蓋としてエスケープハッチと呼ばれるダイヤルケースが装着されています。
このエスケープハッチを外す事で、スプール内部にある4個のブレーキシューを調整可能。それぞれのブレーキシューをOFFすることで、よりブレーキ力を弱める事ができます。
ほとんどの場合、ブレーキシュー4個がON(工場出荷時設定)の状態で十分使えますが、バイブレーションなどを遠投したい時に1~2個OFFにする事がありました。
エスケープハッチの取り外し方は、少しコツが必要です。
外すときは比較的スムーズなのですが、エスケープハッチのレバーがキッチリ合っていないと、元通りにカチッと組み込むのが難しいと感じました。
内部ブレーキの設定を多用される方は、事前に練習しておいた方が良さそうです。
▲サイド部分に、外部ダイヤルのケースがスプールの蓋として取り付けられている「エスケープハッチ」
▲エスケープハッチレバーをリール上部まで回転させる
▲外部ダイヤルケースを外し、内部のブレーキシューを調整可能
▲レバーに連動するツメと、ダイヤルケース本体のツメは位置が異なる。ダイヤルケースを外した際、レバーが動いてしまうと元に戻しにくくなるので要注意。SVS INFINTY のロゴがリールに対して水平になる様に取り付け、レバーと連動するツメがリール本体にカチッとハマる状態が正解。
メカニカルブレーキ
取扱説明書にも記載がありますが、20メタニウムの場合、メカニカルブレーキはスプールのガタが無い状態から少しだけ締めるセッティングが基本。ピッチングなどで近距離を攻める場合はさらに締める事もあります。
遠心ブレーキモデルは、メカニカルブレーキをあまり緩めない方が扱いやすい傾向。若干締めていても、十分に伸びのあるキャスト性能を発揮してくれます。
メカニカルブレーキについて詳細に興味がある方は、次の記事も参考にしてみてください。
まとめ
20メタニウムは、一体成型のフルメタルボディをコンパクトに凝縮したバーサタイルベイトリール。真鍮製のブラスギアを採用し、その巻き上げパワーは圧巻です。
幅を狭めたナロー化による低慣性なスプールは、軽量ルアーへの対応力も高く、色々なルアーを快適にキャスト可能。マグネットブレーキやデジタル制御なDCブレーキほどではありませんが、トラブル回避性能も高めつつ、遠心ブレーキ特有の伸びがあるキャスト性能が魅力ですね。
アンタレスやカルカッタコンクエストといったハイエンドモデルと比べ、ギアのグリス切れによる違和感が出やすい..といった問題もありつつ、軽量かつ隙の無い実釣性能は他で得られないパフォーマンスを感じさてくれました。
別売のシャロースプール使用で対応できるルアー幅が広がる事や、外観が高品質でいつまでも握りしめたくなる所有感も最高ですね。
末長く快適に使用できるバス用ベイトリールを求めている方におすすめな1品。ギア比のラインナップが充実していて、浅溝のシャロースプールといったカスタム品も揃っているので、手持ちのタックルを同じリールで統一したい方にもいいですね。
使用感や握り込んだ感覚を高いパフォーマンスで統一することで、より快適なタックル構成が完成します。
価格・性能・耐久性、そして満足感。
20メタニウムは、あらゆる面において、間違いがないベイトリールと言えるのではないでしょうか。
20メタニウムに合うロッド
レギュラークラスの様々なルアーを快適に扱える20メタニウムには、バーサタイルなベイトロッドがベストマッチ。
おすすめは、「21ポイズングロリアス 1610M」。軽量な自重だけでなく、実際の釣りスタイルに応じたバランスを極限まで追求したハイエンドモデルです。
コストパフォーマンス重視であれば、「シマノ エクスプライド 1610M」、持ち運びに便利なセンターカット2ピース版「シマノ エクスプライド 1610M-2」も有力候補。バスフィッシングトーナメントでも使用される本格的な性能と比較的手頃な価格帯が魅力です。
最新技術とコストパフォーマンスのバランスなら、同番手のポイズンアドレナもおすすめ。
また、ハネモノやスイムベイトといった集魚力の高いルアーでサーチしつつ、フリーリグや高比重ノーシンカーで食わせるヘビーバーサタイル用途なロッドも高相性です。
22メタニウムシャローエディション
2022年の新製品として、シャロースプールを搭載した「シマノ メタニウムシャローエディション」が登場しました。
シャロースプールを搭載しただけではなく、本体の軽量化やデザイン変更など、細やかなアップデートが施されています。
こちらもインプレをレビューしているので、参考にしてみてください。
その他のタックルインプレッション
その他にも様々なタックルをインプレしているので、興味をお持ちの方は参考にしてみてください。