昨年末に登場して以来、フィッシングショー会場やSNSで話題の軽量フルメタル丸型ベイトリール「ローンズ エアライト(Loongze Airlite) 」。電子制御ブレーキの「エアライトDBC (Airlite DBC)」に加え、多段調節が可能な可変式マグネットブレーキの「エアライト BF (Airlite BF)」というブレーキ違いの2系統を軸に、どんどん製品ラインナップが拡充されているようですね。
さまざまな製品が登場していますが、各機種で共通する特徴は次のとおり。
- とにかく、軽い!
- しかもフルメタル!
- 丸型なのに、ロープロ並みの操作性!
- 快適なベイトPE性能!
丸型やフルメタルのベイトリールを使ってみたいけど、重量やパーミング性がネックになっていた方も納得できる正に夢の製品です!
ただ、エアライトに付属しているオリジナルの金属製ハンドルノブは、アングラーによっては使いにくいと感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
エアライトの購入を考えている人の中にも、あの独特なハンドルノブの使用感を気にされている方がいらっしゃるかもしれません。
そこで本記事では、ローンズ エアライトDBC, エアライトBF (Loongze AirliteDBC, AirliteBF)シリーズのハンドルノブを徹底解明。より自分にマッチしたベイトリールを目指し、エアライトのハンドルノブを交換するカスタマイズを紹介します!
目次
ローンズ エアライト | オリジナルハンドルノブ仕様
Loongze ローンズ エアライト - NT海洋事業部(正規代理店)エアライトシリーズのハンドルノブは、1個あたりの自重がベアリング込みで約4g。ノブの材質は金属ですが、細身で小柄なこともあり、軽量を売り文句とするコルク製やカーボン製のハンドルノブと比べても軽くなっています。
一般的な軽量ノブがベアリング込みで5g前後なので、2つ合わせるとかなり軽量化に貢献しますね。
そして、オリジナルハンドルノブ最大の特徴は、金属を螺旋状に削り出したような形状。
この形状の為、ツルツルとした金属製のノブでありながら指で摘んだ時のキープ力は高く、十分なグリップ力を確保してくれます。
加えて軽量な金属ハンドルは、ラインを通じてリール全体に伝わる感度をジャッチしやすく、微妙なボトム変化やアタリをつぶさにキャッチしやすいですね。
勿論、フルメタルなので、細身で華奢な見た目からは考えられない耐久性もあります。
しかしどちらかと言えば、エアライトのハンドルノブは、渓流の釣りで使われるようなフィネス寄りの形状。指で軽く摘むような繊細な操作には長けていますが、ガッチリと握り込んで長時間リーリングするような用途では、指が痛くなることもありました。
勿論、オリジナルのハンドルノブでも十分なグリップ力があり、感度面や重量面といった優位性もあります。
それでも、シーバスやチニングなど、引きの強い魚とファイトすることを考慮すると、ソルト用途にはもう少し握りやすいハンドルノブを試してみても良さそうですね。
ハンドルノブは、最も手軽にカスタマイズできるパーツの1つ。早速、交換してみましょう!
ローンズ エアライト | ハンドルノブ交換方法
▲エアライトのハンドルシャフトは、ダイワのベイトリールと同じ寸法。なので、ダイワ用ハンドルノブが適合する。ノブを取り付けるネジの長さが異なるが、このパーツは純正を流用するので問題ない。
ハンドルノブの種類
標準的なリール(50〜400番台のベイトリール、1000~4000番のスピニングリール)であれば、通常サイズのハンドルノブが付いています。
通常サイズのハンドルノブには、大きく分けて「ダイワ Sサイズ」と「シマノ Aタイプ」という2つの種類(規格)があります。
ローンズのエアライトは「ダイワ Sサイズ」相当。なので、「ダイワ Sサイズ」に対応するハンドルノブであれば、ほぼ無加工でエアライトに取り付けが可能です。
ダイワのタトゥーラやジリオン、スティーズ用のカスタムハンドルノブに適合するので、選択肢がかなり広がりますね。
また、「シマノ Aタイプ」用のハンドルノブであっても、カラー(ブッシュ)やワッシャーで長さを調整すれば装着可能です。
各カスタムメーカーから発売されているハンドルノブには、付属のカラー(ブッシュ)やワッシャーで長さを合わせて、シマノとダイワ両方に対応している製品が多いですね。
いずれにせよ、ダイワ製品に対応したカスタムハンドルノブであれば、(微妙な個体差による調整が必要な場合もありますが)ポンつけで取り付け可能です。
ハンドルノブの取り付け
それでは、エアライトのハンドルノブを交換方法を説明します。
動画でもハンドルノブ交換方法を解説しているので、参考にしてみてください。
オリジナルのハンドルノブを外す
▲ハンドルノブのキャップを、エアライトに付属する専用工具で外す。
まず、オリジナルのハンドルノブを、エアライトに付属している専用工具で外します。
▲ハンドルノブを止めているプラスネジ
ハンドルノブのキャップを外した後、プラスドライバーでネジを外します。
▲ハンドルノブを取り外した状態。リールの根本から、調整用のワッシャー・ベアリング・ハンドルノブ・ベアリング・ネジ・キャップというパーツ構成。ハンドルノブとキャップ以外は、純正品を流用する。
ネジを外した後、ハンドルノブの先端と根本にそれぞれに装着しているベアリングを取り外します。
大抵の場合、ハンドルノブの根本側にはワッシャーが装着されていて、これで厚みを調整する構造。なので、ワッシャーは無くさないように気をつけてください。
ここからは、「ダイワ Sサイズ」と「シマノ Aタイプ」で組込み方が異なります。
「ダイワ Sサイズ」タイプのハンドルノブ取り付け
今回は、SLPワークスのザイオンハンドルノブを取り付けてみます。
SLPワークスはダイワ用の純正カスタムパーツを多数販売しているので、エアライトにも適合するハンドルノブが多数ラインナップされています。
▲ハンドル根本側のベアリングをはめ込み、その上からカスタム用のハンドルノブを差し込む。
▲ハンドルノブの先端から丁寧にベアリングを挿入し、その上からネジを嵌め込む。
ハンドルのシャフトに、ワッシャーとベアリングを組み込みます。
その後ハンドルを差し込み、ハンドル先端からもう1つのベアリングを組み込みます。
先端のベアリングを正しく組み込み、プラスネジでノブを取り付けます。
この際、ハンドルにガタ付きが多いようであれば、ワッシャーの枚数を増やしてください。
大抵のカスタムハンドルノブには、調整用のワッシャーが何枚か付属しています。
逆にハンドルノブの回転が鈍い様であれば、ワッシャーを外して調整してください。
▲ザイオンノブ装着後のエアライト
「シマノ Aタイプ(シマノ・ダイワ兼用)」タイプのハンドルノブ取り付け
次に、シマノとダイワ兼用で発売されている、ゴメクサスのハンドルノブF22を取り付けてみます。
▲調整用のブッシュの上からベアリングを装着。写真ではブッシュとベアリングの間にワッシャーを挟んでいるが、ブッシュの下に配置しても良い。
ハンドルのシャフトに薄いワッシャーとブッシュを組み込みます。
その後ハンドルを差し込み、ハンドル先端からもう1つのベアリングを装着。ノブ先端からベアリングを正しく組み込み、プラスネジでノブを取り付けます。
この際、ハンドルにガタ付きが多いようであれば、薄いワッシャーの枚数を増やしてください。大抵のカスタムハンドルノブには、調整用のワッシャーが何枚か付属しています。
逆に、ハンドルノブの回転が鈍い場合は、ワッシャーを外して調整してください。
ハンドルノブの回転がかなりキツイ場合、長さを調整するカラーやブッシュを削って調整する必要があります。
▲F22 ハンドルノブを組み込んだ状態
おすすめのハンドルノブ
エアライトのハンドルノブ交換方法はいかがだったでしょうか?
実際指で触れるパーツが変わる事で、釣りのスタイルに応じた使用感はかなり向上します。
また、見た目のデザインやカラーリングを色々ドレスアップできるのも楽しいですね。
この項では、ローンズ エアライト(Loongze Airlite) におすすめのハンドルノブを紹介します。
エアライトDBCやエアライトBFをお持ちの方や、エアライトに興味のある方も、参考にしてみてください。
※注意点:大抵のハンドルノブは1個ずつの販売なので、ベイトリールでの使用には2個ずつ購入する必要があります。
SLPワークス Iシェイプ ザイオンノブ
▼スペック表
品名 | 標準自重(g) | カラー | 価格(円) |
Iシェイプザイオンノブ クリアブラック | 5 | クリアブラック | 2,800 |
Iシェイプザイオンノブ レッド | 5 | レッド | 2,800 |
Iシェイプザイオンノブ シルバー | 5 | シルバー | 2,800 |
Iシェイプザイオンノブ ムーブ | 5 | ムーブ | 2,800 |
個人的にイチオシなのが、SLPワークスの「Iシェイプ ザイオンノブ」です。
軽く、感度に優れたザイオン素材(強化樹脂)を採用しているので、軽量なエアレイトDBCやエアライトBFにピッタリですよね。
また、ハンドルノブがブランキング形状で、リールへのダイレクトなタッチ感が魅力。微妙なアタリや地形変化を感じやすくなるかもしれません。
フィネス用途に特化したザイオンノブは、ハンドルノブ先端にキャップを設けない設計。
もし気になる方は、他社が発売しているザイオンノブ用キャップがおすすめです。
SLPワークス RCS Iシェイプ コルクノブ
▼スペック表
品名 | 標準自重(g) | カラー | 価格(円) |
RCS Iシェイプコルクノブ ノーマル | 5 | ノーマル | 1,800 |
RCS Iシェイプコルクノブ クリア | 5 | クリア | 1,800 |
RCS Iシェイプコルクノブ ブルー | 5 | ブルー | 2,000 |
RCS Iシェイプコルクノブ レッド | 5 | レッド | 2,000 |
定番のハンドルノブと言えば、断然SLPワークスの「RCS Iシェイプ コルクノブ」。
軽量なコルク素材をベースに、手にしっかりと馴染みやすいラバーコーティングが施されています。
標準的な黒カラーもいいですが、自分的にはコルクに透明ラバーでコーティングしたクリアカラーがおすすめ。
丸型ベイトリールにマッチするコルク柄でありつつ、クリアコーティングされているので表面の耐久性もバッチリです。
ゴメクサス(GOMEXUS) F22 ハンドルノブ
▼スペック表
品名 | 標準自重(g) | カラー | 価格(円) |
F22 ハンドルノブ | 6.6 | ブラックxシルバー | 2,990 |
F22 ハンドルノブ | 6.6 | オールブラック | 2,990 |
F22 ハンドルノブ | 6.6 | ブラックxパープル | 2,990 |
F22 ハンドルノブ | 6.6 | ブラックxレッド | 2,990 |
スタイリッシュでコストパフォーマンスに優れたハンドルノブを求めるなら、ゴメクサス(GOMEXUS)の「F22 ハンドルノブ」がいいですね。
鋳造カーボン製のハンドルノブは軽量で高感度。それでいて、ガッシリとした剛性感があり、繊細なフィネス操作でもグリグリ力強いリーリングでも、高いレスポンスを発揮してくれます。
表面が滑らかなので、ラバー製ノブのネバネバ感が苦手な方にもマッチ。滑らかな表面ですが、絶妙なノブ形状によって、指先に吸い付く様なグリップ力があります。
ローンズ エアライト(Loongze Airlite) | カスタムハンドル
▲カスタムハンドルを装着したローンズ エアライトDBC-2。
エアライトDBCやエアライトBFは、ハンドルノブだけでなく、ハンドルを丸ごと交換する事も可能です。
エアライトのハンドルは、非常に軽く仕上がっていて、強度も十分。ただ長さが若干短い(80mmハンドル)ので、ロングハンドルを使いたい方にはカスタムハンドルがおすすめですね。
エアライトのハンドル規格
ハンドル本体をカスタマイズする場合、「ダイワ社ボルトタイプ」という規格が適合します。
これは、ダイワのスティーズと同じハンドル仕様。
ダイワのハンドルはやや特殊で、タトゥーラやジリオン、アルファスといった大半のベイトリールがナットでハンドルを止める規格なのに対し、スティーズ系だけがボルトでハンドルを固定する構造です。
その為、エアライトのハンドルをカスタマイズする場合、スティーズに適合したアイテムが必要。カスタムハンドルによっては、スティーズ用ボルトが付属している場合もあります。
注意点としては、厚みが薄いハンドルや、極端に形状が特殊なハンドルは、スタードラグなどと干渉する可能性があります。
特殊なハンドルへの交換は、ワッシャーなどで厚みを調整できる方が自己責任で行ってください。
(一般的なカスタムハンドルであれば、ほぼ問題ないと思います)
エアライトにおすすめのカスタムハンドル
エアライトにおすすめのハンドルは、ZPI社の「ZELOSマシンカットハンドル」。
フルメタル製のハンドル(ノブはEVA)なので、見た目のデザインも美しく、エアライトとマッチしますよね。
特徴的な構造のボルトナットでガッシリとハンドルに固定できる構造の為、巻き感じ優れています。
ZELOSマシンカットハンドル最大の魅力は、金属製のロングハンドルなのに、比較的自重が軽い事。
美しくデザインされたハンドル本体は、強度を保持しつつ、軽量化に貢献。長いハンドルや金属製ハンドルのデメリットである重量が軽減されるので、軽量なエアライトに最適です。
ただし、マシンカットハンドルは、あまり「ダイワ社ボルトタイプ」が流通していません。
一般的に販売されているマシンカットハンドルをエアライトに装着する場合、別売の「DB ナット(ボルトナット)」をご利用ください。
また、チタン製のハンドルノブ「ゴメクサス T90」も、いい感じでエアライトにマッチします。
こちらは若干ハンドル幅が細いので、取り付けの際にワッシャーでかさ増しが必要でしたが、メタル感がいい感じにまとまりました。
まとめ
「ローンズ エアライト(Loongze Airlite) 」は、フルメタルなのに軽量、丸型なのにロープロ並みな操作性と、釣り人の夢を実現した様なベイトリールです。
私自身、エアライトBFやエアライトDBCを10ヶ月以上使用していますが、ベイトリールで細PEを扱うチニングやライトソルトでは非常に高いパフォーマンスを実感。
ぶっちゃけ、箱だしのノーマル状態のエアライトは、専用リールをカスタムしたレベルに近い性能だと感じています。
ただ冒頭でお伝えした通り、金属製のオリジナルハンドルノブは、メリット・デメリットが顕著。その分、手軽なカスタムとしてハンドルノブを交換する事で、より釣り人のスタイルにマッチしたセッティングが可能ですね。
フルメタルの丸型ベイトリールは、手触りが良く、嗜好性も十分。性能だけではなく、外観デザインのドレスアップも楽しめます。
エアライトDBCやエアライトBFをお持ちの方は、機会があれば是非ハンドルノブのカスタマイズを試してみてください。
純正のパーツとは異なるので、あくまでもカスタムは自己責任の範疇となりますが、バッチリハマった時の効果は絶大です。
また、0.6〜1.2号あたりのPEラインをベイトリールで使われる方は、ハンドルノブのカスタムも視野に入れて、エアライトをご検討いただけると幸いです。
繰り返しになりますが、丸型ベイトリールの見た目と、軽量でパーミング性能に優れた操作性という、好きな人にはとことんハマるリールですb
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「ローンズ エアライト BF」のインプレなども記事にしているので参考にしてみてください。