リール

シマノ 21カルカッタコンクエスト 100HG | 実釣インプレ

シマノ カルカッタコンクエスト 2021

2021年に発売されたベイトリール「シマノ 21 カルカッタコンクエスト」のインプレをレビューします。

「カルカッタコンクエスト 2021年モデル」は、前作となる2014年モデルから7年ぶりにモデルチェンジした新作。歴代の中でも劇的な進化を遂げているのではないでしょうか。
ベイトキャスティングリールの原点とも言える丸型ボディ。しかしバス用途としては、低く握り込めるロープロファイル・リールが主流となっています。
その中で、あえて丸型の最新フラッグシップモデルとして登場した21カルカッタコンクエストの魅力や特徴を、実際に使った使用感を交えて紹介します。

趣味のアイテム・道具として、最高の所有感と究極の嗜好性。その上で、進化が止まない現代バスフィッシング用タックルとして十二分な存在感と説得力を放つ1品!
実釣では、ハイギアモデルの「カルカッタコンクエスト 100HG」を使用しました。

21カルカッタコンクエスト 100 / 101 | 魅力と特徴

公式サイト

シマノ 21カルカッタコンクエスト

品番 ギア比 最大ドラグ力 自重 スプール寸法 ナイロン糸巻量 最大巻上長 ハンドル長 ベアリング数 定価(円)
100 RIGHT 5.6 4.5kg 220g 径33mm/幅19mm 12lb-100、14lb-90m、16lb-80m、20lb-65m 58cm 42mm 13/1 54,600
101 LEFT 5.6 4.5kg 220g 径33mm/幅19mm 12lb-100、14lb-90m、16lb-80m、20lb-65m 58cm 42mm 13/1 54,600
100HG RIGHT 7.4 4kg 220g 径33mm/幅19mm 12lb-100、14lb-90m、16lb-80m、20lb-65m 77cm 42mm 13/1 54,600
101HG LEFT 7.4 4kg 220g 径33mm/幅19mm 12lb-100、14lb-90m、16lb-80m、20lb-65m 77cm 42mm 13/1 54,600

21カルカッタコンクエスト100と101の性能・スペックは上記の通りです。

カルコンとも略される同リールは巻物用途で高い評価と実績があり、旧モデルはノーマルギアモデルが先行でリリースされる傾向でした。
しかし、2021年モデルはハイギアモデルも同時発売。カバーへの撃ち物でも、力強いパワーと十分な巻き上げ速度で活躍が期待できますね。

軽量でロープロファイルなベイトリールと比べると、剛性が高いメタルボディの21カルカッタコンクエストはそれなりに重量があります。
ただ、ボディがかなりコンパクトに小型化され、非常にパーミングしやすいサイズ感。100番台は、過去モデルのカルカッタコンクエスト50番台に迫る大きさで、小さく握り込んで高い操作性を発揮できる仕上がりになっています。

21カルカッタコンクエストの採用技術・テクノロジー

21カルカッタコンクエストは、巻物に向いたバス用ベイトリールとして極限の進化を遂げています。
金属素材でガッチリと剛性感が高い「HAGANEボディ」、高密度に噛み合う「マイクロモジュールギア」など、シマノの最新技術をフル導入。最近はロープロファイルなベイトリールにも同技術が採用され、高いリーリングパワーと巻き心地を実現していますが、丸型リールではその効果がさらに圧巻です。
キャスティングや操作性に重きを置いて進化したロープロファイルモデルに対し、糸巻き機としての初期目的で誕生したベイトリールは丸型でした。
その原点となる丸型ボディは、ギアボックスやドラグなど、巻き上げに関連する機構において最も自然な設計形状であるように思えます。

巻きに関する注目技術として、21カルカッタコンクエストは「インフィニティドライブ」を採用。バス用ベイトリールとしては初めて、そして現時点で唯一となるテクノロジーです。
インフィニティドライブは、ソルトで青物を釣り上げるジギングリールやスピニングリールに採用されていた新機構で、力強く、軽やかな巻き上げを実現。まさに丸型最高峰リールに相応しい技術です。

ロープロファイルなベイトリールでもリーリングが劇的に進化し、力強い巻き心地が標準となりつつある現代バス用タックルにおいて、さらに巻きに特化・進化したモデルが21カルカッタコンクエスト最大の特徴と言えそうですね。

21カルカッタコンクエスト100HGの購入理由

実際、ハイギアモデルの21カルカッタコンクエスト100HGを購入したのも、こうした総合的な巻き上げパワーに魅力を感じたからです。
ロープロファイルリールの巻き上げパワーが向上する中、カルカッタコンクエストの使用用途は、ディープクランクやマグナムクランクといった引き抵抗が強いルアーを1日巻き倒す様なシーンが主体。正直、200番手のローギアモデル以外に魅力を感じていませんでした。

しかし、ここまで巻き上げパワーが進化しているのであれば、巻取り速度がアドバンテージとなるハイギアモデルでも、かなりのトルクとパワーを期待できます。
加えて、非常にパーミングしやすいコンパクトな形状デザインがプラス材料。カバーへの撃ち物でも、重心を手元に置いた操作が可能となり、強引な巻き上げパワーをメリットとして活かす事が可能です。

十分な巻き上げ速度を兼ね備えつつ、十二分なパワーとトルクでルアーを快適にリトリーブ。加えて、バスとのファイトを強引に展開できる点からも、他のリールとは異なる特別な使用感を期待させてくれます。

完成されたスプール性能 | MGLスプールⅢ(マグナムライトスプール スリー)

さらに2021カルカッタコンクエストは、「マグナムライトスプールⅢ」を採用している点も見逃せません。
横幅を狭めたナロー化がスプールに施され、耐久性を損なわない肉薄化によって軽やかなキャストフィールを実現しています。

前モデルとなる2014年カルカッタコンクエスト100番台が直径36㎜のスプールだったのに対し、2021年モデルは33mm径。初代カルカッタコンクエストやDCシリーズ同様のサイズに戻っています。(200番台は2014年モデルで40mm径、2021年モデルで38mm径)
バス用バーサタイルで王道となる34㎜径スプールよりやや小口径化された33mm径スプールは、クランクやスピナーベイトといった空気抵抗が大きいルアーでも投げやすいのが特徴。ナロー化による低慣性化も加わり、よりトラブルが少なく、軽めのルアーも投げやすい特性ですね。
遠心ブレーキシステム「SVSインフィニティ」も様々な機種でマイナーチェンジを繰り返された最新型で、丸型のアナログリール機として完成系とも言える仕上がりです。

丸型リールとしての究極とも言える巻きの進化、それでいてコンパクトに持ちやすい形状、加えて完成されたスプールを搭載している事が21カルカッタコンクエストの魅力。
極限性能を追求した最新ロープロファイル・ベイトリールとは異なる、丸型独自の嗜好性・所有感を楽しめ、それでいて実釣スペックにも妥協やスキが感じられないクオリティです。

その他の採用技術や特徴

21カルカッタコンクエストの技術や性能について、さらに興味をお持ちの方は次の記事も参考にしてみてください。

丸型・円形リールの最高峰! | シマノ カルカッタコンクエスト 2021年ニューモデル!!
出典:SHIMANOシマノの2021年新製品モデルとして、丸型ベイトリール「カルカッタコンクエスト」がモデルチェンジします。カル...

外見、デザイン

シマノ 21カルカッタコンクエスト 専用ケース

▲21カルカッタコンクエストには高品質な専用ケースが付属

新機能や最新テクノロジーを満載している21カルカッタコンクエスト。しかし、その最大の魅力は、独特な外観、デザイン、質感にあると感じています。
ゴールドに輝くボディは、他のリールには無い存在感を強烈に放ちつつ、非常に高品質なテイスト。「金色のデザイン」と聞くと、一瞬ハデすぎて悪目立ちする懸念もありますが、カルカッタコンクエストに限ってそれは当てはまりません。
金属を削り出して生成された丸型ボディを、最も際立たせてくれているカラーだとすら感じてしまいます。

1度手にすると、魔力に惹かれてしまうような、何とも言えない魅力。

長年手放せなくなるリール

自分は比較的頻繁にリールを入れ替えていますが、初代カルカッタコンクエストは10年以上手放せませんでした。
個人的に使いやすいと感じている他のリールをメインにしている時でも、カルカッタコンクエストの満足感には抗えない状況。いつまでも所有感を満たしてくれる普遍的な丸型デザインと、ディティールのクオリティ、そしてゴールドの輝きが圧倒的なバランスと完成度で存在していると言えますね。

加えて、見た目だけでなく、タフで耐久性に優れた特性が道具としての品質を長年満たしてくれます。
特に「21カルカッタコンクエスト」は、握り込みやすい最新形状でリーリングやキャスティングにも妥協が無いスペック。使い心地の良いパフォーマンスが最高の外見デザインに盛り込まれて、他に代えがたい存在となっています。

ディティールまで作り込まれた「Sコンパクトボディ」

シマノ 21カルカッタコンクエスト と 20メタニウム

▲写真右下の20メタニウムと比べても、コンパクト感が際立つ21カルカッタコンクエスト100HG

丸型リールは、強い巻き上げパワーを発揮しつつも、握り込むにはサイズ感が大きすぎ、パーミングしにくいと感じる事もありました。
そうしたデメリットを解消したのが、2012年モデルのカルカッタ(コンクエストでは無い)で採用された「Sコンパクトボディ」。パーミング側のボディをハンドルやギアボックス側より小型化する事で、コンパクトな持ち感を実現しました。

ただ、ある意味で左右のバランスが歪となるSコンパクトボディは、丸型リールを好む釣り人からも賛否が分かれていたと思います。
しかし、さまざまなモデルチェンジで年月を重ね、丸型のフラッグシップモデルとも言える21カルカッタコンクエストは、「Sコンパクトボディ」を採用しつつ、絶妙なバランスで歪さを感じさえない外観へと進化しました。

金属を削り出したエッジ、研磨されたようなカーブやラインの組み合わせが、Sコンパクトボディの左右バランスを1つの完成系としてデザイン。肉抜きのピンホールですら1つ1つが作り込まれ、非常に細かいディティールの集合体が、Sコンパクトの丸型ボディを1つのモノとしてパーフェクトに存在させています。

また、パーミング側が小型化されるSコンパクトボディは、ギアボックスやハンドル側に重心がかかりすぎる傾向もありましたが、幅を狭めるナロー化が施された21カルカッタコンクエストは重心が中央に寄る形となり、かなり良好なバランスだと感じました。

キャスティング | キャストフィール、キャスタビリティ

シマノ カルカッタコンクエスト 2021

「2021 カルカッタコンクエスト 100HG」でルアーをキャストした感想を紹介します。

スプール重量

シマノ 21カルカッタコンクエスト スプール重量

▲21カルカッタコンクエストのスプールは約13.5g

シマノ 21カルカッタコンクエスト スプール重量

▲フロロカーボンラインをフルに巻いた状態で約27.0g

21カルカッタコンクエストのスプール重量は約13.5g。ブレーキシステムのユニットに加え、スプール回転の遠心力に影響が少ないベアリングやシャフト込みの重量なので、十分軽量な部類に入ります。
マグナムライトスプールは、遠心力に影響の大きい箇所を軽量化しているので、実際のレスポンスはスプール重量以上にスムーズな感覚。また、スプール幅を狭めたナロー化によって、より低慣性でトラブルの少ないキャストが期待できます。

キャストフィール

シマノ 21カルカッタコンクエスト

▲7gのシャッドでも爽快なキャストフィール

実際に21カルカッタコンクエスト100をキャストした印象は、想像以上に軽やかなキャストフィール。重厚なボディとは裏腹に、上質で軽やかなキャスト弾道が快適でした。

同じMGLスプールⅢを搭載する20メタニウムでも、遠心ブレーキ特有の軽やかなキャストフィールを体感できましたが、21カルカッタコンクエスト100はそれを上回る爽快さです。
遠心ブレーキを搭載するベイトリールは、キャスト後半に過剰なブレーキを感じることが少なく、抜けるような投げ心地。そうした重力から解き放たれたような感覚を、21カルカッタコンクエスト100の場合はキャスト初動から体感するイメージです。

初動のパワーとスピードで勢いよくルアーがはじき出されると言うより、全くの無抵抗な空間を僅かな力でどこまでも飛んでいくフィーリング。正直、1投目からかなり気持ちのいいキャストに驚きました。

19アンタレスや20メタニウムといった王道バーサタイルリールが34mm径スプールなのに対し、21カルカッタコンクエストが採用するスプールは33㎜径。僅か1㎜ですが、この違いがかなり効いている印象です。
スプール回転の立ち上がりが軽やかで、軽い力でもスムーズなキャスト弾道を得やすい特性だと思いました。

34㎜径スプールを搭載するモデルでも、ラインを巻く量を減らす事で、ある程度スプール回転の立ち上がりを良くする事は可能です。(ラインを巻く箇所の直径が小さくなる)
ですが、物理的に存在する最も外側のスプールエッジが小口径に収まっている事は、ライン量のセッティングでは超えられない特性があると感じました。

ただ初動の回転がスムーズな分、キャスト後半の失速が早い事も21カルコン100の特徴。バイブレーションなどの遠投性が高いルアーをロングキャストする用途においては、34㎜径スプールを搭載するバーサタイルリールに分がありますね。
21カルカッタコンクエスト100の場合、キャスト時の姿勢が安定しにくく、少し投げにくいようなプラグやワイヤーベイトなどを、必要に応じた距離に対してスムーズに投げやすいのがメリットです。

キャスタビリティ

21カルカッタコンクエスト100はスプール回転の立ち上がりが良く、キャスト初動からスムーズな弾道でルアーを投げやすい特性。その為、狙った場所にルアーを非常に投げやすいと感じました。
ショートキャストは勿論、キャスト全体が軽やかで、中距離や遠距離でも高いキャスタビリティを発揮します。

リール本体がややズッシリと重量感があるのですが、丸型リールとしては持ちやすく、キャスト時は手元で重心が安定する点もいいですね。
ロープロファイルなバーサタイル程の細やかな操作性はありませんが、的確なキャストでポイントにアプローチしつつ、強引なやり取りを行う用途に向いていると感じました。

21カルカッタコンクエスト100 | ブレーキセッティング、ブレーキ設定

シマノ 21カルカッタコンクエスト 外部ブレーキ

▲外部ダイヤルだけで幅広いブレーキセッティングが可能。ダイヤルは高品質で微調整しやすい構造。

自分の場合、「21カルカッタコンクエスト100」の内部にあるブレーキシューは4つとも全てONの設定がデフォルト。外部ダイヤルは中央からややMIN側に寄せた状態で、近距離から中距離までを手返し良く投げる用途で使っています。

シマノ 21カルカッタコンクエスト ブレーキシュー

▲リール下部にあるレバーをスライドさせるとワンタッチにサイドが開き、ブレーキシューを調節可能

ただこの設定では、バイブレーションやメタルバイブのようなキャスト性能の高いルアーを使用すると、かなりオーバーブレーキな印象。こうしたルアーを使用する時は、内部ブレーキ2つだけをONの状態にしています。
また、遠投を含めたキャスティング主体の場合も、内部ブレーキ2~3つONのセッティングが使いやすいですね。
内部ブレーキ4つONで外部ブレーキを最小にしてもある程度飛びますが、内部ブレーキシューを減らす効果は絶大です。

SVSインフィニティは、古い形式の遠心ブレーキに比べてしっかりとブレーキが効きやすく、キャスト初動のトラブルが少ない点もGOOD!!

シマノ 21カルカッタコンクエスト

▲カルカッタコンクエストの特徴的なメカニカルブレーキ

メカニカルブレーキの設定は、取扱説明書に記載がある通り、スプールのガタが無くなる状態から少しだけ締めたセッティング。遠心ブレーキモデルは、スプールの回転が弱まった時にブレーキがほぼ無くなるので、メカニカルで常時掛かるブレーキをキープしておいた方が使いやすいと思います。
スキッピング時や強風下でのキャストなどでは、さらにメカニカルブレーキを締める事でトラブルを軽減可能。21カルカッタコンクエストのメカニカルブレーキは大型で摘まみやすく、細かい区切りでクリック音が鳴るので、微調整しやすい設計なのが好きです。

最近のベイトリールは、スプールのガタをゼロにする設定が一般的ですが、リールの特性に応じて微妙に調整方法が異なっているようです。
詳細について興味をお持ちの方は、次の記事も参考にしてみてください。

その設定あってる? ゼロポジションのブレーキ設定 | ベイトリール メカニカルブレ...
近年のベイトリールは、キャストフィールや巻き心地、剛性感が飛躍的に進化しています。さらに適合ルアーの領域が広がり、ト...

小口径スプールのキャスティング | メリット・デメリット

シマノ カルカッタコンクエスト 2021

21 カルカッタコンクエスト 100HG のキャストで感じたメリット・デメリットを紹介します。

21カルカッタコンクエスト - メリット

21カルカッタコンクエスト100のメリットは、やや小口径な33㎜スプールの立ち上がりの良さ。回転し始める動作が軽やかで、様々なルアーを快適にキャストできる点です。
それは、ショートキャストでもロングキャストでも精度の高さに繋がり、実釣性能として確かなアドバンテージですね。

丸型リールは、ラインを放出するレベルワインドがスプールに近く、キャスト時の抵抗となってしまう傾向があります。
ですが21カルカッタコンクエストは、スプールがナロー化された事で左右幅によるライン放出角度が緩和され、従来の丸型リールに比べると軽快なキャスティングに仕上がっていると感じました。

小口径・低慣性なスプールはバックラッシュなどのトラブルも少なく、軽めのルアーや飛行姿勢が安定しない投げにくいルアーでも扱いやすいのが特徴。
流石に軽量ルアーについては、アルデバランMGLといったライトバーサタイル機やベイトフィネスリールに比べると見劣りしますが、16lbのフロロカーボンを巻いてバーサタイルなMパワーロッドに装着した状態でも、近中距離であれば5g程度のルアーにもある程度対応できます。
そして、7~14gのルアー、3/8~1/2ozのワイヤーベイトなどレギュラークラスのルアーであれば、かなり軽快に扱いやすいベイトリールだと感じました。

レギュラークラスのルアーに対する遠投性能やトータルのバランスで言えば、確かに19アンタレスや20メタニウムといったバーサタイルリールの方が万能。21カルカッタコンクエストは、投げにくいルアーを安定的にキャストしやすい特性に寄せているイメージです。

21カルカッタコンクエスト - デメリット

スプールの立ち上がりが良く、キャスト初動から軽快な弾道でルアーを飛ばせる21カルカッタコンクエストですが、逆に失速するのも早い特性。遠投性能においては、34㎜径スプールのバーサタイルリールに分があります。

また、バイブレーションのような重心バランスが良いルアーをキャストする場合や、反発力が強いロッドでビシッと投げる場合も、スプールがオーバー回転してブレーキが過剰にかかりすぎると感じました。
その分だけ、21カルカッタコンクエストは軽量ルアーも扱いやすいとも言えますが、ライトバーサタイル機やベイトフィネスリール程のパフォーマンスはなく、悪く言えば器用貧乏なリールと言えますね。

しかし、7g~10gあたりの軽量で投げにくいプラグをスムーズにキャストしやすく、粘り調子な中弾性やグラスロッドでも鋭い弾道でキャストできる、といった他のリールとは異なる使い勝手が特徴とも言えます。

使用感 | 巻き心地、巻き上げパワー、巻き感度

シマノ カルカッタコンクエスト 2021

「21カルカッタコンクエスト 100HG」の巻き心地やリーリングパワーなどの使用感を紹介します。

シルキーな巻き心地、巻き感度

初代モデルから、カルカッタコンクエストは「シルキーな巻き心地」が謳い文句。あえて丸型リールを使用する上で、最も期待されるパフォーマンスではないでしょうか。

しかし、全くの雑音が聞こえない無音状態のような巻き心地を期待していると、予想外にガッカリするかもしれません。
そうした特性は、19アンタレスや21アンタレスDCの方が優れている印象。過去のカルコンと比較しても、21カルカッタコンクエストは静寂性に優れた巻き心地では無さそうです。

これは「巻き心地が悪い」という意味ではありません。
むしろ、尋常じゃないレベルの精密さで組み上げられた各パーツが、非常に緻密でタイトなリーリングを実現していると感じました。
例を挙げると、ほぼガタを感じさせないハンドル。単にハンドルの遊びを無くしただけではなく、軸受けのベアリングを分割してスペーサーを挟むことで、ベアリング内部のガタつきすらも軽減している構造など、道具としての求められるクオリティを大きく凌駕している品質です。

高い負荷がかかる状況でも微妙なズレや狂いを感じさせず、ただ緻密に正確に巻き上続けられる特性で言えば、「シルキーな巻き心地」は疑う余地もありません。

ですが、非常にコンパクトに小型化された21カルカッタコンクエスト100のボディは、リール内部の反響を敏感に感じ取りやすくなっていると感じます。
ボディ形状に余裕があるアンタレスや旧カルカッタコンクエストが装甲で覆われたような静穏性を有していたのに対し、21カルカッタコンクエスト100は、メタルボディながら超小型精密機器のようなイメージ。
内部で駆動するギアや、左右に移動するレベルワインド、そしてスプールの回転や遠心ブレーキシューが揺れ動く様まで、しっかりと手元に伝わる感覚です。
こうした微妙な肌触りを手元に感じる為、完璧な静寂性は得られないものの、実釣を阻害するような不純なノイズは感じられません。そしてこの特性は、リーリング時の巻き感度や、リールそのものの情報伝達性能を大きく高めていると実感します。

実際、巻いている時にストラクチャーに触れたような微妙な振動や、リグをステイしている時にでもラインを伝わってくる細かな水中の様子などが伝達されやすいと感じました。
決して軽量とは言えない頑丈な丸型リールでありつつ、21カルカッタコンクエストはリール本体へ伝わる感度性能に優れていると言えますね。
過去モデルのカルカッタコンクエスト100番と比較しても、ボディ設計の小型化によるメリットは際立っています。

巻き上げパワー、トルク

シマノ 21カルカッタコンクエスト 巻き上げパワー

カルカッタコンクエストの真骨頂は巻き上げパワーの強さ。円形のギアを回転させる事でラインを巻き取るリール元来の目的は、丸型ボディこそが最も自然な設計形状ではないでしょうか。
単にパワーが強いだけでなく、どこまでも緻密で精密な巻き心地が、高負荷なルアーをリーリングする動作を心地よい体験へと変えてくれます。
加えて、小型のギアが精密に噛み合うマイクロモジュールギアは、巻き始め時や不意の負荷が発生した場合でも、トルクフルにリーリングしやすい特性。高い剛性感のあるボディだからこそ、こうした精密な機構がフルにパワーを発揮できると言えますね。

今回自分はハイギアモデルの「21カルカッタコンクエスト100HG」を購入したのですが、巻き上げ力が進化している現行ベイトリールの中においても圧巻のパワーを感じました。
単に巻き上げるだけの強さであれば、現行の最新ベイトリールはどれも劇的に向上しています。
ですが、本体の重さがある事で手元に重心を置きやすく、その上でガッチリとホールドしやすい21カルカッタコンクエスト100HGは、負荷の高いリーリングでもブレにくく、安定した巻き上げを発揮。ボディの歪みやブレも無く、黙々とラインを回収してくれるイメージですね。

試しに、4mクラスのディープクランクを流れの強い河川で巻き倒してみたのですが、やや不安定になりつつも十分巻き続けられるパワー。一般的なハイギアモデルのように、リールを持つ手がブレたり、リーリングがガクッと一瞬ぎこちなく止まる事も少ない印象。勿論、ノーマルギアの方がより快適で安定しますが、ハイギアモデルでも負荷の高いルアーをグイグイ巻けてしまえる安定感は爽快です。
安定したパワーがあるので、ハイギアモデルでルアーを丁寧にゆっくりと巻き上げる動作も苦になりにくく、「ハイギアモデルの巻物は感度がいい」といった定説を存分に実感しました。

巻き抵抗の少ないワイヤーベイトなどを感度重視でリーリングする場合や、カバーに押し込んだリグへのアタリを一瞬の隙も与えずに強引に巻き上げる事ができそうです。

まとめ

シマノ 21カルカッタコンクエスト

21カルカッタコンクエストは、丸型ベイトリールとして極限の進化を遂げた至高の1品。
とは言え、キャスティングや操作性が重視されるバス用途においては、ロープロファイルなベイトリールの方が有利である事に変わりありません。

しかし、伝統的なトラッドスタイルを放つ丸型ボディに、他形状では決してマッチングしないと思えるゴールドのカラーリング。他には代えがたい道具としての魅力が21カルカッタコンクエストにあります。
キャスティングや操作性といった基本性能も、丸型リールとしては完成系に近いと思える仕上がりで、実釣性能にも不足はありません。

そうした外見的な魅力、基本性能、加えて丸型独自のパワーが、非常に精密で頑丈に作られている事も魅力。21カルカッタコンクエストは、道具としての所有感と高性能を、長い期間楽しめるリールと言えますね。

1つの道具に愛着を持って、とことん使い倒してみたい方に「21 カルカッタコンクエスト」はおすすめです。

どれを選ぶか? | 21カルカッタコンクエスト

性能面だけを考えた場合、高負荷を安定して巻き続けられることが丸型リールのメリット。
マグナムクランクや6mクラスのディープクランクなどを1日巻き続ける用途...それらを考えると「200番台のノーマルギア(右ハンドル200 / 左ハンドル201)」1択なのが自分の考えです。

ビッグベイトやスイムベイトのように、負荷がありつつも、時には素早いリーリングでアクションを付ける事が求められる用途には、「200番台のハイギアモデル(右ハンドル200HG / 左ハンドル201HG)」を選びますね。

100番台は、バーサタイルなベイトリールを使うシーンやスタイルで、他とは違った特別な感覚を楽しみたい人に向いています。
「100番台のハイギアモデル(右ハンドル100HG / 左ハンドル101HG)」であれば使用用途の幅が広く、「カバーから強引に引き上げる」「ハイギアで丁寧に巻物を巻いて感度を得る」といった、巻き上げパワーの強さとスピードのバランスを活かした使い方が可能。

小型~中型ルアーを巻物で1日通すようなスタイルであれば、「100番台のノーマルギア(右ハンドル100 / 左ハンドル101)」がベスト。最近は小型クランクでも潜航深度が高いルアーが増えていますし、200番台に比べて圧倒的に軽量ルアーを扱いやすいのが魅力です。

21カルカッタコンクエスト100 に おすすめのロッド

21カルカッタコンクエスト100は、バーサタイル用途のリールとしてはやや小口径なスプールを搭載。キャスト初動に立ち上がるスプール回転のレスポンスが良く、空気抵抗の高いルアーでも鋭い弾道で投げやすいのがメリットです。
合わせるロッドも、高弾性で張りが強いモノより、柔軟に曲がる特性のキャスティング重視な製品がおすすめ。粘りがあるロッドでもレスポンスの良いキャストが可能で、ルアーアクションや魚とのファイト時に曲がる恩恵を存分に発揮できます。

丸型ハイエンドの21カルカッタコンクエスト100に合うロッドは、「ワールドシャウラ 1652R-3」がベストマッチ。バーサタイルなバス用途だけではなく、様々な魚種に対応するフリースタイルロッドのフラッグシップモデルです。
5~7g前後の軽量ルアーが主体であれば、「ワールドシャウラ 1651FF-3」もいいですね。

また、ワールドシャウラ同様に対象魚種を問わないフリースタイルロッド「スコーピオン 1652R-2」も有力候補。ワールドシャウラより手が届きやすい価格帯ながら、ワールドシャウラの旧モデルと同等な強さがある性能が魅力です。
小型~中型ルアーをアクション重視で使用するなら、操作性重視のショートロッド「スコーピオン 1581F-2」も選択肢に。

比較的リーズナブルな価格帯で、バスロッドに専門特化したコストパフォーマンスを考えると、「ゾディアス 1610M」がベストマッチ。携帯性に優れたセンターカット2ピースモデル「1610M-2」もラインナップされています。

小型~中型ルアー、喰わせ重視のワーミングをメインにするなら、「ゾディアス 1610ML」やセンターカット2ピースモデル「1610ML-2」もラインナップされています。

その他、現行ベイトリールやタックルインプレッション

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