リール

シマノ 21アンタレスDC | 実釣インプレ

シマノ 21アンタレスDC

2021年、シマノの最高峰ベイトリール「アンタレスDC」がフルモデルチェンジしました。
シマノのフラッグシップモデルとして、バスフィッシング用ハイエンドリール機として、常に時代を先取りし続けていたアンタレス。
中でもアンタレスDCは、スプール回転で発電する電力を用いたデジタル制御でブレーキをコントロールするという、フィッシング業界最高のテクノロジーブランドです。

実際、第一世代の06アンタレスDCと07アンタレスDC7-LV、第二世代の16アンタレスDCと18アンタレスDCMD、いずれも既存ベイトリールの概念を超えたフラッグシップモデルらしい性能でした。
そして、第3世代とも言える「アンタレスDC 2021年モデル」は、そういった「DCリール機は凄いよね」と定着していた自分のイメージをも大きく超える進化を感じます。

1つ1つを着実に進化させ、全体で大きくバージョンアップしたと感じる21アンタレスDC。
最高峰ベイトリールとして普遍的に変わらない価値観と、最新モデルとして圧倒的なパフォーマンスを持つ「アンタレスDC 2021」のインプレをレビューします。

2021 アンタレスDC | 特徴とファーストインプレッション

公式サイト

品番 ギア比 最大ドラグ力 自重 スプール寸法 ナイロン糸巻量 最大巻上長 ハンドル長 ベアリング数 定価(円)
RIGHT 5.6 5kg 220g 径37mm/幅19mm 12lb-130m、14lb-110m、16lb-100m、20lb-80m 65cm 42mm 11/1 77,000
LEFT 5.6 5kg 220g 径37mm/幅19mm 12lb-130m、14lb-110m、16lb-100m、20lb-80m 65cm 42mm 11/1 77,000
HG RIGHT 7.4 5kg 220g 径37mm/幅19mm 12lb-130m、14lb-110m、16lb-100m、20lb-80m 86cm 42mm 11/1 77,000
HG LEFT 7.4 5kg 220g 径37mm/幅19mm 12lb-130m、14lb-110m、16lb-100m、20lb-80m 86cm 42mm 11/1 77,000
XG RIGHT 7.8 5kg 225g 径37mm/幅19mm 12lb-130m、14lb-110m、16lb-100m、20lb-80m 91cm 45mm 11/1 77,000
XG LEFT 7.8 5kg 225g 径37mm/幅19mm 12lb-130m、14lb-110m、16lb-100m、20lb-80m 91cm 45mm 11/1 77,000

2021 アンタレスDCの性能・スペックは上記の通りです。

ギア比7.8のXGモデル(最大巻上長91cm)がラインナップされているので、ソルトでの使用も良さそうですね。
最近のスピーディーなバス用途でバーサタイルに使いやすそうなのはHGモデル(ギア比7.4、最大巻上長86cm)。
巻き上げ速度を維持しつつ、ギア比のパワーが強いノーマルモデル(ギア比5.6、最大巻上長65cm)も、大径スプールを搭載するアンタレスならではの魅力です。

遂にソルト対応! その他に何が変わった!? | シマノ 2021 アンタレス DC
出典:SHIMANOシマノの2021年新製品、最大の目玉はやはり「21アンタレス DC」ではないでしょうか。最高峰である事を常に課せ...

21アンタレスDCについて詳細な性能に興味のある方は、上記の記事もご覧ください。
自分的に特に気になっている特徴と、強く感じた印象は次の3点です。

ソルト対応

まず、ソルト対応となった事が大きな特徴ではないでしょうか。
確かに、アンタレスARやアンタレスDCMDなど、ソルト対応の機種も存在していました。

ですが、アンタレスと言えば、周囲を鏡面で写し込む光り輝くメタリックな外観が特徴。
季節やフィールドによって、さまざまに周囲が映り込むアンタレスは、常に真新しい多種多様な姿を放ち続けています。
この特殊で独特な外装処理が海水に弱いとも言われていたので、メタリック仕様のままソルト対応した事は嬉しいモデルチェンジですね。

マグナムライトスプール スリー

また、ベイトキャスティングリールの心臓部「MGLスプールⅢ」も見逃せません。
遠投性能や巻き上げ速度に有利な大径スプール(37mm径)でありつつも、横幅を狭めたナロー化によって低慣性化を実現。
ショートキャストや軽量ルアーでも立ち上がりの良いスプール回転を得られやすくなります。

遠投性能だけを考えると、糸痩せの影響が少ないワイドゲイブなスプールの方が有利だと思えます。自分自身、37㎜径の大型スプールとナローゲイブは異色の組み合わせだと感じました。
ただ、リール先端のノーズ部分にあるレベルワインドとの抵抗を考えると、ライン抜けの良いナロー化にもメリットがあります。

実際、糸抜けが良いことでトラブルがより軽減され、遠投だけでなく、さまざまなキャスティングがスムーズになったイメージ。
大径スプールのメリットを活かしつつも、より低慣性に、より快適な設計と言えそうです。
また、次で紹介するブレーキ性能の進化によって、ナロー化されたスプールでも、圧倒的な飛距離を実現するコントロールを得られていると感じました。

NEW 4×8DC | ブレーキシステムのバージョンアップ

21アンタレスのDCブレーキは、FL(フロロ)、P(PE)、NM(ナイロン)、X(エクストリームロングキャスト)という4モードを設定可能。
それぞれのモードに対し、さらに8段階のダイヤルによる幅広い調整ができます。

元々アンタレスDCのブレーキは、他の機種に採用されているDCより多機能。
調整幅が広いだけでなく、どのセッティングにおいてもキャストフィールが良く、気持ちよく飛距離が伸びて、それでいて向かい風などのトラブルにも強い印象した。
他のDCリール機では、ブレーキONとOFFが極端なテイストだと感じる反面、アンタレスDCは滑らかにブレーキが機能します。

そうしたアンタレスDCだけの繊細なDCブレーキが、アンタレスDC 2021で更に進化しました。
調整幅こそ従来通りですが、デジタル制御のCPUが高速化され、より細かな状況変化に応じてブレーキを制御。クイックにレスポンス良く反応する「MGLスプールⅢ」性能を、バツグンな繊細さでコントロールできるようになったと感じています。
つまり、ナロー化によって低慣性化し、反応が鋭くなったスプールを、きめ細かくブレーキ制御している印象。

遠投性能だけに限らず、近中距離へのショートキャストやピッチングなど、幅広いキャスティングで高い性能を実現していると言えそうです。

リーリング | 巻き心地、巻き感、巻きパワー

21アンタレスDCを店頭で受け取った際、最初に違和感がありました。
巻き心地が、良いけれど、めちゃ凄い訳ではなく普通な印象...。
品質のバラつきによる違いかと思い、何台か手に取って触ってみたのですが、どの21アンタレスDCも同じ手触りでした。

同じ2021年にフルモデルチェンジしたカルカッタコンクエストや、新機構ハイパードライブデザインを採用したダイワ 21ジリオンSVTWなど、巻き感が向上したと言われる同世代モデルに比べると、店頭で触った限りの印象は意外な程普通。

しかし、これは全くの杞憂でした。

実釣で少し使ってみて、(おそらく内部のグリスなどが)馴染んでくるほどに、その圧倒的なリーリング・巻き感を体感。
最初の違和感には、後述するような理由も考えられますが、アンタレスに相応しい力強い巻き心地をしっかりと実現しています。

圧倒的な巻き心地と巻き上げパワー

「2021 アンタレス DC」は、単純に巻き上げパワーがあるだけでなく、負荷が一番かかる巻き始めもスムーズな印象。

自分はノーマルギアモデルを使っていますが、4m以上潜るディープクランクや大型スピナーベイトなど、抵抗の強いルアーでもブレる事なく巻き続ける事ができます。
不意なバイトや、何かに根がかった時など、自分自身で意識的に手を止めない限り、そのまま巻き続けてしまいそうな感覚。バイトに意識を集中させている時間においても、リーリングが手に馴染みすぎてクセになってしまいそうな感覚です。

他にも、ハネモノ(ビッグクローラーベイト)やスイムベイト、ビッグベイトといった、大型ルアーの巻き感も快適そのものです。狙ったコースのトレースを終えた後、こうした大型ルアーを強引に素早く回収する事も余裕なパワー。

大径のスプール、十分な大きさのボディに収まっている内部ギア機構、そして高い本体剛性感が、完成度の高い巻き感とパワーを実現していると感じました。
キャスティング性能が目立つアンタレスDCですが、高負荷ルアーの巻物用や、重量級ルアー用途にも向いていますね。

HGやXGモデルでも、大型ギアと大径スプールによるギア比の効果で、スピーディーな巻き上げ速度を実現しつつもパワーが強く、カバー奥から素早くビッグフィッシュを抜き上げる用途にも最適。

巻き感、巻き感度

シマノ 21アンタレスDC

正直、滑らかなシルキーさで言えば、21カルカッタコンクエストの方が究極の仕上がりに感じます。ただ、21アンタレスDCも十分滑らかで、トルクフルな強いパワーを黙々と安定して出し続けられる印象。実釣性能重視な仕上がりだと感じます。

また、37mm径スプールを収納するボディは比較的大型ですが、手に馴染みやすいデザインと、幅を狭めたナロー化によって、リーリング時の一体感は高め。
剛性感の高いボディは、中身までが肉厚となって鈍重な印象は無く、ギアの回転を静かに感じ取る事ができました。

こうした特性の為か、リーリング中に手元に伝わる感度、巻き感度はかなり良好に思えます。
勿論、非常に軽量で小型なロープロファイル機のようなリール感度ではありませんが、このサイズ感で巻き感度が良いと感じた機種はあまり記憶にありません。
精密な剛性感で微妙な違和感を感じ取る..といった巻き感ではなく、ラインやロッドから伝わる振動がリール内部でキッチリ反響し、それが手元に伝わるイメージ。

高い剛性と屈強なボディを実現しつつも、感度が鈍る不必要な肉厚はそぎ落とされている設計だと感じます。
店頭で初めて手にした時、アンタレスの割にイマイチ巻きが軽いと感じてしまったのは、こうした要因も影響しているかもしれません。

巻き上げパワーが強い21アンタレスDCであれば、負荷の高い巻物系でも十分な手感度を得られそうですよね。ハイギアモデルを撃ち物用途で使うのもおすすめ。手感度で感じ取ったバイトを、強引に引き上げる力強さが魅力です。

一切のガタつきを感じない屈強な精密さ

21アンタレスDCのリーリングに関する細かな点では、ハンドルがほとんどガタつかない点も驚きです。
ダイワの最新リール機「スティーズリミテッドSVTW」や「21ジリオンSVTW」もガタつきが少ないと思っていましたが、そうしたリールより更にガタを感じないしっかりとした造り。

プロのインプレ解説などによると、ハンドルを支えるベアリング内部のガタを抑えるため、スペーサーを挟んで二重のベアリング構造にしているそうです。
現時点のバス用リールでは、2021年モデルのアンタレスDCと21カルカッタコンクエストだけに採用されている特別な仕組み。

実釣での影響はさほどないかもしれませんが、よりブレの無いリーリングに対する精密な完成度の高さは、フラッグシップモデルに相応しい最高峰なテクノロジーと言えそうです。

キャスティング | キャストフィール、キャスタビリティ

「2021 アンタレスDC」をキャストして感じた事は、非常に幅の広いルアーに対応可能である事。10g前後のレギュラークラスのプラグから、ビッグベイトのような重量級まで、色々なルアーが気持ちよく使えました。

遠投性能を存分に活かすのであれば、1/2oz(14g)以上の重さがあった方が快適。
ですが、実釣に問題ない飛距離であれば、3.5g程度のライトテキサスやフリリグなども十分対応可能です。14lbラインを巻いた状態でも、飛距離は落ちますが、ライトキャロや5インチ程度のジグヘッドワッキーでも投げる事ができました。

キャスト性能や巻き上げパワーにアドバンテージのある大柄な37mmスプールながら、高いブレーキ性能がしっかりと回転をコントロールし、様々なルアーへの対応力を実現しているのではないでしょうか。

PEモード、ナイロンモード、フロロモードなど、ラインに応じたブレーキ設定範囲なら、大型な見た目以上に汎用性の高いリールと言えそうですね。
既存のDC機は、前モデルのアンタレスDCを含め、スプールがガタがない程度のメカニカルブレーキ設定が基本。ですが、状況に応じてメカニカルブレーキを締める事が取り扱い説明書に記載されていました。
しかし21アンタレスDCは、とうとうメカニカルブレーキのツマミが排除され、単に「注油穴キャップ」でスプールを締める構造。そして、向かい風や投げにくいルアーなど、状況に応じた例外なしに、全てスプールがガタつかない程度の調整を推奨しています。
2021 アンタレスDCは、メカニカルブレーキを完全に不要とするブレーキ性能を備えていると言えますね。

実際に、21アンタレスDCをキャストしてみた使用感は次の通りです。

キャストフィール

シマノ 21アンタレスDC

「21アンタレスDC」をキャストした際、最初の1投でその進化をハッキリと感じることができました。圧倒的に飛ぶ...といった当たり前の実感に加え、非常にブレーキが繊細で連続的、ソフトなタッチになったと思います。

「キーン」という金属音は従来通りなのですが、実際にスプールを制御している感覚が非常に穏やかで滑らか。ルアーの飛行状態やキャスト状況に応じて、弱いブレーキを細かく切り替えているようなフィーリングです。

実際に手でブレーキ状況を掴み取れている訳ではありませんが、回転するスプールから時折ラインが浮かび上がりつつも、着水前にしっかりと収束させ、バックラッシュなどのトラブルを発生させません。
一切のライン浮きを強めのブレーキで押さえる..といった感じではなく、キャスト状況に応じてアナログ感覚な制御がオートマチックに作用しているイメージでした。

他のDCリール機はブレーキ強弱が明確なのに対し、従来のアンタレスDCはマイルドで自然なブレーキ制御。そうした前モデルと比較しても、21アンタレスDCのブレーキ制御はさらに細かく、ナチュラルでソフトなタッチだと感じます。
おそらく、ナロー化で低慣性になった「MGLスプールⅢ」が、繊細なブレーキ制御に対してレスポンス良く反応し、良好なキャストフィールを実現しているのではないでしょうか。勿論、CPUの高速化によってデジタル制御なブレーキ性能が進化した点も見逃せません。

遠心ブレーキのような無重力感とは少し異なり、微妙で静かな軌道修正を何度も繰り返しつつ、可能な限りのキャスト性能を引き出すイメージです。
ロングキャストに限らず、様々な状況でのキャストが快適。バイトまでのチャンスを延々と投げ続けても、集中力を維持しつつ、安定したパフォーマンスを維持しやすい特性だと感じます。

キャスタビリティ

デジタル制御によって、ベイトリールに付き物のトラブルを解消しつつも、21アンタレスDCのキャストはクセが無いキレイな弾道です。ロングディスタンスでも狙った場所に投げやすく、自分でキャストをコントロールしている手応えをしっかりと感じました。

ショートキャストやピッチングでも、非常にデリケートなブレーキングで、低弾道に伸びるキャストが可能。
ただ、軽量リグを至近距離にキャストした時は、回転数が不足している為か、DC音が動作しない事もありました。しかし、それくらい短いキャストであれば、スプール性能だけで普通に飛ばせるので、特に問題ありません。

重厚な見た目と裏腹に、狙い澄ましたタイトなキャスティング性能も魅力ですね。

Xモード | ロングキャスト、遠投性能

▲14lbフロロラインを110mほど巻いた21アンタレスDCで、1ozのヘビキャロを遠投。
MH+ロッドを使いましたが、もっとキャストが上手い人や、タックルバランスをより調整すれば、さらに飛びそうな印象です。

21アンタレスDCが従来機と大きく違うのは、「X(エクストリームロングキャスト)モード」の使いやすさ。
Xモードは、ラインの種類によってブレーキ設定を変える他モードとは異なり、とにかくロングキャストする為に設けられたアンタレスDCだけのブレーキモードです。

前モデルのアンタレスDCでは、Xモードが非常にピーキーで使いにくく、重心バランスの良いバイブレーションなどのルアーに使用が限定されていました。
勿論、キチンとサミングでスプール回転を制御できる方であれば問題ないのでしょうが、自分のようなサンデーアングラーはあまり使用する機会のなかったモードです。
強風や空気抵抗の大きなルアーなど、様々なシチュエーションでのキャスティングが多い実釣では、不用意なXモードが致命的なトラブルにつながる事も多かったのではないでしょうか。

しかし、21アンタレスDCのXモードは非常に扱いやすく、かなりの状況でその性能を振るう事ができます。
自分の場合、Xモードでハネモノのようなクローラーベイトを投げる場合は難しかったのですが、ある程度重さのあるスピナーベイトや20g以上のプラグなら、Xモードで楽にロングキャスト可能でした。

1ozクラスのヘビキャロやバイブレーションの場合、Xモードでブレーキ段階が最弱でも十分投げる事が可能。少しぐらいなら風が吹いても問題は無く、エクストリームロングキャストの名に相応しい飛距離を叩き出せます。

それほどキャスティングに長けていない自分でも、それでも今まで体験したことの無い距離まで投げることができました。
使いやすくなった分、サミングを駆使する上級者にとってはブレーキが強すぎる場合もあるかもしれませんが、厳しい状況でも手軽に最大限の遠投性能を使える事は、多くの人にとって魅力的なポイントではないでしょうか。

使用感、デザイン

21アンタレスDCは、37㎜径スプールと大型ギアを収納しながらも、横幅が狭まった事で意外とコンパクトな外見。
サムレフト周りも握り込みやすく、手の中にしっかりと収めて扱いやすい形状です。
最新のバス用リールとしては大柄な部類に入りますが、大径スプールや大型ギア、高度なブレーキユニットなど、高いパフォーマンスを発揮するシステムを格納する為のボディ筐体であると考えれば、納得の使い心地。
ワーミングを繊細に操作するのであれば、より軽量でロープロファイルなベイトリールの方が向きますが、21アンタレスDCは必要な性能を詰め込んだ大型ボディとして、可能な限りの持ちやすさを追求していると言えますね。

デザインについては、フラッグシップ「アンタレス」に相応しい、美しくメタリックな鏡面仕上げです。
周囲の風景が映り込む独特なそのボディは、単なる光沢仕上げとは異なるアンタレスだけが感じられる満足感。フィールドや季節、時間の経過とともに映り込む景色は変わり、常に異なる姿をアンタレスが映し出します。

ただ、従来のアンタレスと比較すると、21アンタレスDCの外観は若干控えめだと感じました。
ソルト対応になった影響では無いと思いますが、DC機は比較的樹脂素材を使用している箇所が多め。ボディ本体が若干コンパクトになったことで、鏡面部分の面積が減っている事も影響しているかもしれません。
初代アンタレスや12アンタレス、19アンタレスといった遠心ブレーキモデルと比べると、外観デザインの仕上がりは若干地味な印象。

それでも、アンタレスとして十分に所有感があり、愛着がもてるデザイン。
最高の最新性能が搭載されている事には疑いの余地が無く、実釣性能を優先しながらも、高い満足感と所有感を得られるクオリティです。

スプールへの糸止め方法

アンタレスDC 2021

アンタレスDC 2021 のスプールには、ラインを取り付ける穴があります。
スプールにラインを巻き付けることなく、結びコブを収納できる構造。意外と気に入っている機能です。

ラインをスプールに止める際、テープなどで固定する事は、回転性能に影響があるので推奨されていません。ただ、不具合につながる訳でもないので、自分のスタイルや用途にあった使い方で良さそうですね。

まとめ

アンタレスDCは、バーサタイルリールとしては大型なボディサイズで、「遠投専用機」「ビッグベイトなどの重量級用」とも受け取られがちです。(18アンタレスDCMDのXBブレーキにあるビッグベイトモードは魅力ですが、それでも専用機という訳ではありません)
その印象は、小径スプールで低慣性化し、軽量ルアーでもレスポンスの良い最近主流のリールとは異なり、37㎜径スプールという遠投性能とパワーを優先した設計からも感じられます。

ですが、大径スプールを採用しつつも、オートマチックなデジタル制御の最新DCブレーキを搭載した21アンタレスは、そうした基本設計の既成概念すらも大きく覆します。

緻密で繊細なブレーキによって、高速回転する大径スプールでも、さまざまなルアーを快適に使える使用感。
遠投性能が高く、巻物用としても十分なパワー、重量級ルアーをも余裕で扱える、高い次元でのバーサタイル性能を完成させたベイトリールと言えますね。

ベイトフィネス等の特殊な用途を除き、全ての手持ちリールが「2021年モデル アンタレス DC」であって欲しい...と感じさせてくれるクオリティとパフォーマンス。
最高峰に相応しい、間違いの無いベイトリールと言えます!

21アンタレスDCに合うロッド

最高の遠投性能を発揮するのであれば、「ワールドシャウラ 17114R-2」といったHパワークラスのロングロッドが21アンタレスDCに最適です。17114R-2は、愛称にDCシステマチックスペシャルと名付けられるほど、重量級のルアーを遠投する用途に向いています。

また、高感度と柔軟性を兼ね備えたポイズンアドレナのHパワーモデルも高相性。

遠投性能も魅力的ですが、MHクラスのロッドと組み合わせたヘビーバーサタイルなセッティングもおすすめ。
21アンタレスDCは、確かにブレーキやスプールの進化で汎用性をより高めましたが、最近のヘビーバーサタイルロッドの進化が、その傾向をより高めているのではないでしょうか。
最新のヘビーバーサタイルロッドは、本来得意とする重量級ルアーへの対応力を高めつつも、ライトテキサスやヘビダン、フリリグや高比重ノーシンカーといったワーミング用途が気持ちよく操作できるようになっています。

釣り方のメソッドが変化したことも影響していますが、現代のヘビーバーサタイルは「重めのルアーが万能」といった一辺倒なイメージではなく、手返しの良い撃ち物から繊細なフィネスアプローチ、巻物による広範囲のサーチといった、タフな状況をパワーで攻略する新時代のバーサタイル性能を実現。
21アンタレスDCのポテンシャルを、より広く発揮できるのがヘビーバーサタイルロッドなのかもしれませんね。

おすすめは、アンタレス同様に2021年にフルモデルチェンジした「ポイズングロリアス 174MH+」。MHのロングロットに若干パワーがプラスされ、よりパワーバーサタイルなスタイルをやり切れるスペックになっています。
コストパフォーマンスもある程度考慮するのであれば、キンキンの高感度ながら、粘りがあり懐の深いブランクスを持つ「ポイズンアドレナ」シリーズもおすめ。

バスロッドのおすすめ機種も記事にしているので参考にしてみてください。

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その他のタックルインプレッション

他にも様々なタックルのインプレをレビューしています。

また、遠投に特化したベイトリールとして用途が似ている「ダイワ スティーズ A TW HLC」についても記事にしているので、興味をお持ちの方はご覧ください。

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