シマノのバス用ベイトリール「アンタレス 2019年モデル」を実釣インプレ!
19アンタレスと略される本リールは、バスフィッシングにおいて王道の”34mm径スプール”を搭載。いろいろなルアーを扱いやすく、”無重力”に例えられるアナログ遠心ブレーキ最高峰のキャストフィールは爽快そのもの!
周囲の景色を映し出す美しい鏡面仕上げの外観と、高い剛性感によるスムーズな巻き心地など、正にフラッグシップモデルと呼ぶに相応しい妥協の無いクオリティです。
しかし、同じ34mm径スプールを搭載し、高剛性ながら更に軽量なボディを持つ「20メタニウム」が登場するなど、ハイエンドモデルとして絶対的なアドバンテージがあるとは言い切れない存在ですね。
19アンタレスの実売価格は5万円前後で、20メタニウムは3万円前後。これだけの価格差がありながら、実釣におけるパフォーマンスに大差が無い..というのが実情です。
ですが、フラッグシップモデルとして作り上げられた細部に至るまでの品格は、やはりアンタレスだけが持つ普遍的な価値観。磨き上げられた実性能を含めて、このハイエンドモデルでしか得られない確かな充実感が備わっています。
実際私自身、歴代のアンタレスDCは発売当初に購入する事が多いのですが、アナログブレーキのアンタレスは、同世代のメタニウムを使用した後に手にする事が多いのも事実。実釣性能に大差は無いものの、遠心ブレーキ特有のパフォーマンスを究極まで突き詰めたいと感じた時、アンタレスを選ばざるを得ません。
本記事では、19アンタレスを実際に使ってみた感想や、20メタニウムとの比較を交え、その絶対的な魅力や特性をレビューします。
目次
19アンタレス | 特徴と魅力
公式サイトシマノ 19アンタレス | 性能・スペック
品番 | ギア比 | 最大ドラグ力 | 自重 | スプール径/幅 | 糸巻量ナイロン(lb-m) | 糸巻量ナイロン(mm-m) | 最大巻上長 | ハンドル長さ | ベアリング | 夢屋ハンドルノブタイプ | 本体価格(円) |
RIGHT | 6.2 | 5kg | 220g | 34mm/19mm | 12-100,14-90,16-80,20-65 | 0.285-100 | 66cm | 42mm | 10/1 | A | 60,900円 |
LEFT | 6.2 | 5kg | 220g | 34mm/19mm | 12-100,14-90,16-80,20-65 | 0.285-100 | 66cm | 42mm | 10/1 | A | 60,900円 |
HG RIGHT | 7.4 | 5kg | 220g | 34mm/19mm | 12-100,14-90,16-80,20-65 | 0.285-100 | 79cm | 42mm | 10/1 | A | 60,900円 |
HG LEFT | 7.4 | 5kg | 220g | 34mm/19mm | 12-100,14-90,16-80,20-65 | 0.285-100 | 79cm | 42mm | 10/1 | A | 60,900円 |
「19アンタレス」の性能・スペックは上記の通りです。
最近のロープロファイルベイトリールの中では自重220gとやや重ため。ですがその分、肉厚でガッシリとした剛性感があり、高速で回転するスプールや巻きを支えるギアを高精度に支えてくれる安心感があります。
ハイギアモデルでも強い巻き上げパワーがあるので、どちらかと言えばリーリングを主体としたスタイルにマッチしますね。
撃ち物であれば、軽量でエクストラハイギアモデルがラインナップされている20メタニウムの方が有利なシーンも。19アンタレスは、どちらかと言えば巻物を主体とする場合や、最高のキャストフィールをバーサタイルに扱いたい方におすすめです。
採用技術
「シマノ 19アンタレス」は、次のような最新技術・テクノロジーが採用されています。
マグナムライトスプールⅢ (MGL SPOOLⅢ)
耐久性を損ねることなく、さらなる薄肉化で従来を上回る低慣性化を達成した、シマノ最新のスプールがMGLスプールⅢです。
遠投性能に加え、従来以上の軽やかな立ち上がりと、どこまでも伸びる爽快なキャストフィールを実現。スプール回転をコントロールしやすい低慣性化によって、トラブルレス性能も大幅に向上しています。
SVS ∞ (SVSインフィニティ)
SVSインフィニティは、外部ダイヤルの調整だけで幅広いシチュエーションに対応する遠心ブレーキシステム。さらに内部のブレーキシューを調整する事で、より緻密なセッティングも可能とします。
遠心ブレーキ特有の軽快な立ち上がりと抜ける様なキャストフィール、遠投性能とポイント奥を狙い撃つキャストアキュラシーが魅力ですね。
マイクロモジュールギア
超小型精密ギアと精巧なボディハウジングで、かつてない"シルキー"な巻きごこちを実現。滑らかなフィーリングと強さを両立したシマノ独自のギアシステムです。
現代では多くのシマノ製リールで採用されているギアシステムですが、ハイエンドモデルのアンタレスにはより精巧な歯面が採用されているようですね。
HAGANE ボディ (ハガネボディ)
リールのたわみや歪み・ネジレを抑制し、繊細なギアの噛み合わせを守り、スムーズなリーリングを可能にするボディ設計。
Xシップ
ドライブギアの大径化、ピニオンとドライブギアの最適配置、ピニオンギアのベアリングによる2点サポートで、負荷に強い軽快なリーリングを保持します。
エキサイティングドラグサウンド
軽やかなドラグサウンドで魚とのファイトを演出。ドラグの効きを音で確認できるので、不意の大物とのやり取りも安心です。
S3Dスプール
スプール精度を向上させ、キャスト時の静穏性をアップしました。
サイレントチューン
スプールを保持するベアリングに軽い圧力をかけることで高速回転時の振動を減少。キャスト時の静穏性とスプール回転の立ち上がりがさらに向上しています。
スーパーフリースプール
クラッチを切った際、スプールを支えるのは2つのベアリングのみ。ガタツキを抑え、スプールフリー性能を極限まで軽くしたシステムです。
S A-RB
特殊防錆処理をベアリング自体に施すことで、錆びに対する耐久性が大幅にアップ。らに側面を防錆素材でシーリングし、ベアリング内部の塩ガミを大幅に減少させています。
淡水専用
19アンタレスは特殊な塗装を施している為、淡水専用モデルとなっています。
外見、デザイン、使用感、用途
「19アンタレス」の外観や使用感を紹介します。
外見、デザイン
19アンタレスで最も目を引くのは、その鏡面仕上げのボディ。周囲の景色を映り込ませ、他のリールとは異なる圧倒的な存在感を放っています。
鏡面でシルバーのデザインは他のリールにも採用されていますが、その中でも19アンタレスの仕上がりは特に美しく、シマノのフラッグシップモデルを象徴する特徴と言えますね。
また個人的には、左右非対称のデザインも気に入っています。
2019年に登場した当時から全く色あせず、常に新しい時代を感じさせる未来的な外見。34㎜径というバス釣りで最もバーサタイルなスプールが収まるサイズ感と相まって、単なる道具の域を超えたスタイリッシュなマシンとして完成されています。
フラッグシップである事を存分に見せつけつつ、くどすぎる事は無く、ギラギラとした嫌らしさもありません。
高い実釣性能も備えていますが、最高峰のデザインを道具として使いたい!...といった理由だけでも19アンタレスには十二分な価値があります。
使用感
19アンタレスは、最近のベイトリールとしては重めの自重220g。実際に使っていると、特にワーミングでの操作時や、近距離にピッチングやショートキャストを繰り返す際、やや重量を感じる事は事実です。
ですが、パーミングすると手に収まりやすい形状で、慣れてしまえば十分軽快に扱える重さでした。
引き抵抗の強い巻物などでは、逆にその重さがガッシリとした安定感に繋がり、軽量リールとはまた異なる使い心地ですね。
パワーのあるロングロッドなど、軽量リールではバランスが取り難いタックルとの組み合わせも良好です。
後の項で詳しく紹介しますが、キャストフィールと巻き心地・巻き上げパワーも最高です。
同じ34㎜径19㎜幅のMGLスプールⅢを搭載する20メタニウムと比べても、1ランク上のキャスト感をハッキリと感じ取る事ができました。
ガッシリとしたボディと大型ギアによる巻き上げも素晴らしく、ロープロファイルのベイトリールとは思えない安定感があります。
使用用途
19アンタレスは、7g~1ozクラスまで、幅広いルアーをキャストしやすい特性です。
5g以下のライトテキサスなどでも十分扱え、重量級ルアーをフルキャストしても歪み難いボディは抜群の安心感。ベイトフィネスのような特殊な用途を除き、ベイトタックルで扱うバス用ルアー全般において、最高峰の使用感を堪能する事ができました。
太めのラインを使って複雑なカバーを攻略する用途でも、ボディの剛性感と力強い巻き上げパワーがアドバンテージになります。
1ozクラスのヘビキャロやバイブレーションを遠投する、ビッグベイトやジャイアントベイトを多投する...といった用途に専念するなら、よりスプール径が大型リールの方がいいですね。
ただ、近距離~遠距離まで、バスフィッシングで多用するルアー全般がバーサタイルに扱いやすいのが34mm径スプールの特徴。そうしたルアー全般を、フラッグシップモデルならではの最高峰な使用感で扱えるのが19アンタレスのメリットです。
キャスティング
「19アンタレス」で実際にルアーを投げてみた所感を紹介します。
キャストフィール、キャストアキュラシー、飛距離
19アンタレスで最初にルアーをキャストした際、1投目からハッキリと違いを体感できました。
遠心ブレーキ特有の突き抜ける様なキャストフィールが最高で、正に無重力と呼ぶに相応しい投げ心地。SVSインフィニティは、旧型のSVSブレーキシステムと比較すると初動のブレーキがしっかりと効くので、旧モデルのアンタレス(初代アンタレスやアンタレスAR)と比較すると抜け感がマイルドになった印象です。
それでも、キャストするルアー自体が重力から解き放たれたようなキャスト感は健在。フルキャストでの遠投は勿論、ピッチングや近~中距離のショートキャストでも、他のリールとは異なる浮遊感を体感できました。
心地よいキャストフィール = 飛距離が劇的にアップする...という訳ではありませんが、脳内でイメージする無重力感覚とシンクロし、体の一部と錯覚するようなフィーリングでキャストできる印象。マグネットブレーキやDCブレーキでは体感しにくい爽快感で、特にピッチングやショートキャストの伸びは快適そのもの。
イメージ通りのキャストが1段階伸びる様な感覚で、狙った所に高精度で投げ込みやすい特性です。
同じ34mm径で19㎜幅のMGLスプールⅢを搭載する20メタニウムと比較しても、キャストフィールの心地よさは上だと感じました。
ほぼ同等なスプールを搭載する20メタニウムを上回る使用感は、正直驚きです。
実釣性能で差が出るレベルではありませんが、19アンタレスの方が投げていて明らかに気持ちいいいですね。
ブレーキシューの構造や、歪みの少ないボディなど、フラッグシップモデルとして高精度に仕上がったトータルバランスが、こうした高性能を実現させているのかもしれません。
飛距離についても申し分が無く、遠心ブレーキ特有の伸びを存分に体感できました。
重量級ルアーを遠投させる用途なら、21アンタレスDCのような大径スプールの方が有利ですが、様々なレギュラークラスのルアーをキャストするスタイルにおいて、19アンタレスは最高峰のバーサタイル性能を発揮してくれます。
トラブルレス性能
遠心ブレーキは、DCブレーキやマグネットブレーキなどと比較して、バックラッシュなどのトラブルレス性能が低い印象でした。
どちらかと言えば扱いが難しく、上級者向けなブレーキ...というイメージです。
ただ最新のSVSインフィニティは、ブレーキがしっかりと作用し、特にキャスト初動の制御が効きやすいイメージ。なので、DCブレーキやマグネットブレーキ程では無いものの、かなりトラブルが少なく、扱いやすくなっています。
さらにスプールが低慣性化し、横幅を狭めるナロー化でブレーキが作用しやすくなっている点も見逃せません。
トラブルレス性能が大幅に向上した事で、19アンタレスは決して上級者専用リールではなく、釣り人の技術と共に最適なパフォーマンスを発揮してくれるベイトリールに仕上がっています。
ブレーキセッティング
▲19アンタレスの外部ブレーキダイヤルは、微妙な調整をスムーズにセッティングしやすい
19アンタレスで気に入っている点の1つが、外部ブレーキのセッティングしやすさ。サイドプレートに取り付けられたツマミが、スピーディーかつスムーズなブレーキ調整を可能にしています。
最近のシマノベイトリールは、多くのモデルが外部からSVS調整可能になっていますが、機種によってはダイヤルが若干硬い場合も。
ルアーチェンジした時やフィールド状況の変化など、素早くブレーキ設定を変えたい場合、19アンタレスの外部ブレーキダイヤルは重宝します。
近距離から中距離を撃ち続ける場合、内部ブレーキシュー4個をONにしたまま、外部ブレーキ中央付近(4~6段階目あたり)でほぼ全ての状況をカバーできました。
内部ブレーキシューが4個ともONの状態でも、外部ブレーキを最小にすれば、ちょっとした遠投で十分飛距離が出ます。
ロングディスタンスを遠投するシーンにおいては内部ブレーキシューを3個ON、バイブレーションなどの投げやすいルアーの場合は内部ブレーキシュー2個だけON...といったセッティングで、より快適に飛距離を叩き出す事ができますね。
ただ、内部ブレーキシュー4個でもかなり飛距離が出るので、1日を通じて外部ブレーキでしか調整しない事もありました。
MGLスプールⅢでレスポンスが良くなった回転性能を、最大限発揮できるブレーキシステムと言えそうですね。
スプール重量
▲19アンタレスのスプール重量は約13.4g
19アンタレスのスプール重量は、ベアリングやシャフト込みで約13.4g。同じ34㎜径19㎜幅の20メタニウムのスプールが約14gだったので、若干軽量化されているようです。
数値的には微妙な差ですが、実際のキャストフィールは19アンタレスの方が快適。極端な性能差は無いものの、ボディ精度やこうした微妙なスプールの違いが、ハイエンドモデルならではの性能に繋がっているのかもしれません。
巻き心地、パワー、感度
「19アンタレス」の巻き心地や巻き上げパワー、リール感度について紹介します。
巻き心地、巻き上げパワー
19アンタレスは、極上の巻き心地を備えたベイトリールです。
フラッグシップモデルに相応しく、バス釣りで王道となる34mm径スプールを搭載するロープロファイルベイトリールの中ではトップクラスのリーリング性能ですね。
前モデル12アンタレス(37mm径のスプール)や21カルカッタコンクエストなど、より大型なベイトリールや丸型リールには及ばないものの、手に収まりやすいロープロファイルベイトリールとは思えないしっとりとした巻き心地。20メタニウムやバンタムといった最新シマノリールに採用されている一体型コアソリッドボディは採用されていませんが、非常に肉厚で屈強なボディ構造が、抜群の安定感でスムーズなリーリングを支えています。
6mクラスのディープクランクや引き抵抗の強いリップ付きビッグベイトなどを1日中巻き倒すような用途で無い限り、リーリングで不足を感じる事はなさそうですね。
そうした負荷の高い長時間のリーリングでも、19アンタレスで出来ない事は無い!...とすら感じてしまいます。
特に、19アンタレスに搭載されているマイクロモジュールギアは、リーリング途中に急激な負荷がかかった場合や、引き抵抗の強いルアーの巻き始めなどでもトルクが発揮されやすく、安定した巻き上げパワーを発揮。手元で安定しやすいボディ重量もあるので、丁寧なリーリングを持続させやすい特性です。
マイクロモジュールギアはその構造上、ウィンウィンという異音を発生させやすいのですが、自分が使用する範囲では気にならないレベルでした。
個人的には、全く無音の静寂性を伴った滑らかさではなく、引き抵抗が強いルアーでもブレる事なくイメージ通りにトレースできる安定性こそ、マイクロモジュールギアの魅力だと感じています。
リール感度
近年のバス用ベイトリールは、非常にコンパクトかつ軽量化された事で、パーミングした際のリール感度も向上しています。
ロッドに伝わる情報や、ラインを微妙に振動させる繊細な違和感など、リールを収める手の中にもしっかりと伝わりやすくなっていますね。
従来のシマノリールは、非常に強固で高い剛性感があり、高精度高強度な仕上がり。物体として絶対的な存在感があるので、ちょっとした違和感でも感じ取りやすい特性があります。
ただ、あまりにもボディが強固な為か、小さな感度情報はスポイルされやすく、リール本体から伝わる違和感をキャッチしにくい場面も多いと思っていました。
19アンタレスは、シマノらしい強固なボディを持ちつつ、内部が適度に空間を設けた構造になっていると感じます。
重量があるので、小さな感度をそのまま吸収してしまうような印象がありましたが、リール内部で適度に情報が反響され、パーミングしている手に伝わりやすいイメージ。高剛性なボディを持ちつつ、巻き上げるラインや、ロッドのリールシートから伝わる感覚が、手の内でキャッチしやすいと思います。
高強度でブレにくい特性と、適度に内部反響させる設計が絶妙で、小型で軽量なベイトリール程ではないものの、19アンタレスはリール感度においても十分な性能だと感じました。
19アンタレスのカスタムパーツ
19アンタレスのカスタムパーツについて紹介します。
19アンタレス | グランブルーリンク 下町スプール
19アンタレスは、サイドプレートをオープンさせ、スプールが取り外しやすい構造です。
ラインセッティング違いなど、複数スプールを交換して使い分けたい場合に便利ですよね。
ただ、20メタニウムと比べると、カスタムスプールがあまりラインナップされていない事がネックです。
自分の知る限り、19アンタレスで市販されているカスタムスプールは、「グランブルーリンク(GranblueLINKE) 下町スプール(Rev2-19A)」くらいしかありません。
非常に高価で、個人生産に近いピーキーなカスタムスプールですが、その使用感はかなり快適です。
19アンタレス用下町スプール Rev2-19A | 性能・スペック
19アンタレス用の下町スプールは、次の2タイプがラインナップされています。
A-spec
寸法:34mm/19mm
重量:8.6g
材質:超々ジュラルミン/ ステンレス
表面処理:アルマイト
糸巻量:PE1号-75m, フロロ7Lb-48m
価格:25,000円
B-spec
寸法:34mm/19mm
重量:8.5g
材質:超々ジュラルミン/ ステンレス
表面処理:アルマイト
糸巻量:PE1.5号-100m, フロロ10Lb-70m
価格:25,000円
下町スプールのインプレッション
▲グランブルーリングの下町スプールを搭載した19アンタレス
下町スプールは、非常に高価で生産数の少ないカスタムパーツですが、その性能はバツグンです。
自分はライトバーサタイルのB-specを使用していましたが、明らかに軽量ルアーの飛びが向上しました。
非常に低慣性なスプールで、ノーマルブレーキより内部ブレーキシューを1個OFFした状態でベストバランスなイメージ。ブレーキを弱めてもトラブルが発生しにくく、結果的に通常ルアーでも飛距離を伸ばす事ができます。
下町スプールのキャスティング性能は想像以上に快適で、今まで使用した純正・他社製スプールより高いパフォーマンスだと感じました。
ただ、GranblueLINKE は大手のカスタムメーカーではなく、個人レベルに近い(まさに下町な)製造スタンスです。
基本は受注生産の為、入手が非常に困難。また、SVSユニットを支える純正のOリングが装着できない...など、ロットごとに設計や精度が微妙に異なっています。
なので、社外品カスタムである事を、大手メーカー以上に許容できる方にしかおすすめできません。
下町スプールの取り付け
▲左:19アンタレス ノーマルスプール 右:下町スプール
ブレーキやベアリングを移植した場合、ノーマルより約1.2g程軽量化されます。ライン量が軽減するので、実際のキャストフィールは相乗以上に向上。
下町スプールは、純正のスプールからSVSユニットとベアリングを移植する必要があります。
自分は次の2つの工具を用いて移植しました。
19アンタレスのSVSユニットはOリングで押さえられているので、少し外しにくいのが難点。慎重に少しずつ外す必要があります。
自分が購入したロットでは、SVSユニットやベアリングを抑える純正Oリングが下町スプールに装着できませんでしたが、実用面で特に問題無さそうでした。
19アンタレス用 | KDW(カケヅカデザインワークス) オフセットクラッチ(クロームメッキ&ブランキングモデル)
▲KDWのオフセットクラッチ(ブランキングモデル)を装着した19アンタレス
KDWのオフセットクラッチは、多くの方に愛用されているカスタムパーツです。
特にシマノのベイトリールを多用される方にとっては、無くてはならないアイテムの1つと言えるのではないでしょうか。
クラッチを切りやすいオフセットな形状は、体験した事のある人にしか分からない快適さ!加えて、スプールに極限まで近づけた構造はサミングが非常にやりやすく、自分のキャスティング技術が向上したと錯覚するほどです。
あらゆるシーンでベイトリールが使いやすくなりますが、特に近距離~中距離を撃ち続ける用途において最高の使用感を実感できました。
2022年8月現在、19アンタレス用のオフセットクラッチ(ブランキングモデル)は品切れ状態です。
ですが、20メタニウム用と兼用で、新たな19アンタレス用のオフセットクラッチ(ブランキングモデル)が開発中との事。待ち遠しいですね。
穴が空いていない非ブランキングモデルであれば、現在も在庫があるようなので、使用感優先の方にはおすすめです。
オフセットクラッチの取り付け
▲スプールを外した隙間から、クラッチを止めるネジを外す。ノーマルは1本のネジで止まっている。
19アンタレス用のオフセットクラッチは、スプールを取り外した隙間からネジを外す事で交換できます。
全分解まで必要ないので、比較的手軽に取り付けできますね。
ただ、ある程度マッチした工具が無いと、ネジの取り外しや取り付けに苦戦する事も。KDWのサイトを参考に、自分は次の工具を購入しました。
まとめ
「シマノ 19 アンタレス」は、アナログ遠心ブレーキを搭載する最高峰のベイトリール。とは言え、軽さと高剛性を備え、同等スプールを搭載する「シマノ 20 メタニウム」と比較すると、絶対的な実釣性能に差はありません。
ですが、非常に精密に作られたハイエンドモデル特有の仕上がりは、1ランク上のキャストフィールや巻き心地を発揮してくれます。
極端な性能差はないものの、バスフィッシングで繰り返すキャストとリーリングを最高に気持ちよくさせてくれるリールですね。
近距離~中距離を撃ち続ける用途など、ワーミング主体であれば、より軽量な20メタニウムにアドバンテージがあります。
しかし、巻物の使用率が高い場合や、1つのリールをバーサタイルに活用したい場合、やはり19アンタレスは別格の使用感。高価な事もあり、決して万人におすすめできるリールではありませんが、遠心ブレーキ搭載機で最高を求める方であれば、1度は手にしていただきたい1品です。
20メタニウムを使われている方が、実釣性能面で19アンタレスを選ぶメリットはさほど多くはありません。
それでも、フラッグシップモデルだけが持つ圧倒的な外観・仕上がりは、道具としての性能以上に感じる満足が確かに存在します。
19アンタレスに合うロッド
アナログ最高峰のベイトリール「19アンタレス」には、やはり高性能なバスロッドがベストマッチ。ロープロファイルで操作性がよく、安定した巻き上げパワーを発揮するので、バーサタイルに使用できるロッドがいいですね。
おすすめは、「シマノ 21 ポイズングロリアス 1610M」。様々なルアーへの適応性と遠投性能を備えた王道バーサタイルモデルで、最新技術によって更に軽さとシャープさを進化させた1品です。
また、大規模フィールドで使用される多彩なルアーへの適応力を高めた「シマノ 21 ポイズングロリアス 174MH+」もおすすめ。巻物からワーミングまで、パワーと遠投性能を存分に発揮できるロッドです。
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