「ストロングスタイル ここに極まれり」
出典:DAIWA Project T JAPAN x USA
2021年にダイワの新型ベイトリール「タトゥーラ TW 300/400」が登場します。
タトゥーラTW 300番台と400番台、どちらも43㎜という大径スプールを搭載し、20lbラインが180m以上巻ける設計。ビッグベイトやジャイアントベイト、アラバマリグ専用機としても破格なモンスター仕様のベイトリールです。
ソルトやライギョなど他魚種へも転用できるメリットがあるものの、「ここまでのリールがバスフィッシングに必要か?」と思われる方も多いかもしれません。
実際、36~37㎜スプールを搭載するタフユースな200番台や、通常のバーサタイルリールでも、ビッグベイトは普通に使えますよね。
ですが、300番台、さらにその上をいく400番台のリールには、他機種にはない絶対的なメリットも。
そこで本記事では、新しいタトゥーラの特徴や性能、そこに秘められた最大メリットの可能性を紹介します。
特に、バス釣り用としてはあまり馴染みの無い「タトゥーラ TW 400」には要注目。
目次
2021 タトゥーラ TW 300/400 の特徴
出典:DAIWA
品名 | 巻取り長 | ギア比 | 自重 | 最大ドラグ力 | 巻糸量 フロロ・ナイロン | 巻糸量 PE | スプール径 | ベアリング | 定価 |
300 | 85cm | 6.3 | 325g | 13kg | 20lb-185m, 25lb-145m | 3号-285m, #5号-160m | 43mm | 7/1 | 37,000 |
300L | 85cm | 6.3 | 325g | 13kg | 20lb-185m, 25lb-145m | 3号-285m, #5号-160m | 43mm | 7/1 | 37,000 |
300XH | 109cm | 8.1 | 325g | 11kg | 20lb-185m, 25lb-145m | 3号-285m, #5号-160m | 43mm | 7/1 | 37,000 |
300XHL | 109cm | 8.1 | 325g | 11kg | 20lb-185m, 25lb-145m | 3号-285m, #5号-160m | 43mm | 7/1 | 37,000 |
400 | 85cm | 6.3 | 335g | 13kg | 25lb-180m, 30lb-140m | 5号-215m, #6号-180m | 43mm | 7/1 | 38,500 |
400L | 85cm | 6.3 | 335g | 13kg | 25lb-180m, 30lb-140m | 5号-215m, #6号-180m | 43mm | 7/1 | 38,500 |
400H | 95cm | 7.1 | 335g | 13kg | 25lb-180m, 30lb-140m | 5号-215m, #6号-180m | 43mm | 7/1 | 38,500 |
400HL | 95cm | 7.1 | 335g | 13kg | 25lb-180m, 30lb-140m | 5号-215m, #6号-180m | 43mm | 7/1 | 38,500 |
400XH | 109cm | 7.1 | 335g | 11kg | 25lb-180m, 30lb-140m | 5号-215m, #6号-180m | 43mm | 7/1 | 38,500 |
400XHL | 109cm | 7.1 | 335g | 11kg | 25lb-180m, 30lb-140m | 5号-215m, #6号-180m | 43mm | 7/1 | 38,500 |
■43㎜径超々ジュラルミンMAGFORCEスプール採用(300番台:幅26.5㎜、400番台:幅33.5mm)
■110㎜アルミ製ロングハンドル
2021年に登場する新型タトゥーラは、300番台と400番台の2モデル。どちらも43mm径のスプールで、400番台はスプール幅の広いワイドゲイブになります。
小型~中型ルアーの投げやすさが急激に進化した最近のベイトリールは、スプール幅を狭めるナロー化や軽量化がトレンド。しかし、圧倒的な重量級ルアーを遠投する場合、大径で幅広なスプールは他には無いアドバンテージがあります。
それは、キャストによるライン放出による糸痩せが抑えられ、スプール自体の重さがあることで回転が乗りやすく、重量級ルアーをロングキャストしやすくなる特性。
軽量ルアーでもスプールが立ち上がりやすく、低慣性によって適度にブレーキを効かせる最近のベイトリールとは真逆の設計と言えますね。
バーサタイルリールが軽量ルアーへの適応力をアップする中、2oz(約57g)クラスのビッグベイトや、3oz(約85g)~12oz(約340g)の超重量級ジャイアントベイト、アラバマリグといった専用用途に特化する場合、一般の進化とは全く別のコンセプトが必要。
その別方向の進化こそが「2021 タトゥーラ TW 300/400」の特徴と言えます。
また、これまでにも300番台以上のベイトリールは多数存在していましたが、どちらかと言えば他魚種用。ここまでハッキリと、バスフィッシングでの使用を前面に押し出した製品は少なかったのではないでしょうか。
バス釣りの新しいスタイルに向けて最適化された設計による300番台以上のベイトリールといった観点からも注目の製品。
2021 タトゥーラ TW 300/400 のメリット・デメリット
出典:DAIWA Project T JAPAN x USA
バス用ベイトリールとしては、あまりにも規格外なタトゥーラTW 300と400。
その分、用途に応じてメリットとデメリットが明確で、モンスターリールに相応しい特性があります。
ビッグベイト、ジャイアントベイトをロングキャストで遠投する
タトゥーラ TW 300/400のメリットは、ビッグベイトやジャイアントベイトのロングキャストで発揮されます。
径が大型のスプールは、少ない回転数でラインを放出しやすいので遠投向き。
スプールが大型で重くなると、キャスト最初の立ち上がりで回転力を得にくいのですが、ビッグベイトやジャイアントベイトといった超重量級ルアーであれば十分な力があります。
そして、1度勢いが付けば、スプール重量による慣性で回転が落ちにくく、重量級ルアーを遠方まで飛ばしやすくなるのが最大メリット。
最近では、ビッグベイトでも近距離への正確なキャストができるロッドが増えていますが、やはり、ロングディスタンスによる長い距離をリトリーブできるのは有利です。特に、3oz(約85g)~12oz(約340g)クラスのジャイアントベイトであれば、遠距離まで投げて広範囲を探りやすくなるのは強力なメリット。
近距離であっても、ブレーキをしっかりとかける事で、余力のあるリールパワーを快適にコントロールできそうですね。
他のリールでもビッグベイトは使用できる
確かに、36㎜や37㎜径といった200番台や、通常のバーサタイルベイトリールでも、ビッグベイトは普通にキャストできます。
ですが、こうしたリールは、一般的なレギュラーサイズのルアーにも使いやすい設計。スプールの回転に合わせたブレーキ力や、適度な軽量化など、超重量級以外のルアーに対しても汎用性が高い仕様になっています。
その分、必ずしもビッグベイトやジャイアントベイトに最適なチューニングが施されている訳ではありません。
つまり、新型のタトゥーラTW 300/400は、ビッグベイトやジャイアントベイトといった超重量級ルアーに特化する事で、より新しい時代の釣り方を開拓する製品と言えるでしょう。
逆に、21 タトゥーラ TW 300/400のデメリットは、小~中型の一般的なルアーに対しては、他のバーサタイルベイトリールに比べてパフォーマンスが得られにくい点。300gを超える大柄なボディも、一般的な用途では重すぎます。
超重量級のストロングスタイルを追求するリールと言えそうですね。
圧倒的な巻き速度
出典:DAIWA Project T JAPAN x USA
21タトゥーラTWは、300番台のノーマルギアでも、ハンドル1回転あたりの糸巻長が85cm。
一番高速なギア比8.1では、109cmの巻き取り長があります。
ここまで巻き取りが早く、しかもパワーが強ければ、ビッグベイトやジャイアントベイトの操作性が劇的。
例えば、ハンドル半回転を巻く操作だけで、シャープなアクションが軽快に可能です。
負荷の高い重量級ルアーを、クイックなハンドル操作で、連続的なアクションが軽快に演出できそうですよね。
かなり高速な巻き取り量ですが、110㎜というロングハンドルと、大型なボディが内蔵するギアシステムによって、ゆっくりとトルクをかけて巻く操作も余裕。
重量級リールに相応しい、大が小を兼ねる使い方が可能。
2021 タトゥーラ TW 300/400 の性能
タトゥーラ TW 300/400は、ビッグベイトに特化した専用リールという特性だけでなく、ダイワのテクノロジーが満載された次世代に相応しいモデルです。
ハイパードライブ デザイン - HYPERDRIVE DESIGN
タトゥーラ TW 300/400で最も特筆すべき採用技術は、新コンセプト「ハイーパードライブデザイン」を採用。ハイパードライブデザインによって、強靭な初期性能が長く継続する特性は嬉しいポイントですね。
ハイパードライブデザインは、次の4つの技術が結集された設計思想です。
ハイパードライブデジギア(HYPERDRIVE DIGIGEAR)
新設計のギアシステム。 耐久性に重要なギアは小さくせずに噛合い率アップする事で、強く滑らかな回転の持続を追求しています。
ハイパーダブルサポート(HYPER DOUBLE SUPPORT)
ピニオンギアの両端をボールベアリングで支持することで、負荷がかかった時でも力強く巻上げることを可能にした駆動系サポートシステム。
ハイパーアームドハウジング(HYPER ARMED HOUSING (AL))
高剛性、高精度で巻き心地とパワーを実現するボディ筐体システム。
タトゥーラTW 300/400は、メタル素材を採用する事でより重厚でガッシリとした仕上がりです。
ハイパータフクラッチ(HYPER TOUGH CLUTCH)
過酷なソルトシーンでもトラブルを軽減しつつ、メリハリの付いたクラッチのオン・オフ性能を実現
マグフォース(MAGFORCE )採用スプール
出典:DAIWA Project T JAPAN x USA
タトゥーラTW 300/400のブレーキシステムは、固定式のマグフォースが採用されています。
遠心力や慣性力でブレーキ段階が可変する仕組みではありませんが、重量級ルアーや空気抵抗の高いルアーを安定してキャスト可能。
ビッグベイトやジャイアントベイト、アラバマリグやハネモノを遠投する専用用途に振り切った性能と言えますね。
ただその分、小型~レギュラーサイズのルアーに対してはブレーキが過剰になる点がネック。
完全にパワーゲーム仕様な特性です。
まとめ | モンスターリールの用途
バスフィッシングの中でも、特化した釣り方であるビッグベイト・ジャイアントベイトによるストロングゲーム。
その専門的な用途にフューチャーしたモンスターリールが、ダイワの最新技術で登場する事は期待が膨らみますね。
これまでにも300番台、400番台のベイトリールは存在しましたが、ビッグベイトの遠投や操作性に特化した製品として、新たなメッソッドが広がる可能性も。
特に、ビッグベイトを気持ちよくロングキャストし、短いハンドル操作で力強くシャープなルアーアクションが可能な特性は魅力。
ビッグベイトを多用される方にも、これから始める方、ビッグベイト・ジャイアントベイト入門用としても、是非検討していただきたい新型ベイトリール機です。
おすすめのロッド
モンスター級のベイトロッドには、やはり力強いロッドが合います。
他社製を含めて、おすすめのロッドを紹介。
ジャイアントベイト対応のモンスターロッド
タトゥーラ TW 300/400クラスのリールであれば、やはり3oz(約85g)~12oz(約340g)クラスのジャイアントベイトで使ってみたいですね。
このクラスで使えるロッドは限られていますが、評価の高い定番モデルを紹介します。
デプス サイドワインダー ヒュージカスタム H3S-81RF
10ozクラスのジャイアントベイトをフルキャストできる圧倒的なパワーとトルクを併せ持つモンスターロッド。パワーロッドながら、繊細なルアーのアクション活かす柔軟な穂先を兼ね備えています。
粘りのあるブランクスは、レギュラーサイズからスーパーヘビーウェイトのビッグベイトまで対応。遠投性能の高いパワーロッドで、浮き藻で水面を覆われたハイシーズンのフロッグにもいいですね。
シマノ バンタム 180XXH-SB
100~300g級の大型ビッグベイトをロングキャストする事に長けたモンスターロッド。
圧倒的なパワーと、超重量級ルアーをキャスティングしやすい特性が魅力です。
ビッグベイト用ロッド
いきなりジャイアントベイトは...と敬遠しがちの方には、2~3ozクラスの通常ビッグベイトに特化したロッドも選択肢に。
2020年に登場したダイワのリベリオンであれば、多彩なビッグベイト用ロッドが揃っています。
また、他社製品になりますが、シマノ ポイズンアドレナ 169XH-SB/2は、100g前後のビッグベイトに対応しつつ、センターカット2ピースで携帯しやすい高性能ロッド。
ダイワ リベリオン 651XHSB-SB
5.5oz(約156g)までのビッグベイトを自在に操れるXHパワーを携え、重量級ルアーでピンスポットも精密に狙えるショートレングスロッド。
スローテーパーアクションでしっかりとロッドを曲げ込んで、取り回しの良いストロングゲームが可能。
ダイワ リベリオン 691HFB-SB, 7111HFB-SB
ファーストテーパーアクションの繊細なティップを持つ、異色なビッグベイトロッドです。
4oz(約113g)までのルアーに対応し、リップ付きビッグベイトはハネモノ、水に絡むスイムベイトなどのスローリトリーブに最適。
突発的なバイトにも、柔軟な穂先が追従して対応してくれます。
シマノ ポイズンアドレナ 169XH-SB/2 Exude power
センターカット2ピースで携帯性に優れたビッグベイト対応ロッド。
100g前後のビッグベイトを高い操作性能でキビキビをアクションさせる事ができます。
おすすめのライン
ビッグベイト・ジャイアントベイトには、20~25lb以上のラインがおすすめ。
定番はフロロカーボンラインで、シーガーのフロロマイスターがコストパフォーマンスと性能のバランスが抜群。
まだビッグベイトに慣れていないのであれば、使いやすいナイロンラインのシルバースレッドが良さそうです。
あと、扱いが難しいものの、4~5号程度のPEに、5号以上のショックリーダーを結束して使う方もいらっしゃいます。
軽量で伸びの少ないPEラインは、巨大なルアーを遠投し、キビキビと操作可能。
おすすめのビッグベイト、ジャイアントベイト
おすすめのジャイアントベイトは、マドネスの「バラム300」です。
高速リトリーブでも安定した泳ぎで逃げ惑うベイトを演出し、スローリトリーブでも艶めかしいアクション。
流行りつつある魔法のメソッド「エイトトラップ」にも適したジャイアントベイトですね。
2ozクラスのベーシックなビッグベイトとしては、やはりジョインテッドクロー、通常「ジョイクロ」がおすすめ。長く実績があり、評価の高いルアーだからこそ、投げ続けられる信頼性があります。
その他にも、ダイワの2021年ベイトリールや、現行ベイトリールについて記事にしています。
興味をお持ちの方は、是非参考にしてみてください。