2017年に発売されたダイワの「スティーズ 721MHFB-LM (スカイパイレーツ)」 のインプレをレビューします!
「スカイパイレーツ」は、巻物用に特化したスティーズらしいハイエンドなベイトロッド。
引き抵抗の強い4m以上のディープクランクや、巻物専用に高性能なロッドを探している方は、参考にしてみてください。
目次
スティーズ 721MHFB-LM スカイパイレーツ | 特徴と魅力
スペック Low Modulus, 全長(m)2.18, 自重(g)120, ルアー重量(g、oz)7-42、1/4-1・1/2, ライン(lb)10-25
適合ルアー バイブレーション/スピナーベイト/バズベイト/チャターベイト/ディープクランクベイト
スカイパイレーツは、ローモジュールカーボン(Low Modulus Material)を採用した巻物専用のパワークランキングロッド。中型~大型のクランクをはじめ、さまざまな巻物のアクションを活かしたリーリングが可能で、バレにくいフッキング性能を実現しています。
巻物用ロッドには、高弾性なハリの強さでルアーアクションを殺さないように、グラスやグラスコンポジットなどの粘り強さが有利とされています。ですが、自重が重たくなる、ダルくなりすぎるといったデメリットも。
そうした弱点を補うために、軽量で感度にも優れつつ、粘り強い特性を十二分に発揮する、低弾性カーボン素材100%で仕上げられたスペシャルロッドが「スカイパイレーツ」です。
ダイワのハイエンドバスロッド「スティーズ」シリーズである事も魅力。
ハイエンドに相応しい巻物特化性能と、「スティーズ A TW」や「スティーズ SV TW」といったリールにもバツグンにマッチしました。
キャスティング、フッキング
スカイパイレーツでルアーを投げてみて、バスを掛けてみての所感です。
キャストフィールとキャスタビリティ
スカイパイレーツはファーストテーパーなアクション。
「巻物用」と聞くと、レギュラーテーパーやスローテーパーを連想しますよね。
ですが、十分な柔軟性を持つブランクス素材であれば、ファーストテーパーである事によるキャストが爽快。
実際、10g前後のシャロークランクから20g近いバイブレーション、4mクラスのディープクランクまで、鋭いキャストフィールで飛ばすことができました。
ボートから岸際のピンポイントを狙うような場合でも、ファーストテーパーでフルカーボン製のブランクスは、キャスタビリティが高いのが最高。大きなクランクや重量級のバイブレーションでも、ビシビシとピンへ投げ込み、狙ったコースのトレースが終わり次第、ルアーを回収してまたキャスト...という、スピーディーな展開が楽しめました。
また、ロッドを曲げ込んでからの戻りが鋭いカーボン製なので、スピナーベイトやバズベイトと言った投げにくいルアーもシャープにキャスティング可能。
もう、巻物は全部これでいいんじゃない!?と感じさせてくれる汎用性の高さを感じます。
フッキングからファイト
ファーストテーパーなスカイパイレーツですが、十分なしなやかさがあるので、トレブルフックのプラグでもバイトを弾きにくいようです。そこから強引にフッキングしても、必要以上に魚に負荷をかけすぎず、巻きつくようにキレイにフッキングされる印象。
ブランクスは柔軟なのですが、ロッドが曲がりから戻る反発力はカーボン特有の鋭さがあり、スピナーベイトやスイムジグのようなシングルフックのルアーでもスパンッとフッキングできたのには驚きました。高弾性カーボンロッドに比べるとワンテンポ反動のタイミングが遅い感じですが、トルクがある反発力とガッチリとしたバットパワーを活かして貫通力の高いフッキングが可能。
トレブルフックの時は強すぎず滑らかに、シングルフックの時はファーストテーパーらしい鋭さでフッキングできる、巻物用カーボンであるスカイパイレーツならではの掛け感だと感じました。
そして、魚が掛かった後は、穂先寄りながらも粘るイメージでバレにくいのが特徴。
また、バットがかなり重厚でトルクフルなので、力負けするような不安が少ないのもイイ感じです。
感度とリーリング
巻物を巻く場合、ロッドの先をルアーの方に向け、ラインと真っすぐ直線状にキープするのが基本。できるだけラインを張らずに、丁寧に巻くことで、巻物のアクションを損なわないリーリングが可能に。
また、巻物を吸い込むようなバイトであっても、穂先とラインが直線であれば、どの角度にも追従できるのでフッキングミスが起こりにくくなります。
こうした巻物の基本を守る限り、ファーストテーパーであるスカイパイレーツには強いメリットがあると思いました。ルアーのアクションを穂先が的確にキャッチするのですが、それをガチッとした胴回りのブランクスが伝達。
水中のイメージがしっかりとした感度として、手元に分かりやすく感じます。
特に分かりやすいのは、ディープクランクのような潜航するルアーの場合、手前側のラインがルアーより先にカバーなどに擦れる形になります。その感覚が明確に伝わるので、致命的な根がかりが発生する前に、ルアーを止めて回避する事が容易に。
ルアーのアクションがうるさくなり過ぎない程度に感度が伝わり、それでいてカバーへの接触や、バイトの違和感がちゃんと伝わるイメージです。
もちろん、高弾性ロッドの方が感度的には優れていますが、アクションの強いルアーを巻き続ける釣り方の場合、多すぎる情報は負担にもなります。
ルアーのアクションを殺さない、巻物でバレにくいといったメリットからも、巻物には専用ロッドの必要性を痛感しました。
それでいてスカイパイレーツには、グラスのような重さやダルさが無いので、感度面やキャスティングなどトータルでシャープな釣りを展開できます。
外観と使用感
シックな色合いのスカイパイレーツですが、スティーズらしい所有感あふれる外観と質感。
スティーズのリールともよくマッチするので、ダイワのハイエンドでタックルを揃えたい場合に最良です。自分がスカイパイレーツを選んだ理由も、「スティーズで統一したかった」というのが主要因(笑)
ただ、スカイパイレーツはグリップ着脱式なのですが、フォアグリップがかなり浅めで小型です。ブランクスを差し込んで、リールをセットした際、フォアグリップがねじ込まれる途中でズレるような形となり、ロッドの中心とフォアグリップの穴が合わない見た目になります。
実釣性能には全く問題の無い部分ですが、折角のハイエンドモデルなので、キッチリ収まるような構造にして欲しかったですね。
まとめ
721MHFB-LM スカイパイレーツは、ダイワのハイエンド巻物用ロッドです。
4m以上潜るディープクランクには欠かせない専用ロッドでありつつ、軽量な巻物やスピナーベイトやバズベイト、スイムジグと言った様々なルアーも快適に使える1品。
ボートでディープクランクを巻き倒す人に特におすすめで、軽量~重量級まで1本で巻物を完結できる汎用性の高い専用ロッドを探している方にも最適ではないでしょうか。
- 10gのシャロークランクから4m以上の重量級ディープクランクまで快適なクランキングロッド
- スピナーベイト、バズベイト、スイムジグ、バイブレーションにも高相性
- キャストがビシッと決まり、巻き感度も良好
スカイパイレーツに合うリール
スカイパイレーツにセットするリールは、クランキングロッドという特性もあり、本来であれば「リョウガ」のような巻物特化リールがベスト。
ですが、スティーズ独自のリールシートで軽量にデザインされたロッドなので、持ち感やトータルバランスを考慮すると、ローギアの「スティーズ A TW」がおすすめです。
スティーズAであれば、剛性も高く、ローギアモデルは十分な巻取りパワーを発揮。トラブルレスなSVスプールや、マグフォースZでキャストフィールの良い浅溝スプールなど、さまざまなパーツが流用できるのも魅力です。
スティーズ Aについては、こちらの記事も参考にしてみてください。
スティーズ ロッド のラインナップ
スティーズの他機種についても記事にしているので、是非チェックしてみてください。
スカイパイレーツを代用するなら
スカイパイレーツは、重量級クランクも快適なパワークランキングロッドでありながら、比較的軽量なハードルアーやスピナーベイトなどのワイヤーベイトにも高相性。フルカーボンである事による、感度や反発力も魅力です。
ですが、やはりハイエンドモデルとして高価な事がネック。
2020年に発売された、「ダイワ リベリオン 731MHFB-G」であれば、比較的近い用途で代用できます。
731MHFB-Gは、グラスコンポジットモデルなので、スカイパイレーツほどの巻き感度や反発力はありません。ですが、ブレーディングXというカーボンテープを高い密度で巻き上げる事でシャキッと感と強度を確保し、かなりの軽量化とキャストアキュラシーを実現。
幅広い巻物に対応したロッドを、リーズナブルな価格で手にしたい方におすすめです。