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バーサタイルど真ん中! | ダイワ ハートランド HL 6102MLFS-19 実釣インプレ

ダイワ ハートランド HL 6102MLFS-19

「バーサタイル性はど真ん中のスピニングやろね」と村上晴彦さんが太鼓判を押す、ハートランド HL 6102MLFS-19 の実釣インプレをレビュー!

名竿「冴掛」を目標に、バーサタイル性を確保しながらも、時代と共に進化した村上テイストを反映する、穂先がいい仕事をするハートランドのスピニングロッドでした。

ハートランド 6102MLFS-19 | 特徴と魅力

スペック HL 6102MLFS-19,全長2.08m,自重108g,ルアー重量1.8-7g(1/16-1/4oz),ライン4-6lb/PE0.5-1.0号
採用技術 感性領域設計システム「ESS」/X45(=Xトルク)/3DX/HVFナノプラス/V-ジョイント/TUBULARPOWERSLIM/オールチタンフレームSiCガイド

HL 6102MLFS-19は、2019年に発売されたハートランド スタンダードモデルのスピニングロッド。
「一本でライトリグ全般を高度にこなしてくれる」をコンセプトに、スタンダードモデルとして最初に登場した671LFS-18をさらに進化させ、ハートランドならではの使用感を凝縮したロッドです。今も尚、絶大な人気を誇る冴掛に近づけるべく、さらに今現在の技術とノウハウを結集した傑作。

ダイワ独自のバイアス構造「Vジョイント」で、携帯に便利なセンターカット2ピースを心地よい使用感で実現。
強靭なバットパワーを発揮する3DX、東レ(株)のナノアロイテクノロジー、PEラインを想定したKガイドなど、様々な技術採用による実性能もさることながら、シンプルに「キャストや魚とのファイト」が最高に楽しいロッドだと感じました。

用途 | デザインと使用感

「6102MLFS-19」のレングスは6フィート10インチと、スピニングロッドとしては長めな印象。
ですがハートランドとしては短めな番手で、バランス重視の仕様になっていると思いました。

デザイン

その外観は、静寂の中で鈍く光るような重厚なデザイン。
派手さはありませんが、流行に流されない、確かな機能美が突き詰められています。

Vジョイントで構築したセンターカット2ピースモデルは、単に携帯性に優れているだけではなく、ロッド袋から取り出す仕草までもが楽しめる出来栄え。
ハイエンドAGSモデルである702MLRS-AGS14「トリップセブン」と比べると流石に質感は落ちますが、丁寧な仕上がりの袋から取り出したロッドは、それを継ぐ瞬間までもがたまりません!
継ぎの見た目も美しく、正直2ピースとしての高い仕上がりだけで、手に入れて良かったと感じました。

使用感

HL 6102MLFS-19の自重は120g。最近のスピニングロッドとしてはやや重めな印象です。
ですが、非常にバランスがよく、持ち重りのないパーフェクトな仕上がり。
さらに、メープルウッドのリールシートが、気持ちよすぎる質感を添えています。

6102MLFS-19を手に取って使ってみると、6.6フィートクラスのバーサタイルスピンを持ったような手近に馴染む不思議な感覚。
長さや重さ以上に、自分の感覚にシンクロするようなロッドだと思います。

あと特徴的なのは、ダイワの同パワーなバスロッドに比べると、とにかく穂先がしなやか。先端が少しだけ残り、ティップとベリーが柔軟に揺れるイメージで、ソリッドティップ程弱くないものの、ラインを引っ張りすぎないソフトなライトリグ操作が可能。

用途

ハートランド 6102MLFS-19の使用用途は、ノーシンカーや総重量が3g程度のスモラバ、1/16oz以上のダウンショット、4インチ前後のネコリグなどが快適です。

MLパワーのロッドですが、穂先が繊細なので、適合ルアー上限は7gとやや控えめ。ですが、5g程度のシャッドや9g以下のミノーなども十分に使えます。また、ブランクス全体がしっかりしているので、1/4oz以下のスピナーベイトもしっかりとキャストできました。

若干硬めのティップにしなやかなベリーを活かして、ノーシンカーやネコリグをチョコチョコ操作するのが快適です。
柔軟性のある穂先に比べ、3DXで補強されたバットはかなり強め。ガッチリ掛けたバスをしっかりロックするパワーがあります。

スピニングのライトリグ全般を気持ちよく使えるロッドで、ロッド操作による誘いと、しっかりとしたバットパワーが特徴。
全体がバーサタイルだけにまとまったロッドでは得られない、「誘い」と「掛ける」という緩急が1本のロッドに備わっています。

感度

ダイワ ハートランド HL 6102MLFS-19 曲がり

ハートランド 6102MLFS-19の感度は、スティーズやシマノ ポイズングロリアスのような超高感覚ではありません。
ですが、HVFという一般的なブランクス製法ながら、東レ(株)ナノアロイテクノロジーで高強度化。それを、細軸の肉厚という重厚(重めの自重)な仕上がりで設計されたブランクスは、単に軽量化されたロッドにはない質量の厚みがあります。
その厚みは、強弱の異なる様々な情報をキャッチし、それを多彩な感覚で手元に伝達。

スティーズのようなハイエンドモデルが、高音なような明確で分かりやすい感度伝達だとすると、6102MLFS-19は、状況に応じて、明確な感度や低音のような感度、そっと触るような感覚などが絶妙に伝わるイメージ。
感度性能を極限まで高めた設計では無く、より人の肌感覚に近づけた特性と言えるのではないでしょうか。

決して超々高感度なロッドではありませんが、価格分の性能は十分に持っていて、さらに使い込むほど一体化できるようなロッドです。

キャスティングとフッキング

穂先からバットまでシークエンシャル(連続して)に弧を描くのが「ハートランドの曲がり」。
HL 6102MLFS-19は、最も忠実に「ハートランドの曲がり」を具現化したロッドです。

キャストフィールとキャスタビリティ

6102MLFS-19を手にした印象は、LやULのロッドと比べると、MLパワーらしいは強めなイメージ。
ですが、ネコリグやスモラバといった軽量ルアーをキャストしてみると、その微かな重みを穂先が敏感に捕らえ、しなやかにベリーへと伝達。そして、曲がるイメージの無かった屈強なバットが、ルアーの重みを増幅させるかのように受け止め、鋭い反発力へと変換します。
生まれた反発力は、多段式のロケットのように穂先へと駆け上がり、押さえ込んだバネ状のムチが弾け飛ぶようにルアーをキャスト。
言葉で説明するのが難しいのですが、非常に爽快で気持ちいキャストフィールです。

他のロッドが1アクションか2アクションでキャストを実行するのに対し、同じ時間内に、力点が穂先からバット、バットから穂先へと移動している事が体感できる、それがシークエンシャルなハートランドの持つ際立った特徴。

あまりにも多感なそのキャストフィールは、時としてキャスト精度に悪影響を与えるイメージもありますが、2019年以降のモデルに採用された「X45コブラシールド」がそのブレを極限まで抑制しています。

気持ちよさだけではない、確かなキャスタビリティが備わったロッド。それがハートランド 6102MLFS-19 です。

フッキングからファイトまで

やや硬め、穂先が残るようなティップデザインの6102MLFS-19は、ライトリグに対する微妙なアタリに鋭いフッキングを発揮します。
ラインブレイクするような負荷がかかっても、柔軟なベリーが適度にショックを吸収。
ドラグに頼る以前に、美しい鉤爪状の曲がりで魚をいなしてくれます。

フッキングが決まれば、高反発な3DXで補強された太目で強靭のバットが、魚をロックして離しません。
掛けやすくバレにくく、大物でも安定してファイトしやすい、3DXの性能を存分に味わえる仕上がりです。

ハートランド HL 6102MLFS-19 | インプレのまとめ

ハートランド HL 6102MLFS-19 は、バーサタイルど真ん中を使いやすいスピニングロッド。
やや重厚な作りに、しっかりとした個性が凝縮され、他では得られない気持ちよさを体感できます。
キャストフィールや掛けた魚とのやりとりが特に秀逸。
気持ちよさは、実釣性能に直接結びつく要素ではありませんが、ハートランドでキャッチした魚は鮮明な記憶に残る1匹となります。

性能と見た目を上質な仕上げで組み上げたセンターカット2ピースは、携帯性を重視する方にとって最良品の選択肢。
フロロカーボンは勿論、PEラインの使用を前提とするコンセプトは、幅広いスピニングタックルの活用へと繋がります。

スピニングを1本だけ持つならこのロッドと思わせる、いつまでも長く共に居たいと感じさせる1品。

ハートランドはそれほど大量生産されるロッドでは無いので、購入を検討されている方はダイワ系列のキャスティングもおすすめです。中古品が並ぶこともあるので要チェック。

HL 6102MLFS-19 に合うリール

スタンダードモデルと呼ばれてはいますが、一般的なハイエンドモデルに限りなく近いHL 6102MLFS-19。
繊細なライン操作やドラグ性能を考慮し、できるだけ高性能なリールがおすすめです。
理想は「ダイワ イグジスト」ですが、2020年に新登場した「ルビアス」であれば、品質もデザインも最高にマッチします。

ライトライン使用なら、バランス的にも2000番台がベスト。また、地力のあるロッドなので、ある程度太いラインも想定した2500番もおすすめで、大径なスプールはトラブルも減らせて快適です。
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