川の上流部となる渓流では、美しいトラウト(鱒:マス類)をルアーフィッシングで釣る事ができます。
バスフィッシングをされている方であれば、渓流でのトラウトも比較的釣りやすい魚と言えるでしょう。バス同様、ルアーフィッシングで手軽にチャレンジすることができます。
特に川バスを狙っている方であれば、渓流でもそのテクニックを活かす事が可能。
また反対に、渓流のルアーフィッシングでトラウトを釣っている人であれば、川を含めたバスフィッシング全般にも通じる技術で対応しやすいかもしれません。
バス以外のさまざまな釣りを経験する事は、結果としてバス釣りの技術やテクニックも向上します。
山上湖でバス釣りを楽しんだ帰りに、渓流でイワナやヤマメを狙うのも面白いですね。
そこで本記事では、渓流でのトラウトフィッシングのポイントやタックル、基本テクニック等を紹介します。
目次
渓流ルアーフィッシングのポイント
流れの速い堰からラージマウスバスが出てきて「こんな所にバスがいるんだ!」と驚いた経験はないでしょうか。どちらかと言えば水の流れが止まった場所に居着くバスですが、意外と流れの中にも潜んでいます。
トラウトのポイントもバスと同様。川の上流、渓流であるという違いがあるものの、川の堰や合流地点、トロ場、橋脚などが狙い目です。川バスが居る本流部に比べると、水深や川幅が小規模になりますが、流れがあるところ、深みのあるところが基本。
つまり、川の中で変化のある場所がトラウトのポイントとなります。フィールド上で変化のある場所を狙うのは、バスの場合でも同じですよね。
渓流釣りのフィールド
渓流釣りには、険しい山林をかきわけて目指すようなベテラン向けのフィールドも存在します。
ですが、主要道路沿いの川上流部、田畑が点在する田舎に流れる里川など、比較的アクセスしやすい場所でも釣る事が可能。キャンプ場と併設して、渓流釣りのフィールドがある場所もありますね。
これから渓流釣りにチャレンジする方は、まずは手軽に行ける場所からスタートするのがおすすめ。
もしかすると、今までバス釣りに向かっていた場所の近くにも、思わぬ好ポイントがあるかもしれません。
注意事項
ほとんどの渓流では、川を管理する漁協(内水面漁業協同組合)に遊漁料を支払う必要があります。フィールド近くの釣具店や商店で遊漁券を購入するようにしてください。
遊漁料は、魚の生息地域や産卵地域の保全、川の清掃など、豊かなフィールドを守るために必要なルール。悪質な違反者は密漁として警察に通報される事もあります。
楽しい渓流釣りの為に、ルールとマナーはしっかり守っていきたいですね。
シーズン
日本にある大半の渓流は、漁協(内水面漁業協同組合)に管理されていて禁漁期間があります。多くのフィールドでは春3月頃が解禁日で、渓流釣りもシーズンイン。
傾向としては、早春の魚は比較的流れの緩やかな場所でエサを捕食します。
季節が進み、春の終わりから初夏にかけて魚が最も高活性に。ルアーへの反応も積極的で楽しめるシーズです。
真夏は水量が下がり水温も上がるので、バス同様に朝マズメや夕マズメが狙い目。低水温を招く雨は好材料ですね。
そして、9月下旬ごろから多くのフィールドが禁漁期に。禁漁期間がある事で、シーズン中は豊かなフィールドを存分に楽しむことができます。
渓流ルアーフィッシングの対象魚
渓流のルアーフィッシングは、地域や場所によってさまざまな対象魚が楽しめます。
養殖が盛んな魚種も多く、フィールドによっては、解禁直後の放流で活性が高い魚をたくさん釣る事も可能。
ニジマス
管理釣り場などでも良く知られるトラウト。レインボートラウトとも呼ばれ、鮮やかな色合いが特徴です。
引きが強く、食べても美味しいので、魅力的な渓流ルアーフィッシングの対象魚。キャンプ地の釣り場などでも楽しめるフィールドがありますね。河川でも60cm以上に大型化するケースがあるそうです。
ヤマメ
パーマーク(幼魚斑)と呼ばれる藍色の斑点模様が特徴の美しい魚。
俊敏な動きと、警戒心が強いのが特徴で、大型化するものは40cm程に。
北海道から九州までの渓流で生息し、昆虫や小魚を捕食しています。
アマゴ
ヤマメと似た魚で、体に赤い斑点があるのが特徴です。
静岡県以南の渓流や、四国に生息し、30㎝程の大きさまで成長。
イワナ
ヤマメなどより上流部に生息し、大きい物は40cm程になる魚。
白い斑点が特徴的で、警戒心が強く、岩など物陰に潜んでエサを捕食しています。
渓流ルアーフィッシング | おすすめタックル
渓流でのルアーフィッシングは、スピニングタックルが主流。
全体的に水深が浅く、透明度の高い渓流では、非常に小さな軽いルアーを使います。その為、細いラインで軽量ルアーを扱いやすいスピニングタックルが必須。
しかし、近年のベイトリールは性能が飛躍的に向上し、軽いルアーをバックラッシュせずにキャストしやすくなりました。正確にキャスティングしやすいベイトリールが使えるなら、渓流でもそのメリットは大きいと言えるでしょう。
次に、渓流でおすすめのベイトタックルを紹介します。
渓流に適したベイトリール
最近は高性能なリールが多いので、どの機種を選んだらよいか迷ってしまいますよね。
渓流でルアーフィッシングを楽しむのであれば、軽いルアーをキャストしやすく、トラブルが少ないマグネットブレーキ搭載のベイトフィネス用リールが使いやすいのでおすすめ。
渓流だけでなく、バスでのベイトフィネスでも活躍してくれます。
渓流におすすめのベイトロッド
バス用のロッドでもトラウトは十分に釣れます。ですが、渓流というフィールドに合わせて、長さや竿の調子を選別した方がより快適。
長さ
上流域というフィールドや、渓流に適したミノーをアクションする操作性などを考えると、5.5~6フィートくらいのショートロッドがおすすめです。
調子
ルアーアクションを多用するミノー中心なら、先調子でしなやかなカーボンロッド。スピナーやスプーンが主軸なら、喰い込みの良いグラスロッドがおすすめです。
おすすめのロッド
バス用のロッドで渓流に向いた番手は中々見つからないかもしれません。
思い切って、ロッドだけは渓流用を新調した方が快適にトラウトフィッシングを楽しめます。
渓流用におすすめのベイトロッドを紹介。
スピニングタックル
渓流釣りでも、バスフィッシング同様にベイトタックルの方が精密なキャストを楽しめます。
ですが、小さな渓流用ルアーをより扱いやすくシンプルに楽しみたい方は、基本となるスピニングタックルもおすすめ。
ロッドは渓流用となりますが、リールはバスフィッシングで超フィネス用途にも流用できます。
ライン
ラインは、トラブルの少ないことからナイロンラインがおすすめ。太さは4lbを基準にします。
流れがある渓流では、トレースコースやアタリをチェックしやすい視認性の高い色がいいですね。
渓流ではPEラインの使用も増えてきますが、まずは使いやすいナイロンラインで、流れの中を釣りに慣れてください。
渓流釣りのルアー
渓流で基本となるルアーは、ミノー、スピナー、スプーンです。ガンガンとハードルアーを巻いて楽しめるのも渓流の魅力。
上流部には小型ミノー、やや中流部では少し大きめのルアーなど、シチュエーションに合わせてルアーの種類やサイズを使い分けます。
渓流ルアーの使い方
魚は上流部に顔を向けている事が多いので、渓流では上流に向かってポイント移動するのがベスト。人の存在を魚に築かれにくくなります。
ルアーは、流れの変化や、岩のような障害物の間をトレースするのが基本。
ミノーはただ巻きでもいいですが、竿先をチョンチョンッとアクションさせるトゥイッチングが効果的。スプーンやスピナーであれば、ただ巻きでOKです。
また、マス針にガルプの小型ワームをチョンがけ、メバル用のピンテールワームをジグヘッドで投げる、フライにスプリットショット用のガン玉をかましてウキ付きで流すなど、様々な方法を試してみるのも面白いですね。
私自身、真夏のピーカンをワームやフライの流し釣りで爆釣したこともあり、正解は一つではありません。
アップクロスとダウンクロス
渓流釣りでは、斜め方向上流に向かってアプローチする事を「アップクロス」、斜め下流へのアプローチを「ダウンクロス」と言います。
アップクロスでは、流れと同じ方向にルアーを泳がせるので、通常よりも早いリトリーブが必要。ダウンクロスでは、流れを受けてルアーを引いてくるので、リールをあまり巻かない状態でもアクションがしっかり出ます。
状況に応じてルアーをバランスよく動かすのが渓流のコツ。
渓流での経験は、川バスを狙う場合にも応用できそうですよね。
魚とのファイト
バスと異なり、小さな口のトラウトフィッシングでは丁寧なファイトが重要。
強引なやりとりをせず、慎重に取り込む必要があります。マス類はルアーを喰って反転する魚なので、慣れないうちは向こうアワセでもいいかもしれません。
しなかやなロッドや、リールのドラグで、アタリを弾かないように調整するのもアリ。
また、渓流釣りでは岩などにフックが当たって、針先が弱くなりがちです。
フックシャープナー等を携帯し、まめな針先チェックがおすすめ。
おすすめの渓流ルアー
渓流におすすめのルアーを紹介します。
かなり上流部であればスミス Dコンタク50、やや中流部であればスミス Dコンタク72がいいですね。スピナーやスプーンは使いやすいので入門者にも最適。
その他、必要なアイテムや小物
渓流釣りで必要となる代表的なアイテムは、ネット・ウェーダー・変更グラスなどです。
特にネットは重要。
ヒットしたマス類の抵抗は激しいので、ネットで早めにランディングするのがおすすめ。また歯が鋭いので、マス類をバス持ちすると出血する事もあり、注意が必要です。
川辺を移動する事も考えると、ウェーダーや長靴もあった方がいいですね。コケなどで滑りやすくなっているので、グリップ力のある靴底がおすすめ。
ウェア類を購入の際は、サイズや大きさをよく確認してください。
渓流ルアーフィッシングをはじめよう!
最近では、ネットで「都道府県名 河川名、マス釣り、遊漁料」などを調べれば、トラウトが釣れる渓流の情報が手軽に得られます。
事前に本で調べてみるのもいいですね。
あまり構えすぎず、手軽な道具でまずはフィールドに挑戦してみてください。
まとめ
渓流でのルアーフィッシングは、バスフィッシングと通じる部分の多い魅力的な釣り。
同じ水系な場合も多く、少し目先を変えるだけで、全く違う釣りが楽しめますね。
使う道具にしても、バス用・渓流用と制限される事なく、自由に楽しめるのも魅力。
ある程度専用の道具が必要であっても、さまざまな釣りで流用できるアイテムもたくさんあります。
専用のカテゴリーに制限される事なく、是非さまざまな釣りを楽しんでみてください。
そこで得た経験は、バスフィッシングにも応用できるメソッドも多く、釣りの幅を広げてくれる機会となります。
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