スペック 266L-2,全長1.98m,自重85g,適合ルアーウェイト3~10g,ライン3~6lb,テーパーF
フルカーボンモノコックグリップやスパイラルXコアなど、最新技術の採用で前モデルからの進化がハッキリと体感できる、シマノのポイズンアドレナ266L-2。2018年に登場したセンターカット2ピースモデルの実釣インプレをレビュー!
この6フィート6インチのスピニングロッドは、雑誌の年間ランキングにも度々登場(..ほぼ毎回)する評価の高い定番機種。
自分もシマノの中堅ロッドであるエクスプライドの旧モデルと現行モデルで、同番手の266Lを使用していました。また、旧モデルのポイズンアドレナ266L-2を使っていたこともあります。
そして2018年、ジャッカルとシマノの提携によって生まれたポイズンアドレナシリーズがオールリニューアルとなるモデルチェンジ!センターカット2ピースモデルも充実していたので、この266L-2を手にしました。
目次
ポイズンアドレナ 266L-2 | 特徴と用途
266Lでまず思うのは
とにかく使いやすい!!
266Lは、1/16oz程度のライトリグから5gのシャッド、1/4ozのワイヤーベイトから10g以下の巻物までライトなルアー全般が使いやすいです。ベイトフィネスをメインに使う以前は、各ロッドのシリーズでまずこの266Lを入手し、その手応えで他番手の導入を検討していました。
ラインは4〜5lb程度のフロロカーボンが扱いやすく、カバーの少ないオープンエリアやボートでの釣りに最適で、ウルトラライト程ではないもののフィネス全部が得意です。少し無理をすれば、3.5lb以下や6ldあたりのラインでも対応できるので、汎用性が高く潰しが効きます!
フルカーボンモノコック | 感度への恩恵は?
そしてこれが
フルカーボンモノコック!!
フルカーボンモノコックは、リールシート後方からリアグリップまでを中空一体成型で創り上げたグリップエンド構造で、現行ポイズンアドレナ最大の特徴です。
この構造は、前モデルに採用されていたカーボンモノコックをさらに進化させた新システムです。以前のカーボンモノコックは、旧モデルのポイズンアドレナ、ポイズングロリアスの一部モデルやワールドシャウラなどにも採用されているハイエンドな仕様。
その最新システムが、ポイズンアドレナに先駆けて導入されてました。
このグリップ最大の恩恵は
感度アップと軽量化!!
...となりますが、
リアグリップはキャスト時しか手にもたないよね?
ルアー操作時の感度に関係ないじゃん。
と、疑問に思っていました。
ですが、それはリアグリップ本体で感度を拾う...という誤った認識だったようです。
正確には、ラインからガイドを介してブランクスに伝わった感度を、リールシートで感じると共に、リアグリップへと流れ落ちてしまう振動をも反響させてリールシートに返す...ような仕組みで、シマノではこれをメガホン効果と呼んでいます。
感度が良くなる..というより、感度の伝え方がより明確になる、というイメージが近いです。
確かに同じロッドであっても、リールシートとリアグリップの構造でかなり感度の伝わり方が違います。
自分はG Lommis MBR783というロッドを生産ロットや販売元違いで複数本所有していましたが、リールシートが詰まっているモノより中空構造の方が感度が分かりやすかったですし、リアグリップがスカスカのコルクで振動が拡散しそうなモノより、ギチギチにコルクが詰まって反響が強いモノの方が感度良く感じました。
さらに、ポイズンアドレナは弾性の高いブランクスを採用しているのでより感度を拾いやすく、フルカーボンモノコックによる反響を活かせる設計になっています。
先重り軽減! | 理想的なバランス
そして..
先重り少なっ!!!
2018年以降の現行シリーズで驚いたのが、そのバランスの良さです。
旧モデルのポイズンアドレナは、カーボン化で軽量化したリアグリップの為か、どれも先重りを感じていました(特にガイドの大きなスピニングモデルが顕著)。
しかし、現行のポイズンアドレナはリアグリップをさらに軽量化したにも関わらず、先重りが激減してバランスのよいモデルになっています。
何故?!
1つは、現行ポイズンアドレナから新採用されたスパイラルXコアによる恩恵が大きいと思います。
スパイラルXコア採用でネジリ強度とつぶれ強度が大幅にアップしているので、耐久性を損なうことなくブランクス全体をより軽量化できたのだと思われます。
もう1つの理由として、ガイドの小径化がありそうです。
同じセミマイクロガイドを採用しているエクスプライドの266Lと比べて、ポイズンアドレナ266Lのガイドは少し小さくなっていました。
全く新しい使用感 | 旧モデルから大きく向上!
大きく変わった?!
このポイズンアドレナには、旧モデルや他のシマノのバスロッドと比べて大きく変わったと感じる点があります。
特にキャスト時に感じるのですが、かなり穂先がしなやかで、キャスト時にルアーの重みをロッド全体に伝えやすく、懐が深くなったイメージです。
つまり、高感度・高弾性ながら、旧モデルに比べて圧倒的に柔軟性が増しています。
それでいて芯は強く、高反発なブランクスが力強いパワーを与えてくれています。
これまで触ってきたシマノのバスロッドは、適性ルアー重量の下限付近がやや投げにくかったイメージがあるのですが、現行ポイズンアドレナではかなり快適になっています。
もちろん、適正ルアー重量上限付近もキャストで楽々振り抜くことができます。
こうした特性が新採用のスパイラルXコア効果かどうか不明ですが、強度がアップした分、ロッドの設計にゆとりと幅ができたのかもしれません。
小さな動作でもハリのある竿でガツンとフッキングしたい人には旧モデルや他モデルの方が向いているかもしれません。
現行のポイズンアドレナ 266L-2は、しなやかなブランクスでキャストを決め、大きめのストロークでスイープにフッキングし、力強いロッド全体で魚を寄せるイメージ!!
とにかく気持ちいいロッドに仕上がっています。
まとめ
フルカーボンモノコックによる感度、先重りの無いバランス、ロッドブランクスのしなやかなパワー、どの番手もポイズンアドレナは旧モデルから飛躍的にバージョンアップしています。
極論、この266Lとベイトの1610Mがあれば、ほとんどの釣りが成立しそうです。あとは必要に応じて、ビッグレイクにも対応するMHモデルがあれば万全と言えるのではないでしょうか。
価格帯はやや高めですが、それに見合う性能を秘めたシリーズが「ポイズンアドレナ」と言えそうです。
ポイズンアドレナのラインナップ
ポイズンアドレナのおすすめ機種も記事にしているので、参考にしてみてください。