2021年秋冬の新製品として、シマノのバスロッド「ゾディアス」にパックロッド版が登場!
ゾディアスパックとも呼ばれるシリーズで、5ピース(または4ピース)に分割されたマルチピースロッドです。
ゾディアスは実売価格が1万円台の比較的スタンダードなグレード。丈夫で、使いやすく、それでいて本格的なバス用途に向けたモデルが揃っています。
特に現行製品は、バスフィッシングの本場である北米市場からフィードバッグを受けて、国内仕様の品質や性能を持ちつつ、アメリカンテイストな仕上がりが魅力。ビッグバスをガッツリ掛けて、しっかりキャッチしやすい特性になっています。
マルチピース版となる「ゾディアスパックロッド」も、北米市場の要望から生まれたシリーズで、機種名が海外用の書式(S70M-5は7フィートMパワーのスピニング)に。長距離移動が多い海外でも、アウトドアやレジャー感覚でバスフィッシングを楽しめるマルチピースロッドの需要があるようですね。
本記事では、ゾディアスパックのスピニングモデル「S70M-5」をレビューします。
フィネススピニングとは一味違う、7フィートのMパワー設計。遠投性能とパワーに優れ、大規模なフィールドのバスフィッシングだけではなく、シーバスやチニングといったソルトにも対応する幅広さ。ショアからのオカッパリによるソルト用にもいいですね。
その高い汎用性をコンパクトに持ち運べる「ゾディアスパックロッド S70M-5」の魅力や特徴を、実際に使ってみたインプレを交えて紹介します。
ゾディアスパックロッド S70M-5 | 性能とスペック、特徴
公式サイトライトリグを操れるキレとビッグバスに対応するパワーを兼備
品番 | 全長 | 継数 | 仕舞寸法 | 自重 | 先径 | ルアーウェイト | 適合ラインナイロン,フロロ | グリップ長 | カーボン含有率 | ガラス他含有率 | 定価(円) | |
S70M--5 | 7'0"ft | 2.13m | 5本 | 47.1cm | 115g | 1.5mm | 5~15g | 5~10lb | 233mm | 97.80% | 2.20% | 24,500円 |
「ゾディアスパックロッド S70M-5」の性能・スペックは上記の通りです。
7フィートのレングス(長さ)にMパワー設定は、バス用スピニングロッドとしてやや強めな設計。超フィネスな用途より、ある程度重さがあるライトリグや軽量ルアーを遠投し、ロングディスタンスでもガッチリとフッキングしやすいパワーと言えますね。
レギュラーファーストテーパーな点からも、キャスティング性能が期待できます。
7~14g前後のハードルアー、3/8ozクラスのスピナーベイトも振り抜けるので、トラブルの少ないスピニングタックルでバーサタイルな釣りが展開可能。チニングやシーバスといった、ショアからのソルトゲームもできちゃいます。
仕舞寸法が47.1㎝と、手軽にいろんな場所に持っていきやすいサイズなので、この汎用性の高さがメリットに。自分が普段使っている仕事用の鞄にもスッポリ入ってしまいました。
▲ノートパソコンを入れている仕事用カバンにスッポリと入る寸法
▲ロッドとノートパソコンは完全にカバンの中
適合ルアー、使用用途
「ゾディアスパックロッド S70M-5」に適合するルアーを紹介します。
最も適したルアーが「最適」、適応するものは「適」、対応可能なものは「可」で分類。ただこれはあくまでも目安で、ルアーやラインといったトータルバランスでさらに用途は広がり、逆にシビアなセッティングでは適応ルアーにおいても扱い難い場合があります。
適合ルアー重量は5~15g。底物を主体としたワーミングなら5~10g、ロッドワークでアクションさせるプラグであれば7~12gが使いやすいと感じました。
上限近くの14gメタルバイブや、5インチクラスの高比重スティックベイトも十分に実用可能なパワーが魅力ですね。
S70M-5は、バス用スピニングモデルとしては長めでパワーがあり、幅広いルアーやリグをシャープに操作可能。超フィネスなライトリグをシェイキングするような用途はやや向きませんが、少し重めのスモラバを近距離カバーへ撃ち込むようなパワーフィネスや、ロッドの長さを活かして広範囲を索敵するキャロなど、フィネスロッドとは異なるバーサタイル性を発揮できます。
最適
- ヘビーダウンショット
- スモールラバージグ
- ジグヘッド
- ジグヘッドワッキー
- ネコリグ
- ノーシンカー
- スプリットショット
- キャロライナリグ
- ミノー、ジャークベイト
適
- ライトテキサスリグ
- ダウンショット
- バイブレーション
- シャッド
可
- テキサスリグ
- ラバージグ
- トップウォーター
- スピナーベイト
- フロッグ
ゾディアスパックロッド S70M-5 | 採用技術・テクノロジー
ゾディアスパックロッドは、2020年にフルモデルチェンジした1ピースや2ピース版ゾディアス同様、シマノの定番技術とテクノロジーを搭載。その中でも、最も特徴的で代表的な技術が「カーボンモノコックグリップ」と「ハイパワーX」です。
カーボンモノコックグリップ
カーボンモノコックグリップは、リアグリップをカーボン一体成型の中空化する構造で、感度の伝達力を向上させる技術。
リアグリップを直接手で触れる事は少ないと思いますが、従来はリア側に流れてスポイルされていた感度伝達の一部が、カーボンモノコックグリップ内で反響されて手元に伝わりやすいと感じました。
ハイパワーX
5ピースに分割されている「ゾディアスパックロッド S70M-5」ですが、ブランクスはキッチリと「ハイパワーX」で補強されています。
ハイパワーXは、縦繊維と横繊維のカーボンシートを丸めたロッド構造の上から、X状のカーボンテープで締め上げて、キャストやファイト時に発生するネジレを抑える技術。
シマノが長年培ってきた技術とノウハウによって、ロッドのブランクスが持つ本来の性能がフルに発揮される仕上がりになっています。
外見、デザイン
「ゾディアスパックロッド S70M-5」の外観やデザイン、各ディティールを紹介します。
しっかりとした品質で所有感も十分!
「ゾディアスパックロッド S70M-5」の外見は、現行の1ピース&2ピースモデルのゾディアスと同じ、スタンダードな黒ベースに赤の差し色が入ったデザイン。
飾り気のない無塗装のような黒基調と、派手な光沢など施されていない重厚なメタリック感のある赤の差し色が、飽きのこない仕上がりに感じさせてくれました。
自己主張が強くないので悪目立ちしにくく、それでいて赤の差し色が個性を表現。それら各パーツを組み上げる仕上がりが丁寧で、価格帯のグレード以上の所有感がありますね。
最近のバス用タックルは、1万台の製品でも本当に品質が向上したと思います。
7フィートという長さと、軽量なカーボンモノコックグリップが操作性重視なショートサイズである事、ハイエンドモデルと比較すると超軽量とは言えないガイドリング仕様の為、ロッド単体で手にすると若干の先重りを感じました。
ただブランクスが非常にシャープな質感で、全体的なバランスと操作感は悪くない仕上がり。自重200~240g程度のリールをセットすると丁度良い使用感です。
160g台の軽量リールでも問題に感じる事はありませんでした。
マルチピースの継ぎ目部分
▲各ピースに機種名が記載されているので、複数本をまとめて持ち運んでも間違えにくいデザイン。
各ピースの継ぎ目部分は、機種の番手が記載されているので、ゾディアスパックロッドを複数本まとめておいても迷わないので便利。こうした細かい配慮も、トータル的な仕上がりの良さとして伝わってきます。
▲ピースの継ぎ目には段差ができるものの、実釣時の使用感に問題は感じられませんでした。
ピースの継ぎ目部分にはブランクス表面の処理が無く、節々で段差のように見えてしまいます。
この段差は、ポイズンアルティマ5ピースのようなハイエンドモデルでも同様なので、マルチピースロッドの特徴として許容範囲ではないでしょうか。
実釣では継ぎ目部分に極端な違和感もなく、ハイパワーXで補強されたロッドらしい、ネジレやブレがイイ感じに抑制された使用感でした。
ガイド
▲ガイドは8個。オールKガイド仕様。
スピニングモデルのS70M-5はオールKガイド仕様。バス釣りでもPEを使用する機会が増えているので、個人的には嬉しい設計です。
各パーツの価格表を見る限り、トップガイドのみが SiC のガイドリング。他はコストが安いアルコナイトだと思われます。
アルコナイトは、PEを多用するアメリカのバス業界でも主流のガイドリング。なので、オールアルコナイトでも問題は無いのですが、TOPガイドがSiCだと精神的な安心感がグッと増しますね。
あと、ガイドのカラーがマットなグレーで、ギア感が溢れる雰囲気も魅力です。
フックキーパー
ゾディアスパックロッドのリアグリップにはフックキーパーが装着されています。
ボートでタックルを入れ替える場合や、オカッパリでのちょっとした移動の際など、ルアーやリグをひっかけられるので便利。フォアグリップより前、バット部分にフックキーパーを装着した場合、リールから放出されるラインと絡まる事もあるので、その点はメリットと言えますね。
ただ、ゾディアスパックロッドのスピニングモデルはグリップが短めで、手元からリアグリップのフックキーパーまでの距離が若干短い印象。十分活用できる範囲ですが、フックキーパーがもう少し後ろにあると、さらに使いやすかったかもしれません。
自分の場合、糸絡みのリスクがあってもフォアグリップ前の方が使いやすかったので、市販品を別途装着しています。
専用竿袋
▲14インチのノートパソコンとサイズ比較
ゾディアスパックロッドの竿袋は非常にシンプル。ハードケースでも無く、ソフトカバーでも無い通常の布袋です。
ただ出荷時は、グリップを除く各ピースがビニールに詰められているので、購入時点で破損の心配は少なそうですね。
持ち運び時に不安がある方は、別途セミハードケースや、保護クロスなどを用意した方がいいかもしれません。
キャスティング | キャストフィール、キャスタビリティ
バスのみならず、チニングやシーバスなどのソルトシーンでも活躍する「ゾディアスパックロッド S70M-5」。しかし、その特性は純然たるバスロッドです。
オーバーヘッドのフルキャストから、ピッチングのようなショートキャスト、さまざまなシチュエーションにおいて、バスロッドとして非常にスタンダードな使用感だと思いました。
バスでも使えつつ、他魚種に対応する製品も増えていますが、どうしても使用感が汎用的になりがちです。
S70M-5はフィネス特化なスピニングモデルにではありませんが、現代の専用バスロッドとして確かな使用感。
キャストフィール
まずキャストして感じた事は、オーバーヘッドによるフルキャストの爽快さ。
7フィートの長さに、バスロットとしてクセの少ないレギュラーファーストテーパーで、快適なロングキャストが楽しめました。
マルチピースの継ぎ目に全く違和感が無い訳ではありませんが、パワーロスも少なく、ロッド全体が十分に曲がり込んで心地よいキャストフィールです。
現行のゾディアスは初代モデルよりカーボン含有率がアップし、比較的シャープな使用感ですが、本質的には中弾性な粘りで使いやすい感じ。特にマルチピースの場合、この粘りがある中弾性的なフィーリングが、継ぎ目部分の違和感を激減させてくれている印象です。
風の強い中、0.8号の高比重PEに3号リーダーのセッティングで、7~10gシンカーのテキサスやフリーリグがぶっ飛ぶ感覚。14gの鉄板系ルアーもフルキャストで振り抜く事ができました。
5g程度のシンカーでも十分な飛距離で、7gあたりの小型トップウォーターでも対応可能。
ティップからベリーに適度なハリがありつつ、ロッドパワーの割に細い先径は軽量ルアーへのレスポンスも悪くありません。
近距離や中距離であれば、3.5gのシンカーでも鋭いキャストが可能でした。
アンダーキャストやサイドでのショートキャスト、ピッチングやロールキャスト、サークルキャストなど、バス用途での様々なキャストも快適。こうした用途では、7g前後シンカーの底物や10g前後のハードルアーが使いやすいイメージです。
自分は向かい風や横風が強いフィールドで釣りをする事が多いのですが、PEラインで1日ラン&ガンを続けてもトラブルは少なめ。バットガイドとバットから2番目のガイドに、PEラインが合計で3回ほど絡みましたが、スムーズに解けた事でKガイドのありがたさを実感しました。
ティップにも2,3度ライン絡みがあったものの、致命的なトラブルにはならなかったです。
ただ個人的には、ラインが引っ掛かりにくく、糸絡みが抜けやすいLGトップが採用されているものも、より絡み抜けがよいMNトップが欲しかったな..とも思いました。
キャスタビリティ
ハイパワーXで補強され、ブランクスにシャープなハリを感じる S70M-5 は、狙った場所に投げ込む精度・キャスタビリティに優れていると感じました。
継ぎ目が多いマルチピースである事を感じさせず、ロッドがネジれずにブレ難い印象。適合ルアー上限近くをフルキャストする場合も、下限近くをピッチングやショートキャストする場合も、狙った意図通りのキャスト弾道でコントロールしやすいロッドですね。
グリップが短めで有効レングスが長い7フィートのロングロッドですが、軽量でシャープなロッド特性がイメージ通りのキャストをストレスなく発揮できます。
近中距離へ撃ち続ける場合も、延々とフルキャストを続ける時も、常に思い通りの場所へアプローチしやすい特性。
フッキングパワー、魚とのファイト
▲レギュラーテーパーに曲がりつつ、バットもググッと微妙に弧を描きます。
「ゾディアスパックロッド S70M-5」のフッキングやパワーについて紹介します。
フッキングパワー
S70M-5の先径は1.5㎜とかなり細い設計。これは、ULやLパワークラスのスピニングロッドと同じ位なので、かなり華奢な印象を受けました。
同じ機種のセンターカット2ピースモデル「20ゾディアス 270M-2※」の先径が1.7mmなので、マルチピースとなるゾディアスパックロッドは独自の設計のようです。
継本数が多くなる分だけバット側の径が太くなる事、継ぎ目に対する曲がり具合などを、細かく調整した結果なのかもしれませんね。
(※ゾディアスパックロッドの機種名は北米市場方式で、国内版として発売されている1ピースや2ピースモデルと異なる書式です)
先径が細いものの、ティップまでしっかりとハイパワーXで補強された S70M-5 は、かなり張りのある穂先に仕上がっています。
ロッド全体のテーパーはレギュラーファーストで曲がりつつも、穂先からベリーまで鋭い立ち上がりで、曲がってからの反発力・復元力も強い印象。
こうした特性から、フッキングパワーは非常に鋭く、太軸のオフセットフックでもガッチリとバスの顎を貫けました。
特に S70M-5 は、他のゾディアスパックロッドと比較してもキンキンとハリを感じるブランクス。短いストロークでも掛け調子にフッキングが決まりやすいイメージです。
魚とのファイト
魚とのファイトは、ゾディアスパックロッド S70M-5 の魅力がMAXに引き出されるシーン!!
S70M-5はやや強めなスピニングモデルで、比較的ハリがある事もあって、最初は少し硬めなロッドという印象を持っていました。
ですが、実際に魚を掛けてみるとその印象は一変!レギュラーファーストテーパーのロッドは素直に良く曲がり、パワーと粘りを感じる安定したファイトが可能でした。
またバットパワーが強めで、曲がり込む穂先をしっかりと支えてくれます。
曲がり込む穂先もブレる感覚が少なく、竿全体がキレイに弧を描きつつも、魚に主導権を与えない印象。他のパックロッドやゾディアスの異なる機種と比較しても、魚を釣り上げる瞬間がかなり楽しいロッドだと感じました。
シマノのサポートプロの解説やインプレでも、継ぎの多いマルチピースはバット側の径が太くなると紹介されています。その為、ゾディアスパックロッドは、1ピースや2ピースモデルの同番手と比べ、バットパワーが強くなる傾向。自分の感覚では、従来のMパワーより+0.5程強いバットだと感じました。
マルチピースのロッドは、1つずつの節・セクションが短くなるので、太く強いバットがガチガチになる事も。しかし S70M-5 は、強めのバットパワーでありつつ、曲がり込んでからもグッと粘り、しっかりと弧を描いてくれます。
ロッドがバットまでしっかりと粘り、それでいて各ピースに破損などの不安を覚える要素も感じられませんでした。
中弾性的なゾディアスの特性は、ピースが増えるパックロッドでも、丈夫でクセが少ない作りに向いているのかもしれませんね。
操作性、感度
「ゾディアスパックロッド S70M-5」の操作性や感度について紹介します。
操作性
ゾディアスパックロッドS70M-5は、フィネススピニングよりパワーが強い事を除けば、意外と普通な操作感。ダウンショットやネコリグ、スモラバやジグヘッドなど、穂先でシャープに操作して、微妙なアタリを鋭くアワセる事が可能です。
スモラバやダウンショットなら3.5g以上、できれば5g以上が快適。ネコリグなら4インチ以上、できれば5インチ以上のサイズが扱いやすいですね。
超軽量フィネスに向かない反面、4~5インチクラスの高比重スティックベイトによるミドストなどでも、余力を感じさせる力強さ・パワーがあります。
S70M-5 はレギュラーファーストテーパーですが、穂先までハリがあり、曲がってからの復元力・反発力も高め。その為、7g以下のライトリグ操作においては、穂先だけで誘うような使い方でも、ダルさを感じる事はありませんでした。
10~14gシンカーでのワーミングだと流石に穂先がベリーまで曲がり込むのですが、リーリングでの操作が主体となるチニング等のソルトでは、むしろこの方が使いやすい印象。ロッドの長さとテーパー、ブランクスのハリが絶妙なバランスで、S70M-5はゾディアスの中でも特別仕様なのではないか...と憶測してしまう位です。
ロッドワークを使ったプラグのアクションも、バスロッドらしいシャープな操作感。7g程度のものであれば穂先でチョコチョコと、14gあたりのプラグならベリーまでビシビシと曲げて、反発力を活かしたロッド操作が可能です。
感度
適合ルアーを使用する限り、ゾディアスパックロッド S70M-5 の感度は実用に十分な伝達性能。LやULのスピニングで扱うような超軽量リグは若干厳しいですが、3.5gを超えて、5g以上のシンカーを使った底物などでは、ボトムの様子や微妙なアタリも敏感にキャッチする事ができました。
ハイエンドなバスロッドと比べると1段階フィルターがかかったような感度伝達ですが、価格帯のグレードとしては上出来なパフォーマンスだと思います。
スタンダードなロッドの場合、コスト面や採用素材に制約がある為か、ロングロッドになる程、感度が抑えめになる印象がありました。
しかし S70M-5 は、そういったネガティブな要素を感じさせない伝達性能だと思います。
実際 S70M-5 は、他のゾディアスパックロッドと比較してもカーボン含有率が高く、比較的キンキンな印象。各ピースのセクションを触ってみると金属質な印象で、贅肉をそぎ落としたシャープな仕上がりになっていると感じました。
グリップが軽量かつ短め、7フィートというロングレングス、加えてガイド径が大きなスピニングモデルにおいて、ギリギリまで攻めた設計でバランスをキープしているのではないでしょうか。
とにかく S70M-5 は、カーボンモノコックグリップを採用している事もあり、少し強めのバス用スピニングとして十二分な感度性能です。
ハイエンドモデルのように繊細な感度情報が的確に伝わる訳ではありませんが、鉄板系ルアーを高速でリトリーブするようなソルト用途でも手元がうるさくなりすぎないので、むしろ他魚種を含めて汎用的に使いやすいと言えますね。
無駄を省いたキンキンな仕上がりに感じつつ、実際に使ってみるとゾディアスらしい中弾性的な特性もしっかりと受け継いでいて、必要な感度と使いやすさのバランスが絶妙なイメージです。
まとめ
「ゾディアスパックロッド S70M-5」は、7フィートのMパワーというやや強めなスピニングロッド。バスだけでなく、クロダイやキビレを狙うチニングやシーバスにも使える懐の深さが魅力ですね。
とは言え、ソルトでの使用を視野に入れた何でもアリなロッドではなく、用途に特化した生粋のバス用ロッド。ライト寄りなリグやルアーを遠投できる長さと、ビッグバスに対応するパワーを追及した結果、ソルトシーンにも対応できる余力を兼ね備えたイメージです。
バス用途では、5~7gといったやや大きめのライトリグや高比重スティックベイトを遠投し、規模の大きなフィールドをロングディスタンスで攻略するのに最適。ロングキャストしたリグを操作しやすく、遠方でのバイトも力強いフッキングが可能です。
また、近距離や中距離のパワーフィネス用途としても十分な操作性とパワーを発揮。多彩なフィールドを多角的なアプローチで攻略してくれます。
その上で、チヌやシーバスをターゲットとしたソルトゲームにも対応しつつ、手軽に持ち運べる仕舞寸法47.1cmというコンパクトサイズは、今までと異なる様々な釣りのスタイルで活躍してくれるロッドと言えますね。
出張などで遠出した際、ちょっとした時間の合間にまだ未体験だったメジャーフィールドに挑戦する、少し暇ができた時に近所の海辺で釣りをしてみる...など。バツグンの携帯性と高い汎用性を持つ S70M-5 ならではのフィッシングライフが広がります。
手軽に様々なフィールドでバス釣りをしてみたい方や、バス釣りの合間にソルトゲームに挑戦してみたい方に最適ではないでしょうか。
パワーフィネスやライトリグの遠投で大規模フィールドを攻略したい方にも検討の価値アリです。
ただ、シーバスやチニング用として考えた場合、専用ロッド程の特化性能はありません。
バスや他魚種を含め、魚種を問わないスタイルなら、ワールドシャウラやスコーピオンといったフリースタイルロッドの方がトータルで快適な面もあります。
対する「ゾディアスパックロッドS70M-5」は、純粋なバス用ロッドとしての操作性・使用感のまま、バスは勿論、シーバスやクロダイ(チヌ)にも対応可能。バスフィッシングの技術やテクニックの延長上として、他魚種も楽しめる事がメリットと言えます。
S70M-5 は、携帯に便利なパックロッドを1本手にしてみたい人にもおすすめ。その1本からグンと釣りの世界が広がる可能性を秘めています!
ゾディアスパックロッド S70M-5 に合うリール
ゾディアスパック S70M-5 に合わせるリールは、「シマノ ヴァンフォード」が有力候補。価格帯のグレードが近く、黒ベースに赤の差し色が入ったデザインがベストマッチします。
見た目だけではなく、従来はステラやヴァンキッシュといったハイエンドモデルだけに採用されていた「ロングストロークスプール」を搭載し、スピニングリールの飛距離向上に貢献。リール本体も軽量(2500Sで自重175g)で、ローター部分がハイエンドモデルと同等品を使っている事からも、長い間快適なパフォーマンスで釣りを楽しめる性能です。
バスフィッシング用途であれば、最もバーサタイルな「ヴァンフォード 2500S」がおすすめ。バス釣りに加え、チニング等のライトソルトまで視野に入れるのであればハイギアモデル「ヴァンフォード 2500SHG」もいいですね。
また、シーバスまで対応する汎用性を求めるなら、若干重量が増えます(自重200g)が、「ヴァンフォード 3000MHG」も選択肢に。
4000番台の大型ボディに小型スプールを搭載したシーバススペシャルモデルで、巻き上げパワーの強さと、PE1.2号を150m巻けるラインキャパが魅力です。
さらに ヴァンフォード 3000MHG は、2500Sとスプールの互換性があるので、繊細なバス用途でのラインキャパと使い分ける事が可能。汎用性とパワーが魅力のリールです。
ゾディアスパックロッド S70M-5 | おすすめライン
ゾディアスパック S70M-5 におすすめのラインを紹介。バスだけではなく、クロダイ(チヌ)やシーバスにも対応する幅広いロッドなので、多彩なラインセッティングが可能です。
フロロカーボンライン
S70M-5はやや強めのスピニングロッドなので、5~6lbあたりのフロロカーボンラインがおすすめ。ライトリグ操作に長けたフロロカーボンで繊細なアプローチが可能です。
ナイロンライン
S70M-5は、レギュラークラスのルアー全般を扱えるパワーがあります。
スピナーベイトやクランクベイト、テキサスリグやトップウォーターなど、ベイトタックルで使うようなバスフィッシング定番のルアーも十分対応可能。スピニングは、ベイトリールに比べてバックラッシュなどのトラブルが少なく、入門者でも扱いやすい点がメリットですね。
リールの巻き上げパワーも強いので、スピニングによる巻物がアドバンテージになる事も。
こうした用途では、8~12lbあたりのナイロンラインがおすすめ。通常、バス用のスピニングタックルでは太めのラインを扱い難いのですが、しなやかなナイロンラインであれば比較的快適に使用できます。
※適合ライン以上の負荷がかかると、ロッドが破損する危険性があります。太めのライン使用はあくまでも自己責任で、ドラグ調整など適切に行ってください。
PEライン
Kガイドを搭載する S70M-5 は、PEラインによるセッティングも可能です。
おすすめのPEラインは、「シマノ ピットブル G5」。通常のPEラインに比べて比重が高く、バス用途でも扱いやすい製品です。派手なカラーが多いPEラインですが、ピットブルG5には目立ちにくいスティールグレーがラインナップされている点も魅力。
自分的には、バス用のライトな釣りであれば、0.6~0.8号のPEに、1.5~2号あたりのリーダーを組み合わせて使用します。
チニングまで視野に入れつつ、バスにも流用するなら、0.8号のPEに2~3号のリーダーがいいですね。この組み合わせなら、オープンなフィールドでのシーバス狙いにもある程度対応可能。がっつりシーバス狙いであれば、1.2号のPEラインに2.5~3号のリーダーをチョイスします。
バス釣りでのパワーフィネスなら、1.5~2号のPEに、3.5~4号あたりのリーダーがおすすめ。
※適合ライン以上の負荷がかかると、ロッドが破損する危険性があります。太めのライン使用はあくまでも自己責任で、ドラグ調整など適切に行ってください。
シーバスやチニング用のおすすめルアー
バス用途以外でのおすすめルアーを紹介します。
チニング用には、メガバスのポッパー「SWING HOT(水砲)」がおすすめ。スローリトリーブしながらのティップアクションで、絶妙なアクションを演出します。
シーバス用途にはメジャークラフトの「ジグパラ ブレード 」がいいですね。
ビーンズシンカーとストッパー、リングロッカーフックを使ったビフテキリグは、チニングのワーミングで定番。フリーリグの感覚で様々な魚種が狙えちゃいます。
その他のゾディアスパック、ロッドのラインナップ
ゾディアスのラインナップについては次の記事も参考にしてみてください。
その他のおすすめタックル、チニングやシーバスの入門記事などに興味をお持ちの方は、次の記事もご覧ください。