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バス・タクティクス《冬の戦略》 | 攻略・実践詳解

冬のバス釣り

12月ともなると、「インドアでゲーム」の季節でしょうか。来シーズンに向けて、新しいルアーやタックルを物色したり、カスタマイズに専念したりという方もいるでしょう。

ですが冬の釣行は混雑も少なく、じっくりとバスの居場所を把握する事は、来たる早春のスポーニングに向けた深場からシャローへ動き出すバスのルートを、体感的にも推測し易くなります。

バスにとって「向かい風が強くあたり、日当りも無い所」は厳しいエリア。冬バスを釣りたい人間にとっても楽しめず、集中出来ないそんなエリアは、最初から捨てる事にしましょう。

天気予報で風の強い暖かそうな日を選んでゆっくりと家を出れば、寒い季節でもバス釣りを楽しめるチャンスは十分にあります。
ベイトとバスの居場所になる、「比較的近くに深場のある、風と水流が直接当たらない、日の当たる北側ワンド」。
そんな場所を事前に複数ピックアップして、フィールドに着いたら「ハードボトムやウィードエリア」と「ベイトとバスのレンジ(泳層)」を探る…といった、実践ウィンターゲームのスタートボタンをONにしましょう!

基本となる冬のシーズナルパターンについては、次の記事を参考にしてみてください。

冬のバスフィッシング攻略(シーズナルパターンの実践)
「冬場は寒いし釣れそうもない」と、出かける回数が少なくなる方も少なくないと思います。ですが、フィールドのバスは冬だか...

ルアー・リグ別タクティクス(戦略)

①ヘビーキャロライナリグ(ヘビキャロ):最初は魚探代わりのリグ

キャロライナリグ シンカー

最初はフィールドの把握のため、魚探をかける様にストラクチャー(障害物)にタイトにコンタクトしながら底質も確認したいものです。

無駄なルアーロストは避けるため、根掛かりの少ないワームのウィードレス(オフセットフックの先端をワームの背中に薄く埋め込む。根掛かりが断然少なくなります)をチョイス。
そこで活躍するのが「ヘビキャロ」です。

ヘビキャロのセッティング

ヘビキャロと言えば、琵琶湖のオカッパリ遠投で広い範囲を攻める三又セッティングのイメージがありますが、ボトムをサーチするのであれば通常のセッティングがベスト。
ラインにキャロ用シンカーを通し、スイベルで止め、その先にリーダーを結びます。スイベルとシンカーの間にシンカーロックなどを挟んでおくと、スイベルの結束部分を傷めにくいのでおすすめ。

シンカー止めのスイベルまでは、感度の良いフロロカーボンの12~24lb(ポンド)で、スイベルから先のワームを結ぶリーダーは、1ランク太さを落としたナイロンラインで60㎝前後の長さとします。
ナイロンのリーダーはキャストした際のからみも少なく、比重が軽い分フワッとしたワームの自然な動きでじっくりと低活性のバスにアピールできます。ナイロン系はアワセ切れも少なく、釣り人の動作も鈍くなりがちな冬場において、極力トラブルを減らすセッティングになりますね。

ヘビキャロの使い方

着底後、1~2回ロッドをあおって誘い、中層から追ってくるバスや、底に潜むバスのリアクションバイトを狙います。
その後は底質とストラクチャー(障害物)の有無を把握するため「ズル引き」開始。リールは巻かず、ロッドを地面と平行に、前から真横まで引くような操作が底質を感じ易いうえに、根掛かりも少なくなります。

途中シンカーが何かに「ガツッ」と引っ掛かる場合、そこが何らかのストラクチャー(岩や倒木、マンメイドストラクチャー等)。
ロッドを上に跳ね上げてしゃくり、ストラクチャーを乗り越えさせます。
その後シンカーがストンと着底する際に、ワームはリーダーに引っ張られて急なアクション(ダートアクション等)をした後、ゆっくり沈む…この時が最大のバイトチャンスです!

多少手前に引っ張れる引っ掛かりは「ウィードや小枝」。
密度が高い場合は、なかなか外れなかったり、引っ掛かりが連続する場合があります。その場合シンカーが重いヘビキャロは適していませんので、場を荒らさないためにも巻き取ってしまい、即ルアーチェンジ。次以降の項を参考にしてください。

また、着水後フォーリング中(ボトムまで5秒のうち例えば4秒)でアタリがあった場合は、ベイトやバスがその層にいる事を意味しますので、次のキャストからはそのカウントダウンでリールをゆっくり巻いてみてもよいでしょう。
キャロライナリグは、ワームをフリー状態にしつつ、シンカーの重みでレンジをキープする巻きでも効果的。

おすすめのワーム

冬場のヘビキャロに使用するワームは、動き出しのアクションとステイ時のメリハリが効果的なシャッドテールタイプや、ナチュラルなシルエットと操作時のダート性能に優れたピンテールタイプがおすすめです。

②スピナーベイト(スピナベ):もう一つの魚探代わりのルアー

スピナーベイト

前述①のヘビキャロは丁寧にボトムの状況を把握出来ます。ですが、ボトムでの根掛かりが激しい場合や、ウィードエリアや小枝などの密度が濃いなど、ヘビキャロが非効率だと判断できた場合は、スピナベがおすすめです。

手返しの良さはスピナベの方が優れていますので、最初からこのスピナベでのアプローチもアリ。フックが上向きに付いているのと、ロッドを立てて引く事によりルアーが浮きやすく、下方の障害回避能力が高いルアーです。

スピナーベイトの使い方

冬場におけるスピナベの使い方は、キャスト後にボトムまでフォールが基本。ラインを緩めずに、カーブフォールさせるのも有効です。フォール中にラインを張っておけば、フォール中の感覚を掴めるので、根がかりを事前に掴みやすいのもメリット。

着底後は低速でリーリング(スローリトリーブ)します。ストラクチャー(障害物)やウィードに当たったら、ロッドは立て気味に巻き、ストラクチャーの上部を舐めるようなイメージがベスト。

おすすめのスピナーベイト

冬場は、スローでも安定してレンジをキープし、ゆっくり巻いてもしっかりアクションを演出できるスピナーベイトがおすすめです。

③メタルバイブ・スピンテールジグ:根掛かり少ないポイントでの冬の定番ルアー

メタルバイブ

メタルバイブ、スピンテールジグは、バスの群れに効率良くアプローチできる冬の定番。
ただ、ヘビキャロやスピナベに比べ、かなり根掛かりし易いのがネックです。その為、ボトムの障害物がハードでない砂利底等や、コースを十分に把握できていて根がかり回避を自分でコントロールしやすいエリアで効果的です。

コンパクトで自重が重いため、季節風の強い日でも狙ったところに遠投でき、フォーリング中のアタリも取りやすいのが最大の強み。
1投目でボトムまでカウントダウンした後は、ロッドを立て気味にボトムレンジ(泳層)スレスレをゆっくり巻きましょう。所々でリフト&フォール(ロッドアクションで上に跳ね上げた後、自然なフォール)させてアピール。
なかなか当たりが出ない場合に、広く場所とレンジを探る為のパイロットルアーとして大活用します。

④ジグヘッドリグ:ミドスト(ミッドストローリング)で中層攻略

フィッシュアロー フラッシュJ

ベイトとバスのいるレンジが特定できた場合、前項の②や③の方法はスピーディーにアプローチする事ができます。
ですが、前日より気圧が高かったり、水温が低かったり、風が強くなったりと水面下の環境が厳しくなっていると、バスは速いスピードに反応しない場合も。

そのような場合、ベイトとバスのいる一定のレンジや、ウィード周り、マンメイドストラクチャー(消波ブロックの穴)等をピンスポットでタイトにアプローチします。
中層などの一定レンジを狙う場合は、ジグヘッドリグでのミドスト(ミッドストローリング)が効率的。
この項では、まずジグヘッドでのミドストを紹介します。ピンスポットへのタイトアプローチは次項を参考にしてください。

ミドストの方法

ロッドは斜め上向きに小刻みにシェイクしながら、ラインスラック(たわみ)に絶えず微妙なテンション(張り)をかけながらリールをごくゆっくり巻き取ります。
一定のレンジをキープしながら、ワームを弱々しく漂わせるイメージで、左右にロールしながら漂い食い渋ったバスに高アピール!

また、ミドストと同じ要領でよりレンジを下げたボトム近辺や、障害物や小枝、ウィードなどの上っ面を攻めるボトストも高評価のメソッドです。

おすすめのミドスト ルアー、ジグヘッド

ミドスト用のジグヘッドには、「カルティバ スウィングヘッド」がおすすめ。
4インチ以上のワームには「1/16oz.(1.8g),フックサイズ#1/0」が向きますが、冬場にタイトに攻めるなら小型ワームに対応した「1/20oz.(1.4g),フックサイズ#1」がいいですね。
また、ウィードレス性の高い「デコイ ネイルボム」もストラクチャーを攻略しやすいジグヘッド。

おすすめのワームは、「ゲーリーヤマモト レッグワーム」や「ドライブスティック 3.5インチ」、「フィッシュアロー フラッシュJ」。
小粒ながらもアクションのメリハリが強いレッグワーム、高比重で投げやすいドライブスティック、ピンテールの繊細な動きが低活性な冬のバスに効果的なフラッシュJなど、それぞれ使い分けて反応を見てみてください。
これらのワームは、①で紹介したヘビキャロにも効果的です。

⑤ジグヘッドワッキー、ネコリグ、ダウンショットリグ:ストラクチャーをタイトに攻めるリグ

D STYLE ディスタイル フーラ 2.5インチ

マンメイドストラクチャー(消波ブロックの穴)等をピンスポットで攻めることが多いフィールドでは、アクション毎にラインに引っ張られたワームが大きく移動してしまいますので、ある程度ワーム自体にも重量を持たせる方が良いでしょう。
特に冬場であれば、高比重のワームでしっかりとピンに着底させるのが効果的。

ワームの重心の中心にジグヘッドを差す事で、フォーリング中にヘッドとテールの両サイドが水流を受けてクネクネと動きながら沈下する「ジグヘッドワッキー」や、ワームヘッドにネイルシンカーを埋め込んだ「ネコリグ」は、テイル部分のアクションが強調され、水温の低い状態でのバスにアピールしてくれます。
ウィードエリアを攻める場合は、ウィード表層部に引っかけたまま暫くシェイク~ゆっくり手前に少し引いてウィードの隙間に落ちたらそこでまた暫くシェイク、を繰り返します。

定番のダウンショットリグもピンスポットでじっくりシェイクする万能リグ。シンカーがボトムに付いた状態でもワームはボトムを離れた水中でダイレクトなアクションをしますので、タフコンディションの中、なかなか口を使わないバスに、長くシェイク&ストップでアピールし続ける事ができます。

おすすめのリグ・ルアー

ジグヘッドワッキー、ネコリグ

「ノガレス モノガード ジグ」は、ジグヘッドワッキーにおすすめ。シンプルな見た目ですが、根がかりしにくく、カーボン製のガードはバスのバイトでキレイに折りたたまれ、フッキングもイイ感じです。
基本は1/16ozをベースに、必要に応じてより重めのサイズを選択。

ネコリグ用のフックは「ダイワ バサーズワームフックSS/Gワッキー」、シンカーは1/16oz以上の方がしっかりとピンに落とし込めます。
フックのサイズは、4インチ未満のワームであれば#4前後を使用しますが、4インチ以上であれば#2がベース。琵琶湖のような規模の大きなフィールドであれば、#1程度のフックサイズが万全です。

ワームは、ジグヘッドワッキー、ネコリグ共に、比較的比重の高いものが冬場のおすすめ。

ダウンショットリグ

ダウンショットにおすすめのワーム「OSP HPシャッドテール」は、ヘビキャロやミドストにも流用可能。
「DSTYLE フーラ」は、横刺しだけでなくベイトフィッシュライクな縦刺しにも対応し、異なるアクションを試せるのでおすすめです。

フックは、マス針の方がルアーアクションを活かせますが、根がかりの多発する場所であればオフセットフックも。

まとめ

キャストを開始し暫くすると、ボトムの状況が徐々にわかってきて、ベイトやバスのレンジも特定できてきます。
それでも喰わない場合は「ルアーチェンジ」したり、「ルアーのサイズダウン」や「シンカーの重さを変えて」みてと、冬場のバスがアクティブでない事を想定した繊細な釣りに変えてみる…など、自分の攻め方の手数が確実に増えていきます。

冬のバスは好条件の揃ったエリアに同じ様にストックされる事が多いため、習性を理解した上でハマれば確実に結果が出ますし、1匹釣るだけでも自信にも繋がります。
これこそがウィンターゲームの醍醐味でしょう。

フィールドのプレッシャーも下がるこの時期に、オールシーズンに適応する実力を是非高めてみてください!

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